Utakata
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作業靴のつま先濡らす春の雨。そっと見たスマホ。返事は来てない。
0
新天地初出勤を無事終える まだ戦えるまだ戦える
0
届きたる 道着に袖を 通す君 かったい生地にも 気合いを入れて
1
離れない
流氷
(
こおり
)
のせいか北風のやけに冷たい卯月朔日
6
本当に あなたがわたしに くれたのは すべてが嘘で あったということ
1
壊れてるチャリのライトは雨が好き雨の日だけは必ず点いて
8
ともだちに 賞味期限ってあるのかな ぱくぱくもぐもぐ一人はさみしい
2
二日振り 出された夕餉 三分粥 ほんのり塩味こころに染みる
10
テレビから無意味なギャグが流れおる無言で食す夫婦の夕餉
8
鉛筆を折って布団を切り刻み服を破って自分を守る
2
深煎りの豆を貰えば粗く挽く僅かな手間で吾の好みに
1
脳みそが馬鹿になってるから今朝もあの子の影を踏み間違えた
3
窓開けて雨の香りを胸いっぱい木々の吐く息彩<いろどり>そえる
5
今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
10
伝えてね 伝えていいと 思ったら もう伝わってるよね なぜ聞きたいの
2
未来から招待とどくキャンパスに返信切手の花びらを貼る(春)
8
息白き花冷えの朝コート着て空のはずれに薄日をさがす
5
花弁
(
はなびら
)
が 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
15
春の気を鎮め潤し降る雨に 心置きなく深呼吸する
13
コラプサー明日輝け捻くれて少し気取って吸い込まれてゆく
1
生きてゆく
私
(
わたくし
)
だけの役割を果たす私は
私
(
わたくし
)
らしく
13
散り散りに緑の光消え失せて望み通りに摘まれた蕾
5
経済が 能力有無を 決める今 追いやりましょう 貴方は貴方
9
空に消ゆ打ち上げ花火
明日
(
あす
)
もまたいくらか命 生々流転
2
賽銭の小銭足らずをコンビニの一番くじで崩した小僧
2
春の花はどこか心に遠けき儚き色さえ吾にも重ねつ
2
いつかまた帰ってくるか知らないが春泥棒にまたねと叫ぶ
5
風の音は多分明日も聴こえないそんな夕焼けに手を振ってみた
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真新しランドセル背負うひい孫の写メを写真の夫にかざせし
19
眠りたる社会科準備室の窓際に色褪せた地球儀と午後
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