まだ何も 踏まぬ足うら ふわふわと 雲の上む 母をみつめて
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春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
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悲しみて戦地の鳥は見るだろか そこで傷つく大地と人を
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われこそが 普通と信じ 我を張って 何も変われぬ 人というもの
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白鳥は 今きっと津軽 海峡を 越えているはず 彼岸に千歳
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迷ひつつ初の試練をクリアして階段登る君にエールを
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三十年住んだ街は懐かしき 愛犬と歩いたあの道この道
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値上がりは 二十円です。 灯油です。 赤紙みたいな 葉書一葉いちよう / 氷点下つづく
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言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
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木の芽風 綻び進む雪柳 髪切り心軽やかな道
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聞こへ来る門出の歌はどれもみなシニア世代のをも励ます
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巣立つの幸願い見る春北斗 夜のしじまに沈丁花ちんちょう香る
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父に似た人 二度見して すれちがい 背中見送り 春 ひとめぐり
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暮れ六つを過ぎて やうやう星影の見ゆる弥生の オリオン高し
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回る寿司 店の出口に鹿しし威しおどし財布のひもの弛みを打てり
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平穏な生活に花 添へるよに 歌を詠む日々 心潤ふ
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ユキヤナギ 満開に咲く 通勤路 冷たき風も 柔らかになり
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降り続く雪はおおかた上がったか深夜の窓からそおっと覗く
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ほどきたる古着の紐を玩具にし 鼠の尾に見立てじゃるる猫
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目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
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森入らば春鳥の声合図とし日ごと芽吹きは進みゆくなり
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白無垢の祈りを包む木蓮のつぼみ食らわれ亡骸の空
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原発にふるさと追われ民去りし荒野に芽吹く沈黙の郷 (3/11)
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川べりの土手をトコトコ四十雀二つ三つ咲く青きムスカリ
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夢半ゆめなかば 散りし御霊みたまの 思ひ留め 辛くも生ける これも供養と… /311改めて思ひ
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会釈した相手が素通りした理由『髪を切ったの知らなかったよ。』
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また来年 雛人形を 片付けて 弥生も半ば 陽の向き変わり
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硫黄蒸す大涌谷の枯山に鶯の声透きて光れり
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飯事ままごと乙女椿ヲトメツバキを洋菓子に見立て ケーキ屋営む幼日
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街明かりと 星の灯りの ボーダーで グズグズしてる 春分け近し
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