記憶ではこんな軽口言わぬ人 増えた白髪(しらが)に思う歳月
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なんでだよ 今言わないでよって顔に 過去分詞 今も睨まれている
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雨上がり 白梅の枝 桜の裸木 何か恐竜のような
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不揃ふぞろいな個性あふれる塩鮭しおゃけの重なる切り身に当たりやはずれ
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ほうれん草はやく食べてと葉先からしおれる前に早く茹でてと
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真夜中に 腰になにかが 乗っている たぶん ちま猫ちゃんだとおもう(暗いから見えてない)
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目に見えぬ絆のあれや交わりは寄せては返す波の如くに /2月27日絆の日
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椪柑ポンカンが八つ転がる樹脂の床カビが歯を見せ椪柑ポンカンぺろり
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 帰れぬ春の 幾たびか過ぎ
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 母への想い 口にくゆらせ
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 幼き日々を 手のひらに置く
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眼を惹く本 「不健康は’悪’なのか」健康文化にそもそも論
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「ほら最近 流行ってるじゃない?長生き」と かろやかに笑う 人生の先輩
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女房より六年長き付き合いの友と酌む酒 梅のほろ酔う
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許すまじ 苦しみ生んだその根っこ 誰がゲームを操ってるか?
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シャバいのがシマを作ってその中で価値がないことばかりしている
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いわし雲釣つてみやうかプラプラと折りたたまれたアンテナのばす
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「つまんねえ」口に出したくなるだらう決めつけられたここにゐること
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伏せし妻 匙くちもとへ運ぶ夫  寄り添い生きし 老老介護
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記録にも記憶にも残らないぼくらの仕事は大河の一滴
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エーアイAIの 珍回答に 困惑気味 ただただ普通の 答えがほしい
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ばるより瑞々しいね私たち ただ空見やる瑠璃のふたりよ
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ダリの絵を 鏡に映し 世界見る 自らこそが あな如何(いかが)わし
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ああそうか木の葉は小さな翼だね散るまで羽ばたく季節の風に
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無い物は 別にいらない ったもの 返せ、返せよ 我慢ならない
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無関心 強きに阿(おもね)る 人が増え いつの間にやら 「弱者」在り
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答弁が 何か白ける 予算委の 三分の二超え 台本通り
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吾に近寄る蒼瞳羊駝きみの動きに笑えた日 だるまさんがころんだみたいで
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泥濁る溝に小蝦ざりがに釣りし日は舗道となりて靴音のもと
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白雲に 匂い立つよな 桜花 遠くから見る 桃源郷
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