Utakata
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やまなみと去り行く雲のたそかれは とけゆく糸の蒼にかそけし
11
この街のどこかでいつか果てるのを覚悟というか冷めて
肯
(
うべな
)
う
11
抜け殻になってもいいとは言ったけど、すぐに元通りになる前提
9
教科書に アンダーラインを 引き過ぎて 何が大事か わからなくなる
9
おろ抜きの 若き大根ザクザクと まな板の音
一日
(
ひとひ
)
始まりぬ
11
大規模なサイバー攻撃「事故」と聞き違う気がして引く国語辞書 /記者会見にて
16
セーターについた香りはパンプキンあなたが遠くなった瞬間
9
寝に落ちた私を待ったお布団のずっしりと冷たい
芳
(
かぐわ
)
しさ
7
やや寒やジャージ短し朝の道 一念発起の散歩危うし
7
寝る前の 日課の読書 この頃は 冷える指先 息を掛けつつ
8
ばあちゃんを姥捨山に運んだら「ごみ捨て禁止」の
立看
(
たてかん
)
がある/ほのぼのファミリー短歌
13
色付いた銀杏並木を歩く時遅延行為でイエローカード
6
文化の日、流星電波観測の難儀のすゑに欣快の至り
6
母さんの声懐かしく幼気にイーハトーブの夜に降る星
7
かもめ鳥迎ふる声のさわがしき小木の泊まりにわが船着きぬ
6
伯父さんの部屋は異世界 レコードで南沙織を聴かせてくれる
9
花束の脇に切り花延命剤 造花に見える生花だと知る
6
声に出し短歌を詠めばこだまする湯呑ひとつの小さき部屋に
5
果て知らぬ大地と山とその風は 一瞬だけれど慰撫してくれた
5
祝日の 街に繰り出し 昼呑みし 昨日の失言 深く反省
5
高架下 電車の音で かき消して あなたの体温 だけを感じて
5
何もかも 知っているわけ ないでしょう それでも人は 他人を裁く
5
とんがらし冷奴にもかけた父 棺に入れたのまだ残ってる?
5
甘すぎるトマトソースにかけすぎたパルメザンチーズ、からの挽回?
5
横座り これで最後と 煙草呑む 君が教えた ピースライトを
5
あぁあぁと話し始めた
幼児
(
おさなご
)
を囲んで語る親たちの夢
15
中吊りの ブランコゆれる どこまでも あと三駅で キミにサヨナラ
13
秋の庭コスモスのあとパンジーに季節巡りて色を変えゆく
8
神楽坂 秋の坂道 二人行く 陽射し優しく 我らを包む
6
夕暮れの 伸びる影すら 逃げ出して ここに僕だけ 置いていくのか 『海岸』
12
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