起きた時 猫が布団に いることが 増えたとなると やはり秋です
23
夕立や 見知らぬ人と 雨宿り 一時同じ 今を過ごさむ
17
富良野ではもはやガイドも語らない 時に埋もれた「北の国から」
18
「仲いいね」牽制してくる女子たちに「それはどうも」と軽くウインク
25
もらいもの ハイビスカスの 苦いお茶 おっちょこちょいの 舌だけ赤い
13
30パー割引された食パンを我が子のように優しく抱いた
10
いつから見ていたの リップを直す私に微笑むあなた
10
この雨が明けたら夏は帰らない人も季節も名残は尽きぬ
10
ふつふつと煮立つ心に差し水を だってわたしは大人なので
11
窓を開け 聞こえてくるは虫時雨 降り注ぐ夜の侘びしさ深し 
11
丸まったティッシュたち今すぐにテーブルの上から溢れそう
8
スーパーの埃をかぶる缶詰は  今日も私と目を合わせ待つ
8
左上七番抜ける永年の咀嚼に耐えた根三本あり
8
おとがいが欠けた峠の石仏夕日を浴びて村を見下ろす
16
あらあらと天を蝕む颶風ぐふうさえ 知らぬ存ぜぬ 餓狼が一匹
8
死の淵でバレエを踊る飛ぶ歌うダスティピンクの俺の神様
7
秋暑し睨む気怠き写楽の眼 旅の終はりに選ぶ絵葉書  
7
乙女らの夏吹き消して風の盆 何処をさまようストローハット麦わら帽子
11
連休の天気予報は傘だらけ無職の吾に関わりはなき
8
玉葱たまねぎは 切られて泣かせて からくなる 君を泣かせて つらくなる様に
7
トーストの焦げてしまった表面を削ってるうち世界が始まる
7
席替えの話などするカップルを盗み見してる化石の私
14
信号が青になっても動かずに画面を見てるスマホマンたち
16
庭先に打ち捨てられて朽ちてゆく死骸の如きドリアンの皮
8
無気力ですべてを悟った生き様は誰をも救ふ真のサムライ
6
歯科医院行きたくないな 雨降りで でも痛いから行かんとあかん
6
胸元が 大きく開いた トップスに  マイクロミニか⋯ 犯罪じゃないけど
7
帰宅してあたりまえの家があり当たり前なる家族いとおし
8
図鑑買う開く世界の入口でかける新たなわたしのめがね
6
秋深み草葉くさばこぼれ果て露はになりぬ山ぞ寂しき
7