都会まちの風 受けて揺らめく 花の色 ビルの合間に 春を繋ぎて
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立ちつくし 目線を落とす ゴム草履 虚無僧にあらず 我コミュ障なり
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見てくれし 人の歌見る 礼節は 板東真理子の 『女性の品格』
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アボカドに 騙し討ちされ 激凹み 色艶質感 イイカンジやったのに
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うしろ髪 しなやかに揺れ 残り香の 匂い爽やか まぼろし消ゆる
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水仙は白と緑でできている「仕事やめて」と言われた昨日
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ぼけ林檎 檸檬と砂糖で煮て旨し 外れアボカドさて如何にせむ
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スワンと人の多さに驚きながら不忍池の桜満開
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あご髭に白さもまざる海老蔵似友はとほくにありて輝く
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片想いやっとLINEにつながるもあなたとの距離まだまだ遠い
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うしろ髪 しなやかに揺れ 艶めきて  後ろ影去るや 春の影朧
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次の期の受注が見えぬ年度末トマトのパスタひたすらに喰う
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幾多もの宴が消えたこの夜を嘲笑うよううなる雨風あめかぜ
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母と聴く 父の残したCDと 大人になった弟の声
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書き損じの履歴書たたみ 鍋敷に 正座して、いざ キムチチゲなり。
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結局は内干しうちぼしとなり予報にはウソはなかったと安堵する妻
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狂気とかではないけど切りたくなる 心ととのうキャベツの千切り
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丁重に エレベーターまで 送らるる 小株主の おほけなさかな /2026年3月30日株主総会
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ライラック花屋に届けてもらったと喜ぶ父の声が弾んで
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どうしてかどうしてでしょう王子様(芙) / 花の宴(えん)にもお姿のなく(虎杖麿付句)
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山肌を 染むるとばりの 残照に 君の面影 重ね映さむ
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窓開けて雨の香りを胸いっぱい木々の吐く息彩<いろどり>そえる
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届きたる 道着に袖を 通す君 かったい生地にも 気合いを入れて
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三月三十一日の夜を越えおのを殺さず辿り着いた
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風呂上がり ダビデのような ポーズをし 鏡の位置を なおしたりする
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期待せぬときに雨は降るものと 納得をしてはなは散りゆく
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新たなるバイオテロをも匂わせる 各地で起きる桜の倒木
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「殺人は数によって神聖化される」『殺人狂時代』だよまだ/チャップリン
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叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
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本気だと嘘の顔して告げる日よ 逃げ道となる四月一日
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