職場去る 難病やまい得りたる 先輩は 足挽くる春 涙零したり
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久々に会った知人が離婚したことを知る結婚式の卓
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淡空にそよぐ葉色は水綾のほのかに吹かれゆらめくひかり
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連日の行軍のせい痛む脚ゆっくりでいいただ止まらずに
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創作は諸悪の溜まり場と化して 現実のほうがまだ福に会う
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友達はできたのかしら 虹の袂で  いまも私は きみに会いたい
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濡れ窓に片手かざして知っているあなたが天使であることを
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海峡を白波砕き連絡船みるみる迫り揺れる波止場に
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歳をとり生きているほど難解なこの世の摂理を教えてください
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何処までも冷えの増す身に脅されて季節を戻す卯月の二十日
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あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を 独りかも(鴨)食ふ /パロディ短歌選集
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サクサクと スマホ扱う ちいさな手 何もそんなに 生き急がなくても
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時移り 「SNS」が 跋扈ばっこする 人の不幸は 蜜となりけり
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三十詩看板は「いいね30」越えてたら毎週抽選ハッピー提案 (☆Utakata 管理者様へ)
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前髪さえ切ればなんとかなるのよと鏡に向かい鋏振るう夜
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曇天に燃ゆるツツジの陽だまりが蜜の香りを風に運ばせ
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葉桜の下のベンチで本を読み 冷たくなったらおうちへかえる
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「ホーホー」「ケキョ、ケキョ」「ホーホケキョ」成長みせる美しき声
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人間に 裏の顔など 有りはせず 表の顔は 裏の顔なり
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お出掛けは 年に一度の 里帰り 羽根が生えたよ 半世紀前
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二十四度にじふよどの最高気温に岩木山の雪形ちぢみ初夏モードなり
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母親のポツリとこぼす言の葉が察するにあまる朝方の窓
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花咲けば手折るひとあり枯るるとも水やるひとの傍らにいて
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過ぎた恋 取れたと思った かさぶたが そぼふる雨に しくしく痒い
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キャンバスに赤が弾んでほとばしる 心室みたいなきみのアトリエ
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大ぶりのタケノコの皮ムキ取るとマッチョではなくかぐや姫様
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添え菜に生姜と茗荷の酢漬け出て 春も区切りと鼻で感じつ
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そら豆にえんどう豆に枝豆と 露地もの茹でる季節を迎へ
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春の田を染めるレンゲや咲き残る菜の花ゆかし風に戦ぎて
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ガラス越し春の日うららどんぶり雲呑ワンタンたちもうららと泳ぐ
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