記憶の日、思い出せなくなる前に 過去のいつかでまた会いましょう /3.11 東日本大震災によせて
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春の宵 夜桜みつる 朧月 今宵一夜の 旅の空 夢路の果ては故郷(さと)の母
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花粉はるの日々 籠り居らずに歩けよと 空の青さが奮い立たせる
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風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
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友訪ね瓦礫の道を行きし春 さざなみ光る海眺めつつ
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見てしまった 友だちの彼氏 さらりと 涙みせず 振り返り笑顔
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片や減り 此方大増 国会の 代わり映えなし 質疑応答
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下向いて片手袋を探す海わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと 人には告げよ あまのつりぶね /参議篁 11/100
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散歩道人なき家の庭先に倒れた枝に芽生えた蕾
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軟飯の 粘度に惑ふ 幼子よ 立ち向かひたる 人生の壁
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「もう」なのか十五年とは「まだ」なのか震災の日から十五年過ぐ
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野良猫が我が物顔で盗み食い 戸惑うアルパカ遠巻きに見やる
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夜に沈む部屋にプラスの網ゆれる『短歌』『テミス』に『ひらやすみ』して
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触れたいという願い ただ焦がすだけ せめて影だけ重ねてみたり
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誰のためでも無く生きるため今日庭のラナンキュラスひとりで咲く
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かっこよくしにたいとかまだそんなこと呟いてて東進のみどりベタ塗り
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悲しみの 先回りして 肩叩く 何を驚く 俺だよ俺だ
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まっすぐに 切られし町を歩みゆき 曲がる心の 行き場なくなる
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廻りくる3.11原発を逃れしY子はどうしていよう
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春の宵 二人見上げる 光の海は 綺羅綺羅と 無限の宇宙
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震災の日 十四時四十六分 忘れじのとき 黙祷ささぐ/東日本大震災
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願わくば私のことを知らないで 振り向かぬ風を受け流すよう
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バスの外いつも通りの街と人 いつも通りがありがたい今日
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「聞き上手」と言われてお礼を言ったけど、私も色々話してみたい。
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らさずに 5秒を超えて 見つめり 人群の中に 君を知り
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羽ばたけば抱きしめてくれるやさしさを 掴んで壊してしまう君たち
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バス停に落ちてたキャバクラの名刺には、私の名前と同じ源氏名。
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祈れども居るかわからぬ神さまに常世の癡かを祓えと叫ぶ
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鼻タラリ… ティッシュの消費量多く ごみの日までにわんさと溜まる
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波に落ち波に消えにし人々の生くべかりし日々夢のまた夢
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