Utakata
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いつもより三割増しの大きさで月は静かに側に来ていた
51
渋柿を干して安堵の秋の昼 色変はる頃冬は来るなり
45
友の如 感性似たる
短歌
(
うた
)
読まば 笑ひや迷いじわりと刺さる
41
縁側は 小春日和の
日
(
ひ
)
に
温
(
ぬく
)
み 父の居た場所 子猫の寝床
39
北からの 風にも慈悲の 心あり 小春日和の 立冬となり
39
想
(
おも
)
浮かぶ そろばん塾より帰る吾を 頬被りの
亡母
(
はは
)
夜道に待ちをり
38
風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
37
短髪の 鏡に映る 吾の顔は 遺影の父に 似てきた様な
37
鳥渡る諏訪湖の水辺賑わかせ冬を遊べや春帰るまで
36
頂くは 妻の苦手な 果物で
あへて
(
・・・
)
供へず 息子と完食
35
そばにいてほしい時ほどさみしさに強くなってくわたし演じる
35
満ちた月君の街では見えてるの? 空を見上げて問いかける夜
34
ふるさとの妹からの豊の秋 赤い柿食む陽だまりのなか
34
こたつ出し
猫
(
きみ
)
と丸まる 冬が来る 柚子茶を淹れて 今日は休養
33
夕日さす霊峰富士のすじ雲に魅せられ侍る鯨雲かな
33
明るくて大きな月で立ち止まり見上げてしまう様な月です
33
大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
33
十七夜
(
じゅうななや
)
仰ぐベランダ 澄む空気
夜半
(
よわ
)
に
寒気
(
かんき
)
の戻る立冬
33
秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
33
錦秋のもみじ映した山の湯にゆれる湯波に吾は
解
(
ほど
)
きぬ
32
朝焼けに 月が彩る 西の空 早朝勤務 楽しみな時
32
板前に なると誓いし 友の子の 煮付けを食べる 初のお客に
32
田舎町寂しい曇天増えるころ茶色の田んぼ白鳥賑わい
32
じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
32
凩
(
こがらし
)
に震へぬやうに足許を
脚絆
(
きゃはん
)
の如く守るウォーマー
31
紅葉
(
こうよう
)
は 赤き金魚の形して
碧空
(
あおぞら
)
の池で 泳ぎ舞い散る
31
妻
遺
(
のこ
)
す
紅
(
べに
)
と同じに
艷
(
つや
)
やかな
躑躅
(
ツツジ
)
と錦木
紅
(
くれない
)
の赤
31
またですか?(笑)言いたげに言う「コロナです」 サディスティックな医師の微笑み
31
粛々と終えし実家の
墓終
(
はかじま
)
い
故郷
(
さと
)
との
縁
(
えにし
)
さらに薄れて
31
お向かいのママと坊やは外に出て満月の中にうさぎを探す
30
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