片付けは したら勿論 いいけれど 散らした部屋も 居心地よくて
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上弦の 月が放つは 白兎しろうさぎ 落ち葉と共に 風がじゃらして
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半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
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一年はあっという間に過ぎるのに あなたに会うまであと2週間もある
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セーターを着るか着ないか携帯の天気予報は小春日和と
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何となく微笑み合える知られずに同じキャンディ口にしてたら
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我のため雑草(くさ)を摘んでは土産とす 認知症(やまい)の祖母の不変の愛情
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黄昏こうこんに包まるる街 鴨脚樹イチョウの葉積もりぬ歩道 黄色い晩秋ばんしゅう
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ハリ刺した揺蕩う本音チクチクとホラ吹き顔に滲むシオ味
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暗幕あんまくに 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の いくつ 
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この国の成り立ち知らず住んでいる 全部忘れて皆素直だ
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寝る前のポテトチップスばりばりと 月と一緒に太る晩秋
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まだいるのパーティションとこのマスク 思考を放棄した小役人
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今年イチ 抱腹絶倒 したのはね 腹部エコーが こしょばすぎたの
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クリスマスプレゼント 喜んでもらったよ あとはクレープ買ったら帰る
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胃カメラで 吐き散らかすも 異常なし 私の尊厳 致命症だが?
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哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
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ふわあっと 見上げた空に オリオン座 去年ぶりだね お久しぶりです
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段々と 熟し始める 檸檬の実 寒風の中 元気な黄色
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ハンバーグ そっちの方が デッカくね? じゃあとりかえる そこまでじゃない
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痛みは人に見えないんだから言葉にしてくださいよ
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珍しきフェンダーミラーの自家用車老練なりやご安全にと
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たくあんの水が上がってヤレヤレと 米の袋をよいしょと外す
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小春日に 透けて届くや 温もりの ひかりのなかに 君は微睡む
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それいいやん、と 母の褒めたる 吾のスカート 赤のチェックで クリスマスふう
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沢山の真顔をくれてありがとうそちらにいなきゃダメですからね
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抜きん出たものが無くとも今までの 我の全ての良き展望よ
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なせばなる なさねばならぬ なにごとも なさぬはひとの なさぬためなり
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キジトラの シマシマなぞって どこまでも ほっぺにゴール 歯形は褒美か
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仕事では目視点検してるけど見えてなかったあなたの悩み
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