Utakata
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晶史
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「計画はたくさんあるの」と声聞こえガン病棟の談話室にて
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旅人に道教えつつひとときの寒さ忘れる半月の夜
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あの店もすっかり名前が知れ渡り恋人たちの語る場所無く
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車椅子押してる息子の多くいる総合病院眼科受付
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もう一度春琴抄を読み返す眼科手術の十日目の夜
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印象派絵画のように思い出は霧の向こうにベンチがひとつ
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散瞳のせいだけではないキラキラは術後検査の良好のため
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退院を告げられた日の夕食後自販機アイスを買いに行きます
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手術終え月はきれいにみえますか今年最後の満月の夜
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文庫本二冊とラジオを戦友にあさって受ける手術に臨む
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T君が半世紀前に
М
さんを誘った映画地上
波でみる
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鴨川のもみじの赤と清き水きょう手術日を決めてきました
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おかあさまに似たたたずまい還暦で店番をするあなたのすがた
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あの雲の上には確かに満月が若くて逝った君の居る場所
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初恋の手紙をもいちど出すようにガラスペンにはインクを少し
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この秋もひっそり萩が咲きました名曲喫茶は閉店しました
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日陰へと横切る猫もこの夏を耐えてるように足どり重し
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送り火が来年もまたともるころ生きてく道は見つかってますか
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合歓の花咲くときポンと音がする電車の中であなたが言った
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南方で兵隊さんが亡くなってエアコン温度すこおし上げる
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老夫婦なぐさめあったり笑ったり大学病院の待合受付
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暑いのは大っ嫌いなはずなのにろうじに流れる祇園ばやしが
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青空にギーコギーコとジャッキ鳴る長刀鉾が直角に立つ
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青春が制服を着て駆けてゆく下校時間の突然の雨
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道草を連日食ってた本屋さん今月末でお店を閉じます
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休み時間まで待てずに朝顔は日差しの下で葉のしおれたり
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アンシャーリーテレビアニメをみるたびにハネムーンから三十五年
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扇風機しまう頃にはまたひとつ体の具合が悪くなるよう
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尾道に行ってみたいと妻が言う 私に青き思い出のあり
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瞳孔を開きて網膜覗き見る心の奥を見透かすように
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