ギュッと抱き 猫はチラリと 迷惑顔 ストーブの誘惑 じーっと我慢
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受話器越し 短歌を詠んでいる キミの聲 この瞬間も 短歌のなかに
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ひくなみに のせる言の葉 ゆれこゆる つたうみぎわの ゆるく磯の香
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言ったってもう何年も会ってないし 言い訳しつつ箸渡しの骨
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殴り飛ばし蹴り飛ばす妄想を噛み締めて耐える満員電車 
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怪物はナイフを握り葛藤す 檻の中なら人間ヒトでいられる?
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粉雪になれたら貴方へ降るからさ、払ってくれるだけでいいから
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あまりにも遠い昔に死んだのだ今の私はそれではなあに?
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言わないで 「忘れて」なんて 簡単に 貰った愛は ほんとうだから
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添い寝する 猫のぬくもり 感じつつ 厳しい冬も 悪くはないね
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久々に家の電話にかかるのは懐かしき人選挙期間で
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贅沢の限りを尽くす午前2時  明日の仕事を生き抜くために
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濯ぎてむ 雪に埋もる言霊を 夜明け前こそ君に捧げむ
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母の背を追ひ越し時ぞ誓ひけり 嵐の日こそ傘をさすらめ
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知らぬ間に 刻みを止めた 腕時計 二年遅れて 彼女の元へ
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足るを知る 削ぎ落とすのも 心地よき でも無駄という 余白もいと
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夏ならば二日で漬かるぬか漬けも 寒中ならば四日を要す
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題:「今朝の風景」  光る板  指でなぞりて  世と接ぎ  あさけの駅に  風ぞ立ちゐる 
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ふがいない自分まるっと愛せたら最強になるそんな気がする
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短歌うたで知る大雪の地のご苦労に寒いくらいで負けてごめんと
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冬の味覚 甘きおみかん 頬張りて 睦月もすゑかと 感慨深い
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彼の前で肩先震はす君からの  「二月の義理」の黒より苦し
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淡々と ドリッパーに湯を注ぐ 蒸れる 滴る 異国の香立つ
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殴ったり蹴ったり存在無視したり罵倒されても死なない本音
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肌色の 湯呑茶碗の底のおり 煎茶の香りが 瞼に触れる
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骨の浮く きみの背中に寄りかかり 心地よくなくて ちょっと離れる
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大寒波 ラジオ体操 今朝もゆく 変わらぬ友の 姿にエール!
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闘鶏の如き心は捨てがたし我は我なり彼は彼なり
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祭り也吾が屋根の上をすれすれに轟音立てて飛行機の飛ぶ
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いつからか 頭の中は 食べること でいっぱいだ 食いしんぼか年か
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