愛ゆえに ただ愛ゆえにこそ ひた走る 雨の大阪 わがの待つ家
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本を買う 私がわたしで あることを 諦めていない そんな気がする。
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はこばれてゆく食べものをながめてる「いってくるにゃーん」ここはジョナサン
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寒くないだけで陽気な日でもない気温高いと予報された日
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カフェオレを独り淹れるに困ること開封牛乳賞味期限
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受話器から漏れる信号 誰からも気づかれぬまま海へと沈む
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歳末の妻の口調はきつくなりメガネの歪みなおすJINS
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子供らの 人権守る 児童館 自分で作れ それか辞めるか
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本当の 阿保かつんぼか 緑内障 年を取ったら ハンディキャップ
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誹られて ひどい言葉で 侮蔑され それでも笑う 自虐の極み
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悪口や 下品な言葉 言いまくる 小さい子らに 怒る気もなし
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聖歌隊 高齢のため 声も枯れ 物悲しいね 賛美の歌も
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クリスマス そんな気分の コカ・コーラ 惣菜買って 二人パーティー
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六十を 過ぎても未だ 働けば ボロボロだよね ひどいもんだよ
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この魔法解けて世界が覚めたとき私はいなくなるのでしょうね
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孫たちの回転寿司の空き皿が タワーのごとく ジジババ照らす
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ボケた人 集まる度に ボケまくり 何がなんだか ボケてるまんま
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メイクした特に用事はないけれど化粧の甘い香りがうれしい
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目が真っ赤 同じ人から 同じよう 質問されて アルツハイマー
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年の瀬に なんでも言って 委員会 和気愛愛と 楽しく議論
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灰色の空が心にのしかかる得体の知れぬ不安拡げる
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ぬいぐるみの猫がウサギの被り物していてぼくを混乱させる
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額縁と 作品ともに へし折られ 泥をつけられ 「酷いものだ」と
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十年後 大丈夫だよ 伝えたい 十年前の 不安な君に
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テントウムシ 階段のとこで発見す 母と二人で笑い合ひたり
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ベーコンとチーズは正義 ココスにて 皆で包み焼きハンバーグ(熱々)
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あなたが寂しくないよう願うから家族写真も連れていってね
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指先の 知らぬ彩より 聞けぬ理由わけ
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雪雲や あいまいな空 わが心
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雨止みて 枯れ木の雫 飾りなす
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