このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
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新しい友を得たよな気になって 歌詠み始めて間もない私
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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ひそやかに小さな本棚組み立てる 幼子眠る土曜日の午後
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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音も無く陽炎かげろうゆれる濃い桃の百日紅さるすべり咲く 誰も居ぬ午後
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風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を。
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血の海に 子を落としたる えんありか サンゴ草咲く 海原に立ち 
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朝夕に飯を求める野良猫のために生きてる健康的に
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魂の 傷がその人 たらしめて そこはかとなく 悲の彼岸花
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愛用の お花鋏も 四十年 いちども研がず チカラワザで切る
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各各かくかくの 流儀にそいし 雪國の 仕舞いはすすむ さいごの竜胆りんどう
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とどめさす 淋しい心の 急所とは。 人にはおわす のど仏なる
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目覚めれば べつの天地が あらわれて 靴をはきかえ あさの白銀 / 立冬
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歩きつかれ 夢中に寄りそう 人のいて 無理きかぬ脚と そっとなで説く
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雪景色 から車にて 参時間 つち黒ぐろと オホーツクの丘
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透過した 下弦の月が はらはらと 風花をよぶ もはや根雪と
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頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
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魂の 重さでおちる 地球まで 青い空から ふわふわ淡雪
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天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
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陽春の 光りが照らす 雪野原 きらり一粒 遠くの六花りっか
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玉響たまゆらの雨が今宵を包み込む眠れる僕も眠れぬ君も
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星冴えて 雪のあかりが ほの照らす 遠ざけてきた さきぬくもり
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寒さ増し川原に集う野鳥にもヒタヒタ寄せるインフレの波
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肉球の 跡をたどって 雪漕げば たたずむ木々の 真白き姿
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たまに来る息子たちには手土産を 我が親の気持ち今更みる
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冬空も 春へ変わりゆく オリオン 東から徐々に 南へ移り
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思い出し忘れてしまう繰り返し 22時から惣菜作る/オクラのおかか和え
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小さめの手提げ片手に 一枚のはだかの紙幣持ち コンビニへ
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