パラパラと窓叩く 冷たき雨声うせひ聴き ホットミルクのぬくよる
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あの橋を渡ると貴女に会えるはず画面の景は新釧路川
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大根を載せし軽トラ通勤の車に紛れて信号待つや
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打算だね妥協をしてでも勝たなくちゃ結果を出さなきゃ潰されちゃうから
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多様性英語で言うとダイバーシティあなたあの人と共存できる?
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ナマケモノ スローロリスもスローなり スローの奥義を極めし勇者
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つぎつぎときみは幻影の鳥たちに色を塗っては彼方へ放つ
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疲れた〜と 湯船に潜り 笑みこぼす 呟く元気 まだあるじゃん!
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バラ色の人生送る友達は周りを傷つけながら微笑む
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また駅の自動運転ゆりかもめ運転士ゐるところに坐る
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巡らせたぼくらの想いが引かれ合いひとつになって生まれたこの星
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応募した覚えのないコンテスト 落選通知が2通届く
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動かずに片付けはじめるカタツムリ片目をつむって道を開いて
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散り残る木の葉いく つかカーテンに影を落として揺れるこの夜
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駆け抜ける「車がバック?もうダメだ!」止まれぬ足の勢ギリで交わして
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もうどこで何をしてるか知らないがあの観覧車に乗ってたりするかな
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店頭に並ぶ100円商品で四季の移ろい感じる近年
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しばらくは此処に留まり音を切る繋がらぬ事選ぶ自由を
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秒針も分針もなく夜は行く 起きてまどろみ尿意に気付く / 昨晩思いつきました(笑)
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元素とか方程式は要らんからただ短歌だけ学びたかった
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遠い地に 引っ越しをする 友からの また会おうラインに うん!!って返した
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霜降そうこうに息吐き出して役目果つ引き出し奥の除湿剤
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薄暗く名もない山のいただきに登った朝陽が雲海てらす
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何気なく腹肉掴みその厚さにたまげるやら憎らしいやら
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スタッフに高市早苗と同齢と指摘された氷室京介
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吹けなくて風にはなれず熱っぽい身体で自転車走らせる夜
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ドゥルルル地響き立てるコンバイン 雀の眼には籾殻の山
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僕からはみんなの方が浮いている 海の底から空を見ていて
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愛情と嫌悪でできた自己の音を止める一句と心中したい
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ただ「生きる」その一言が難しく段差越えても迫りくる壁
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