晶史
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投稿数
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山にいるななつの子らを忘れたか都会のカラスがごみをついばむ
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わたぼうしのままでは儚く 羽になり旅をしているたんぽぽの花
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時満ちてさつきの花が咲くように山が火を噴き大地は揺れる
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銀閣寺行きのバス混んでいて多言語飛び交う地球のように
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花びらを車体にまといユーミンの大音量が駆け抜けていく
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きみ逝きて二十五年が経ちました今日はあなたの誕生日です
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百年の歴史を経たる教会の四十四年を我過ごしたり
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俺のことほっといてくれと言うようにしっぽをあげてネコは横切る
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わたしでもいっしょうけんめい生きている頭の上でカラスは鳴くが
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スーパーが優しい音色に染まりますBGMの春の小川で
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おさなごはままごとのごと扱えり 若くて逝きし父の仏壇
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海原を背にしてそびゆロケットは潮もかないぬいざ宇宙へと
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これなしで生きていけるようになったから古本に出す「宮本武蔵」
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暖かき布団に入りて能登のこと思えばなおも心の痛む
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園児らは百万馬力でこの地球守っていると夢を語りき
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雪の日に咲く白梅がいいのだといろいろあった君がつぶやく
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ソーサーとコーヒーカップがカタと鳴る閉店間際に店主がひとり
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週末に決戦がある 予備校の明かりは歩道の端まで届く
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明け方の月は澄たり 悲しくて長い一日始まるしるし
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一年の計も今年の夢さえもこの先何があるかも知れず
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年の瀬に夕日が山に沈みますこうして生涯終えるようです
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三日月のもと嵐電が西に行く冬の空気の闇を通って
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年末の挨拶に来た我の名を「あきちゃん」と呼ぶ老いた親方
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交差点青信号を見逃した道の向こうの南天の赤
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清水(きよみず)のライトアップの一筋は浄土に続くきざはしのごと
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その時はその時でまた恋がある 田中絹代の映画を観つつ
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新聞紙輪にしたハンドル運転し 幼な子横断歩道をわたる
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クリスマス飾りを終えて少しだけこころに隙間のあいているよう
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白杖を持つ奥さんの手を握り左右確認年老いた夫(つま)
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半世紀前のことですボックスの受話器を上げた初恋記念日
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