満面の笑顔でミスドのドーナッツ たまにはいいネ ママひとりじめ
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晩夏には百日紅サルスベリの花遅れ咲きつくつく法師の鳴き声あはれ
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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「女だし 告白なんて しないわよ」 あぐらかいてちゃ 先を越される
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「女はね、口紅ひとつで 誰だって 可愛くなれるの。」 亡き祖母の言ふ
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本当は粉薬だって飲めないし、なりふり構わず泣きたかったし
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欠ける月 いとしい人よ いまもまだ たったひとりでいるのだろうか
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神の声 拝聴できぬと 人の無力 僕は聞きたい おみくじなしで
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「また明日!」 わくわく夕日 五時の鐘  「お疲れさまです。」 電車のベル
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母 父 子供 友や犬 みんな全員 等しいし 等しい死
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かげひとつ大きくのびておばけみたいだから夜だけ散歩しようよ
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好きだから 隣の芝は青くない バランを挟む ミートボールら
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不条理を生き抜く先に浄土あり怖れ抱かぬ心広がる
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素敵だね 電車で座らぬ 老人に 席譲りたい 小学生
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季節さえ我を見置いて行くが如し 日月逾邁じつげつゆまいただ愁う夜に
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湖に眠る木もかつて名前があって今は子供たちの家になっている
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見てしまう今より遠くに投げる未来 流れる川はいつもここに
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やめとこうスマホのゲーム 電車にてとなりは本を読む女学生
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秋の日の 30度越え クーラーの 出番が続く 想像を超え
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表目に 出る日がくれば いいけどな よかれと思い するあれやこれ
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木犀の香り満ちゆく十七夜霞みの月の輝く晩は
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概念に成り行く君はまるで宇宙 星の煌めき三日月ブランコ
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振られても友達でいてくれた君だけは友達になりたくない
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泣きたくて 入ったトイレ 汚すぎて 夢かと思った 現実だった
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半袖で 風を切るのは 終いかな いまだ30℃ 近くてバグる
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美しく恥ずかしいほどワガママな瞳に隠す長女の我慢
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在庫過多 安さに負けて 買い足した 大根をまず ふろふきにして
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椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
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が胸は 遠き潮騒 いだかれて 桜貝となり 眠り漂ふ
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烏瓜からすうりの つる螺旋らせんは 無口なる 「自然」の漏らす 不意の冗談
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