自分事いいえ所詮は他人事そう言い切ればまだ生きられる
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春陽射し 花の木の下 独り影  色は見えねど 春の調べに 誘われて 舞いつつ 世は幻か その影消える
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皇族は 上にもありて 下にあり 満州事変95年
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風吹けば松の緑は現れて空にぞ掛かる藤浪の花
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敵国の 友に浮かべし 微笑みは 気づかれぬまま 時の彼方へ
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朝起きてやや肌寒いストーブは焚くほどでない冬は去ったと
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このふたりはもう…何度も泣けてくる 爽やかりくりゅうペアの引退
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珊瑚の美 狙うヒトデは胃を晒す 人は傾げる食性の怪
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ゆるゆると暮れなずむ 春宵の帰路 見逃さぬやう 探る明星
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縁側に膝を並べし宵の口ビール片手に春のお月見
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昔の人はまだ言葉なき思い出をよくぞ「思いが出でる」と名づけ
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堕天使と 人になりたい 死神の キミと俺との ロードムービー
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寡黙なる侘しきかどを晴れやかに祭りのごとく舞う金魚草
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愛らしく 瑞々しきは 名の通り 乙女椿の お目覚の顔
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回線がやる気と裏腹繋がらず詠めぬ一首にアオバトの鳴く
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窓を開け 卯月の風吸い込んで 気分リセット! 「今日」がまた始まる
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車窓から 過ぎ去る雲と長閑なる 田園風景独り眺むなり 
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夜更しが峠を越えて朝になり 夢へ「おはよう」日の出と眠れ
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「おやすみ」と夜の静寂に届く音は雫落ちるにかき消されゆく
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風薫る薔薇の棘まで緑濃しふんはり咲きて紅色に染む
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はじまりは ささいなことの 口論で キミも言ってた 楽しかったと
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検診の「異型上皮」の判定に印押す気持ちはアンビバレント
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かまいすぎ 大きな溜め息ついたきみ  いつか、きっと どこかできっと
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髪の毛も皮膚も脊髄も溶かしてさ、あなたと一つになれたらいいのに
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君がため春は来るのさ こんな日は花束抱え会いにいこうか
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キラキラと金平糖みたく輝いて ゆったり死んでいこうねと君
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春の陽へ小花の集い風拾う赤き銀河の芝桜かな
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春風に 背中を押され 前進め
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寒き朝 鈴の小花に 揺れ雪の 細き水降る スノーフレイク
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ひとときの 甘美を終えて 苦に沈む
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