いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
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残る日を数えて暮らすかの人もその人もまた 生きてきたひと
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木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
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「本当にあなたは良い子ね」と言う母 良い子に成りきる苦労を知ってる?
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旬の味 実家から届く 晩白柚バンペイユ 無心で果汁 啜るヴァンパイア
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積み重なった悔いの層一枚づつ剥がしてくれるのは 子の笑顔ありがとうのひとこと
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眠るのも怖くはないね、この蜜が悪夢を溶かすお薬ならば
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朝の卓 卵とパンと 珈琲と ラナンキュラスの花言葉を
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ひと気ない 公園一帯 包み込む 縦笛奏でる ミッキーマーチ
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どこまでも  消えない軌跡  しおり引く  スターテール  君に届くまで
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焼きすぎて 硬き餅(もちい)を 詫びながら 鶴屋茶房の ぜんざいを食む /鶴屋八幡餅付きぜんざい(鶴屋茶房)
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ベートーヴェンのソナタ流るる春の日にきっと僕らは目線合ひ
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ドヤ顔で鬼のパンツと言うけれど ため息つかれたフニクリ・フニクラ
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調査しに来た学者さんまた消えた人身御供の伝説の村
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願わくは浮世の慾を捨て去って草のいおりで世を過ごしたい
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連休が 明けた雨の朝 憂鬱を 一手に引き受け クリスマスローズ
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慌てずに指紋を消して血を拭いてあとは凶器とホトケの始末
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「子育てのやうなものだ」とAIに魂吹き込む哲学者をり
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気付いたら 雨が降って いたんだね 並んだサンダル 澄んだ息する
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すべて嘘 この世ははりぼて悲しいね そう言いながら今日も着飾る
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伸びる雲 夕日隠して 広がるは 十五の頃に 見た青い空
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一人では 立てぬ背骨を 寄せ合って 「自立」のふりする 群れの醜さ
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劇薬の ごとく広がる 憎しみは 甘い蜜より 早く脈打つ
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うつくしい言葉を紡ぐ指先に手に唇にこころは宿る
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手を振って振られて少し微笑んで性善説を知る遊園地
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おいしいとごはんをたくさん食べるとこ いちばん好きなきみの良いとこ
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それぞれの道が合わさり播磨灘三つに別れていずれ交わらん
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靴下が  所構わず  脱げてまう  ちっちゃい足の  由々しき問題
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凍てつきて 碧く透くや  清流の 君旅立ちて 我春を待つ
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道端に侍たちの夢のあと大谷ペットボトルを拾う
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