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「
寒みいから ひゃっけぇ水は 掛けねぇよ
(
寒いから 冷たい水は 掛けないよ
)
」母がつぶやき 墓石乾拭き /父月命日
40
そろそろに膨らみ始む冬木の芽 畑の土は未だ眠りし
39
雪だるま並んで浴びる如月の日差しよ僕も溶かしておくれ
39
優雅舞ふシラサギ冬田に降りたれば鶴と
見紛
(
みまご
)
ふ美し一こま
38
「親」という役を降りない母と飲むクラフトビールの苦い延長
38
誰もが皆 心優しい 世界なら 大声も
我
(
が
)
も 張らずにいれる
37
朝五時の 下弦の月が 照らす雪 風が遊びて 吾の頬 叩く
37
うまいこと言えても 生きるの上手くなく 歌で息つぎして また明日へ
36
木の芽月 陽射し日ごとに力付け グリーン吊るすや明るき窓辺
36
雪の下 たんと蕾を芽吹かせて 春を待つかなレンギョウの花
35
こわごわとゴム引くように伸ばす身を受けとめ護るヨガマット二枚
35
枯れ草の動き静かな小春日は鳥声聞きて歩かば楽し
35
生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
34
凍
(
こご
)
へる夜 黒縁写真の 妻と父 吾の作る鍋 お椀で供へ
34
あどけなきさくら草にも雪のふる 立春越えに桃色ふるえ
34
眠らねば七時間後に来る息子嬉しさ過ぎてざわめいている
34
風景は 日々変はりゆく バス停の 落ち葉の数も 通る車も
34
「お疲れさん」雪も嫉妬も溶けだして猫の眠りが夜を正すよ
33
情景の言の葉の糸 見へぬ時 無理に探らず 無理に繋がず
33
「普通」という二文字をのみ込み雪を掻く僕の未来よ、滑走路なれ
32
順風に海風吹いたか島国は 中波小波に大船動かじ
32
北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
32
坂道をのぼり終えつく溜息や流るる雲をしばし眺めん
32
「おめでとう」 乾杯の声 高らかに 吾を母にせし 子と酌む地酒
31
山城が 静寂の中 雪化粧 水鳥が飛び 墨絵の世界に
31
風止みて零下の夜はしんしんと白さ静けき雪灯りの街
31
昼の月 凍らせ
蒼
(
あお
)
く 吹く風の
膨
(
ふく
)
ら雀の 胸毛返せり
31
積雪の重みに耐へづ
頭
(
こうべ
)
垂る バス停
傍
(
わき
)
の花壇の水仙
31
勤務中窓外に見るレアな野鳥メガネとマスクで興奮隠し
31
冬山に 登り大きく 息をする 縮んだ肺が ぐんと伸びする
31
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