われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
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弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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嫁娘母よめこははの どれも中途にこなしては 泥のわたしを 慈しみおり
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不機嫌に睨んたような顔になる それは良くない老いひしともがら
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返信は「傘がないから」 それだけで恋の終わりを知ってしまった
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いや違うオレの真意はこれこれと言うもずべては後の祭りか
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短慮せず閉眼呼吸忘れずに一長一短断ずべからず
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赤ずきん令和の巷ひとりゆく毒牙待ってていけないことよ
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つくられた寒暖差とも生死賭け闘う日々が来ると思わず
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永眠を致しましたと通知する者すらおらず風と化してる
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思い切る言い訳にする「春なので」あなたを振ってケーキを食べる
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二人して癌友だねと笑いつつ友に伝える想いあふれる
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過去も未来も重なって刈り取るケーキの断面 円はずっと螺旋でした
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春近し ワラビぜんまい フキノトウ 土をかき分け 出ておいでー
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張り詰めた背をさするだけガンバレもだいじょうぶよも言えないでただ
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生命いのちとは熱きものにてたらちねの母子はわれを父親にせし
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腹裂きて産まれ出づ子を抱かされる「これが生命いのち」としる雪の朝
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今の君 がんばらなくて いいんだよ  こころをちょっと 座らせてあげて
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好きな子が卵を産んだ 人間はこれをかち割り調理して食べる
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引く手なく 早く歩けど 宛もなく 心はどこにも 行きたがらない
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「幸せが逃げるよ」君の口癖に 私は溜息 見せすぎたのか
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けだるげな雲の下では雨粒が地面に触れて跳ね回る音
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フルーツの付かないトマトに稀にある「まるでフルーツ」当たりのトマト
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君からの ぽろぽろアポロ 君からの ぽろぽろアポロ 「7日空いてる?」
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占いで探す日付はふたつだけ 私が変えるきみの運命
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冴ゆる朝 けふも園バス 送迎す 幼き希望の光を乗せて
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よどみない圧倒的な語彙力で会話してくるギフテッドの彼
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体操のお兄さんの如キッチリとラジオ体操するASDアスペの彼
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カン!カン!と小気味良い音響かせてラリーは続くデイケア卓球
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退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
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