じっとりと煙のごとく細長く山裾隠し里覆う雲
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嗚呼無常 桜舞い散りて哀れなり 友を弔ひ在りし日偲ぶ 
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午後九時に早く寝よとの鐘が鳴るそんな所で育った時代
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晩春の法円坂を登りゆく女子学生の歩みゆったり
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うなされて夢から覚めた泣き顔にお似合いの朝 紅茶も切らして
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おお神よ! 鳴り止まぬ腹と 罪の味 あるのがいけない あるのがいけない
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月という空の灯火ともしび雲という空のカーテン開閉するは風
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成り潜め都会の闇に忍ぶ影野良犬狂う逆襲近し
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絶対に親より先に死んでやる 心に決めた三つの頃に
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自販機の大帝国は幅利かせそそくさ帰る深夜二時ごろ
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春だねと声をかける人がいない俺を待たずに降りしきる花
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壁際に流されていた人たちも同じお金を払ったライブ
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第四の壁を破ってぼくは今あなたを見ている背けるな目を
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帰り道 蛍光灯がおかえりと二回瞬き後ろ振り向く
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四足が二足歩行へ進化する君の成長人類の歩み
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「I wanna spend the rest of my life with you」 「なんて言ったの」 「おしえないです」
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また今日も風呂キャンセルの浴室でシャワーを浴びるウスネオイデス
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光速度不変の原理をぶちこわし 0秒でいま会いにゆきます
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三越も高島屋さえ未知ですが百貨店ならダイソーがある
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壊れても修繕修理上手くなる足が悪くて買いに行けない
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水爆の実験で爆ぜた水底がアフリカ西部に堆積している
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新大学生 買い物リストを確認す 答え合わせをするように
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アイス食べ坦々麺食い舌しびれ 順番だけ間違う日もある
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下町の銭湯付きで部屋を貸す大家が配っている入浴券
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完全に 世の中は春 わかってる まだ冬服を しまえず着てる
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脳内を「ん」が埋め尽くし人生がきれいに閉じる「ライフ」to「フィン」
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お時間が来ましたこれで終わりです告げてください人類に死を
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イレブンの 歴代調しらべ懐かしく 心に沁みる 冒険たびの思い出
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来るはずのなき便りを待っていて どこぞの桜は葉桜と聞く
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音楽は救いなのだと二十二時クインテットQuintettoのリズムと響き
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