月別を遡っても出てこない 年別にいるあの時の君
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僕は彼氏じゃないし君は彼女じゃないから楽しくやりませんか
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雪のふね小鳥を乗せて僕のうえ伸ばす手ここよと花の蜜吸い
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小さき雲 大きな雲も 時を持ち 合わせ重なり 何処かに消えて
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プレパラートきらめくたびに目を奪う 触れてはいけない君の世界へ
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たわめども今しがた至る温色の 蹴飛ばしたる熱入り日と消えぬ
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その人の目にとまりなば炎上の 掠め去りたる安らかの 翳
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鳴けども鳴けども鳴けども撃たれない野原にじつと空め回して
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鴨南で蕎麦を覚えし四十路過ぎ 君が馴染みの店に手を引く
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支持率が上がったままの内閣は 何でもありの世界を拓く
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いとこ会思い出話花が咲く 祖父が亡くなり平和の月日
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​先がけて 咲きゆく梅の ちりぬるを 地つちに臥すとも なおいとおしき
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ピンクから黄色に変えし陳列のフラワーショップで頬ほころびぬ
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特攻の記憶を抱きて五歳の 前世をマリアに委ねて泣けり
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たぶんもう完全犯罪できるほど知識あるよね沢口靖子
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偉そうにするなよ、私。毎朝のバスであの人に会うの期待してて。
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春日和 風に向かって 飛ぶ鳥の 羽ばたき二つ 街を乗り越え
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3・11  あの日が再び巡り来る 幾多のいのち 安らかに眠れ
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朝起きてコーヒー香りトランプを 指を一回ハートのエース
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何処ゐづこから 風にさらはれ こぼる種 健気けなげに咲く 道端のビオラ
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この国に 不穏な空気 満ちてきて 自由の意味を 今問い直す
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人のよう うまく化たと褒めあって 春はほころぶ毛布の宇宙
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ピッと鳴りかざして測る体温計デジタルは見ぬ熱も心も
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つぼ八や養老乃瀧通っては鳥貴まぶしき昭和の夕日
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朝に聴く小鳥の囀ずり心地よく ひよの絶叫減るセロトニン
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目に留まりこころに留まる楽しさが ひとつふたつと増えていく春
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青き日のきおくに酒を注ぎ合ひ同い年しかゐない呑み会
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不都合さ 出始めて知る 老化なり 長い付き合い 時は過ぎ行く
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羊焼くアベルを神は寿ぎて 穀物捧ぐカインを疎む
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また来ます またとは何時か ふわふわと 予定に書けない 予定が増える
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