細君さいくんを 見初みそめ十年 経ちにけり  天使に見える 魔法が解けぬ  
24
朝霧の 煙る山里空遠く 鳴きたる主はホトトギスかな
17
蝉たちのお昼寝タイム街路樹は静まり返りギラつく太陽
13
プチプラのリップ一本買うだけでウレシイわたしはまだ大丈夫
13
クスノキの光る緑がサワサワとまだ挫けてはダメよとそよぐ
13
健やかな ときも⋯病めるときにも⋯ 問われたら  イイエだなんて   言えないでしょね
10
今日明日 気合いねじ込む日としたり 夏祭り待つ 金曜土曜
14
リビングに遊びの欠片落ちてをり 踵にささるゴーカイレッド
9
桃色の艶やかな爪を鍵盤に走らせながらビバルディ「夏」
16
暑き朝ジージーと鳴く蝉たちは短き命を削るがごとく
9
タチアオイ 好きだと言った 亡き母の 笑顔浮かんで 会いたくなって
18
包丁の通ったあとの まな板に 暮らしのあかし 静かに残る
15
土用なれば夏バテせぬやう三尺の隙間を見つけ昼寝をきめこむ
7
炎暑にも風にふわりとそよぐ葉に心ばかりの涼しさ覚ゆ
7
晩年と呼んでいいわよ、わたくしの青春はここ七月の風
11
四年前死んだ親父と二年前潰れたツルハで落ち合った夢
14
図書館と公民館の雰囲気が変わっているんだ夏休みだな
10
しおるる 花のとなりで 勢い増す コンクリートの 雑草のパワー
14
公園の芝生に寝てる猫たちの私を射止めるうにゃにゃの寝言
7
病弱の姉を連れ出し桃パフェ食べる今年の夏もどうか元気で
6
かき曇りひごとに落つるいかづちの雨にはぐくむ草ぞ恨めし
6
街灯の 灯り滲んで 息を吐く もうじき此処も 過去になります
20
枝豆の一粒ほどのバッタ跳ぶ 車の来ない夕暮時に
19
一日と また一日と 過ぎていく どうあがいても 止まってくれず
8
レゴの首ちゃんとはまってないような頭痛がしてる「. 」ドット空白
6
寝癖つけバナナつかんで川べりへ 不眠の友と出くわす四時半
6
枯れたのか焼け焦げたのか灼熱の大葉茶色く小さくなりて
7
バスの騒音 法定速度を超える田舎道 正しい答えを轢き殺す
5
酷暑日の 陽炎のなか 前を行く 日傘男子の 背中を追って
7
花柄のグラスが机に弧を描く ガールズトーク・ターミナルフェイズ
7