翠星むいろ
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2025.05.17 下の名前が変わりました
酔って、眠って、忘れて、それでもふと思い出すような、そんな短歌を目指しています。

スマホとは斯くも頼もし 異国語を無事に解して道案内す
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お布団にキッチン・パソコン・スマートフォン 今日一日はこれでしまった
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目が合うと網膜認証 猫起動 甘え機能は最新モデル
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雷雨なり それでも今は卓のうえ順に咲きゆく五色の花火/ボードゲーム「HANABI」
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いちばんの闇をば抱きし夜のふち 貫き昇る朝日のあはれ
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梅霖ばいりんはまた消えるらし空高く 遣らずの雨よ今こそ降らん
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しぶきつつやがて小やみの夕立は祭りのあとの帰り路に似て
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いつもより力を込めて豆を挽く 逃げる夢より目覚めたる朝
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めんつゆに金箔めきて生姜舞う すする素麵 ひと手間の妙
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星たちも労うだろう 夏至の陽が大空高く長く在ること
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電車乗る昼のまどろみ心地よくガタンゴトンの子守唄聞く
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汗に照る母親ひしと赤子抱く やすらけきかお 無窮の愛かな
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29℃ 部屋へ吹き込むさえずりは 晴れをうたいて朝を楽しむ
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のぼりくる暗雲じつと聳えども覚めずあれかしけさの安寧
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きみもまた紫陽花なのかごめんねと白いとんがりあたまに手添え
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パーを7パーに変え戒める 氷結無糖 されど2本目
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道行けばペトリコールが香る夜 梅雨来たりなば夏遠からじと
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生き物のお世話は難しベタ飼わず焼肉食らう其れもまた人
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横文字に苦戦 店員困り顔 さーきゅれーたー さーきゅれーたー?
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僕のうち 好きの芽生えはいつだっけ 電車を指して笑み咲く男児
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雨が止む一瞬狙い駆け出した だるまさんが転んだみたいに
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梅雨ごろは憎くはあらず世をへだつ御簾のうちなる静けさにおり
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偏頭痛寄せては返す波のよう雨の朝まだ潮騒聞こゆ
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のこされし蜂蜜瓶を抱きしめて 琥珀をひとつスプーンに掬う
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だんだんと雲の形が分かりゆく夜明けの空を冷や酒で飲む
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何事も無き一日をしらせたる幼馴染のあることの幸
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お天気に「いってらっしゃい」袖を振る物干し竿の真白きシーツ
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泡沫に溺れた夢を聞き終えて ゆっくりきみはまばたきをする
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窓枠を照らす西日は黄金きん色に 子どもの声はひかりと共に
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外を見る猫のあたまを見つめてる私を見てるまた別の猫
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