ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
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気にかける親のもう居ぬ故郷ふるさとの天気予報をついまた見てる
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久に会う誕生月の娘のために少しはずんでランチ愉しむ
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亡き父と 母の誇れる 思い出を  語れる妹が いる幸せよ
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愛し君ずっと幸せでいてくれと 願ったその夜わがままを言う
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百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
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親も子も 毒も薬も 喰らいつつ お腹くだして うたかた処方
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通行人Aにも帰る場所がある 皆足速みな あしばやな初冬のビル街
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授業中左右に揺れる君の頭 私の肩にいつでもどうぞ
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歌詠みを始めた理由はただ一つ 石川啄木イケメンすぎやろがい…
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人生を信用するほど人生は我を信ぜず、のべつ幕なし。
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朝起きることが苦しくなってきた 起きる理由がないのだからね
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短針が 5さし長針 2をさせば 母帰りきて ともる電灯
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「本日中にお召し上がり下さい」仕方ないなあ寝る前のケーキ
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痛みに色がついたらさぞ彩るでしょうね
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かぶりつく大きなチキン美味しいと笑うあなたと幸福の味
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十日後の漬け物あける緊張感 姉のキャベツは今年も美味い
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確かめずレジに立つなりその数字ごぼう二本の四百円超え
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別にいいルービックキューブ インフルよ 感染ってもいい愛しています
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草津より 高くたなびく 湯けむりよ 吾妻あがつまの夜へ 薫りを残し
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北の町あついコートが安かれど北風しみる枯野ゆくとき
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うらやまし子猫も満足するような隣で着てる防寒ウェアー
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滑らない吸い付くような指先の願い塗り込むハンドクリーム
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杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
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彼岸花 萩、ほととぎす 秋深く いのち名残りを 惜しみつつ咲き
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息子のとこ 行くはずだった しょうがない 今日はおうちで いい子にしてる
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分かり合うこと目標にしなくても励まし合ったり笑ってみたり
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七竈ななかまど、野薔薇、南天、山帰来さんきらい  秋深まりてそれぞれの赤
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熱々のだいこん仕込み布団には冬のカバーをかけ終える午後
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足の怪我しらせてよこす友へ出す小さな荷物あれこれ詰めて
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