耳立てて雨音に目を凝らしなば曇り硝子の灰のいや増す
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帰宅して夕食前にごろ寝して 妻に起こされ晩酌始む
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住職に  スカウトされし 孫五才 似合うはずだね 線香の香り
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フルーツがミルクに恋するケミストリー化学反応時の経過で苦くなったり
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真っ白な花つけ街路彩る樹 ナンジャモンジャはゆかいな名前
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紅つつじ恐いくらいに花、花、花。今年の春はなんだか変だ
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早朝より夫と息子の口争い似すぎるキャラに笑いこらえる😅
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あさ庭で花を詰んでは受付に飾る図書館がある町に住む
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ねぎ坊主そら豆の花 菜園は 春の光に命のあふれ
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飽きないでまた物語を始めるか辛い描写と台詞設定
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影色をほのかに染める春雲は羽かろやかに風に舞う蝶
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からまった イヤホン解(ほど)く もどかしさ 本音を訊くのも 難儀なことぞ
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もう少し縮めてみようか、オカカフェの隣の席は初デートらし
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歯医者では見たくないのに延々と知りたくもない事件のニュース
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風もなくまっすぐに降る雨に濡れ葉桜の色しっとり染まり
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世の人の知れることなく曙のひとつの星の天使の通過
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何見てる?身をかがめては首傾ぐ君の優しさ橙色に染まる
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チューリップ咲きし水辺に幼な子の弾む声などレンタルしたき/国営昭和記念公園にて
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吹きなびきひかり波打つ緑葉の風に乗せるは桜花の名残り
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山芽吹き新緑前のとりどりの淡きみどりを飾り置けたら
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アンディのお墓にスープのピラミッド ドンと乗っかる度胸なアート
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底を裂く尖る相棒ポシェットを縫って改良バージョンアップ
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ポケットに賢治の詩集お守りに深夜は道の真ん中歩く
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報道に 節度なければ パワハラで 数多あまたあるはず いわれなき傷
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「帰ったら『だれかきた』って言われた」と昭和の父の乾いた笑い
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キッチンと言えぬ広さにグツグツと焦がさぬようにクリームシチュー
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なんとなく自分離れる感覚は似たり寄ったりおそらくみんな
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またひとつ また消えてった 好きな場所  変わらぬものなど ないと知りつつも 
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また歌集出すの?!やめてよ!ねえあなた退職金が底尽きそうよ
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東京の双子パンダの帰りゆく「人寄せパンダ」と辞書に遺して  [題詠 東京]
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