ココニャン
11
67
投稿数
325
この土地に嫁ぎ来すでに五十年故郷さとが旅先いつからだろう
28
ごま塩の塩多くなりし頭髪を「お安くします」と染めくれし夫
18
あの橋が出来たら消える木曽川の「中野の渡し」風柔らかし
21
孫ら去り静かになった食卓に残り物食む二人無口で
36
布団干し窓開け放つ五月晴れ子らの帰省にあれこれせわ
18
切り返すトラクター追いカラス二羽 並び後追う園児のごとく
18
エンドウの濃き緑食めばサクサクと青臭さ残る夕餉の小鉢
23
ドジャースの試合に合わせ目が覚めるこんな時間が吾に来るとは
19
母の言う「猫かわいがり」との教え あの日の孫はまもなく五十
16
背を出してバシャバシャ登る鮒の群れ用水畦でカラスが待つ
17
スカイブルー快音響く大谷の「試合はやはりLIVEでしょう」
14
満開の桃の花指し成る不思議孫の疑問はなぜなぜ続く
15
色褪せた漫画の並ぶ息子の部屋へ孫来るを待ちカーテン開ける
16
つくしく指先染めて老い二人雨音続くすごもりのとき
29
皺とシミてんこ盛りにし鏡の中口角あげて諦めをつける
16
セピア色麻疹の記載母子手帳五十手前の息子の記録
18
庭に咲く切り花抱え墓参り荒れ吹く風がマッチを吹き消す
19
春の鬱吾の駄作哥にバツをつけため息深く行き止まりなり
14
ミツバチはイヌノフグリの花びらにしがみつくよに蜜を求めて
12
散り初むる河津桜の木の合間覚えあるひと手を振り笑まう
12
食卓の摘み菜の緑冴え冴えし畑に残さる黄花も笑まう
23
リメイクの作務衣友より贈られてピッタリ身体に添い少し悔しい
13
市が推しのフレイル予防講習へそれを恐れる歳となりたり
15
新しく揃いの携帯色ちがい並んで座る老の脳トレ
16
高台より眼下広がる梅花の海「いなべ梅林」風香り立つ
17
もみ合いの湯気立ち上る「難追殿」裸男の汗しぶき舞う
14
国府宮運び込まれた「大鏡餅」法被を濡らし雨がしとしと
13
信州の味噌蔵に座す「貧乏の神」かなり本気で豆を打つける
14
野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
16
枯草のいつものところ福寿草時をたがわず黄金にひかる
15