生きている 空っぽだけど生きていく うえだけをみて雨も涙も
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姥桜 今は昔と 華が咲き 我が衣手に 花は降りつつ
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悪夢しか 出ないおまえの存在を 覚めて叫んで 己を呪う
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蒔きすぎた 花咲爺と 姥桜  頬の桜の 素をまた呑む
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ジム通い せくしぃダンスで小指たて 乙女になりきるという増毛法
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前髪を ゴムでくくった ちょんまげと 我の心も ともに揺りけり
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日米も世代も超ゆる一筋の現人神の球の軌跡は
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プライドを捨てるもひとつのプライドで 持つも捨てるも大仕事だね
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夜明け前 長女猫あのこのアルバム 見つかりて 歓喜のなみだ 神様ありがとう!
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たいそう体操する おかあちゃんを ちま猫ちゃん のんびり・ながめる いちょがちいね忙しいね、と
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溺れこむ甘い小説の一節おいしいケーキなんていらない
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よくはれてぼくはきんいろきみがぎんいろ ふたりわらえばにじいろしかく
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搭乗口アナウンス響き長き別れ翼の影を地上に残して
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絶望の 果てに膨らむ爆弾を 裂けた笑顔で 悪魔が撫でる
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少しずつカメラロールに増えてゆく他撮りのぼくとふたりの写真
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七かしら八だったっけいや七よ ひとつのちがいについこだわって/誕生日
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漆黒を 駆ける3iアトラスよ 彗星かエイリアン舟か 応えてくれ
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大谷と山本(由)の活躍を鼻をほじって涅槃で見てた
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斜に構え タワマン見上げ 睨みつつ どこかビビりな 乱立ビル群
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愛だよね愛だよね愛愛だよね君にそう告げ呪いをかける
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アイフォンを 使っていない 知り合いは ヒューマノイドと 決めつける俺
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謂れある 黄金の国 ジパングの 俗説とやらは 今や幻
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雲まといノコギリ歯のようにそそり立つ地球の呼吸雄大語る
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揺れ動く大縄跳びの心臓は 生きる喜びの証だろう
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腹立った あんにゃろこんにゃろ ばかやろう 話のネタが またひとつ増え
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白を白 黒を黒だと 言い張れば 苦い顔した みんなが怒る
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この世には 恐い顔した 魔物が潜む 利己心という 共通地盤
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鬼と鬼 何かを言えば 争いに 巻き込まれる わかっちゃいるが
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ぐちゃぐちゃに 潰されたよな わが命 癒されるため 救われるため
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児童館 恐い顔した 狼が 怒鳴り散らして 這いまわる様
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