流れ星 流れて消える 時間のよう 君と僕との 仲の良さかな
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冬銀河 夜空に輝く 君のよに 銀河と違い 君は君だけ
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娘たち 一人立ちしていく12月 もう少し後でもいいよと言いたい今夜
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言葉さえおざなりになる12月 忙しいのが言い訳になる
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寒いねと 語り合う君 もういない このまま人リになるんだろうな
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天使とか排水溝に流したし 差し伸べる手にはナイフが似合う
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夏からは病に伏すという君の住む街は雪 今日も明日も
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おざなりに絡めた指の温かさ 好きって言っちゃいけない気がした
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日記帳開いたものの昨日とは代り映えせぬ日だった今日も
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死ぬるとは夢から醒めることであるだからこの世を愛しているの
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右脳うのうには 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物つく
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色褪せし表札にある取り消し線 故郷に残る旅立ちの日よ
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吾子見送おくる寂しさ笑顔に隠しつつ テールランプに手を振る寒夜 /また来年
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ちま猫も添ひ寝の母の甲斐ありて 野生の力四肢に漲る
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柔らかな光あふれる雨上がり 心地良さげに冬薔薇ふゆそうび揺る
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時間だけ共有できぬ貴方とは鏡のような共鳴がある
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シャンプーが少量で足る洗髪はうれしくもあり悲しくもあり
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流れゆく 三途の川の 河原にて 閻魔と石積み いろは帰すまで
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鶴ヶ多賀盛岡姫路伊賀上野松山熊本城に行きたい
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薄暗き師走の雨は細々と師走の門の瓦を濡らす
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でかい犬 ああでかい犬 よだれ滝 尽きることなくボールを濡らす
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すやすやと眠る子の頬がほころび健やかであれと願うばかり
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キャベツしめじ ウインナいれて 焼肉のタレで一品 ビールが欲しい
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印象派絵画のように思い出は霧の向こうにベンチがひとつ
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緩やかな心中じみたまどろみに選ばなかった向こうを思う
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女子からの手書き便箋手にとれば 五十年余の刹那を隔て
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雨後の午後 和らぐ寒気かんき 曇天のもと 南天に 光りぬ雫
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賀状出す我が人脈も狭まりて卆寿を越せば僅かとなりぬ
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老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
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いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
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