見上げれば三十年がよみがえる息子の記念樹 八重桜咲く
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「できたよ!」と つかまり立ちで満足げ 孫の姿は期間限定
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老犬のお尻吊り上げ散歩するリハビリ毎日 私は筋トレ
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ラジオからゆったり流れるピアノ聴き気分は高級ホテルの朝食
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ベランダで朝の日課のマッサージ 老犬は過ごす至福のひととき
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久々に一人の朝食これもいい ジャズ聴きながら家事後まわし
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30年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
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空爆で殺戮さつりくされる子ども達 チャンネル変えれば五輪の歓喜
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気が付けば ひこばえ青々繁ってる ああ、生きてるね 桜の切り株
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早々はやばやと鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
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老犬は反応も失せて寝てばかり も一度見たいよ元気なキミを
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園庭に歓声上がる お餅つき 杵持つ子らの真剣な顔
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布団剥ぎカーテン開けて皆起こす 朝から全開 もうすぐ二歳
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寝るまえに 3つの推しの ぬいぐるみ まとめてだっこ それがルーティン
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いなばCIAOチャオちゅ~るは 猫や飼い主を 幸せにする 魔法のおやつ
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切り開く未来の意味を持つと知る 父が娘へ 贈る包丁
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やる事が 終わらぬうちに また別の 優先順位が 割り込んで来る
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図書館の 棚で偶然 目があった 私を見ていたような 背表紙
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窓開けた瞬時に聞こえたホーホケキョ 散歩うながす雨上がりの朝
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結婚記念日きねんびに夫がくれたシクラメン 最後の一輪 可憐に開花
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寒き日も 言葉の灯り あたたかく 明日を潤す 桜雨かな
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さみどりが うなづく川辺 伸びしろが 少ないなりに 肯定されて
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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冬の日も 雨降る夏も お別れも 過ぎてしまえば 戻らないから
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われはわれ愛せるものを撃つわが名とは國體、國家なり
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富める日本。夢遊病にてくちずさむ約束手形に偽眞珠母 生る
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あかり むせび泣くよな 虫のは 夏のおわりを 告げる絶唱
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盂蘭盆會の ご先祖たちは なに思う 帰るところが あれば嬉しい
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ピクリとも 動かぬ森の 木々たちの 沈黙の底に 流る水の
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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