年末の慌ただしさを乗り切って明日はゆっくり昼まで寝よう
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聞こえればほっとしているふすまから母のいびきが延び緩やかに
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通院で疲れる理由わけを語らえば待ち時間だとお互い思う
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昨日まで ムクドリ賑わふ柿の木も 綿雪被りて夕暮寂し 
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無為むいのまま 降りつづく雪 こうなれば 有為ういであろうか 飛ばない飛行機
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ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
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負荷調整効かぬ厳しさ挑戦しその手強さに苦笑徐々にね
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冬至まへの夜の明けきらぬ厨から汁のかをりと菜をきざむ音
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ははかたの祖父は学徒動員でちちかたの祖父出征の時代とき
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うつし世の聖誕祭に兵は今宵君だけを守らんと
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風そよぎ景色ぐるりと独り占め無量の歓喜誰も奪えぬ
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バッカスも一応酒が入ってるあと三、四日一応控える
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聞く話す笑うそれだけのこと それだけのことで繋がる日々
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完璧じゃ ないことを知る だからまた あなたのことを 好きになる
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私だけ死なぬわけには参りませんその日来るのをお待ちしてます
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かたちなど なきものながら光差す ただそれだけで よいと思えり
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宵の空 月や星が輝けど 私の心の雨は止まじて
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新聞に キミの短歌が 載っている ボクと別れた ホントの気持ち
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年の瀬にふと思い立ちOSのバージョンアップで心機一転
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真夜中に ギャン泣きしてる 赤ちゃんが ピタと静かに 不安がよぎる
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木漏れ日にあなたを想う昼下がりそんな返歌を妄想してる
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ひたすらに歩き続ける なぜだろう新品の靴ばかり目に入る
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うれしくもはずかしくもあり今月のキンドル印税23円
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朝の雨ところどころに濡れ残り空の光を映すこの朝
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歌詞カード「あなた」をなぞり思い出す 「あなた」は永久にあの頃のまま
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途中から 年齢よりも 若いって 言われる方が 嬉しくなった
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目を閉じて  今日を据え置き  夢心地  まぶたに浮かぶ  明日の面影 
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水面に触れてはすぐに飛翔せよ雄々しく永遠とわにひとりぼっちで
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たのしみは『独楽吟』の五十二首をAIとともによみとく時々
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満月と 太陽のは 違うけど どちらも良くて 美しいなと
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