雪解風ゆきげかぜアルパカの毛に遮られ 芽吹ける草の揺れることなき
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君になら何でも話せる気でいたよ「おめでとう」だけどちょっと寂しい
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西域の 砂の嵐に 晒されて 滅びし 敦煌とんこう 莫高窟ばっこうくつ
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四温の温もり甘やかし 三寒の厳しさ身体刺すかな
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もう桜咲いてしまうよ咲くんだよ咲くんだよあなたがいなくても
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「寒いからあたたかくして寝るんだよ」その言葉に包まっておやすみ
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桜メール既読つかぬまま去年こぞの春  長きくうの胸にはなや咲くらん    
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いつになる戦争のないこの世界 対立報復 悲劇生むのみ
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雨風と散る花びらの悪戯か車のボディが花柄の様
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また一つサプリが増えたキッチンで、立ったまま飲む第三のビール。
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ストレスを 感じてすぐに 現れし 身体の不調 正直なり
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壁時計の電池が切れて三時間。ずっとこのまま十時ならいいのに。
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手術室でてきた彼は蒼白で 母の知らない人形ねむる
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弥生にて春は近しと心をば 遠く山にて輝く白銀の壁よ
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脳味噌が とろけるほどに 嬉しくて か行きかく行く ミモザ咲く道 /3月8日ミモザの日
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自炊の字すらも浮かばぬ三年目TKGなら作っているよ
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わがままと文句ばかりの宇宙人 ジャージ制服 ソファに投げる
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春疾風 枯れ葉も土も 吹き飛ばし 残る足跡 狸かな
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選択が 正しかろうと なかろうと 人生は続く そういうこと
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三月の粉雪かかるアスファルト ガトーショコラを食べたくなった
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寒の戻り帽子おさえる手も凍え飲みにいくんだ呑みにゆくのだ
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「かわいい」と言ってくれたのはあなただけ。「付き合えない」と言ったのもあなた。
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ゆふぐれの波打ち際にくづれゆくちいさな城のひとかけのゆめ
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非常勤なれど個室をあてがはれコーヒー片手に現役気分
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一夜にて大地を覆いて地を築き幾世いくよ幾歩いくほに減る土瀝青アスファルト
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書きかけの言葉の脇に茶も冷えていつよりここに我ありしかな
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ピッと鳴りかざして測る体温計デジタルは見ぬ熱も心も
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​先がけて 咲きゆく梅の ちりぬるを 地つちに臥すとも なおいとおしき
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昨日の夜、どこかに落とした錠剤を、掃除機が吸い込む音が響いた。
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ねこ母へ お悔やみ申し上げまする タヌ猫さんへ冥福あれと
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