ココニャン
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逝きし友息子の家の居間に収まりて遺影の笑顔は何を語らん
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突然に赤と白とが並び咲く彼岸の時をしばし遅れて
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まな板の上に採れたてカボチャ待つ夫の出番半切り作業
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友よりの画像に一面「サンゴ草」佐呂間湖畔に秋の息吹が
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これほどに紅く染まるか一面に散り敷かれたるもみじ踏みしめ「鶏足寺」
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揖斐川へ夏の終わりの「鮎料理」今日の気温は熱燗が合う
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日々眺む伊吹の山に登り来て途中で降参心残して
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被災者の誰もがそこに戻りたいみんないいのよ故郷だもの
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窓ガラスしっぽの切れたヤモリ張る里帰りだよと夫の言い分
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今宵またしっぽ半分のヤモリ来て眠れぬ夜長を君に付き合う
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窓に張るヤモリのしっぽ半分にどこに忘れた差し支えないか
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逝きし友の中陰盆の「施餓鬼卒塔婆」手を合わせるをためらい帰る
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採れたてのさつまいも蔓の手の汚れ束子たわしで擦る皮をむくごと
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畑仕事ペットボトルに喉鳴らす 今日の空 ほら 水浅葱色/ 時田則雄から
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遠隔の地での闘病いかなるや延命治療は兄望みしか
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台風の明け方までの強い雨やがてしれっと晴れ空見せる
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キンキンに冷えたビールがそこにあるなぜか欲せず損した気分
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濃緑のスギ薬局のレジ袋に精霊バッタどこで紛れた
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病人に似つかわしくなく眉の濃い兄はベットで命の綱を
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窓に張り卵を二つかかえたるヤモリに付き合い灯り落とさず
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かき上げるひたいの生えぎわいつしらになきははの顔そういうことか
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老三人すこし奢って冷パスタ尽きぬ会話に夕支度待つ
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テキパキと動かぬ我が身叱りつつ言い訳探すいつもそうなの
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ガッツリとジョイフル朝定たいらげて 今日も1日生きねばならぬ
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四六時中風呂の湯の中浸かるよな そりゃあ調子も狂うでしょう
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切らさずに麦茶を沸かす今日もまたそれにつけても腹の立つこと
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軽トラに三種の神器「お茶、タオル、免許」積み込んで夫畑へと野球戦前に
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思い出はすぐに戻れる若き頃にされど身体はそうもいかずに
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MLBと甲子園戦リモコンを気ままに変える一人引きこもり
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身体にはさほど汗などかかぬのに目があけられぬ顔伝う汗
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