ののの
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十五歳八ヶ月で旅立った愛犬を想って詠んだ歌から始めました。
少しずつ季節の歌なども詠んでいこうと思います。

旧暦の 七夕なれば 逢えしもの うつしの空は 雲に満ちたり
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向かい家の 白紫陽花が 緑帯みどりおび 文月なれど 真夏たらんや
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雨のない 水無月となり 憂いたる 水の足りない 夏にならんや
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噺家はなしかの 手のひらに乗り 転がされ 二人で笑い 福来たらんと
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みかん着き 落ちし若実わかみは 惜しけれど 残りし実らの ためなればこそ
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忙しき 五日乗り越え めだま焼き 梅雨の晴れ間に 二人揃って
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ホトトギス 昔からある 聞きなしを 何度も唱え 旅暮れなずむ
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湖の 草花見つつ ゆっくりと 膝かばう新しいカメラおもちゃ持つきみ
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みずうみの あちらこちらに 九輪草クリンソウ 花言葉に似ず 毒があるらし
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窓の外 近く野生の 雄鹿あり 木の隙間から ツノ堂々と
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Utakataうたかたに 支えられての 百一首 これからもまた 続けたらんと
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着きおれば レンゲツツジが 出迎えぬ 枯れかけながら 鮮やかなりて
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ハルゼミの 奥にカッコウ ウグイスも この晩春に われも包まれ
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山里の 露天風呂や ヤマバトの 声聞き惚れて のぼせかけつつ
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ひと月の 間に山は 濃緑のうりょくに 草花たちも われ待ちたりて
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お向かいの 白紫陽花しろあじさいや 咲き満ちて 綺麗ですねと 声かけそびれ
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しとど降る 額紫陽花ガクアジサイの 輪が咲いて 亡母ははの思い出 ふとよみがえる
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見つかりし 仔犬の頃の あのこの写真 その目に映る 母を探せり
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うちの愛犬と 同じ霊園ところで お空に帰る あの日の陽かり まぶたに浮かぶ
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親戚の キジトラのこが 旅立ちぬ いつか会えると 願いもむなしく
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真夏日や 仕事を地下に 切り替えて 去年の愛犬きみを 背中に感じ
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黄昏たそがれに 浮かびて咲ける カルミアは 金平糖の 蕾もありて
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出張の 帰りに現る 富士の山 カメラで撮れぬ 夕焼けの色
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先代犬まえのこの 生まれた日から 三十年 走る姿が 目に冴えざえと
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間引きたる みかんの枝の 花つぼみ 香り惜しみて 写真に供え
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亡き母の そばにおりたる 白い愛犬は カーネーションに 仮装したるか
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露天風呂 湯面ゆのおも映る 新緑と 抜けたる空に 異次元見たり
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ミツバチが 羽を振るいて 蜜集め 次のみかんも たわわの予感
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よく見れば 蕾わずかに 残りおる 花の香りも 間に合いたるや
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帰宅せば みかんの花は ほぼ散りて 気持ちはまるで 浦島太郎
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