帰り道 積もる落ち葉は 秋の雪
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わたしには 必要ないと 切り捨てて すぐまた拾う 同じ様なヤツ
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三叉路は右に進むと決めているどうせ後悔しかしないから
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水底の凪に永遠とわ見て君の身のうつれば動く引き金の指
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汝が胸に這わす黒髪密やかに 磔刑の蝶 蜘蛛嗤う夜
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しんしんと しんしんしんと しんしんと しんしんしんと しんしんとゆき
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息をする事 決して簡単ではない 気持ちを紡ぐことは 努力である
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悴んだ 指の付け根が 真っ赤っ赤 レンガ作りの あのお家みたい
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週一度だけ会う君に持っていた薄い責任感よおさらば(合格おめでとう)
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キャラメリゼ 眉毛の太い二重菓子 光の反射でウインクしてる
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108日まで」という改札表示が私を刺す 昼下がりの中央特快
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明日が今日になっちゃうよと急かしてくる君
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死にかけて 話のネタが ひとつ増え べッドの上で 構成を練る
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誕生日 二十歳を過ぎたあたりから祝いの返事ややスカしがち。
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こっそりと「セルフレジさん」と言ってる 機械も泣きたい時があるはず
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神様が夜の地球をみたくなりこっそり開けた穴が星なの
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寝入りばなのゆさゆさ揺るる十秒余。「じしんです」とふアラーム響く
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甥からのフランス土産チョコレイト絵柄エッフェル包みし甘さ
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「青森県東方沖」に沈み込むプレートの歪の臨界を恐る
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僕だけが損をしてると思う日よ今日はあそこの餃子を食おう
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疲れてるのに眠れない 路地を行く人のくしゃみが聞こえる凍夜
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半日で解けきる雪のふがいなさ 役員会の行きつ戻りつ
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七十九歳しちじふくのMRIを「完全に正常だ」と言ふホワイトハウス
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地に眠る白き裸体を温めて 蕩けるこの身 どうぞ召しませ
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名前しか知らない国から来た洗剤 指先についた青が眩しい
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夢の中 握るハンドルああ今日も ブレーキ利かない いつもこうなの
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いやらしい音で叫んでバイクが通ったよ夜更かしをしてみたはじめての日
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ヒッピーが バイクに乗って らりってた そんな時代が 懐かしいもの
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「日清の焼きそばインドの味がする」「インド味って?」「スパイスの味」
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あなたがくれたぷくぷくのシール貼るメトロノームで心音数える
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