晶史
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投稿数
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かみさまの声が遠くにあるように 虫の音聴いて夏を越えます
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エアコンのスイッチとめて今日だけは 原爆で逝くたましい思う
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この街は北に行くほど上り坂 ペダルを踏んで礼拝に行く
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炎天下アスファルト行く蟻のごと あともう少し我慢して生き
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まぁちゃんにちょっと似ているミキがいて「暑中お見舞い申し上げます」
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涙溜めくちびる嚙んで診察を終えて園児はシールを握る
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合宿も期末試験もあらずして 祇園ばやしはときめかざりき
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ようやっと 本葉を出した夕顔の 横に三つ葉の元気なすがた
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辻々の二階囃子が議事録を溶かしてくれる会議の終わり
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夏空の飛行機雲のようだった あんなに早く逝ってしまって
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卒アルの白黒写真潜(ひそ)ませたフェイスブックのフォルダーの中
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片付けるときが来るまで元気でと祈りこめつつ扇風機出す
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年金の手続き終えて私にも振り返るほどの人生がある
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生きるのがピエロのようにみえる日は夕顔の芽に水をあげます
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ギャン泣きで手を引かれつつ通ってた子が制服で颯爽と行く
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花言葉移り気などと言われても 梅雨のさなかにあじさいは咲く
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公園で英語ドイツ語フランス語 犬も互いの言葉をしゃべる
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このベンチ 公衆電話 初デート 半世紀前の失恋の時
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長旅の途中で何があったのか今年はあそこにつばめが来ない
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子安貝いずこにありやつばくらめ 我が家もひとり姫君がおり
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大空で微分積分解くように飛行機雲が交点つくる
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杉の葉に抱かれた雨輝けり カハラホテルのグラスのように
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卒寿なる母買い物に出かけたり手押し車を自家用車と呼び
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あの店のかごの小鳥は南国の赤い花々知らずに鳴けり
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人などは恐るるに足らずとそのネコは背中を向けて木陰に消える
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風に舞う花びらがあり雨に濡れ寒さに耐える花びらもある
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四十で逝き二十三回の年を重ねて今日誕生日
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あの月が満ちたる後の聖日は四十三回目の受洗記念日
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人々に忘れ去られた悲しみの墓標のように桜は咲きぬ
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無常なることを説きたるみほとけの前でしばらく桜咲きたり
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