冬なのに 季節外れの 暖かさ うれしいけれど そう続かない
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このゴミが入れば明日は辛くない一回壁に当たって入る/ゴミ箱
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瞬きをひとつする間に夜の帳たぐり寄せられ夢の入り口
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濡れた石踏みて思ひぬ 恋も夢も しけたよ と眺む 夜半の月かな
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幸せを願って 我が身を後退り ただ後ろ手に崖を持ちつつ
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宵の空 月や星が輝けど 私の心の雨は止まじて
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夜が明けて 風も止まりぬ ただ静か 灯を手放して渡る浮橋
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かたちなど なきものながら光差す ただそれだけで よいと思えり
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水面に揺蕩う 波紋のような日々 愛おしかったと思うのだろう
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寄り添えば 笑むきみの影 消えもせず たまがありかは 座敷牢
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紙の輪がかなりの時経ちしろがねを成し 私の死する意味となりて
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長すぎた「また明日ね。」のその明日 あなたに会うため 手に六文銭
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命の灯 既に消えゆく一縷の光 火桶の中に白き灰舞う
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本年の最後の会の詠草で乙女恥じらう相聞の歌
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優しく微笑む君の顔が好き 私の首を絞めながら見せて
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ぬるくゆるびもていけど 風わろし 小春日和
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ナカムラは宗教の人に話し掛け 少し仲良くなって別れる
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降り積もる雪の夜の月 花のごと静寂を連れて窓に輝く
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言の葉は魂放つさえずりか空に放りて明日を待ちおり
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貧乏は認めています感性は豊かであっても誰も気づかぬ
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障害者、生活保護も以前には身体と心を壊して稼いだ
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他人様の物に貼り紙した者の人となり見る稚拙な字と文
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もうすこし ライブの余韻に浸ってたい 二万一千歩 跳ねた歩数計
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明日への扉を閉じて今はただ心に灯すおやすみなさい
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年忘れ歌会の後の会食は笑顔・満腹 時を忘れて
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ねぇ、コーンポタージュだね、木のスプーンだね、幸せだね
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片付かぬ難儀な雪にヒーローは重機駆使して高々と積む
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もう全部 全部諦めて 寝転んで オーロラを見たい なにが夢だよ。
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街灯り窓の扉に透けており静かな夜の終わりを告げる
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私だけ死なぬわけには参りませんその日来るのをお待ちしてます
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