傷抱く 怒る青年 その儘に 荒んだ中に どこか寂しさ
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似た人を見かける度に目に染みる 燃え尽きてなお燻る煙
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錠剤のぶちまけられた半球に致死量超えた星座がひかる
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真夜中に キミと2人で コンビニへ レジ打つオーナー キミをチラチラ
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泣きつかれ抱かれてスヤスヤ眠る顔 思い出せない母の温もり
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こうしているにも命は擦り減っていく これを努努ゆめゆめ忘るる勿れ \「メメント・モリ」
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測らずも置いてギリピタ洗濯機 7kgサイズで寿命7
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目の前を低く飛ぶのはアカゲラで小屋の柱に止まって見せた
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小春日の連休なか日インフルで寝込む夫に林檎剥く午後
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散り残る葉のある枝から散り落ちるように雀のはらりと下りる
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ほんのりと 紅く揺らめく ストーヴの  妖しく踊る うねり見詰める
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秋長けて隣家の庭にひとむらのローズマリーの紫さやか
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古くとも 我にとっては 宝船(車) 新たなページに わだちを残す /(後編 完)
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思い出が 詰まりし車 車検出す「まだ乗るのか!」と 整備士笑ふ /平成9年車😅/(前編)
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向い風 受けたくないなら 吾の向き 変えてみよう 追い風に乗ろう
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いちょう銀杏の森 緑から黄に変わる頃畦道に列 黄葉祭り
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夕焼けと、きみの頬とが同じくらい赤く染まった赤煉瓦ゆく
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車窓からマジックアワーの細い月 一縷の望み叶えくれそな
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推し観戦 楽しんでねと吾を送る夫へ感謝のうなぎパイ買う /お土産
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世間では 連休行楽 日和なり 我は一人で パソコン向かい
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公園で 銀杏の落ち葉 遊ぶ孫 ポーズをとって 秋の思い出
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大切な 言葉を赤で 書くからさ 色褪せるのよ 看板の文字
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夏の間に焼酎割ってた炭酸が冷蔵庫では居心地悪げ
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食後すぐ お菓子をむさぼる おばちゃんが 涙もろいんとは 知らんかった  
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自転車のペダルを漕いでゆっくりと小春日和に咲くオキザリス
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予約した 駐車場が 見つからず キャンセル料に モヤモヤつのる
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枝先のもみじ赤らむ 惜秋せきしゅうや 夕焼けにむ 薄紅の雲
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子を預けひとりで出かけ 紅葉と、子ばかり見てた日々に気が付く
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補助輪の吾子が進む砂利道に 我の姿を重ねんとする
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朝餉まえ香煙たちて鈴ひびき心ととのふ位牌の前に
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