思い出が 詰まりし車 車検出す「まだ乗るのか!」と 整備士笑ふ /平成9年車😅/(前編)
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向い風 受けたくないなら 吾の向き 変えてみよう 追い風に乗ろう
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いちょう銀杏の森 緑から黄に変わる頃畦道に列 黄葉祭り
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夕焼けと、きみの頬とが同じくらい赤く染まった赤煉瓦ゆく
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車窓からマジックアワーの細い月 一縷の望み叶えくれそな
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推し観戦 楽しんでねと吾を送る夫へ感謝のうなぎパイ買う /お土産
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世間では 連休行楽 日和なり 我は一人で パソコン向かい
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公園で 銀杏の落ち葉 遊ぶ孫 ポーズをとって 秋の思い出
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大切な 言葉を赤で 書くからさ 色褪せるのよ 看板の文字
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夏の間に焼酎割ってた炭酸が冷蔵庫では居心地悪げ
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食後すぐ お菓子をむさぼる おばちゃんが 涙もろいんとは 知らんかった  
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自転車のペダルを漕いでゆっくりと小春日和に咲くオキザリス
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予約した 駐車場が 見つからず キャンセル料に モヤモヤつのる
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枝先のもみじ赤らむ 惜秋せきしゅうや 夕焼けにむ 薄紅の雲
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子を預けひとりで出かけ 紅葉と、子ばかり見てた日々に気が付く
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補助輪の吾子が進む砂利道に 我の姿を重ねんとする
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朝餉まえ香煙たちて鈴ひびき心ととのふ位牌の前に
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爪を切る。我の指からはらり落つ 大小十個の細き三日月
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ジャリジャリと響く足音聞きながら、抱いた赤子が駆ける日思う
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桃李には 人集まりて 蹊を成す  さは成れずとも 桃を手本に
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名乗る パトス 過酷 かこつ  走馬灯  悟る 不可能 野望 手折る \「カオス」
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澄みし空 三日月の色 温かく ほんのり照らす 遠き地球ほしまで
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君の好きな手料理などになびかない保護費で暮らす母の祝福
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踊れなくなったやつから順番に壊してくれるやさしいディスコ
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新月の ぽっかり浮かぶ 西の空 夕焼け空に 明日を誓う
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みぞおちの奥にゴシック体の愛ねじこまれてロボットになった
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社長たる父には勝てぬ誕生日別れた母の誘い断わる
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凍てついた海へと裸で身を投げるジワッと吹き出す汗を握って
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お互いに耳遠くなり噛み合わぬ話ふえても居心地良き親友とも
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オリーブの深緑色ふかみどりいろ 空き瓶に薔薇生けてみて勤労感謝
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