こま
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93

のほほんと生きています。

秋風にふわり揺らめくスカートの 裾を押さえて木の実見つけた
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「疲れた」と呟きながら息を吐く 吐いてしまえば後は吸うだけ
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日が沈み隠れた秋が姿見せ 深まる夜とそよぐ稲の
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薄闇に夕刻の鐘鳴り響く 帰路の背を押す涼やかな風
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轟轟と飛沫しぶきをあげる滝雨たきあめよ いかづちの先に見える龍影たつかげ
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首垂れた向日葵の下 コオロギの涼やかな声 秋の風吹く
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夕暮れであかねに染まる公園に 踊る蜻蛉かげろう 夏の残り香
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夕風に首元ふわり髪なびき つかの間のりょう深く吸い込む
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夕立ゆうだちの去りし後の水のただよう葉の影 ひぐらしが鳴く
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親からの愛をもらって恋をして 愛になって子に愛渡す
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灼熱のコンクリートで目玉焼き 作れそうだな八月の午後
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なまめかし幹を撫でたい百日紅さるすべり 風吹く中で花が音たて
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グーグルが言語の壁を崩しても ありがとうだけは口で言いたい
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泣きながら顔をうずめた母の胸 毛布のような柔らかなぬく
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飛行機が空のキャンパス白線せんを引く 向かう先にはあかねの絵の具
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盆過ぎて去り行く人を送り出す 終わりを惜しむ祭りの後か
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空響く鳴る神様の大太鼓 雲の向こうは神の宴か
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懐かしき学友せおう幼な子の 笑い声は彼の人に似て
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顔しかめ泣き声あげたすぐ後に 揺れる木の葉で赤子ほほえむ
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懐かしの友と一緒に茶をすすり ふと訪れる間に思いを馳せて
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ふんわりと窓辺で舞い飛ぶ黒トンボ 艶を纏ったベルベットの羽
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暑過ぎて妖精たちも家の中 静まりかえる真夏のの夢
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朝まだき微睡まどろみかき消す地の揺れに 身をすくめつつ耳澄ます時
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潮風に高く舞い行く白カモメ 空と海の狭間に見えて
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灼熱の日差しの中でツル伸ばす 朝顔の青が目に眩しくて
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祖父は言う「気は遣わずに気を配れ」 言うが易しとため息が出る
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田んぼ道跳ねる蛙を目で追って 泡沫うたかたかき消え水揺れ動く
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木陰下こかげしたゆるりと歩く日暮れどき 蝉の声から夏を感じて
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蒼空に白く輝く入道雲 私の夏の鮮やかな色
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湯に入り深く息吐き力抜け 疲れが流れる身近な極楽
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