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ほどほどに石橋叩きて
歳月
(
とし
)
過ぐも地図捨てた日の欠片もありて
46
まだ何も 踏まぬ足うら ふわふわと 雲の上
歩
(
あ
)
む 母をみつめて
45
春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
45
悲しみて戦地の鳥は見るだろか そこで傷つく大地と人を
44
言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
43
我
(
われ
)
こそが 普通と信じ 我を張って 何も変われぬ 人というもの
42
迷ひつつ初の試練をクリアして階段登る君にエールを
41
友訪ね瓦礫の道を行きし春 さざなみ光る海眺めつつ
40
白鳥は 今きっと津軽 海峡を 越えているはず 彼岸に千歳
40
待ち合わせ8時の電車の先頭ね スマホなくてもちゃんと会えたし/昭和時代青春の頃
38
値上がりは 二十円です。 灯油です。 赤紙みたいな 葉書
一葉
(
いちよう
)
/
氷点下つづく
38
春あさき 皇居の庭の 「
袖隠
(
そでかくし
)
」 たちまち江戸へ タイムスリップ
/
椿
37
「ありがとう」言える距離には君がいて 蛇口をひねれば水が出る春
37
三十年住んだ街は懐かしき 愛犬と歩いたあの道この道
37
木蓮のつぼみをつつく破廉恥を知らない二羽がキーキーと鳴く
36
遥かなる海はいつでも穏やかであれかしと願う 鎮魂の日に /3.11
36
江戸川の鉄橋渡る車窓から 霞み始める富士を眺める
36
あの余波が 友を飲み込み 連れ去りし 手元に残る 手紙と語る
36
何もかも奪って行った震災は悲哀の土に種を残した
36
聞こへ来る門出の歌はどれもみなシニア世代の
吾
(
あ
)
をも励ます
36
木の芽風 綻び進む雪柳 髪切り心軽やかな道
36
巣立つ
孫
(
こ
)
の幸願い見る春北斗 夜のしじまに
沈丁花
(
ちんちょう
)
香る
36
編み残る毛糸でタワシができあがり春になったと思う頃あい
38
暮れ六つを過ぎて
漸
(
やうや
)
う星影の見ゆる弥生の オリオン高し
35
回る寿司 店の出口に
鹿
(
しし
)
威し
(
おどし
)
財布のひもの弛みを打てり
35
平穏な生活に花 添へるよに 歌を詠む日々 心潤ふ
35
ユキヤナギ 満開に咲く 通勤路 冷たき風も 柔らかになり
35
降り続く雪はおおかた上がったか深夜の窓からそおっと覗く
35
解
(
ほど
)
きたる古着の紐を玩具にし 鼠の尾に見立て
戯
(
じゃ
)
るる猫
35
目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
35
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