夕陽さす昇降口ふと立ち止まり 微かな足音おとにきみと気づけり
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若草の妻が作ったトマトシチュー冷蔵庫奥で忘れられてる
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街路樹の 伐採されし 木の幹に 新芽宿りて 枝葉が伸びる
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我が庭の オレンジの半円にぎやかに 白き眼元の メジロが集う
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この花は? 問われて「知らん・・・。」と答えた日 「正解!紫蘭(しらん)」と父が応える
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包丁の 鋭さ知った 初新居 母の日に花を 送ろうと思い
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謎ときの すべてのパズル 合ってきて これしかないと ワンピース置く
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レンタカー 知らぬ信号 待ちぼうけ 透かすガラスに 八重桜ひら
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子らの声は癒しだったわ 今更に 引っ越して気づく 静かな街に
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恋の味 甘みと違い 濃いの味 この苦しみが 中毒の理由わけ
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地獄さへ創りし我ら人なれば桃源郷は造作無きかな
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よく見れば私の全てあるじゃない空恐ろしいマイナポータル
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霊長類 最高峰が Aiを 軍事に投じる 愚かさたるや
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母さんは高カロリーをちょっとだけ低カロリーをガッツリと俺/満腹
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我慢の限界超えたらただ笑う言葉の通じぬ奴と諦め
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砂漠より 言葉通じぬ 来日者 ジャリジャリと 翻訳は擬音
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生きるのが罪かのような解を出すシステムバグよデバッグの刑
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あの人に 上着を貸した 恋敵 イケメンすぎるわ 今度真似しよ
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気付かれぬ ように静かに ゆっくりと つけてた猫が 後ろで見てる
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雨風が散り際すらも連れ去って残された葉と花の骨組み
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新緑の幕に包まる古巣には 今年も鴉の産卵なるか
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今はもう ここを去る事望まぬと くいや憂いは多少あれども
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きな臭いきな臭すぎる新聞の1面の記事水をかけよか
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風流な 春霞だろうか いや違う 黄色き空気に 息を止める
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鳥は鳴く日の清澄のよろこびと風切る羽の透けるひかりを
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夢の中でてくる舞台移る中思い出せても実家の間取り
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「もみもみ」の 妙なる歌を 携えて 来る人あらむ WEB短歌に /もみもみ:定家卿歌論から
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夫婦げんか 極まる頃を 心得て 姿を消しぬ 猫あくびして
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麻裳よし キューバの国に 似る雲の はぐれてやおら 形崩るる /米国に狙われるキューバ
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幾たびか 横になりたき 日のありて 何すともなく 春たけてゆく /春愁
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