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十五歳八ヶ月で旅立った愛犬を想って詠んだ歌から始めました。
少しずつ季節の歌なども詠んでいこうと思います。

旅支度たびじたく 一匹ひとり減ったる 愛犬の分の らぬ荷物に 心とらわれ
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横たわり 弓の生音く その叔父の 姿に遠き 父が重なり
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九十の 叔母の御髪おぐしは 黒々と 白髪しらがの姪の 名前を呼べり
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久方ひさかたに 訪ねし叔母は 九十歳ここのそじ 施設の暮らし 幸せ と
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如月きさらぎ河津かわづが咲きて 途切れなく 開花のリレー いま八重桜
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盆栽に 芽吹めぶきし若葉 香りたる さすが桜や 餅欲しくなり
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散り終えり 盆栽の枝 葉のかげに 返り咲いたる 小さき桜
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強風で 窓がきしみて 三度吠え 度目待てども 愛犬あのこは去れり
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十六夜いざよいの 空を見上げて 見つけたる 満月三つ 乱れし視覚
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ツヅジとの 名には似合わぬ 白い鈴 雨に打たれて 可憐さ増して
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義母はは歌う コーラス隊の 打ち上げで 飛び交う笑い はまだひよこ
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缶ビール 飲み干すときの 見上げばな その瞬間ひとときが あればこそなり
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家飲みに 切り替えたるや 花見宴会はなみせき 予報外れて 抜ける青空
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ときぐすり 効いたかどうか わからぬが まだしばらくは 処方要るなり
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まるで冬 犬のヒーター 入れたっけ?  ああ、そうだった もういないんだ・・・
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スマホから 思い出写真 上がりくる 昨年までの 桜と愛犬あのこ
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花冷えの 八分咲きにし 桜道 七日延ばした 花見やいかに
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八分咲き 思い立っての 夜桜は 耐えてくれるや この先の雨
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今日までの 晴れを惜しんで ひとりランチめし 人出ひとで少ない すみっこざくら
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ようやっと 形見のクッションねどこ 洗濯す 沈む心と 晴れた青空
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お彼岸に 両家の墓参ぼさん ハシゴする 義母ははも並びて ありがたきかな
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友人の 上げたる写真 りし日の きみの笑顔が 語る幸せ
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愛犬あいぼうを 亡くした友の 投稿で 笑顔の君よ 安らかならん
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大木たいぼくはなに群がる ヒヨドリの 人に慣れしは ドバトのごと
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犬連れて 桜撮る人 見かけたる 昔のれと 愛犬あのこ重なり
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春の鳥 聞き間違いと わかりつつ まだここにある 犬の呼ぶ声
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あられ降り 春雷しゅんらいの鳴る 寒い朝 そっと咲いたる 盆栽桜ぼんさいざくら
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ささやかな 法要たれや けじめの日 心を寄せつ 回る寿司
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きみが去り 四十九日の 春曇り まだ行かないで わがままだけど
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地震明け いつも通りに 出迎えた 一晩越しの 恐怖はいかに
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