薄皮を一枚一枚剥ぎながら夏の核心に迫る7月
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期待した大人の世界はあっけなく過ぎる土曜の夜更けのように
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立原の Nachdichtungナハディヒトゥング 借り物も 生まれを忘れ 遠く遠くへ
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ゆりひらき きいろいかふんも なまめいて オキーフなんぞと ポルノってみる
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特別な 仲と思って 夢見るは 友達の文字 見るまでのこと
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今はまだサヨナラだけをうたにして また来る春のかなしさに寄す
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両脚をそろえしっかり目を閉じる今夜はどこまで沈めるだろう
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中国に ︵レアアース︶握らちゃった トランプが たいわんゆうじに 動く気あるか /金魂 日本の仮想敵となあなあ
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艶々と紫に染まる夏ナスが 畑に輝くアジメストのよう
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肌黒は父に似ており畑の夫UV集め黒さましまし
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良い本屋 ブックカバーが五種類も なんと周年限定カバーまである 
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南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 と唱えてもそれは単なる書籍の背表紙
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本能のままの夢を見る 地球最後と謳われた日の夜に 
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口紅を盗んだ。きみがまた夜に会いに来るのをまっているから。
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癖のある直筆すらも愛でていくそう生きるって決めた七夕
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陽焼けした背中の皮がほころびて 蝉の羽化する痛みを思ふ
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南無阿弥陀 南無阿弥陀仏唱えても 内なる怒りは 消えること失く
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真夜中にふと目が覚めて考える地震か何かが来るんじゃないかと
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チャンプルーを 作りて今夜 人生も チャンプルーみたい 期待はしない
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ひと月で一番つらい日が今日で来世は男に生まれたいかも
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バス待ちの花屋に可憐なさき薔薇 黄色選びて元気を貰ふ
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雨が降るだろうかまさか今になり梅雨だったって癖っ毛はねる
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わたしたち、雲に似ていた。「さよなら」で 直ぐ消える瑕疵きず 撫でて忘れて、
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PCのグレイスケール三日目はモノクロームに想いの揺れて
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七夕に司会の平和祈願して、夜空見上げて全世界楽し!
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暑いから なんにもしない 言い訳は これで十分 やる気もダルい
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向かい家の 白紫陽花が 緑帯みどりおび 文月なれど 真夏たらんや
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疲れたなねるかあしたはなにしよう酔って笑ってゆくりかであれ
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自家製と手渡されたプチトマト おまけに青虫 君はだれ
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水面を目掛けて降りてきた蜻蛉とんぼ 人の居ぬ間の露天の黒湯
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