織姫
2
2
投稿数
27

おだやかにうたうひと
24歳です。

恋焦がれ 孤独が愛せぬ 私には 文学なるもの 愛してみたく
9
ただ一人 漂う事が 使命なら 同伴者とは 夢のまた夢
4
いつまでも 共有できた 思い出と 地球の裏の 星屑埋める
3
漕ぎ出せば 帰る港も 持たずして 溺れるだけの シシリアンキス
3
去り際の 名残惜しさに そういえば 髪が伸びたね 底なしの沼
5
ここが好き 頁をめくって 綻んで 言葉を愛する あなたを愛す
7
嵐去り なんでもないと 思えたら 涙一粒 初めての失恋
8
楽になる 泣かなくなると 信じたい 隣で笑う 君じゃない人
9
仰向いて 溢る泪は 知らぬ振り 美しき月 雲隠れても
7
この先は 一人の道に 思えども さぶらふ貴方に さぶらふ我も
7
お別れも 寂しくないよ 泣いたとて 言葉と「サヨナラ」する日はこない
7
陽を見上ぐ 君の額を 伝い落つ 汗が消えずに 留まる季節
9
打つ手なく 三十一文字と 瓶に詰め 大海原へ 流す恋詩
14
左手に 貴方の好きな 小説を 右には貴方の 嫌いな煙草
7
恋のうた 揺らせ私の 第七官 あの子は詩人 私はだあれ
7
天の川 向こう岸まで 見送れば 君の背中で 消える春夏秋冬ひととせ
14
後を追い 「離さない」くらい 言ってみて 別れて三度 見返る私に
5
契りだけ 死なない恋の 行く先は 頬寄せた記憶 ハンドルを切る
5
波攫う 乾いた舌が 生む賛歌 黙せる父と 足元の母
3
愛渇き 嫉妬を禁じ 無を有へ 未だ去らじと 手のひらの桃
5
かすみづく 晴るる空とは うらはらに 我が恋模様か ストームグラス
5
喪失の 背を押す腕の 逞しさ その手に筆を 歌え舌よと
7
まなうらの かげろふに似た 逢瀬なら この身もろとも 焦がせ太陽
7
来たる文月 手折るその手の 優しさに 意味など無いと 笑う紫陽花
12
叶うなら 足を浸して 塩の山 傷一つ無きを 誇れるものか
6
立原の Nachdichtungナハディヒトゥング 借り物も 生まれを忘れ 遠く遠くへ
4
今はまだ サヨナラだけを うたにして また来る春の かなしさに寄す
13