濯ぎてむ 雪に埋もる言霊を 夜明け前こそ君に捧げむ
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あと一日で一月終わる朝 ふと思う こうして過去が出来ていくこと
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感覚も失せる程 凍へし両手かざす ストーブの匂ひ 昔日
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成果に自信はないが 継続はできる好きなこと 今日も続ける
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若くなることはできないから呪うそんな大人になりたくなかった
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ふさふさと蕊(しべ)の際立つ梅の花憂い帯びたるまつ毛のように
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竹を食むパンダの消えし園のなか働く人の靴の音ひびく
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3番線花も嵐も踏み越えて上り列車が参ります
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春をまつ町でジャージの二つがいアオハルの夜熱をおびつつ
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天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
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冬尽きてめくる暦の処女雪は君の「バイト」に汚されていた
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寒波来て 老いの身凍ゆ大寒の 震えて待つは小春日の空 
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恵方巻き ひとくち食べて 美味いと言う 俺の頭を キミははたいた
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ふたおやの齢超え生く妻の目に映るかなしみ われそばにいて
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草花の 芽吹く段取り 整えリ 春遠からじ 立春の地中
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贅沢の限りを尽くす午前2時  明日の仕事を生き抜くために
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追いかけて つかまえんとして 逃げられて 空に召されし 君の温もり
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越してきて カーテン無いのに 気がついて 週末までは 真っ暗で暮らす
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電話器をくるくるするゆび「へえ、ふうん、木星までつれてってくれるの?」
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真面目とは 考えることを 放棄した 覚悟のない奴 の言い訳
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歌を機にめて用ひる言の葉衆 今か今かと袖から覗き
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電線が空を縛っているために 天使が泣いて還るのを見た
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健康に ストレッチして 筋トレも 鍛えていても ポテトチップス
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人類が滅びた後の異星人 文字の宝石 短歌に酔いしれ
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股越しに降る雪ならば昇るはず「ぐぐぐ重力」僕らを縛り
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君の名で常に頭はギチギチと試験中は消しゴムの中へ
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きっと君は女を使い捨てしないでもそのノックに応えられない
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恋煩い泣き叫ぶより歌で鳴く仄かな愛が消え入った夜
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5歳 母はお礼に一台づつ園児は窓辺でミニカー走らせ
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折り紙で箱と受け皿作り出すユーチューバーの魔術を盗む
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