偉そうにするなよ、私。毎朝のバスであの人に会うの期待してて。
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春日和 風に向かって 飛ぶ鳥の 羽ばたき二つ 街を乗り越え
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朝起きてコーヒー香りトランプを 指を一回ハートのエース
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何処ゐづこから 風にさらはれ こぼる種 健気けなげに咲く 道端のビオラ
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この国に 不穏な空気 満ちてきて 自由の意味を 今問い直す
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人のよう うまく化たと褒めあって 春はほころぶ毛布の宇宙
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ピッと鳴りかざして測る体温計デジタルは見ぬ熱も心も
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つぼ八や養老乃瀧通っては鳥貴まぶしき昭和の夕日
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朝に聴く小鳥の囀ずり心地よく ひよの絶叫減るセロトニン
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目に留まりこころに留まる楽しさが ひとつふたつと増えていく春
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青き日のきおくに酒を注ぎ合ひ同い年しかゐない呑み会
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不都合さ 出始めて知る 老化なり 長い付き合い 時は過ぎ行く
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羊焼くアベルを神は寿ぎて 穀物捧ぐカインを疎む
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また来ます またとは何時か ふわふわと 予定に書けない 予定が増える
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前世での 約束のため 現世へと 君を探して 約束の地へ
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青空へ白木蓮のつぼみ立ち再起の君へ春を祈りぬ
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いつからか 砂糖入れず飲む珈琲 苦き味わひ心に満ちて
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一輪車押しておうなは春の道 株に土付くほうれん草乗せ
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ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
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小窓から 月灯り漏れ 静寂な 離れの茶室 無の一服を
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歌の橋 月まで千年つらなりて重ねる短ざく飾る浮世に
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ニコニコと いつも機嫌が いい俺を 嫌いと言う奴 いつも不機嫌
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夜明け前 ケーンケーンと 鳴く雉や 羽音で威嚇 明けても止まぬ
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書きかけの言葉の脇に茶も冷えていつよりここに我ありしかな
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液晶の青き光に浮かびしは誰が指の跡ぞ名もなき塵か
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エアコンのリモコン探す3時半 28度の脱出ゲーム
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一夜にて大地を覆いて地を築き幾世いくよ幾歩いくほに減る土瀝青アスファルト
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君がためクレーンゲームにお金積むボタン押す指に期待ふりつつ
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「このたびは・・・」心とりあえず会見でうわ言連ねる紙のまにまに
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春のはず視界は温し凍る風お昼の旅びと陽風サンド
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