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近親相姦兆す鳩小屋いもうとは髪切り散らし兵率ゐしに
5
半身不随のあには車椅子へくくりぬ両脚に雛罌粟の一輪 かれき
7
獣園に感傷姉妹うちなげくも錘鉛の槍かまへをりし闘牛士
5
喫水柩に降る雪柳をとめは蹄鉄を履かせをり 馬に
5
生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
54
急かされているかのように生きている まずい気がする まずい気がする
8
二度咲きは小さく可憐 夏空に薄紫の藤の花咲く
27
五輪祭 地続きで鳴る銃声よ
79
年の広島忌
哉
(
かな
)
35
気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
38
油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
37
どんなにか素敵だろうかあの人に〝ありがとう〟って伝えられたら
43
降る雨の雫の中に秋がある 清めの如く
轍
(
わだち
)
を染めて
33
茹でたての枝豆を噛む喜びよ 夏という名のご馳走がある
41
通勤の改札出れば天気雨 夏の終わりの香りが満ちて
48
子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
47
人生は神様が書いた物語 俺はページを日々めくるだけ
10
「まだ読むの?」疲れた兄ちゃん逃げたいが 一歳あと追う「もういっかい!」
24
波音に耳を澄ませば満ちてくる 人は何処かに
渞
(
みなもと
)
を持つ
38
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
55
口内にニッキの飴玉放り込み転がす《
20
時》オフィスを占拠
13
分厚めの 段ボール箱に毛布敷き 冬じたくして あのミケを待つ
40
病床の猫にチョッキを編んだ日は独りぼっちの今日を知らない
44
悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
60
袴田さんに謝罪をしたら済むことか長過ぎる日々あまりに長い
11
粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
53
また明日遊ぼうねって今日の日の終わりを惜しみ吾子とつなぐ手
40
来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
39
故郷の冬は寒くて冷たくて夜は暗くて星が綺麗で
48
吾に声 掛けし笑顔の 看護師は 「十五の春」の 面影残せり
14
からっ風 ものともせずに ボール蹴る 半袖の子等 弾む声聞く
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