ココニャン
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黒豆の紫の灰汁あくすくいだし猛暑の夏を夫と語らう
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指先の頼りなき吾に取り変わり昆布巻きは夫がしっかり〆る
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つきたての餅にもち菜と鰹節尾張の雑煮シンプル旨い
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蒸し上がる湯気の香りにせわしげに揺れる年の瀬餅つき機の音
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五十年の歴史を終う義姉あねの家何を基準に切り捨てたものか
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役目終え落ち葉の中立つ 銀杏いちょうの木伊吹おろしが枝空き抜ける
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個包に吾も未だ食べぬシュトーレン詰め込み送る間に合うように
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蟹鍋のしめの雑炊かき集め腹におさめて折り合いつける
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年忘れ無言で蟹食む吾の盃に熱燗だまって夫は注ぎぬ
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雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありし日のこと
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風を避け夫の作る干し柿はスマホ頼りのその時勝負
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もう二度と義姉あねが戻れぬ家の鍵何を逆らう扱いにくし
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「これって」自己満足か義姉あねの居へ好物運ぶ我は何者
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手を叩きコロコロ笑う義姉あねのくせ入所の朝もそれは変わらず
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畑帰り夫は鼻水ぬぐいつつ枝豆抱えてガサッと下ろす
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マジックで書かれた名前衣類など義姉あねのプライドいずこに消えし
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続きたる夫の署名の代行に自分の名にも夫の名書くとは
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物忘れの病を受けし妹を義姉あねは励まし果ては叱りき
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Utakataに日々登場のニャンコたち癒しをくれる小さな大物
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数多ある難問何も知らずして義姉あねは無邪気に手をふり返す
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ヌートリア五匹の子供孫生ひこばえをむさぼるようにあたり気にせず
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突然に息子からきたプレゼント本物ならず猫カレンダー
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冷え込みに送られし作務衣羽織りつつ北の寒さは如何ばかりかと
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夏物と秋物同居の部屋の隅そこへ冬物割り込んでくる
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黄葉の林を抜ける赤電車獲物を狙うカメラのシャッター
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息子の靴にお疲れ様と磨きかけ今日の出来事キュキュっと話す
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ヒヨドリの散らす柿の葉ハラハラと色づく実り我が物顔に
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シャンパンをかけ合う歓喜の仲間らにロサンゼルスの月もほろ酔い
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空青く有明の月ふんわりと四羽のカラスがせわしなく行く
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会いたいと小四孫のパソコンに潜り込んだら来月帰省/ 成功!
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