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日溜まりの テラスに留まる つがい鳩 その後ろ影 光り射す
11
バス停で待つ人に少し
笑
(
え
)
み残し 駅まで歩く1.8キロ
11
あざやかに野を織り上げた新緑の風にはためくながれは静か
11
桜
(
はな
)
のときわずかに過ぎて
行
(
ゆ
)
く人は
木陰を選ぶ四月上旬
11
若き日に髪切りし街 花影に珈琲薫る『南方郵便機』
11
金縛り解くためもがく午前二時 やめて明日は朝から会議
11
見られること飽きたわけではないけれど「もうそろそろ」と
桜
(
はな
)
は散りゆく
11
夕暮れの自然の灯り背に受けて細身の桜我を魅了す
11
教室にきれいに並んだイス達に座るものがいない寂しさ
11
パン奪ひ合いパン散りパンの星屑と遊びて群れる鳩を笑えず 「詠み直しました」
11
初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
48
小松菜の種をパラパラ庭の隅ほんのささやか我の菜園
41
宅配で届いた空色ブラウスの清々しさが眩しい雨の日
29
子の部屋に大きく空いたこの穴はブラックホールここは宇宙だ
19
河川敷ダンスを終えた少女たちわれ過ぎるとき例の真顔に
14
猿沢の 池の畦(ほとり)の 暗がりに はつかに動く 鹿の角見し /春宵の奈良鹿
15
静々と淡いすみれの
染
(
そ
)
む雲のほのかにそよぐ春の曇り日
14
嘘みたいスルスルと飲むなめらかに飲み込む完全側臥位法/最後は水で
13
山肌を 染むる
帳
(
とばり
)
の 残照に 君の面影 重ね映さむ
10
不足なり 過剰なれど
エンドルフィン
(
のうないぶっしつ
)
精神を病み 国を
啄
(
ついば
)
む ※「エンドルフィン」=「脳内麻薬」
10
窓開けて雨の香りを胸いっぱい木々の吐く息彩<いろどり>そえる
10
届きたる 道着に袖を 通す君 かったい生地にも 気合いを入れて
10
つくつくし 土筆の胞子 かき集め 作る団子を 一つ賜れ /ねこ好き刀自御許
10
三月三十一日の夜を越え
自
(
おの
)
を殺さず辿り着いた
陽
(
ひ
)
10
風呂上がり ダビデのような ポーズをし 鏡の位置を なおしたりする
10
タイでんぷなしではご飯食べないと 子供のころに わがまま言った
10
伸ばしても伸ばしても私の指は 君に届くことなき夢から覚める
10
新たなるバイオテロをも匂わせる 各地で起きる桜の倒木
10
「殺人は数によって神聖化される」『殺人狂時代』だよまだ/チャップリン
10
叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
10
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