炎天に低く読経どきょうす虚無僧とつばくろ覗く駅舎のひさし
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蝉時雨 父の病室 手に残るノブの冷たさ 扉の重み
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新聞の お悔やみ欄を一読す 欠礼なきこと吾の日課なり 
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湯上がりのほてりはどこか引きにくく  一度抱いた憎悪に似たり
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ドップラーシフトの軌跡をえがきゐるISSの信号を追ふ
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語らひて食べるは楽しと言ふ義父を またもひとりの部屋へ送りぬ
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コスモス〝宇宙等〟何処どこにでもあり陽炎の跨線橋から見る隣町
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墓前にて 腰まで茂る 夏草の その強き根は 祖母より継ぐや
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喧嘩した その翌朝に 丁寧に コーヒーを淹れると 笑顔に戻る君
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三ヶ月ペルーで過ごしたナカムラは東京ばな奈を土産に帰った
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網棚に忘れし鞄見つかりて熱海駅まで吾も運ばれ
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早起きは三文の徳 二度寝する時間ができた これも三文
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堂内墓 外暑すぎて お参り後 冷たい麦茶 喉にしみこむ
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昼と夜上と下とで交代に蝉と蛙が鳴いてる真夏
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人生の曲がり角すら知っている昔の駅の伝言板は
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夏バテか カリカリ食べず 気を揉むも 吾の手を皿に すればパクパク
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空き時間 作れるように 工夫して なぜかできたら またすぐ埋める
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歌の会次々欠けてこの葉月仕舞と決まる秋風のふく
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へこたれる夏のお勝手身につける肌着ひとつで違うか否か/只今模索中
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暮れかかる 透き通る風 打ち水の 面ざし涼し 夕顔の花
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山深き町にも消えぬ小さな明かり静かに老いる人の営み
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ほろほろとこぼれるマカロンほろほろとこぼして食べる 不慣れな部屋で
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時効かな、ほんとは近道知ってたよ きみと少しでも長くいたくて
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掃除せば珈琲豆とカリカリと錠剤の出る隅と隙間と/台所
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何釣るの? 集う野球帽 つば寄せて 青き風吹く 少年の川
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よく寝てる友達にまた怒ってる先生の声 私も起きる
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姉だから妹のため我慢する役割背負う三歳の肩
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「いとしのエリー」 よく聴いたよねと 懐かしむ ふたり揃って いい歳と言えり
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愛犬が 横目でちらり おねだりの 「撫でて」の合図 以心伝心
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ちょっと不可好きな歌人に十首中四首採れるむしろ可なのか/結社にて
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