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目をやれば地味に咲きたるタンポポの綿毛は揺れて季節移ろふ
50
住職が花守らしき山門に 薄墨桜離し植へらる
46
岸壁の風に傾く舟宿のすすけし看板
生業
(
なりわい
)
の後
43
木瓜の花 塀の陰から顔出して「おは」とささやく青空の朝
42
青池の底まで透けるかなしみも 芽吹く枝には勝てない春だ /美瑛
42
テーブルに麦が生けらるランチ会 初にて噛みしむウクライナの味
42
のどかなる 春の空にも 鋭角が ポラリスを射て 白鳥の矢よ
42
園庭に雪柳の弧 風にゆれ輪へと
誘
(
いざな
)
ふ影のやわらか
42
「今ここ」の 感覚がなく なりそうな 優しく白む ワシントンの桜
41
天仰ぎ咲く木蓮の清しきや木立の奥にうぐいすの声
40
年かさね連れ合い頼り並み歩く陰の長さも重なりゆけり
40
待ち侘びし桜チラホラ咲き初むる徒歩三分の
小
(
ち
)
さき公園
40
珈琲の 香りと苦み 愛おしむ 障がいの吾子 運転する夢
40
小糠雨 休憩室の
窓外
(
そうがい
)
に 子らの声なき広場の桜
39
よたよたと 丸ひ体を 揺さぶりて 犬は
翁
(
おきな
)
と 春のお散歩
39
頬
(
ほほ
)
伝
(
つた
)
ひ 涙を隠す 春雨は 在りし日思ふ 弥生のしらべ
38
雨音が私を過去に引き戻す
現在
(
いま
)
を選んだ22の春
38
大木の枝垂れ桜の華やぎも丸太と竹に支えられおり
38
車座で何を語るや若き人 花ぼんぼりに明かりを取りて
38
冬越して スナップエンドウ 収穫す ささやかながら 春の楽しみ
37
種こぼれ 花を咲かせた ビオラにも 蝶が舞い降り 得意気な顔
37
あなたへと、この春すべて書き留めるペンが折れても書き足りぬほど
37
初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
37
神様よこの北海道を
抱き
(
いだき
)
しめ叫びたいほど 春がまぶしい
36
「転んじゃった」破れた膝を笑う祖父 一センチずつ春削がれゆく
34
トランプ
(
ジョーカー
)
の脚に重りを括り付けホルムズ海峡沈めてみよう
34
満開や ソメイヨシノに 誘はれて 花
啄
(
つゐば
)
みぬ 三羽のメジロ
34
水清き媼が捏ねし草もちに籠れし富士の霊気を食めり (忍野村)
33
コンビニも 一足先に 春越へし 店先には 冷し麺の
幟
(
のぼり
)
33
すくすくと
生
(
お
)
ふる土筆の愛らしき
小
(
ち
)
さきからだに春宿らせて
33
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