最寄駅 急行までしか 止まらない 特急快特 そして回送
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キラキラとペットボトルが輝いてハードルの横並んだシューズ
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紅葉狩り 何が楽しと問うた日よ 私の目こそ深きに染まれ
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古めいた茶店も手伝う少年も 時代を紡げ 紅葉ひとひら
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電話とか好きじゃないって言ってたじゃん「電話したいって昨日も言われた笑」
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恐い人 苦手な人が 来ないよう 距離を測りて 逃げ回るのみ
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金よりも 愛が欲しいと 言ったなら 変態だとか 嘘つきだとか
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いつの日か お金のためと 言うよりは 愛するために 働くように
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反論も 虚しく響く わが声に 弱弱しさを 知りて慄く
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いやいやと眉に唾つけ聞きますよ人間万事塞翁が馬
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マウントを取った取られた不要論 自信ひとつで山など動き (語源はマウンティングですが)
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麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
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納豆と卵とネギをかき混ぜて味噌汁飲んで吉野家の朝
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いっこやで ピノを一粒 届け来て  のど飴拐い 等価交換
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歩けない君を抱き上げ 一輪車 夏の夕暮れ二人で歩く
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換気扇 煙と香り 無造作に  吸いて吐き出す 今の我が身か
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メタ認知 夜ごとめぐりて限りなく「ああまたかよ」とインパスの沼
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残業の後に限って見たことない光り方してるラブホテル
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良きうたを 秋の夜長に 手探りで  煙くゆらせ 珈琲匂わせ
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タイミング 剥がしそこねた 保護シート しっかり守り 他はすっかり
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野薔薇のいばらは寒さに耐えて茎も実も赤くなりけり 空を見上げて
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初めての 人間ドック 緊張す 白ブリーフだと 笑われるかな?
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冬小雨乾いた空気に湿り気を 呼吸は楽に咳も落ち着き
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傘ほどきかざしてみたらちりちりと 冬の小雨の音やかそけき
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切っ先の鈍るおのれにムチを打ち その無知ムチをまた疑いし夜
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あの味は 今も続いて いるのかな 出汁であふれる 卵焼き丼
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寮跡の敷地にも 木枯しの吹く 枯れ草の中 咲きをる野菊
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夕暮れの イチョウ並木に 沈む陽が 優しさに満ち 祈りたくなる
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樹に生りて赤き果実の一粒や咥えし鳥の発ちて夕映え
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下町に 残るお酒の 自販機も 撤去されゆく 時代の名残
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