きっと嘘 きみの言葉は み空色 はく息白く 刺さる溜息
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資本主義、豆まき恵方巻喰らひバレンタインには恋も商売
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職求め茅野の駅頭降り立ちて 歩荷ぼっか薪わり 赤岳を仰ぐ
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水曜の美術館前 横顔よ 佇む君の頬にひとひら
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朝日射す清くて強い眩しさに私は灰になってしまおう
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あちこちにチラシ看板恵方巻き 節分前にお腹いっぱい
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あれこれと 地域クーポン 使ったら 得したはずが 気づいた浪費
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通勤路いつものワンコ見えぬ朝主とワンコの安否よぎりぬ
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楽しむためだけになにかをするまれな動物イルカ ヒトになりたい
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平日の車窓を通した河川敷 投球練習芝は冬色
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血を止めるために両手は塞がって 私を撫でる手は見つからず
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「今朝も寒っ」 起き出す勇気 いまだ無く ぬくぬくむさぼる ハッピータイム
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散らかったこの部屋見れば我が頭同じだろうと思う混沌
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ブリトロかあおさの味噌汁あたりなど廻りて来たり幸せスイッチ
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外は極寒 温水プールの ストレッチ カチコチの身体 徐々にほぐれゆく
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羨んでいいから人の真似したりないもの欲しがったりはやめよう
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ゴミ箱に 捨てるばかりの この思い 一つ一つを 拾い上げてく
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結晶を 君が灯さむ彼の町へ ダッフルコートの肩に降り積ませ/「持ち帰り」
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風が吹く  いつかあなたに届いてね  花びらはもう使いきったわ
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言の葉を編めず 寝付けず は更けり 窓外そうがいの星月夜は冴ゆる
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ああ今日も腕に時間を貼り付けて逃げ場のないまま針が食い込む
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雪道をスパイク付きの長靴で夫婦そろってデンタルケアへ
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「かっこいい名前」と云ひて掲示板パート女性の指さす『龍二』
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クゥックゥックゥッ 我が足音のみ 早朝の 二十分の道 ラジオ体操へ
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歳月ときを経てありのままにと受け入れど深き格差に凩の哭く
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春待つ我「おかえりなさい」の七文字は 言われたいんじゃなく言いたいんです
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あと少し私を抱いて温めて離れられない布団は魔性
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冷め切ったコーンスープを吸う我を誰が待ってる誰を待ってる
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雨降りて決断の時手に入れろ今こそ此処で繰り出す雷鳴
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「忘れたの」「いや、多分。まだ」そう言って 貴方と目下、ただの、朝焼け
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