ひーちゃん
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冷ゆる朝「つららや」の声 外見れば 春待つ枝に白雪の花
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小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
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今はもう土間もかまどもなけれども我を仕込みし祖母眼裏に
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
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ヒヨドリがほうれん草を食べに来る デイ友言いし如月の朝
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公園の南天の実はおおかたに喰い尽くされて立春迎ふ
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潮風に吹かれて咲ける水仙を偲びつつ見る道の辺の水仙はな
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ゆうゆうと冬田の空を旋回すトンビ眺めて通院の道
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ひい孫が補助輪外しあぶなげに自転車練習冬の公園
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オレンジに熟すクチナシゆらゆらと枝葉の揺れる風冷えの午後
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雲厚き睦月の空に寒雀飛び立ちゆけり薄き陽の中
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冬ざれの野道を行かば一斉に鳥飛び立ちて梢に集く
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青黛の空に煌めく冬星座二人歩きし夜道忘れじ
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雪かきの苦労なき冬 後にした町より届く雪の風景
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グラタンはホワイトソース作りから認知予防にせっせと料理
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懐かしき亡母の甘露煮 金柑のたわわなる実は冬天に映ゆ
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若き日に収監されし友は今介護の仕事に日々を頑張る/学生運動にのめり込み
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甘酒の作り置き切れちと寂し風邪予防にと朝から仕込む
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薄ら日の川辺を行かば冷ゆる風ユリカモメ立つ海近き州に
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冬日差す畑の隅に枇杷の花甘き香りを風が運びぬ
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嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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畦に立つ翁笑顔で「温いけな」モンキチョウ飛ぶ冬の菜園
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幾たびも神戸に行きしボランティアやはり要るなと携帯電話けいたいを買う/亡夫
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ナチスから逃れ「命のビザ」持ちて日本上陸敦賀港なり
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冬日和常は通らぬ路地入らば色鮮やかに葉牡丹並ぶ
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空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
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夕茜冬木立染め雲染めて彩り変えつゆっくり沈む
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憂きことはあれど仕舞いてデイケアで体動かし心弾ませ
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とりどりの布で作りしお手玉や 祖母の手さばき鮮やかなりし
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