春風と遊ぶわたあめつれもどす道中ぼくはきみに出会った
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窓の外視界を塞ぐ雪竦み景色復活もっと消えろよ
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陽だまりの集う談笑心なき刺さる言葉は氷の世界
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あたたかき空気がそっと身を包み振り子は元の平明に帰す
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当前と 思われながら 働く身 雪に埋もれる 都会の線路 / 大寒波
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雪害の あちらこちらの 滞留は わが脳内の 仕組みに似たり
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「全おなか」で受けるストーブ幸福がはちきれそうな猫という毛玉
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「ごめん、重い」でも嬉しいよ ストーブといびきを分け合うチョコ色の午後
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ゆるゆるとベッド抜け出す朝の五時カップに揺らぐ気怠い湯気よ
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凧の糸ぐんぐん伸びて百メートル 手に掴むごと正月の北風ならい
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翳刻み月のみちゆき愉しめば皺刻みゆく君の愛しき
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水の音 聞きつけピョンと 洗面台 君のは床に ちゃんとあるのに
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久々に家の電話にかかるのは懐かしき人選挙期間で
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あの人ね、不倫してたの。意外よねえ 下世話なあぶくクリームソーダ
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「死」より先、貴方の名前先に出る「死にたい」なんて打てなくなった
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折れ萎える毎にはっきり見えるから私の中の無碍の慈愛が
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しぐるるや 落花の情に 応えけり 冬椿らの 涙踏み行く
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ジョブホッパー 不器用ながらに正社員 飯と住所とそれから趣味きみ
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かわいいね まだ柔らかい足の甲きゅっと丸まる硬いつま先
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一目惚れ素直になれない浮かれ猫 距離置いている好かれるために
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残業で手当出た頃懐かしき自営は歩合もうひと頑張り
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あー懐かし 幼き息子と 雪の原 転げ回ったり 笑い転げたり
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今もなお長々ながながし夜に一人寝る仮庵かりほの上に雪はふりつつ
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値札だけ静かに替はり昨日とは重さの違ふ買ひ物籠や
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言うとおり動いていたらなじられず 自分のことだけ削り落とされ
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スタックし 困っていたら パッと気付き 助けてもらい 次は自分も
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玄関の明かりはつけて家を出た ただいまだけが響いてしまうので
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ソリになろういや雲になろうどこへでも貴方が連れていってくれるなら
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高まりにシーツを掴み 靴下はいつ脱ぐべきか考えている
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ブラックな会社は辞めれば済むもんなセルフブラックどうしようかな
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