Utakata
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はにかみて 席立ち譲る 青年に 素晴らしいよ!と 眼差し送る
21
独りではもう泣かなくていいからと 鈴虫がやっと鳴き始めた
12
ずるい人 禁則事項と言いながらぼくの未来に足あとつけて
10
「真夜中に鈴の音がする」子の言に 耳を澄ませば「それ虫の声」
10
長い長いメールを母は我に書き寝苦しき夜が明けて送りぬ
9
爆弾を抱いて散った若人の無念の叫び雲のみぞ知る
17
「また今度」じゃなくて「来週空いてる?」と予定の海に
錨
(
いかり
)
をくれた
13
雨待ちて 雷鳴轟き近づきて 降るぞ降るぞは雀の涙
15
ぬるま湯に身体の芯をほどきつつ瞳閉じれば夏終わる音
9
タンはらみホルモンライス生ビール焼き手はあなた完璧な夜
7
農作業 会社勤めと比ぶれば自分勝手も怒る人なし
7
夕方の沓脱ぎ石はひんやりとおなかをだしていぬが寝ている
21
甲子園 この時だけは 頑張って 地元が勝って ほしいと願う
6
我々は欲しがれません 負けてなお
(
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
)
なほ恨めしき 朝ぼらけ(夜明け)かな 052/100 藤原道信朝臣
8
灼ける陽を遮るものなき埋立地 ダンプ、クレーン、ショベルのサバンナ
9
4
ヶ月 余命よく超え生きた愛犬の強さ称え悼む
7
徳用のドレッシングはプラ容器品切れなのはナフサのせいか
5
半額の シールが貼られた 惣菜は 廃棄処分の 最後通告
5
あの日々が 彼女との日に溶けてゆく あの日からずっと抜けられない
5
迂回路を 迂回して行く 迂回路に 楽しくなって なんだか愉快
5
産業の コメと言われる 半導体 エーアイ覇権に 命削りて
5
「目が泳ぐ」ということは顔は海 どこに行くんだ俺の眼球
5
蝉時雨 降り注いでも目に見えず 枯れた桜の枝は戻らぬ
5
遠き日にもつれた糸が切れぬよに LINEの文に会いたいを織る
5
女郎蜘蛛ひかりの領土編みあげて露のダイヤをちりばめて待つ
12
終点の先の先まで連れてって 知ってる声に見つかる前に
6
宿題を八月中に終わらさずそのまま生きて来年還暦
6
大いなる餃子ひとつ宙に浮く かたわれ月こそいと美味からめ
5
閉じ込めた時間がふいに
溢
(
こぼ
)
れ出す 十八の君 二十二の君
8
ゆめのなかだけじゃたりない、ぎゅっとして、あったかいのをたしかめさせて
5
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