「さよなら」の 余韻は直ぐに 消え去りて 都市なるものの 本質を見る
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白桃のワンピース きる 貴女の手 やわらかいことを僕は知ってる
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もうちょっと考えて嘘つきなさい 通知表って無いわけないのよ
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春分を表す言葉は春に無し 歳時記半額六百円なり
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知らない名前が君の口端から 零れる前に 喉を締めたい
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春の陽が君を眩しく照らす時 私は日陰で腐り始めて
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「頑張れ」と嘘をつくたび 喉元で 行かないでよと幼子が泣く
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声のない 夜はあまりに 無機質で ただの箱庭はこにて 膝を抱える
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今日が四月という壮大な嘘をつくのはきみとぼく以外のすべて
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雨音に 鳩の鳴く声 混じりける 卯月の午後に 睡魔が襲う
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鬱もまだ 治らぬうちに復学す すべて不本意 ネタ切れの春
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散る花の夢に見るのはほんのりと空にひろがる雲になること
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嘘みたいスルスルと飲むなめらかに飲み込む完全側臥位法/最後は水で
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右脳だけ鬱が治ったりすんのかな バス待ちで焼ける香りなき肉
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高校まなびやを 三十年みそとせも 我迷い 情けなくも 転職始める
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原材料:嘘100%の君だから 好きなのかもね希望みたいで
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姉ちゃんの声は涙で途切れたり『泣いた赤鬼』朗読しつつ
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待ちに待つ解禁の日に大岩魚バラして一つ黒星を抱く
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つえつえほ~ 個室の壁に杖掴む指で杖持つ誰かを待てり   「都内の個室にて」
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ふきのとう、教えてしまえば僕だけの春が二人の景色にかわる
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箱根路の高嶺へ消ゆる86を焦がれど我は愛でし軽トラ
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この春を君に見せたくポケットに ふきのとう一つ隠し持ってる
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三年前僕もあんなに「ふきのとう」だっただろうか泥を跳ねつつ
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短刀を持ち追いすがる浮世絵を観る都美館のガラスのケース
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温暖化対策石油使わないことだよ、知ってるやはり目の前
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改心しマジメな短歌作ること誓約します。四月一日
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上澄みのペラい味には興味ないキャラメルラテの本質はそこ
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満開の桜川面に揺らめいて水に手を触れそろりそろりと
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お気持ちを おかまいなしに たらたらと 思いつくまま リプしてきやがる
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ライラック花屋に届けてもらったと喜ぶ父の声が弾んで
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