ひーちゃん
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朝夕にデイ送迎車行き交えり老い人多き坂道の町
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日差し避け夕方庭の草引かば頭上飛び交うシオカラトンボ
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新米と秋刀魚購いささやかな幸かみしめる十三夜かな
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小庭にも揚羽舞い来て心浮くそよぐ木立ちにキジバトの声
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不足なく暮らしていれど時折にふと寂しさの滲む夜のあり
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孫たちの祭りの土産ういろうを みたまに供えお下がりを食む
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何となく太くなりしかコガネグモ庭に居続けひと月が過ぐ
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葛の葉が石垣おおう坂道にけたたまし声ツクツクボウシ
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行くことは叶わぬけれど山車だしが出る長月二日今夜宵宮
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遠き日は船で行き来の島なれど橋のかかりてスイスイと行く
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亡き父の生れし小島や瀬戸の海茜に染めて日は沈みいく
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みまかりて三十余年経し夏に初めて訪いぬ亡父ちちのふるさと
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愚痴一つこぼす夕暮れ茜空ひぐらしの声みちてくるなり
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サンゴジュの実の色付きし散歩道雀の遊ぶ涼風の朝
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あちこちと旅する夢を語りしが君亡き今は夢のまた夢
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休日は温泉巡り車旅亡夫きみと眺めし大夕焼けを
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涼し朝庭の片隅コガネグモ バッタ捕らわれ糸まかれおり
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隣家となりやのノウゼンカズラ垣を越え地を這い赤き花咲かせおり/お隣は無人
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そよぐ風植えた覚えは無いけれど裏庭に咲く白百合の花
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雨後の径花びら散らす百日紅雲間の陽射し青き実照らす
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賑やかに盆行事終え静かなる朝のコーヒー香りよ届け
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仄朱い灯り水面にゆらめいてスターマインに夜空きらめく
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夕闇の波間漂う灯ろうの仄かな灯り我が想い乗せ
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戦後っ子貧しき日々もありたれど平和の国に生きる幸運
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事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
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帰り来し子等と連れ立ち盆の朝花や水持ち墓前に集う
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木槿咲く庭に出ずれば陽に光りトンボ舞い来て庭石に降り
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好物をあれやこれやと購いて盆のしつらえ粛々とする
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白桃の甘き香りの満つる部屋 丹精込めし友送り来し
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夜雨の朝庭潤いて涼し風青きつぶら実南天揺るる
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