Utakata
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若き日に 出逢いし
貴女
(
ひと
)
にめぐり逢ふ 浮世は全て夢の如しと
17
玉ねぎの植えた直後のか細さと無駄に頑固なそこらの雑草
13
朧月 隠せどほのかに 漏れいずる 灯りや君の
何処
(
いづこ
)
と思わん
14
君のこと 言葉に出来ない程なので 今ある星を 数えてみてる
13
潮風が頁をめくる秋の暮 檸檬と憂いをスプーンで沈めて
10
温かい 布団で眠る それだけで 幸せになる 寒い日の夜
11
悲しいなママと結婚できなくて
三歳
(
息子
)
の言葉録音したい
13
「お元気で?」ラジオの声に返事する今日も誰とも話さなかった
15
見られたり触れられたりの予定なく不行き届きな手入れの踵
9
寒風の 強きに身も 耐えかねて 麺屋のれん押し 味噌に汗かく
9
来月に 入籍すると 教え子の 報に拍手す 居酒屋の前
19
人生は 一度切りとか 言うけれど 今からだって やり直し効く
8
ダイエット中の私に手渡しのお菓子と母のあたたかい愛
8
じゃあまたね 俺は歩きで キミはチャリ 家に着いたら LINEをするよ
8
俺様が本気出したら凄いぞと呟きながら鼻糞ほじくる
8
湯気の奥 あなたの影は ないけれど 流れ落ちるは 汗か涙か
8
死んでゆく
生命
(
いのち
)
も息吹も死んでゆく季節に言葉だけが生きている
8
カワイイと娘の友に言われてもやっぱり私七十五歳
10
今日もやる 続けることは大事だが まだこのレベル それが楽しい
18
あくびとは心のすきがみえるとき そんな汝までしりたい吾
8
黒猫よ 黒ってピュアと思うんだ 染まらない もう 染まれないから 『猫』
9
うつむいた君のこぼした星屑に願いを掛ける間に合わないけど
8
あの人に 良く似た月に 焦がれおり 決して届かぬ 手に光落つ
9
この胸に静かに想う人がいて 嵐が来ても闇の中でも
25
現世での 役目は終わり 安穏と あとは宇宙(そら)へと 帰る日を待つ
10
「成長だ」綺麗事ばかりだってほら後ろに段々崩れる足場
9
三時だし 今日も一日終わりだし 思うその日の 何事もなし
11
木犀の二度目の開花隠れ香に 霜月朔旦背すじ伸びたり
16
刈り取りし庭の鬼灯でリース(wreath)編む妻の指先にほおずきの染む
6
出雲路へ神々こぞる神楽月 主(しゅ)なき庭にも風の渡りて
7
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