文庫本二冊とラジオを戦友にあさって受ける手術に臨む
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小さめの罪悪感が巣を作る レシート捨てるための入れ物
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そこでまず相手の登記を確認し まだこの話サウナでします?
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ありがとう 君にいつも助けられて だけど僕は言えないな 君の前でしか笑えない
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キラキラね 光る街がすごく綺麗 ただその影だけが好きだった
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君には花が似合うから 僕が毒を吸ってでも どうかずっと枯れないで
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あ、元気? すぐにうん、と答えれない 僕を死なせた 何かを刺したい
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お互いがフードコートに置かれた傘になって離れられません
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あなたが心の玉座に座って安心して眠ってるから私は少し困っています
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昼風呂に あんまり入った気がしない ドアの向こうで にゃーこら言われ
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今日ばかり頭を抱えて歩きたい 重力に負ける圧縮血管
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疲れてるのに眠れない 路地を行く人のくしゃみが聞こえる凍夜
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変動期ふてぶてしさと穢れとが猛威ふるって街々満たす
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柿の葉をかき集めては思い出すみなで集いて落ち葉焚きし日
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寒い夜は 身体温め 君想い 心温め 静かに眠る
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実るほど おつばい垂れる 秋時雨
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歳を取ると欲しいものがなくなると思ってたのに
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口あいてキンキンされて恥ずかしく死に際などを思い浮かべて
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北の国 貰いし土産 食べ頃に インカのめざめ 調理に迷う
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不便なりまるでデジタルデトックス絆創膏を巻く人差し指
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扱いが軽んじられて怒るのか鋭利な端で指を切る紙
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死にたいな 死な し しなちく しな死 梨 希死念慮変性記録3
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自らに散るも叶わず毟られるその街路樹は何を思うか
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こんにちは今日は明るい灰色だ ねむいかわいい いいな死にたい
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深紅しんくへと蔦紅葉つたもみじ 去る秋のえがき残した 自然の壁画
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夕礼拝(飲み会つき) 行けそにないので 差し入れを 78円のバナナもゲット
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じんわりと一昨日の疲れ来る 腰に手を当て 目配せの妙
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101  回目のプロポーズ  Tシャツを 着とるオバハンの 愛嬌としよか
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我もまた秋の味覚になりにけり 脚に実った野苺にムヒ
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秋のの 夏より強く我さそふ 果実かじつかほり、血を吸う薮蚊ヤブカ
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