うらやまし子猫も満足するような隣で着てる防寒ウェアー
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北の町あついコートが安かれど北風しみる枯野ゆくとき
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解放の 承諾下りれば ばあちゃんが 孫が欠けると 朝から涙
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結婚は 彼女の写真はと 無邪気なる 親友ともの笑顔を 壊したくない
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ゲイとして パートナーにも 恵まれた 真の断絶 これでいいのか
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差別なき 我が人生は 引き換えか 先祖の苦心と ルーツの断絶
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顔知らぬ 曾祖母歌ふ アリランに 来日の理由わけ 想像してみる
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三十路にて 初めて知りし 秘匿なり 今際いまわの祖父と 韓国戸籍
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真っ黒なアイのマスクでビッグバン宇宙の夢は全て黒から
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ガシガシと腐葉土食べて脱皮する空に輝く樹液を見つめ
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菜園の 大きく育ちし白菜を 両手に抱えて秋空眺む 
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目に映る錆びた線路の世界線 未来は無数vs僕の決断
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美容師が どこかに行った 瞬間に 目を開けて見る かかり過ぎだろ
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美容師が どこかに行った 瞬間に 目を開けて見る 刈り上げ具合
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聞いていい 私のどこが 好きなのよ 鼻と答えて キミは固まり
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覚えてる 歌詞とぜんぜん 違ってる カラオケ入れて グタグタになる
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湯気立てる深夜に食べる罪の味きみと頬張り共犯者だね
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僕が君みたいになりたかったことを 君は喜んでくれなかった
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お帰りの 声聞こえない 温い居間 カーテンの中 息子の膨らみ
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思ひがけぬ娘二人の帰省あり妻がたちまち母へと変はる
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もういいかい 星に隠れた 君に問ふ 必要のない 未来抱えて
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湯たんぽを注ぐ腕にも頼りなく漏斗の的を外れ湯気立つ
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数日を朦朧として終えた悔い早めの風邪薬から飲まれる
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もうすでに 最低気温 プラスなら ちょっとマシかも など思ったり
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闇にくるまり眠ろうとするぼくを影すらのこさず太陽は焼き/『不眠症』
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参ったな 言葉紡ぐの楽しくて 試験勉強が手につきません
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前から人 先に避けるのはいつも自分 たまに失敗 増える後悔
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「あたたか〜い」押したら君の心にも ほのかな温もり届けばいいのに
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恥さらし 生きる価値ない ろくでなし 「そんなわけない」←そんなわけない
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夢うつつあわいにただよう紫陽花の幽けき香りと雨のささやき/『不眠症』
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