エアコンが 到着するまで2週間 氷 かみさま 風 ありがたや
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たこわかめネギでさっぱり酢味噌和え 去年こぞの梅酢が良い仕事する
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初蝉の声に包まれ空仰ぐ 私の夏がいよいよ始まる
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暑き日は涼みに来いとイオン云う 外に出るなと広報車回る
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名古屋場所十日目取れたチケットに少し増へたり夫婦の会話
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ハッカの香りすがしきシャンプーで夏の一日ひとひを涼やかに
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本能のままに歌ひて眠りたる鳥の如しに人もなれたら
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昼休みLINEに集う三姉妹 親とも友とも違うオアシス
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三日過ぎ七夕の笹しおるるにデイケアに舞う短冊の文字
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重なりて 月命日と 誕生日 妻 好物だった モロコシ供へ
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ミニトマト真っ赤に実る鈴なりの重きいのちが夏に輝く
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国宝の映画に思ふ血筋とは 世襲語るに少子化のあり
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土砂降りの雨後に僅かな涼ありて 蝉の初鳴きようように聞く
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おじさんとおじさん化した女子達が互いに笑ふ なんかいいなと
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道なりの常緑高木つと途切れ 目線上ぐれば青空飛び込む
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炎天の色褪せし紫陽花萎れども日陰に咲くは青の満月
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何かきた郵便ポスト開けに行くわくわく感がたまらんのです
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白絹のベールの如く生け垣に蜘蛛の巣かける匠の技は
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朝七時 癌セン前に立つ列に椅子を譲りし人ぞ涼しき
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ささやかな ミニの願いも 立ち枯れて トマト引きぬく 般若波羅蜜多
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台風の後を飛んでく黄揚羽の後に続けと自転車を漕ぐ
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曖昧な子音を発し訴える入れ歯外した秋田訛りで
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眠れない夜のため見る配信は私を責めずいつも楽しい
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眼を遣れば鮎解禁の川に立つ太公望の麦わら帽子
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猛暑日や 高尾の山に蝉が鳴く 我が耳鳴りと区別がつかぬ
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夕立に追われて帰る労働の熱も疑問も対流してる
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恥ずかしい⋯やっぱりやらなきゃよかったか? いやいや自分の勇気をほめろ
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月あかり日の出頃かと思うのかカラス夜遊び門限あらず
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白寿まで達者ならむや鰻重を 米寿の母がぺろりと平らげ
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マイク持ち 詭弁を語る 候補者は 泥だらけの我 見向きもせずに /同じ一票なのに…
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