子の帰省 楽しみな親 どれくらい? 気が重い親 ここにいますぜ
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今晩は息子が西より帰り来る 一升瓶を背中せなに担いで
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さてさてと、これからしばらく酒びたり 年の終わりも年の始めも
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関東は乾いた北風ピュウと鳴り 仕事納めの頭を冷まし
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パソコンとマウスの手垢も拭き浄め 仕事納めの析のひと打ち
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ちゃっかりと休暇を取って九連休 あとは野となれ山となれかな
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石けんも飴も鯛めしも 気がつけば シュリンクフレーションの波音
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サンタさん 今年も来たねと ミニブーツ 眺めてにっこり 明日にはしまおう
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ねこたちと 牛乳を飲む 疲れてる ならばも少し 一緒に眠ろう
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花散って諦めようと思っても 諦められぬ恋の亡霊
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光たちが地球の裏で静かに灯る 屋根の下に笑顔を見る
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大掃除 一日ひとつとペース決め 余力残して目指す完走
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ウエットなペンキ塗りたて白世界雨雪になり描き出す景色
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緩んでる蛇口のようにポタポタと 秘めてたはずの想いが漏れる
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弾丸のごとく過ぎゆく一年に溜め息つきつつ屋台で一杯
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だしぬけに督促状 肝冷やす夜の電話が無言で切れる
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息白く顔半分だけのぞかして風に負けずに雪降る道ゆく
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ときめきはひそかな熱の電気の海触れたときには静かなる震え
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待てど来ぬ ハチ公見つめて三十分銀の鈴かな スマホは鳴らず
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普段なら忙しそうな工場の掃除見かけた師走も終わり
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凛とした 空気の中を 通勤す 向かい風でも 日差し暖か
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嫌という字を習う前に書けてたのが嫌だった
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灰色の思い出と消ゆ 涙で滲む恋文の XOXO の文字よ
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中学2年生 恥ずかしいから外に出さない 内に秘めたままのロックがうるさい
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冴ゆる空 寒かれど 気持ちも晴るる 通勤の朝 近し年の瀬
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連れ帰り おやつをやりて ねこ母は 台湾ドーナツ(半額で100円)がぶりと齧る
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「年内は今日まで次は年明け」と「良いお年を」の年の暮れなり/ラジオにて
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ガーミンにスマホに電チャリ髭剃りと 充電せよせよ朝昼晩に
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傷つけて傷つけられた一年を自戒し歩む一人年の瀬
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銀杏の木 すっかり裸木となりて 道に一枚 葉が残りをる
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