言の葉は霞の向かふに隠るとも 同じ夕映ゆふばえ心に留めむ
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たづねきて胸に芽吹きし一枝ひとえだを 春の夕焼ゆふやけ そっと染めゆく
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キュウと鳴る靴を追いかけイオンタウン逃げる子供にゃ鈴をつけにゃあ
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通知表にコメント書かず新学期裁縫セットに名前はつける
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雨のなか気にも留めずにビール飲む テレビの向こうの野球観戦
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雨降りの予報に散歩躊躇いて出かけず終い休肝日とす
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学び舎に 桜踏み分け 行く児等こらの 背を見る時ぞ いとほしきかな
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顔恐し夜の静寂<しじま>に咲く桜昼間の笑顔まぼろしのよう
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飾りなどひとつも置いてないけれど 整頓してるデザインしてる
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明け方に キミの残した オリーブを 手掴みで食べる 気づかれぬよう
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親たちの思い問わずに連日の 小5の報道あれやこれやと
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新しい 命継ぐべく 旅にづ 降り立つ土地は 風に任せて
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切れ目なく言葉を紡ぐすべもなくうわごとだけを並べては泣く
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脱いで入れまた脱いで入れ素裸になって洗濯する心地よさ
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吹く風の 冷ややかなるを 取り込みて 花散りしかば 春と思えず
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返納の妻には妻の人生が 私は送る 私は歩く
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奥山の菅の根しのぎ降る雪のぬる春にも君のあらなく
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様々な 事のひとつが 落ち着けば 安堵も束の間 また案じ事
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等持院いっしょに降りた花びらは きっと宇多野からの乗車だね
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雨降りが憂鬱な日だとするならば私の身体は雨が降りそう
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夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
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殺人に使っちゃダメだ包丁は殺した後の調理に使え
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折々に思いもよらぬ蹉跌来る世に萎縮する客人なるゆえ
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ムダなもん  削ぎ落として  佇まう  結局のところ  シンプルがええ
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新生活one styleを二人にてゴミ箱さえもひかり輝く
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ブロンソン脳裏に映るクラウディア風の平原スキャット渡る
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繋ぐ手のひらに書かれた「いつまでも」の消費期限を知らないふたり
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明日こそは花の便りを掴まえに南下してみる北国の春
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いまきみのラインがくる気配がした スマホを見る今日の幸せ
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花散らし 頬を撫でるあの風を 僕の手中に収めたくなり
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