違うだろ。恥ずかしいことを 全力で やり通せるのが 青春なんだろ。
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祖母に父母 叔父叔母いとこ 皆揃い 笑って過ごした あの夏いずこ
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箱庭にて。緻密模型は組み上がるともよくよく見れば砲臺の塔
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あの色も草木の名前も星の名も キミの名前も僕は知りたい
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何ごとも続けることが肝心といきが続いたやつがのたまう
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背が高く頭をぶつけること多き人生ながら今日も楽しい
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黒い窓 底の知れない暗闇に 静けさを見る 週末メトロ
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素数とは如何なる数か知らざりき密かに憧れたる其に泳ぐ
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時間差でねむるアルタイルとベガの夢の底でうずまく青い川
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紫陽花に空の青さと白とあり 一つの花に夏が見えた日
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本のなか 灯りのような 言葉たち 目線を上げると 宵闇にひとり
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海鳴りが耳まで届く堤防に微かに混ざるギターの音色
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暑すぎる 納得できず 変わらない 天気予報を 何回もみる
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じゃかじゃかと 鳴らす六弦 Eマイナー 我が家の末っ子 ギタリスト
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白みがかる空に押し出されるように空洞社会は今日も目覚める
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旧友のやけに元気な「また今度」だけが反響するY字路
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Tシャツに汁飛ばさぬよう慎重に麺口元へ箸の上げ下げ
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臨兵闘者皆陣烈在前って唱えて 冷水シャワー(古いプールなのでお湯が出ない)
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晴れ晴れと 澄み渡る空 眩しさよ 嬉しきものを 見つめていたい
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肌布団 お腹にきゅっと巻きつけて 仮眠するなり 歯医者いくまで
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夜半には風が強いと聞いてただ彼の足音を耳で見つめる
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カレンダー猛暑追いかけ七月に 雨も降らないああ半夏生
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スイカ食べママまだ赤いよ怒られる息子が食べると皮は真っ白
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友だちなら普通のことだと手を繋ぎ胸のうるささ気付かれないで
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当日は歌うふりだけしてなさいエーデルワイスは蕾のまま
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撫子のほとばしる色は可能性目を瞑らなきゃ手に余る赤
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耐え難し 暑さと湿度 比べたら くせ毛の私 湿度に弱い
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頬撫でる 柔らかな風 思いのせ どうか元気で 交わらぬとも
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「軍歌の響き」そんなにも愚かじゃないと思ってた。そうでもないか/半村良
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「優等生」 「発達障害」 「問題児」 センセイ方の勝手な言い草
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