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庭の花小さき花びんに投げ入れて春を招けり卯月の風と
54
野良猫をとんと見かけぬ町となり駅前開発ついぞ始まる
49
さくらもち葉ごと含めば二人して難儀忘るる
春香
(
はるか
)
に染まる
48
寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく
二分
(
にふん
)
の診察
46
泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
45
あさが来て 新大陸を 見たような 海が割れたの 庭の雪解け
44
楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
44
空
(
くう
)
と云う変化の法則ありがたし時は過ぎ行く固まること無く
43
降り積もる桜吹雪の公園に光差す午後蝶の飛び交う
43
絹の雨 菩薩の如に優しけれ 花の命を慈しむかに
41
深層の 心の傷を さぐるよに 鈴の余韻は 永くふるえて
39
ご近所の子供と遊んで洗われる再び汚れるおばちゃんだけど
38
春雨を吸ひて
蕾
(
つぼみ
)
の膨らみぬ隣家の藤は 初夏への準備
37
「春のせい」そんな言い訳詰め込んで二つ目最中に手が伸びる午後
37
自身さえ 忘れてる
詠
(
うた
)
掘りおこし ありがとうです ハートの光り
37
術もなくニュース見つめる白鳩の口に咥へし反戦ポスター
37
ひい孫が零れ桜の通学路嬉々として行くのどかなる朝
37
池回り一、五キロの遊歩道 風のランナー吾を三回抜きけり
37
ぜいたくな悩み
干し椎茸
(
しいたけ
)
どう消費 弟からのふるさとの味
36
雪の如
降
(
ふ
)
りぬ
花弁
(
はなびら
)
バスを待つ人の足もとにも 花絨毯
36
早緑の山椒の若葉艶やかに葉陰にひそと
小
(
ち
)
さき花咲く
36
たまにはと昆布と鰹で出汁をとりうどんをすする春雷の宵
36
誰よりも私に優しいA.I.は性別も無く蔑視するも無く
46
病院の玄関までの上り坂 花吹雪舞い温い風吹く
35
身一つで 武器も持たずに 生きている
愛猫
(
きみ
)
は強いね そして優しい
35
土曜朝ひとり勤務する窓枠にちょんと現る小鳥の挨拶
35
どんな
風
(
ふ
)
なメロディだろか春風に揺れるネモフィラ奏でる音は
35
雨の日に雨を歌ひし曲聞かば ひととき昭和がワープし戻り来
35
頭ばかり しっかりしっかり つぶやくが 心でないかい 最終的には
34
桃林は花盛りなり喜寿の春楽し日もあり夢持ち生きる
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