洗脳と変節の果てこの廃墟私は未だ立ち尽くす者
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七月の大失速はブレーク時始まっていて貧打に泣いて
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夏の日に熱吸いきった冷えぴたが 冬になったら貼るカイロになる
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かりそめの  姿になると  出る本音  分かり合えるは  マレビトとして
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秒針が足早に去る夜の部屋 寝付けない日は置いてけぼりに
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来年も君が笑っていることを願って 「明日も大好きだよ!」
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てかてかのローファーで漕ぐ自転車をわたしは難破船
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災いに縛られた傷痛んでも 福思い出し次年に進め
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新年と出番を待っているケーキ冷蔵庫よりも寒い小部屋で
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「おふくろの味に似てきた」もしかして褒め言葉だと思ってますか
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年明けは 除夜の鐘鳴り テレビでは カウントダウン 年明けたなと
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あられなき百鬼夜行の面々のその眼はだけどちょっと淋し気
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「日常」と呼ばるるものは七変化マルチバースを八艘飛びに
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「離婚した」ショートケーキを食べながら昔みたいに君とおしゃべり
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こんなキャンプしてみたかったとはしゃぐ父 おでんとあったまったどぶろく
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幼き日親に年玉預けるを思い出してもどうにもできずに
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横山剣あんたはイイネ歌ってよ日陰に咲いた一輪の花
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ノックくらい しなよと言った 俺を見て ごめんと言って ひざに乗るキミ
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今年こそ身体を変えようとランニング 木枯応えて三日坊主
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高波が テトラで瑪瑙を砕くなか 膝と赤切れを痛めて帰る
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若き日は 研修として 消えた時間外  管理職となり ロストジェネレーション
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昔日に 上司に呼ばれ 消した時間外  孫は働きすぎと のたまうはいかん
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友情はこうも容易く折れるのか 乾き切ったよ冬の涙は
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引き算の美学は使えないからさ、山盛りの感情を喰らえ。
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受験生 三月までは ここ来るな ネットに耽った 元浪人生より 
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今となりゃ赤飯の豆食えるけど、変わらぬ特製塩のおむすび。
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年の瀬を正座で迎える目の前の推しの歌声胸に響けり
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風はらみ 指から離れて 弧を描く 紙飛行機よ 道標となれ
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蚊になりてゆらゆら君は僕の腕 染め合ふ血にも解けぬ魔法で (C3665C様へ・蚊の比喩に魔法をかけてみました)
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カラフルな初売りの街色失せてただ黙々と人歩くのみ
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