ちょい足しに押せば出すぎる振れば散るラー油の君は我儘にして
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昨日の夜、どこかに落とした錠剤を、掃除機が吸い込む音が響いた。
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空霞み 静けき春の昼下がり 風に揺れ薫り立つ沈丁花
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公園の古びたベンチ 熱帯夜 抜けた炭酸 コカ・コーラ二本
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相対性理論で動く時間割 五億年にも思える五分
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黒板の隅に描かれた怪物が話しかけてくる五時間目
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色のない世界に色がつくように君が魔法をかけてしまった
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室外機に腰掛けてアイス食べていた六月のある日。友は人妻。
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草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
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やっつける道が見えない 碁敵ごがたきは悪手を打った顔つきなれど
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干からびた花びら花瓶から落ちたものも片付けられぬ春先
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朝の陽が サンキャッチャーに 跳ねられて 描き散らした ふわきらアート       
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ぼたん雪 降りしきる中 陽がって 神々が舞い落ちるかのよう
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外気浴自然に任せ深呼吸わたしの主治は山川海人
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病院の帰りに寄った公園で、「結婚したい」とふんわり思う。
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塵まみれ シャッター街の カーブミラー 人通りなく 飾りものなり
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どうやって野球見るのかわかるかいまだガラケーの人に聞かれた
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流れてる ラジオを聴いて リズム取り 今朝もカタカタ パソコンを打つ
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なさけない フェーク人生 空想の 自分が生きて 何も残らず
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ネットとは 人間様の 欲望を バーチャルだけど 満たしてくれる
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長生きを したいしたいと 望むけど 運動を避け ネット釘付け
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物忘れ 他人に迷惑 かける度 引退したい 潮時でっせ
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問題は この脳みその 中にあり シナプス減少 配線のミス
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青春の 卒業式は ないけれど このままいけば 晴れて葬式
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春が来て ミスの連発 下手こいた めげてる間にも 老化は進む
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街中は 昼餉ひるげ時なり 小走りに ポッケに手を入れ 三々五々
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恐ろしい 人間達の 社会では 正義も愛も そこそこになる
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気の利いた 返事を返す Aiに あんたほんまに シリコンチップ
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聞いとくれ Ai達よ 聞いとくれ 人間達は 孤独なもんだ
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ウォーキング 通り過ぎたる トラックの 風圧強し 我が身揺れたし
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