二割増しフォークソングが染み込んだ まだ見ぬ明日は終わった 躁だ
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やさしさにきがついたよ思い出せば車の中で泣いたことない
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荒田こうでんあぜにひっそり植えられた膝丈ほどの桜にも春
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先に惚れた方が負けとわかってる 全敗でいいきみがいるなら
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「ち」だけでも 無声音「k」だけだって 作れば意味に飲み込まれてる
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きみのみる未来にぼくがいることを願い寄り添うシングルベッド
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ひとくちをあなたに食べてほしいのはわたしの好きを伝えたいから
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おいしいとごはんをたくさん食べるとこ いちばん好きなきみの良いとこ
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月が綺麗って誰にも言いたいyou (広義) 僕らがどうより綺麗なだけじゃん
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時間からはみ出していく心臓を言葉に留む三十一音
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手を振って振られて少し微笑んで性善説を知る遊園地
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きみたちの歩む世界がうつくしくあれ はじめての我の教え子
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うつくしい言葉を紡ぐ指先に手に唇にこころは宿る
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金ローの魔女宅録画見つからずキキに会いたくTSUTAYAに走る
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ハイ!チャイナ!宮廷ドラマに胸打たれ僕なぞ出る幕のない美麗
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目は大事にと 眼医者になる息子に諭す 母心
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氷塊のひとつも残らぬ湖の水面はなべて春陽を返す
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息絶えたように眠って夢の中なぜに初恋いまさら未来
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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生存の分からぬ従兄弟に躓いて 陸奥のしのぶもじずり誰ゆ𛀑に 乱れ染めにし 我ならなくに /河原左大臣 14/100
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偶然に針回るだけの円盤が四次元と僕の通信機らしい
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めでたしと終わらぬ粋なストーリー再び誰かが紡ぐ時まで
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優しさが 沈殿するのを 待てぬほど 呪詛の一滴、心に滲む
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劇薬の ごとく広がる 憎しみは 甘い蜜より 早く脈打つ
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夕暮れの薄青き空ひんやりと三日月浮かべさよならを言う
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なまぬるい涙にまみれ目を開ける夢のつづきはもうみたくない
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一人では 立てぬ背骨を 寄せ合って 「自立」のふりする 群れの醜さ
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新たなる試練やまいに心ざわめいて 春風かぜはこんなに暖かいのに /夫
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老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
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今晩の月と 短い連絡を 仕事終わりに見てほしいです
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