ふきだしの中にしたためた魂はえもじの子により幕を引かれた
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母という配役を降りた裕実ちゃんは109に行きたいのと言う
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庭先の五葉松にも花咲かせ音なく積もる束の間の雪
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ほろ苦い 砂糖の雪に 指を置く 穴の向こうで 今日が手を振る/
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ほろほろと 甘く蕩ける 優しさと 現実覗く ドーナツホール/
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投票所 通常業務 並行し 来客多し 息つく暇なし
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雪の朝 通勤途中 黒鷺が 川に降り立ち 元気をもらう
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夕間暮れ明日はなに色不登校の子を詠むだうた読む家にひとり
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日曜に子はべつべつの家へゆきサイズアウトの長靴すてる
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ノンアルのビールでつまむお好み焼き妻子迎へるまでの二時間
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新雪をちひさくあるき長靴を雪合戦のまへに取りゆく
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休日の積雪などはプレゼント子が起きるまで読む俵万智
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死にたさは 眠たさの姉妹 真っ黒な 孤独の遺伝子 分け合っている。
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元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
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初恋の面影映す幼子に 異彩の塔が崩されていく
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あかつきてる静寂しじまを四十雀 正弦の波描きゆくかな
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ふるさとを離れた私のインスタに雪は積もらずまっさらなまま
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パートナーの 無き円舞会 すその舞う フリルも哀し たたずむ影の
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極寒も春に近づくステップと思えば2月も少しいいかも
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世間垢放おっておいてもつきはせぬ長い旅路を経てきたものだ
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何もかも失うための旅続け見てよあらかた成就されたこの身を
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想像す雪のない地はどんなにか白一色にただただ絶望
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ひとりじめさせてあげてもいいかなと思えるような人はいなくて
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オジサンが二人並んで喋っても 若者はもう耳をかさない
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神話的古層心理が動き出し 女帝の差配に賭ける人々
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数年後、大人になって、返す恩 届くところにいればいいなと
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男ではどうにもならぬときが来て 女性権威にすがる民草
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倭の人は女神に救ひ求めたり 卑弥呼、天照大神、神功皇后・・・
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我が意決め 寒風の中投票へ 子らの未来託し筆圧強める
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「痛みって美しいんだ」と歌う声 ふと読み返すあの日の日記
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