ココニャン
12
81
投稿数
463
大谷の芸術ごときホームラン響く快音耳に留め置く
18
夫婦茶碗大きさ変えて主張する飯のかさなど変わりはせぬに
25
よじ登る城の階段前後ろで「介護します」と息子ら笑う(犬山城)
23
孫ら去り片付け終えたテーブルに二杯分のコーヒーを淹れる
30
画面まえドジャース試合汗握る解説いらぬ耳障りなり
19
誕生日まだ嬉しいのと息子がのたまう 生かされているの当たり前でしょ
30
晴れた空刈田に鷺が二十六羽首を垂れつつ早朝会議
31
背後よりガサッと音のす足元に落ち葉となりし大き柿の葉
27
芋名月採りたて里芋六方剥き曇天見上げ待たれる月夜
26
逝きし友息子の家の居間に収まりて遺影の笑顔は何を語らん
25
突然に赤と白とが並び咲く彼岸の時をしばし遅れて
29
まな板の上に採れたてカボチャ待つ夫の出番半切り作業
25
友よりの画像に一面「サンゴ草」佐呂間湖畔に秋の息吹が
20
これほどに紅く染まるか一面に散り敷かれたるもみじ踏みしめ「鶏足寺」
21
揖斐川へ夏の終わりの「鮎料理」今日の気温は熱燗が合う
28
日々眺む伊吹の山に登り来て途中で降参心残して
22
被災者の誰もがそこに戻りたいみんないいのよ故郷だもの
20
窓ガラスしっぽの切れたヤモリ張る里帰りだよと夫の言い分
23
今宵またしっぽ半分のヤモリ来て眠れぬ夜長を君に付き合う
29
窓に張るヤモリのしっぽ半分にどこに忘れた差し支えないか
23
逝きし友の中陰盆の「施餓鬼卒塔婆」手を合わせるをためらい帰る
18
採れたてのさつまいも蔓の手の汚れ束子たわしで擦る皮をむくごと
29
畑仕事ペットボトルに喉鳴らす 今日の空 ほら 水浅葱色/ 時田則雄から
23
遠隔の地での闘病いかなるや延命治療は兄望みしか
24
台風の明け方までの強い雨やがてしれっと晴れ空見せる
22
キンキンに冷えたビールがそこにあるなぜか欲せず損した気分
21
濃緑のスギ薬局のレジ袋に精霊バッタどこで紛れた
23
病人に似つかわしくなく眉の濃い兄はベットで命の綱を
25
窓に張り卵を二つかかえたるヤモリに付き合い灯り落とさず
23
かき上げるひたいの生えぎわいつしらになきははの顔そういうことか
19