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翔平
(
しょうへい
)
と
一平
(
いっぺい
)
の文字に「
平
(
たいら
)
」あれど 二人の人生 「
平
(
たいら
)
」にあらず
1
走ってて揺れる毛先に手を伸ばし頭の中の手綱を握る
0
馴
(
な
)
れぬ
足袋
(
たび
)
履
(
は
)
いて
高鳴
(
たかな
)
る
下駄
(
げた
)
の
音
(
ね
)
に
心
(
こころ
)
は
踊
(
おど
)
るよ
湯気
(
ゆげ
)
のままに
1
さだ過ぎて
盡
(
つ
)
くれば春にうちなびく 花も
果敢
(
はか
)
なく降る別れ
霜
(
じも
)
0
今日の鯉打線キーマン誰かなとビールと会話しながらテレビ
1
だんだんと少女の顔になっていく 子の横顔をふと眺め入る
7
春過ぎて薄着になりゆく子の横で ママの装備は徐々に増えゆく
5
猫は良い ふわふわ きらきら ぱやぱやの 毛に包まれた祝福の玉
4
空バギー
(
バギー
)
押し息子を抱っこの若いパパ、坊は何気に誇らしげですよ
5
呼び出して告白「え…あれ? 知らないの? 野球部の…」の途中で去る
3
お前らは鳥のつもりかもしれないがお前らのフンを片す人もいる
1
白妙の 澄んだ言の葉 今日老けて 夢に出てきた
言
(
こと
)
のバケモノ
2
なけなしの勇気を使う時がきた使うとは確約していません
1
学歴を他部署の課長に嫉妬され文句を言うならデモでも起こせよ
1
全員が店のTシャツ下に着て ラーメン屋さんの葬式ならでは
2
多様性本来の意味履き違え知ったかぶりが大恥をかき
3
流行歌 推しの気持ちに重ねては 分かるよ つらい恋だったよね
1
歌を読む また僕たちは 歌を詠む ひとの孤独と 寄り合う場所で
4
百均の造花を一輪 挿した部屋 独りきりでも水いらずの日々
4
おセンチを笑わないでよ きっと多分 誰の頭の中にもあるもの
2
アジフライ醤油かソース問題で「マヨです」と答えた君、すき。
3
まったりと夫は今日から十連休 来たる老後の訓練とする
8
あれこれと並べ選んで歌ってはリズム体感アタマ活性
6
さようなら。蛙化現象、その言葉 「死亡保障は元取れないの?」(生保勤務短歌)
2
体調は季節の境にゆらゆらし 治まる頃に次の境目
3
玄関にあちこち転がるライムグリーン 立ち入り禁止のハッカスプレー
1
君はもう好きになりかけてるらしい 十六の春、始まりは…恋
2
死んでいる間に君の夢を見た 鳥が鳴いてる窓が濡れてる
1
働かぬ君の言い訳働けぬ 一字違いを二十年待つ
4
日焼け止めの油のにおいで思い出す 音信不通の友人のこと
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