最悪も「さいあく」って書くとなんだか比較的マシに思えてくる
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七転び 八回起きて また転ぶ それでも立てば ナンクルナイサ
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東北の 地震を受けて 会議する 防災マニュアル 見直し残業
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解けて降りツルツル路面の出来上がりそっとすり足 雪降りつづく
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他人ひとの庭咲く花の名を調べたし無断で写真撮るにもいかず
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道すがら他人の庭に咲く花の名の調べ方考えていた
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残業す 湯気をたたえた マグカップ ココアの香り 部下の優しさ
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この夏に 花を咲かせし 百日紅 冬の鉢植え 実でも彩る
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すり林檎食べた数だけ成長し食べたくなった三十八度
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猫母のロリコスプレに首かしぐ 「猫だまし」とや人は言ふらむ(「猫だまし」は、相撲の技)
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爺ちゃんはこよなく僕を愛してる。そのことだけは忘れないでね
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底に着くそのまま窒息する前に 夏至に向かって浮上を始める
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刺し子模様 ひと針ひと針色重ね 無心の先の華やぎが良し
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日が暮れる冬至に向けて下降する もうすぐ足が底に着く頃
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南天の実が欲しくなる 冬の夜 魔除けなるべし 魔除けなるべし
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精算が終わりましたの音声が師走の空に虚しく消えて
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冬を耐え花を咲かせよ林檎たち陸奥に明るい春を呼ぶため
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幾筋の水の滴り顔を撫で呆然と見る浴室の鏡
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歯科に停められた車は全て白 差し歯するごと吾も駐車す
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車のみならず顔面初心者のマークを付ける 大目に見てよ
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我の波ザブンッと人の心折り本音じゃ生けない日本の浜は
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散り際と 緑葉 裸木はだかぎ まばらなり 時間差の不思議 並木の鴨脚樹イチョウ
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机椅子ノート鉛筆おともだち みんな壊れたみんな壊した
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掘りてなほ砂に埋もれり歌の果て溜めた息なら砂漠の空へ
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小説を 書いてみたいと思うけど 書き方調べる 私は不向き
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ひざに乗る ねこのしふく至福の顔を見る トイレもゆけぬが ひとときこれで
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僕の夢 君だけがいて 微笑むと 僕はめざめる 恋に落ちる朝
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真っ直ぐな瞳で見れば澄む未来 心に鳥を悟りの境地
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遺書にするつもりだったが内容がボカロ曲の歌詞みたいで萎えた
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チビ猫の 棚の上くるくる 撮りたいが ちょっとだけ背が 足らぬのだなぁ(159センチ)
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