ゆらゆらと湯面を揺らす時の波宅配便は置き配にして
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融けきらぬ雪でダルマを作ったりぶつけてはしゃぐ下校の子たち
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ただ君に好きの二文字が言えなくて塞ぐ心の隙にまた好き
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凍りつく花に日光煌めいて 極寒ゆえの美しさ知る
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レコードの音がだんだんデカくなる聞きたくないこと多すぎるから
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今日もまた やさしい人の朗らかな挨拶だけで生き延びていた
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生涯ではじめて君との約束を小指じゃなくて薬指でする
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目覚めれば 久々の雨音 本物の春来る前に こんな朝も良し
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「体験と経験の差は観察よ」ナイチンゲールの実地の叡智
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予備校の壁に掛かった絵みたいにごくありふれた暇な一日
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ねぇ君 朝からそんなに 走りまわらず  ストーブのまえ まったりしようよ (愛猫へ)
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枯渇の木々 雨の雫染みわたり 眠りし冬芽 春へといざなう
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日和よしやってみなはれ背にかかるやさしいはずの春の雨
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濡れるの嫌 毛嫌いせずに 受け止めよう 恵みの雨を 落ち着く空を
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思春期と言う言葉でみな片付ける、そんな大人になりたくないな
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冬芽のごと 静かにじーっと待っていた 心が急に動き出す春
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静寂を 微かに破る 針の音(ね)に 幼き頃の 学び舎を想ふ
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しづみゆく世界の底でつれづれに思ふあした笑む花の色など
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カカオレス チョコ風ではなく これもチョコ 私はいったい どこまでが私
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悪態の限りを重ねいま死んだとってもうまい林檎の毒だ/折句
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「カッコいい」 「ボーイッシュ」とか 聞くけれど 君は「カワイイ」 これが似合うよ
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今はただ 寂しき枯野 やがて巡る 春が辺りを様変わりさせ
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愛嬌と臨機応変持ち得ても幸せだった保証は持てない 
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玻璃はりかこむ鉛はその美に沿ひてありおのが重さを知らぬがごとく
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掃除機をかけてないこと黙ってる旦那には黒は決して着せない
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頬当たる 冷たい風が うざったく マスクを着けて コロナ禍戻り
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僕だけが知ってる世界は僕だけが知らない世界と言えると気づく/老いた(オールド)らし
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丹田にカイロ貼っても痩せぬのは暴食気味の暮らしだからか
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午前3時 お腹の重みで目が覚める 君は爆睡 我は眠れず 
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火曜までみじんこだったふりをするうそもほうべん 千本桜/折句
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