部下達が 出したクレーム 対応す 協議半日 最後は握手で
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うつろはぬものと伝へし老松も薄き二葉の夏衣着る
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成功も栄誉も望むべくもない 上手くミスれるようにありたい
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三日前 出した献立 また餃子 気のせいと通せる自信あり
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あさもやの 春の夜あけて 雨あがる 春風渡り 葉桜戦ぎ 青葉目に沁み
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ステップをゆるり一段戻る日々 僕があなたの手を引く番だ
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ばあちゃんが遺した愛を受け取って じいちゃんは今日もかわいく生きる
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西の空 明るくなりて 雨上がり 口笛吹いて 歩く人あり
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リラ冷えや弁膜症は母譲り 胸のノックを聴くごとき日々
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ダイソーの絆創膏はすぐ剥がれ 赤く滲んだ傷が治らず
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世のつねの苦しみわぶる奈落にてあふぐ光はあはれなりけり
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花林糖かりんとうやめられぬまに芋けんぴ 縁側の茶器を雀はのぞく
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桑の実をチョンチョンついばむ園児たち 木の実に群がる雀のように
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カラッポや、お荷物だって生きていい、そんな政治を期待しちゃうよ
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幸せが裏を向いてただけなのよずっとずうっと一生涯ね
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歳とれば哀れ自分はカラッポと思い知らさる五月某日
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険しきを生き抜く鳶に我ならば雲をしのぎてかけりなましを
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感動と正反対なことたちが何て沢山あったのでしょう
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歌ひしは魂が声聴くがため心叩けば琴線奏ず
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椋鳥が蜥蜴を咥え誇らしげ遠い祖先は恐竜なれば
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廊下にて楽しげに群るる背中らに バックモニター付けてやりたい
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疎開先 文字を綴れぬ 幼きの はがきに記す 小さなばってん
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蝉時雨 徒然おもう 水飛沫 我が子が知るは 納戸のひや風
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子供らの視線と埃が交差する暗幕のなかあの子のとなり
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工事中 近道ふさぐ看板に見慣れぬ路地でみたらし三本
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「隠れ身の術!」と大きな傘に隠れた息子。梅雨の始まりと幸せ。
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お別れのカレーを作る台所涙流して玉ねぎ刻む
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初夏来たり 様変はりをし 南天は 白きさきつぼみを着けをり
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瓶ジャムの 底をさらった ゴムべらは 驕らずもとの 水切りかごへ
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天つ風乗りて猛くも見ゆるかな烏に弱きその背のいとし
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