三色ペン ふと見りゃ赤が 減り早く ノートを見ると 間違いばかり
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飼われてるつもりもなくて水槽の小さな自由を金魚は泳ぐ
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夕方に 散歩に出られる嬉しさよ 秋の空気を肌に感じて
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一日の最後に押すの破棄ボタン 音楽作りが楽しくなくて
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朝の陽を あったかいなと思うほど 山の空気は冷たくなって
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肌寒くなりましたねと交わす仲通勤電車名も知らぬ人
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春陽にタイマンするは父墓前少女となりし月命日かな
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思い出は哀しからずや二人紀行心詠みすること楽しけり
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野仕事の夢中になりし時がいい汗流れ落ち憂い浄化す
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寂しさをふところ深く包んでくれたあの日のあなた親鳥だった
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旅途中立ち寄りしあのさくら寺先逝くあなた納めし初秋
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雪の街たはむる娘眺めつつ遠きかの日にタイムスリップ
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初宿の語らうことぞ楽しけり今宵は眠れぬ雪の宇奈月
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海崖に荒波打つる東尋坊聴きしに勝る柱状節理
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押しちゃ駄目なボタンを君と全部押す どうせ世界も終わることだし
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父逝きて吾子寄り添いし傾聴これが俺からのオヤジ孝行
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懐かない猫のあくびに報われたような気がした夏の終わりに
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夢だからダメージないし大丈夫ゾンビと俺が服被っても
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殺生は好まないだが本日がこのゴキブリの命日となる
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ぬるい湯に全身ほどけて溶け出しぬ今日一日の心の痛みも
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釣ってから放置するとか酷くない?私の惹きかた心得すぎです
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無精卵涙流して産んでいるうちのカメってメスだったんだ
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テーブルの下に射し込む朝の陽が 炬燵の様に足元温ぬくめて
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同窓会散り際またねと手を振ればふと吹き抜ける放課後の風
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今日もまた豆をコリコリミルを挽く芳醇な香り朝の始まり
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今我の手に触れた風は止まらずにどこの誰かの頬を撫でる
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現実はフィクションよりも世知辛いピンポンパール誘拐事件
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言はば彼女薄荷煙草の香まとひ清涼漂いて鎮静を誘ふ
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「秋」なんて本当に来るの?「暑い」「寒い」極端な2択しか無いと言うのに
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見つめ合う君と私の行間を・・・てんてんてん点は繋いで道を作るよ
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