ののの
49
33
投稿数
94

十五歳八ヶ月で旅立った愛犬を想って詠んだ歌から始めました。
少しずつ季節の歌なども詠んでいこうと思います。

見つかりし 仔犬の頃の あのこの写真 その目に映る 母を探せり
21
うちの愛犬と 同じ霊園ところで お空に帰る あの日の陽かり まぶたに浮かぶ
21
親戚の キジトラのこが 旅立ちぬ いつか会えると 願いもむなしく
18
真夏日や 仕事を地下に 切り替えて 去年の愛犬きみを 背中に感じ
21
黄昏たそがれに 浮かびて咲ける カルミアは 金平糖の 蕾もありて
23
出張の 帰りに現る 富士の山 カメラで撮れぬ 夕焼けの色
26
先代犬まえのこの 生まれた日から 三十年 走る姿が 目に冴えざえと
19
間引きたる みかんの枝の 花つぼみ 香り惜しみて 写真に供え
26
亡き母の そばにおりたる 白い愛犬は カーネーションに 仮装したるか
21
露天風呂 湯面ゆのおも映る 新緑と 抜けたる空に 異次元見たり
20
ミツバチが 羽を振るいて 蜜集め 次のみかんも たわわの予感
24
よく見れば 蕾わずかに 残りおる 花の香りも 間に合いたるや
20
帰宅せば みかんの花は ほぼ散りて 気持ちはまるで 浦島太郎
16
ながの旅 季節を超えて 帰り行く うちのみかんは 咲いているやも
15
姿なく 「ヒーヒーヒー」と 聞こえおる 野鳥とりの名前ぞ ついとわからず
19
つどい来る 野鳥の名前 検索し やっと覚えど 旅は終わりぬ
16
湖を 歩き巡りて 写真撮る そこに映らぬ 愛犬あのこを重ね
20
本当ほんとなら 生きていれば・・・を 飲み込んで 十六歳の 日を祝うなり
20
愛犬きみが去り 初めて迎える 誕生日 いつものように ケーキを買いて
26
大雨が 嘘のように 晴れ渡る キミもそこから よく見えるはず
19
雨予報 昨日の桜も 終わりなれ 季節は移りて われを追い越し
19
新緑と 常緑樹との つぎはぎに 薄桃色うすももいろの 桜がありて
14
標高の 高きみずうみ 桜咲く 過ぎたる春を 取り戻し旅
12
旅先の 真黒まくろの空に 二日月ふつかづき かげなる球形すがた おどろに浮かび
14
「ペット可の テラスの席が いている」 ついつい思う 想いをはせる
14
ガラス越し 踊る新緑しんりょく 眺めつつ まどろむ寝湯を しばし味わい
15
中央道 なが新緑しんりょく 藤の花 心の曇り 吹き飛ばし行く
20
父の歳 昭和の年で 覚えたる ならば百歳ひゃくかと ふと気がつきぬ
14
犬連いぬづれの しばりなき旅 どこにでも 寄れると話す 語尾のさびしき
17
旅支度たびじたく 一匹ひとり減ったる 愛犬の分の らぬ荷物に 心とらわれ
20