やわらかな毛並みの犬を思い出すあなたをなでるまどろみの朝
7
右側に白く連なる工場棟左裸木の富士見通り徃く
8
十年も前の容姿かたちで孫探す下校の子らに夕陽のあたる
18
蒲鉾のやうな雪道に足取られ「きゃっ」と叫びて飛ぶ女学生
3
君の横 すでに女の 見えつらむ 無駄と知りせば 恋せざらましを
17
もう生きる方便無くし茫として不思議ゾーンに差し掛かるのか
7
今見れば二〇〇〇と四つこれ五つ作ってました飽きもせずまあ/投稿数
21
チョコ成分 補給をしたら またベッド 5時になったら 薬を飲もう
18
年月ねんつきはもちろんのことこの 頃じゃ時間まですっ飛んでゆく
16
宴の儀 歌の剣舞は華やかに 刹那ひと突き片目をペンで
11
ふるいかけ落つを嘲るお殿様 痩せる庶民のはらわた抉り
12
聞こえてく 夫のサックス 初心者 そっと耳澄まし がんばってねと
7
ゆうゆうと冬田の空を旋回すトンビ眺めて通院の道
24
眠れぬ夜 羊かぞえるのはやめて 牧羊犬を走らせてみる
22
一通のメールはカンフル剤となりインセンスの火はひとすじの煙
18
行ズレやルビの反響、並び文字Utakataアイテム ザクザクなのね
9
触れなくも七十年代曲流る 頬赤らめる我 見る人もなき
15
幾たびも出し入れしては思い出の甚吉袋や『おわら娘』の
7
原詩とも夢ともつかぬ歌の香は満つる月みて蕾ひらかせ
18
穿つ夜に抱える闇は髑髏しゃれこうべ 頭へ噛みつき夢をも喰らひ
8
叔父さんを何度殺せば済むのかと叱られていた奴思い出す/嘘ついてサボる
17
寝湯のわれ BAARAが造る 水流に れぬ様 すこし踏ん張る / 我もBAA
18
失望も過剰な期待も生まれない過不足ないのは多分幻想
19
言外の意図お互いにミスリードしてすれ違う推察の罪
17
街宣車 子育て世代を 助けると ふれ回っては 寝る子を起こす
9
留年の二文字を振るナイフから 逃げ切るために解く過去問集
16
人は皆 知らぬを恐るる わけでなし 知り覆る 今を遅るる
3
喧騒の遥か見上げる駅ビルの無駄で虚しい旅路の終わり
8
組み立てに、必ず二人用意して。ネジを締めたら戻れないから。
3
親孝行したい時には要介護これさえ愛と呼ぶしかなくて
18