幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
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涙腺をティッシュで押さえ目薬がジワジワジワジワ 広がっていく
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花信風かしんふう  古葉ふるはを分かち  旅立ちの  新天地しんてんちへ向かう  いのちつな
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小学校 卒業式の 卒袴 十二の稚女が 着たる違和感
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大切にしてもらったね先生にいつかどこかでまた会いたいね
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ブッフェとは呼ばずバイキングというホテルで今夜家族と過ごす
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ガスコンロ電子レンジに洗濯機小さい順に壊れゆく頃
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かわいそうな かごめ見つめ 泣いていましたないてしました 3歳だった 妹の十八番
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「許せない!」その一言で俺達は数えきれない程の愚行を
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「弱音吐いちゃだめだよ」と言って祖父は小遣いをくれた。私は三十路。
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ウメジロー 枝から枝へ 蜜の味 梅の香こぼれ 春はすぐそこ
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ウェーブする 髪なびかせて 動画撮る はしゃぐ子ふたり 肌浅黒く
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雪明けの 白銀の矢射し 春薫る 独りまどろみ 呼べど答えず
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ペンデレツキ聴きて(音)楽の飽き足らぬ現代と名の付くもの熱く 
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雨の間に墓を参れば体冷え嗚呼ありがたき実家の炬燵よ
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「本当にあなたは良い子ね」と言う母 良い子に成りきる苦労を知ってる?
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旬の味 実家から届く 晩白柚バンペイユ 無心で果汁 啜るヴァンパイア
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積み重なった悔いの層一枚づつ剥がしてくれるのは 子の笑顔ありがとうのひとこと
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眠るのも怖くはないね、この蜜が悪夢を溶かすお薬ならば
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朝の卓 卵とパンと 珈琲と ラナンキュラスの花言葉を
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ひと気ない 公園一帯 包み込む 縦笛奏でる ミッキーマーチ
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どこまでも  消えない軌跡  しおり引く  スターテール  君に届くまで
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悠々と漂う月に魅了され かぐや姫にもヤキモチを焼く
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焼きすぎて 硬き餅(もちい)を 詫びながら 鶴屋茶房の ぜんざいを食む /鶴屋八幡餅付きぜんざい(鶴屋茶房)
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ドヤ顔で鬼のパンツと言うけれど ため息つかれたフニクリ・フニクラ
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連休が 明けた雨の朝 憂鬱を 一手に引き受け クリスマスローズ
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「子育てのやうなものだ」とAIに魂吹き込む哲学者をり
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すべて嘘 この世ははりぼて悲しいね そう言いながら今日も着飾る
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伸びる雲 夕日隠して 広がるは 十五の頃に 見た青い空
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道連れがなければ死ねない弱い僕を赦してください行きずりの人
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