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死にたいと 漏らした君は 不死身でしょ 比喩だと思ってた ほんとなんだね
3
「またゆれた」と顔を見合はす老い二人。そこへ雷さらに吹雪も
6
ほほ笑みは 生後三日の
児
(
こ
)
が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
17
散りし跡 細き葉伸びて 春を待つ 舞台降りし彼岸花の冬
14
血流して 瞼を開く リストカット ごめんね、どうして泣いているの
1
駅前の イルミネーション 見とれつつ 子らの笑顔に 平和を感じ
13
朝焼が 雲に映って 赤くなる 苺綿菓子 部下が笑って
13
偶然さ 同じ軒下雨宿り やまない雨はないらしいけど
7
落葉
(
らくよう
)
のごとく言の葉降ってこい
短歌
(
うた
)
の種なき 硬き頭に
18
百数えるまで猫の瞳のようなドアノブを睨まなければいけないからお風呂きらい
4
わりきれば あまりもとめず うつせみの かけひきもなし 『知足』演算
8
新聞の暮らしの作文音読す五回つかへし自分の声聞く
16
ぼんやりと 車窓に映る三日月が 盃に似し師走の街で
16
街流る 聖夜の奏 数多く 耳に こだま す「♪最後のHoly Night」/♫杉山清貴
14
強い
女
(
ひと
)
嫌うあなたが好いていた わたしの弱さ 早く捨てたい
6
夢を見た 笑い合ってたわたしたち なんにもなかったみたいな顔で
7
あの頃は『女の子たち』と呼んでいた五十年後の君たちに会う
13
風吹かぬ 墨の夜空に しんしんと 軋む足音 ひとり楽しむ
12
犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
16
シビヤだなぁ「待った」は認めてくれないの? 時は宇宙のタイムキーパー
10
君の顔 忘れる前に 描こうか 埃に沈む 安いイーゼル
7
ネガティブの沼にハマれり這い出さん走ればいいのさ脇目も振らず
11
街ゆけばファッションさへも黒系に冬こそカラフル決めて行こうぜ
13
玄米も米は米だと言う君のあげ足を取る言葉が欲しい
19
恋の芽が私の心を覆ってるコンクリートを破ってこれない
7
白米は水道水の味がする私は今日も玄米を食む
17
言い回し 育児は育自 正しいが 夢なき様に 感ずる言葉
12
楽になるために赦すのか 眼の前をただ茫漠と暮古月逝く
10
珍しい テーブルさん座 知りました 我が好奇心 我ながら好き
5
冬のせいだからさみしいだけだから 秋に会えなかっただけだから
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