薄冷えの夜半よわ ベランダにで 空を仰げば 北斗七星高し
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ほんとうは キミを何処かへ 連れ去って アダムとイヴに なりたい4月
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雨上がり蝶かと紛う白き花 スナップえんどう夢をひらひら
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うそつきと四年に一度の約束を果たしたらまた四年眠ろう
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AIへの依存を避けて距離を置く 友達ひとりなくした気分
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毎朝に とりの過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
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心配のタネを流しに川の道 何度もそうして過ぎし歳月
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二人してベランダで見る赤い星東の空はもうすぐ夜明け
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水仙がみんな前向き口揃え春を歌うよ黄色い声で/ラッパ水仙
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待ち侘びし 桃の枝先ほころびて 桃源郷にいざなわれゆく 
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キュウと鳴る靴を追いかけイオンタウン逃げる子供にゃ鈴をつけにゃあ
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仕事場で作業してると男前 5時のチャイムで魔法がとける
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「桜だ」とスマホを向けて切り取ったピンクの画面あなたにおくる
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止まり木の愛を掴んで待ち人に飛び立て永遠の輪廻の果てへ
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元彼と 別れたワケを 訊く俺に タネも仕掛けも ございませんと
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朝の縁 答えに触れぬ 問いばかり それでも重さ わずか移ろう
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面接本番 五体不満足 身に着けた 我見て笑う 五体満足
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水を掛け合った訳でもないけれど 海が濡らした 我が左袖
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郵便受け 手紙があるかドキドキする気持ちを僕等 忘れちゃった
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貴方といる 「美しさ」を『当たり前』にする度、そっと花が散る
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フランスの街の音も打つデ・ヴィルを貴女の右の手首へ捧ぐ
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二時の列「クジラ」のあとの「ラーメン」で決着つきて煮干しも薫る
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入り組んだ策略無しに僕はただ愛しき月を君と見たくて
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麺すする音にオーイと叫びまた食べるとハヒーと笑うインコ・ナナ
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新学期 友との会話 ふと香る ホワイトムスク 白いシャツ
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かぜ薬 カバンの中に ぶちまけた ひっくり返し くしゃみをひとつ
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明日来たる兄の寝床へ花冷えの深き夜しのぐ羽毛広げる
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マイナスの過去を改め明日の灯へ歩み重ねよ我は借り物
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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友に雪 乗せた墓へと菓子供え 幸の幻夢へ 文太郎 逝く 「孤高の人へ」
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