春隣 春のあけぼの 来てみれば 山の端かすみ 香りぞ溢れけり 蝋梅の くれないもえる 梅の園
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故障した 馬を横目に 引き離す サラブレッドの 非常な世界
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やはらかに きぬのあめふる わが庵の 杉の戸たたく 春のいなづま 
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何もかもをかなぐり捨てて シーツの海に溺れる いたいけな春
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梅散りて寒の戻りや雛まつり レインコートは花雨に濡れ
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落とし物 気付かずに去りゆく背中 「待って」のさき声も届かず
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厚壁を見つめる我に夢食めと圧をかけるや水槽の亀
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便利さを 使いこなせぬ 事もあり 追いかけはせず 付いていきましょう
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暁光に 染ましり凍てつく 襟立てて 届かぬ街の 君に幸あれ
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いにしえの 陽光秘めた 年輪の 揺らぐ炎に 過ぎし日還らん
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他人から 選ばれるのが 嬉しくて 自ら自分を 失ってゆく
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嬉しきは 孫から貰えし折り紙の ピカチュウお守り宝物なり
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坂道を歩いてふたりコンビニへ 行きはよいよい帰りはきつい
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言葉放つ嘘では無くも半分は好印象欲し本音もありて
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人からの言葉が胸に突き刺さる 消化しきれずストレス増すかな
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目を細め 念入りに顔洗う君 きょうの雨予報知っているんだね
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気ままに空飛びまわる言の葉を ひとつふたつと捉え歌にせり
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公園で 鳩に餌やる オジさんを キミと2人で しばらく見てた
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裏の裏 それが表じゃ ないところ 面白いだろ 面白いがれよ
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いいねだけ溺れて仕舞えば落とし穴 歌力が濁る空っぽ色に
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香木は樹々の傷あと治癒の樹脂 風雨の歳月かほりに溶けて
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咲き初める ラナンキュラスは 母の趣味 横のフィギュアは 僕の趣味かな
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鏡の木あなたを写す表裏いろづく鏡華は君色に咲き
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泥だんご砂と水だけ根気だけ磨く心が艶を光らせ
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眠眠眠お休みの陽は海の底 深夜に沸きたつラーメン啜り
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北国で 最高気温 プラス二度 それで寒いは もう冬じゃない
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泣き笑い怒りあぐねて素通りか 四段下なる影を引き立つ
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ひな壇の隅に出番を待つ我ら 名も知らねども春を囃さん
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高砂や尾の上に立つ雛人形 残る四段の名を忘れけり
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ささくれた心 詩作で整える 先の自分に 「ファイト!」とのエール
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