散り際の いさぎよさまで 美しく 悠然と立つ 桜の雄姿
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子の歩む速度で木々のを行けば卯月の枝にはや蝉の殻
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感情の共有生まれしこの場所に繋がる人の心柔らか
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気がつけば うたた寝をする 春の宵 心の温度 人肌になり
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ぬか床が人肌ほどに温もりて 季節の進む兆しをで知る
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柔らかな風の似合ひしラベンダー部屋にも同じ風ふわり入る
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街路樹の 足元埋めて クロッカス あけすけに咲く 無漏むろの強みか
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送迎の車待つ間の母の手に椿水仙花を持たせて
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春時雨 春爛漫に水を差す 散りゆくサクラ雨の冷たし 
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実家から連れて帰った雪解けのズボンの泥は僕を励ます
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たくあんを切りつつ一切れぽりと食む私の内に母が息づく
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吟行に来た人だろか城見上げペンを走らす肩濡れしまま
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散り終えり 盆栽の枝 葉のかげに 返り咲いたる 小さき桜
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膝の上 4kgキロちょいのぬくもりを この上もなく愛おしむ晩春はる
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一段と痩せた様子の兄に会い「お時間です」と追われるように
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utakataのページいっぱいサクラ咲き桜前線わがまち目指せ
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完璧主義は 自律神経に優しくない ゆるく生きよう 時にはサボリ
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紛れなく北へ旅立つ白鳥かV字乱さずオホーツクへと
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川沿いの 桜の花びら震えをり 卯月と言えど春まだ寒し 
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生きるうちほんのわずかな幸せをちびちび舐めてまた生き延びて
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ダンシング フラワーみたいに 松ゆれる 「俺は躍るよ 春風だから」 / 強風の十勝岳温泉 
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咲きかけの桜も二度寝する春の吹雪冷たく車を叩く/今朝の気温零度
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パン、トマト、チーズ並べて新しい4月の朝は異国の如く
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そこだけの空も空気も静止して満開桜はしんと華やぐ
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行き戻る三十一文字みそひともじはブランコにさくら吹雪に犬は鳩追う
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セルフレジ慣れたはいいが店員のお喋り見るとなにか解せない
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窓越しに 空見上げれば 満月の見えぬ卯月の 今宵の雨天
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誕生日に家族揃うは幸せと笑む夫見れば我も幸せ /息子たちに感謝
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開幕の大屋根リングは如何なりやオニオンリング膳に並べて
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中野から乗った特急電車内出会った少女は過去の私か
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