春雨や いつもの電車 窓越しの 景色は緑濃く沁みわたる
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隅田川 春の長雨 さよならと 流れる花びら 過ぎる思いで
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野辺の花 黄色一色 ほころびて   揺らぐ春の陽 陽炎立ちて
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勝手にも 吾が家わがいえ含む この辺を 縄張りとする ダミ声猫
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上向いて落ちる椿の見るものはまばゆい空か蕾の子らか
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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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生きるとは イキることでは ないのだと 高校デビューの 青柳に学ぶ
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宵風や 腑と足むる 夜桜と 雲間の月と重ね 眺むる
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病室の窓から眺むる桜花 小雨にけむり しらじらと咲く
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満開が 41いっぴの 情報と 風情も何も 桜散らしの風 
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荒川の三角波は寒々と 花の浮かれをものともせずに
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満開の桜に溶けて見上ぐれば知らぬ翁も我と並びぬ
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風雨受け 手入れもしない 庭なのに 数年前と 余り変わらず
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世の中は ルールとモラルで ことたりる マナーがないよ あのマナー講師
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夜桜の果てに佇む二人連れ桜なんだねこの二本の木
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思ふままソロ花見する楽しさよ日常離す右手の酎ハイ
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しとしとと 恵みの雨が降りしきり 梅の香ただよふ菜種梅雨かな 
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「パパみたい」 面影見しや 赴任の 合点がてんする ハゲ眼鏡かな
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きみのてからたびだつものはたぶんきみのでぐちをみちびいている
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巷では人事異動に泣き笑ひ。そをみて我は悠々閑々
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船乗りの 親父の部屋に 貼ってある 金髪美人の 裸の写真
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去る君の 車内に残した体温と 匂いも抱く 短夜の夢
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西日背負うあなた驚く 手に残るねぎの匂いを嗅がせあったり
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花ふぶき セーラー服の襟を立てる 地元の駅の自転車置き場
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暗夜行路も桜並木も越えてイチョウの葉をつけるあなたに向かへ
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ガスグリル魚はダメよパン専用こんがり焼けるわ恋も未来も
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超えやすい 境界線も 繋がりも 関係性も 曖昧なライン
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後ろ髪ひかれ月背に忘れ道 霞む夜空に星と溺れて
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直に心 触れ合える ことなど稀 時間よどうか このまま止まれ
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小粒でしょ わたしの帰り待つ母は 冷蔵庫の中 思い出詰めて
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