手を伸ばし肩甲骨の間にとペタリと御札おふだの初カイロかな
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世の人はおおむね一人で歩いてる寂しくないぞ辛くはないぞ
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寂しさや街に流れるクリスマス渋谷発快速九時五分
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うたかたを 開くと朝の スイッチON 寒さ蹴飛ばし 空気入れ替え
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幼き日 愛犬前で 涙して 顔ペロリされ 元気得るなり
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仮置きの 老眼鏡の 行く方の 一時間後に 見失う件
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君は君それ以上でもそれ以下でもない その言葉で一歩進めた
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手に余る庭木なのだが雪化粧別世界なる景色麗し/馬子にも衣装
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伏見稲荷不死身を願う鳥居道不死鳥として蘇りたい お題:不死身
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仕上がった刺し子が風に揺れている 水につけると際立つ色合い
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「今日は外4度だもんな」「出かけない口実作っちゃダメなんだよね」
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お前らと子供に戻って笑い合うこの瞬間ごとをインストールだ
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律儀なり 気配かぎつけお出迎え 一人と三匹それも良きかな
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スズメさん いっぱいいるね 12羽も 教会の前に 群れつどひたり
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帰宅する時間の遅い独り居の孫三匹も猫を飼いおり
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日向だけ辿れる散歩アプリとか誰か作ってくれんだろうか
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暖房が寒さに勝てぬ布団から 小一時間も出られずにいる
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「寒いね」と言ってもそれはひとり言 「寒いね」と笑う君がいたなら
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窓向こう結露でかすむその真中雪に埋もれる一輪があり
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紅茶飲む予定が カフェオレ淹れました まあ良いでせう 今日もいい天気
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フィクションとノンフィクションの境目を探らないでね醒めちゃうでしょう
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ちま猫ちゃん まふらーさんを そうちゃくよ いやニャよかんが おびょいんかなぁ
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たいそう体操を するとき ねこがあしもとに ふまないように きをつけニャイと
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ひさびさに インスタ時間に 目が覚めた まずは白湯など 一杯飲んで
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やさしいと優しくないの僕がいて、やさしいだけの僕でありたい
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死にたいと 口ずさむ割には 寝て食べて ああ生きたいんだな と冬の朝
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朝園の発表会ゆき午後第九コンサート聴き夜はカラオケ
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死にたいと 漏らした君は 不死身でしょ 比喩だと思ってた ほんとなんだね
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「またゆれた」と顔を見合はす老い二人。そこへ雷さらに吹雪も
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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