目薬が 残り一本 それだけに 診察までは もたせる覚悟
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部屋の戸を今朝も眺めてはや二時間 地獄への道ひらきたくない
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汗だくのおしくらまんじゅう午後五時の地下鉄に乗る三十七度
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過ぎ去った夏から返信小さな秋の小さな恋のメロディー
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「聞いて無い」夫の言いに腹が立ち 「◯回言った!」が盛り気味になる
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窓の外 秋冷しゅうれいの風 澄む夜空 オリオン仰ぐ 床に就く前
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訪日を自粛するとか言ってても来るのやめない黄砂は来ちゃう
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マツバギク 花の命の 短きや 朝な夕なに 水替えれども
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おなじ3年 吾よりはるかに ご立派に つとめてらっしゃる 尊敬します>きのぽ様にエールを😸💕 お疲れ様です!
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十億円もろたら何をするだらふ 島を買い上げ美女を侍らす?
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僥倖をタレント達が唆す 年末ジャンボ十億円なり
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傷ひとつあげられなくてごめんねと溶けたバターに浮かぶ後悔
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久方に 地下鉄始発 出勤す いつもは車 景色も変わり
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タクシーが角まがるまで両手ふる妻と吾なりの無事ねがひ
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晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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じいちゃんの 柚子割り酎ハイ孫真似て シーツに描くは香る世界地図 
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富士山を習ひて高き山型に ざる菊昇る秋の蒼空
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朝四時に使命を背負ってひた走り僕を追い越すはたらくくるま
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そんなこと普段はしない矢野君が私の手を引き屋上へ行く
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荒れた裏庭によそよそしい十六才単身赴任の帰宅
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祖母の兄うた愛せしと母にきく父の手術の終はりまつ窓
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「過言ではない」を漢字で書ひて見せ十年一日いちじつ父と子で過ぐ
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「たくさんのしあはせもらつた」と死亡欄しあはせのかぞへかたをおもふ
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手つだへば坐つて尿ゆまりする吾子の本音も漏れた水音をきく
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若鷹の 夜鷹にだけは 気をつけなはれ
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朝寝坊 電車も遅れて奇遇だね 気が合うことを喜べないね
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十八時 炊飯予約 炊ける音 目覚ましならず 起きたら零時
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オルガンの音に合わせて歌うのは祈りではなく貴方への恋
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黒髪の右手に持たれた讃美歌と恋の音なる礼拝堂
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全世界80億人が見ていますあなたの恋をあなたの愛を
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