Utakata
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ひーちゃん
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冷ゆる朝「つららや」の声 外見れば 春待つ枝に白雪の花
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小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
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今はもう土間もかまどもなけれども我を仕込みし祖母眼裏に
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
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ヒヨドリがほうれん草を食べに来る デイ友言いし如月の朝
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公園の南天の実はおおかたに喰い尽くされて立春迎ふ
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潮風に吹かれて咲ける水仙を偲びつつ見る道の辺の
水仙
(
はな
)
32
ゆうゆうと冬田の空を旋回すトンビ眺めて通院の道
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ひい孫が補助輪外しあぶなげに自転車練習冬の公園
36
オレンジに熟すクチナシゆらゆらと枝葉の揺れる風冷えの午後
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雲厚き睦月の空に寒雀飛び立ちゆけり薄き陽の中
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冬ざれの野道を行かば一斉に鳥飛び立ちて梢に集く
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青黛の空に煌めく冬星座二人歩きし夜道忘れじ
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雪かきの苦労なき冬 後にした町より届く雪の風景
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グラタンはホワイトソース作りから認知予防にせっせと料理
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懐かしき亡母の甘露煮 金柑のたわわなる実は冬天に映ゆ
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若き日に収監されし友は今介護の仕事に日々を頑張る/学生運動にのめり込み
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甘酒の作り置き切れちと寂し風邪予防にと朝から仕込む
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薄ら日の川辺を行かば冷ゆる風ユリカモメ立つ海近き州に
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冬日差す畑の隅に枇杷の花甘き香りを風が運びぬ
42
嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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畦に立つ翁笑顔で「温いけな」モンキチョウ飛ぶ冬の菜園
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幾たびも神戸に行きしボランティアやはり要るなと
携帯電話
(
けいたい
)
を買う/亡夫
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ナチスから逃れ「命のビザ」持ちて日本上陸敦賀港なり
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冬日和常は通らぬ路地入らば色鮮やかに葉牡丹並ぶ
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空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
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夕茜冬木立染め雲染めて彩り変えつゆっくり沈む
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憂きことはあれど仕舞いてデイケアで体動かし心弾ませ
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とりどりの布で作りしお手玉や 祖母の手さばき鮮やかなりし
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