どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
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静けさに 響く梅の実落つる音 軒下染むる山吹の梅 
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水筒や折り畳み傘持ってまでしなきゃいけない程の散歩か
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雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
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トランプで負けそうな子がカードをね破ったのもう楽しくないな
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部屋干しの 場所塞がりて ワイシャツは エアロバイクの 肩に広がる
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眠れぬ 「私だって」が止まらぬ世 誰も私を受け入れられぬ
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ジェミニ褒めクロード感嘆せし文もチャッピー手厳し推敲の沼
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雲の下これじゃ逢えぬと冷やかしの 声も届かぬ天の二人よ
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虚言むなことを満つるこの世におのが身をあざむきくらす闇のしくしく
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真夜中の非通知電話 流れおる着信音に思ひさまよふ
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左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
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黒髪に低めのヒール リクルートスーツは鎧 やわらかな檻
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「そのうち」を素数で割っていったなら君ではダメと拒絶されてた
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蛙声 月明かり透く 雨雲に 語る言葉は 何もないまま
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接待で腹踊り見たロシア人大喜びでハラショー!ハラショー!
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目を細め ゴーヤのごとく 育ちゆく 孫と背比べ 祖父ジジは追い抜かれ
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ひさしくも暑さの夏を忘れ路の文月の端に猫のまどろむ
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愛を知らずに愛を詠む カカオ農園の子の手のように
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ぐるぐると 喉を鳴らして すり寄って 可愛い猫も 目当てはご飯
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天の川見れぬらしいと予報ありゆかしからぬよ他人ひとの逢瀬は
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もういちど 父の背中に顔うずめ 懐かしくもあり煙草のけむり
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駅西のロータリー阿鼻叫喚、大樹に狂ふムクドリの群れ
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あかね差す 河川敷かせんじきには 君と僕  今、青春と 気付いたあの日
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「ドラゴンは空と同じ色してるから見つけにくい」と眼鏡かけるきみ
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その腕に切り傷よりも鮮明なものを残したかった 愛とか
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突然の雨に打たれて少年らサッカーボール追って笑えり
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バスを停め予定にはない時はいま海に立つ子ら夕日を送る
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記憶とは波のようで久々にウォークマンを開いて泣いた
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真っ新の ノートを開き 綴る文字 更地になった 人生に似て
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