クレームを言わない親が割を食う春の嵐が吹くクラス替え
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口語歌と 文語の歌と 一目見て 「位相語」の如く 違う語彙の差
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マンションの三階までも階段を登った花びら廊下に散らばる
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制服着て大人の気分背伸びして校門潜り吹く風光る
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富士白き春まだ半ばの甲斐路往く ともがら笑みて山桜かな
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空き地には 虫も見かけぬ ご時世に 雀は知ってる その居場所
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初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
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菜の花は今茹で上がり厨には蒼き香りと春が拡がる
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生きてゆくわたくしだけの役割を果たす私はわたくしらしく
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つくつくし 土筆の胞子 かき集め 作る団子を 一つ賜れ /ねこ好き刀自御許
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三月三十一日の夜を越えおのを殺さず辿り着いた
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風呂上がり ダビデのような ポーズをし 鏡の位置を なおしたりする
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タイでんぷなしではご飯食べないと 子供のころに わがまま言った
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伸ばしても伸ばしても私の指は 君に届くことなき夢から覚める
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新たなるバイオテロをも匂わせる 各地で起きる桜の倒木
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「殺人は数によって神聖化される」『殺人狂時代』だよまだ/チャップリン
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叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
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空青くはなみたり三日ぶりに街が目覚めたような朝
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笑みながら刺す薔薇や知る女々しくもなれぬ女のさだめてふもの
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訪れし かの要塞ゆ 四五キロの フジャイラ港に 上がる爆煙 /3月14日イランドローン攻撃
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本気だと嘘の顔して告げる日よ 逃げ道となる四月一日
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甘きもの心欲するままに食み翌朝の面凹面鏡か
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つまらない すべての膿を癒すのは フリーレンの むふーくらいだ
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AIへの依存を避けて距離を置く 友達ひとりなくした気分
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通知表にコメント書かず新学期裁縫セットに名前はつける
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胸の中、レースのように重なった思いがいつか真珠をつくる
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我としては月一のぜいたくとして  かつやのカツ丼梅をひとつ
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真っ黒な生に戦慄く海の色死の優しさの青に変わって
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漂白された街を駆け抜けるくろしおよ 海もみかんも見飽きただろうか
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新品の食器洗いのスポンジや新規案件早よ馴染まんか
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