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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
51
防空頭巾爛れて千々に孔開きぬ蒙る儘焼かる火に
20
殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
38
闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
33
僕たちは 晴れた空にも 気づかない 傘を探して 下を向くから
10
勝ち負けを越えて抱き合うライバルに雪光り満つ五輪を想ふ
29
人殺す武器の輸出に耐え得ぬと矜持の道ゆく社長の光り (3/6)
33
青年にドア開けられてしずしずと五十五の我乙女となりぬ
34
微笑めば微笑み返すレジ台にやっと届いた小さき子の指
19
老いといふ証の爪のさざなみに 命の色の紅いマニキュア
33
やっつける道が見えない
碁敵
(
ごがたき
)
は悪手を打った顔つきなれど
26
東雲の明けの早さは加速して眩し
陽光
(
ひかり
)
に力得る朝
50
親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
29
頬流れ そこに揺れるの 花影と 名残る雪影 落ちる露音
10
亡父
(
ちち
)
が聴く 「アンコ椿は恋の花」 アンコの意味が わからなかった
34
気になりて調べてみれば椿には多品種ありてちょっと驚き
35
下手なりに 写経に臨む 我を見て 成長したなと 友が微笑む
33
名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
31
イスからの立ち上がり時に膝激痛 行くのためらう映画「スペシャルズ」/観たいけど(泣)
24
紫の 星のかけらの 散りたるが 朝日を得れば
菫
(
すみれ
)
と咲けり
34
アスファルトの窪みに春を溜めておく 星の数だけ路面、光るよ
28
生ぬるい部屋にひとりの夜をいて 未来をいまも研いでいるんだ
27
ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
28
新たなる 業務管理を 打診され 息つく暇なし 東京出張
33
虹の橋渡り切ったかタヌ猫ちゃん幻でよいたまに姿を
27
買い置きと昭和な暮らし役に立ち助けられたを教訓として/東日本大震災から
15
年
30
颯爽と 公道を駆けゆく 昭和レトロな車種は 我が目をも引く
25
選り抜きの豆で淹れようコーヒーを飲むとぐっすり眠れる君に
25
欄干(おばしま)の 端より端へ 駆け抜けて 大松明を 闇に掲げぬ /二月堂修二会大松明三月十日
14
向日葵
(
ひまわり
)
の笑顔のような
貴女
(
きみ
)
だから
黄金色
(
こがねいろ
)
した糸で進める/刺し子
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