駄菓子屋の飛行機かかえ空き地まで 「せーの」の声に子ら風を読む
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貰い物 きゅうりの礼は 小松菜で 緑の回廊 野菜外交
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カタログのモデルが着てたあの服を自分が着ても同じにならじで
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この丘の 眺めに遠く いつしかの 君を探せば 夏は直側すぐそば
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オルレアの白い花々揺れる庭音無く注ぐ五月の光
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夕暮れはもう滲まないハルジオン 迎えにきたと君が咲くから
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月曜日 ごめんね母さん 白だけど 花の代わりの 牛乳プリン
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お前には獲物分けたくないんだよご苦労だったゆっくり眠れ
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将来に不安のなかったぼくのこと アヒルは今も湯船で待ってる
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ワレワレハ 宇宙人だと扇風機 面白がって真似をするきみ 
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切りすぎし前髪おさえてはにかんだ幼き君よ 泣けてくるほど
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もし君がひとりで生きる苦しみに 堪え兼ねたとき私を呼んで
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ベランダで 洗濯物が そよいでる 心にも風 とおりすぎて
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君は今幸せですかもしかしてそれは私を含んでますか
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がく(額)れに忍ぶ露とも見ゆるかなにゆかしきはあぢさゐの花/額紫陽花に忍ぶ恋を
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「恋する」を「あいする」と読み三角をくれた先生は独身のまま
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窓開けて 入りゆく風 細切れの うつつの中に 夢を見る
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アルペジオ爪弾く指に見惚れてた それだけでもう恋をしていた
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ゆずりあい そういうことを いうひとが ゆずったとこを みたことがない
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ひと巡りするたび瞳に焼きつける窓ガラス越しの薄紅と青
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草原で幼い僕を怖がらす親指ほどの負飛蝗おんぶばった
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この空の蒼の重さと夏のに おろしたシャツの白で抗う
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エアコンのフィルター掃除試運転またうんざりの夏が来るから
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靴下をはかずに眠る昼寝かな 網戸の窓を細めに開けて
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爽やかな初夏の香りはレモン色そっとかじれば弾ける酸味
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ゲームとか インターネットを 投げ捨てて 野山を駆けて 遊びませんか
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予想に沿う 未来は有りはしないから 案じず今に 時を割きたい
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あまた度呼びて鳶舞ふ嶺の松いらふる声の絶えし虚空に
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人気ない校庭に立つ陽炎と突風ひとつ帽子を飛ばす
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再会の 前の緊張 毎度なり 楽しみなのに 逃げたくもなり
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