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生きること、死ぬこと、どちらもしくじって帰れないなら私を呼んで 

きみとなら死んでもいいよ、でもたぶん生きてもいいと思うんだよね 

便箋にとまるとんぼの透きとおる影ごと送る残暑お見舞い 

しあわせになるのが下手な僕たちは惰性で生きて慣性で死ぬ 

「つきあってほしい」とメールした夜に僕は初めて煙草を買った 

すきなものえだまめあさり冷や奴自己紹介のほほゑましけれ 

火曜日の最終電車が輸送する心を亡くしたホモ・サピエンス 

彼の人ときんぎよすくひをした夏に救へなかつた金魚を想ふ 

‪引力の発生しない恋愛を‬「経験」と呼ぶ輪廻にはまる 

ゆるりゆら人少なくていつもより高く弾んだお盆の電車 

クソ偏見 広める前に調べろよ 無知無知してていいのはグミだけ 

コンビニのタピオカ名乗る蒟蒻を噛みキャッサバを知るような恋 

新鮮な野菜みたいに愛されてほほえむ夜のシナモロールよ 

理窟では辿り着けない洞窟の泉のうへに咲く紫水晶アメシスト 

親戚の子供に笑いかけている まともな人の振りをしている 

さよならも言わせてくれぬ歳上の遠い背中に唇を噛む 

その海の波音、反射する光 とらえた動画をシェアする電波 

君からの大好きだけが欲しかった十五の僕に線香上げる 

ミニスカートを履いた日に会いたくて君の乗ってる電車を選ぶ 

この町をふらりといなくなるきみのぼうけんのしょを破り捨てたい 

まだ海を見たことのないときの海みたいにきれいだった初恋 

例えばさ 腹八分目がわからない いろんなことを私は知らない 

いつ捨てる? タイミングがよくわからない 今日も必死に押し込むプラごみ 

今日はもう脳が炎上してるので道理は全てネグレクトです 

新盆に 集いて交わす 想い酒 伯父の横顔 亡父を見る 

知らない! と小さなきみが突き飛ばし月の裏側までぼくは飛ぶ 

どしゃ降りで『私はこれでもいいですよ』妻と部屋飲み 結婚記念日 

永遠に大人になれないぼくの繭 せめて一度は羽化してみたい 

夏の果てSNSを覗いては誰に会おうとしているんだろ 

わけもなく距離を取りたいときがある 空白の日をひとりで嘗める