片想いやっとLINEにつながるもあなたとの距離まだまだ遠い
10
うしろ髪 しなやかに揺れ 艶めきて  後ろ影去るや 春の影朧
10
次の期の受注が見えぬ年度末トマトのパスタひたすらに喰う
10
幾多もの宴が消えたこの夜を嘲笑うよううなる雨風あめかぜ
10
母と聴く 父の残したCDと 大人になった弟の声
10
書き損じの履歴書たたみ 鍋敷に 正座して、いざ キムチチゲなり。
10
結局は内干しうちぼしとなり予報にはウソはなかったと安堵する妻
10
狂気とかではないけど切りたくなる 心ととのうキャベツの千切り
10
丁重に エレベーターまで 送らるる 小株主の おほけなさかな /2026年3月30日株主総会
10
恣意的な小さな神の乱心でちはやぶる 神代も知らず 竜田川 からくれなゐに水くくるとは 17/100 在原業平朝臣
10
ライラック花屋に届けてもらったと喜ぶ父の声が弾んで
10
山肌を 染むるとばりの 残照に 君の面影 重ね映さむ
10
不足なり 過剰なれど エンドルフィンのうないぶっしつ 精神を病み 国をついばむ ※「エンドルフィン」=「脳内麻薬」
10
窓開けて雨の香りを胸いっぱい木々の吐く息彩<いろどり>そえる
10
届きたる 道着に袖を 通す君 かったい生地にも 気合いを入れて
10
つくつくし 土筆の胞子 かき集め 作る団子を 一つ賜れ /ねこ好き刀自御許
10
三月三十一日の夜を越えおのを殺さず辿り着いた
10
風呂上がり ダビデのような ポーズをし 鏡の位置を なおしたりする
10
タイでんぷなしではご飯食べないと 子供のころに わがまま言った
10
伸ばしても伸ばしても私の指は 君に届くことなき夢から覚める
10
新たなるバイオテロをも匂わせる 各地で起きる桜の倒木
10
「殺人は数によって神聖化される」『殺人狂時代』だよまだ/チャップリン
10
叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
10
空青くはなみたり三日ぶりに街が目覚めたような朝
10
訪れし かの要塞ゆ 四五キロの フジャイラ港に 上がる爆煙 /3月14日イランドローン攻撃
10
本気だと嘘の顔して告げる日よ 逃げ道となる四月一日
10
怒り棄て 人になろうと抗うも 夢出て煽る 君へのさつい
10
AIへの依存を避けて距離を置く 友達ひとりなくした気分
10
通知表にコメント書かず新学期裁縫セットに名前はつける
10
胸の中、レースのように重なった思いがいつか真珠をつくる
10