ひーちゃん
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「二人なら美味さも倍」と独り言 土産の銘菓食み茶をすする
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訃報欄思い出深き人の名をしみじみ眺む秋深き日に
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雨上がり陽に照らされし草紅葉 空気冷やりと冬迫り来る
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愛猫は二十年はたとせを生き秋の日にニャンと一声そと旅立ちぬ/五年前幾匹も居た最後のこ
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日の暮れて窓辺に立てば街灯りさざめき揺れて空に金星
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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もみじ葉の散り敷く朝の公園を歩けば露のキラリと光る
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公園の梢の奥に百舌鳥の声 紅き桜葉秋空に映ゆ
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山を見て空を仰いで足元のさき花愛で歩く日々なり
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幼き日目を患いて片目なりスポーツ苦手車は乗れぬ/自転車は乗れた
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行く秋の陽だまりの中さわやかに空色朝顔風に揺れおり
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秋の花色とりどりに無人駅 農高生の手入れし花壇
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白壁の土蔵を覆う蔦紅葉きらめき揺るるそよ吹く風に
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歩けばこそ見ゆるものあり秋の野に知らぬ花の実紅く熟して
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夫居れば歩くことなどなかったと落ち葉踏みしめ通院の道
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悔いばかり蘇りきて寝付けずに夜の静寂に雨音を聞く
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秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
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大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
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星の数 砂の数より多いと孫に教わる満月見つつ
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枯れ草の土手にまだ咲く小さき花小待宵草朝陽の中に
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木犀の香る坂道一歩づつ杖を頼りに空仰ぎつつ
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弾む声足取り軽し乙女らよ我にもありし青春の日々
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外壁に張り付いているカマキリに小春日和の温き陽が差す
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卵嚢を残し親蜘蛛姿消す 枯れ狗尾草エノコロを朝日が照らす
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妹と桜紅葉の道を行く山の端染むる秋の落陽
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「三人で来たかったね」と逝きしを偲びつつ行くコスモスの道
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妹は十年前に夫亡くし気楽な二人気ままな旅路
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一人では旅など無理と思いしが末のと行く秋の湯めぐり
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雨上がり柔き陽の差す朝の庭ゼフィランサスの白、風に揺れ
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落ち葉掃きすれば空蝉混じりいて深まる秋の夕暮れわびし
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