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室内へ日暮れのように灯をともしぼたん雪ふるバッサバッサと
16
愛犬が ゴディバのチョコを つまみ食い 明日食べようと 置いてたせいで
1
演奏家 微動だにせず 繊細に 響く音色は 天の彼方へ
5
ある人に 傷つけられて 復活と 前向き進み 夢叶えたり
4
この電車は悲しみが丘で後続の特急列車の通過を待ちます
4
陽光の満ちた明るい通りまで冷たい日陰のこの道がある
10
とは言えど…未読の多き妻なれば 緊急連絡先 記入せず
10
クリスマス 若い夫婦と 子らの時 サンタの恰好で 盛り上げる我
14
二歳にて チョコバナナの 味覚え 朝からねだる 孫のほほえみ
16
夕暮れに メタセコイアを 眺めつつ 空を舞う鳥 寂しさ感じ
17
雨のごと樹々の葉降らせ一陣の風過ぎ行けば冬色の街
19
衆愚化の海に揉まれる人波を 眺める我も雫の一つか
10
気まぐれに君が落とした一筋のその光だけが僕の指針
8
温かな もふもふシーツの誘惑を 泣く泣く振り切る週明けの朝
21
言わないよ 心療内科の入口で偶然あなたとすれ違ったこと
10
寒風
(
かんぷう
)
に 耐え抜く蜘蛛へ
落葉
(
らくよう
)
は お先に逝くねと その生を終え
17
万葉の 人に詠まれた 同じ月 やがて令和も 昔と眺む
21
紅葉
(
もみじ
)
散り 木枯しを待つ
妙義山
(
みょうぎさん
)
今日は山火事 不安な
紅
(
くれない
)
21
凶をぬきイベントのためおみくじをせっせと作るわれはペテン師
16
薄明かり煙草の煙紫の色とたゆたうねっとりとして
7
ちょっとだけ 物足りなくて おみかんを 大雪の頃の あまき果実よ
14
怒られた! 行かなくなった 歯医者さん でも大人だもの 今度こそは・・・
9
飛び乗った仕事終わりの快速は君に向かってまっすぐ走る。
14
寒空にふける歌ごと夜も更けて いつぞ止めよと問ふものもなし
13
ほんのりと甘いビスケットをかじる 言いたくもない不満と共に
8
溶け込めず人の形をした孤独どこに行っても嵌まらない穴
7
潤んでく夜は暗くて私ごと輪郭溶かしすべてを隠す
5
幸不幸分け隔てなく思い知る翼もがれた鳥であること
9
木枯しに吹かれ
疎
(
まば
)
らな
紅葉
(
こうよう
)
のトンネルの真上は 冬の
晴
(
はれ
)
21
紙やすりで 研がれるような 寂しさに みぞれざらざら 降り注ぐ音
14
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