瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき服等ふくら
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ユリの木は枯れ花つけて空に立つ春を忘れずかすかな芽吹き
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処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
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勾配は何 パーミルかその先に何が見えるかまた明日が来る
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パーカーが握りしめてたこの毛はさ、長いし細いしそもそも赤い
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「一」を足したり引いたり繰り返すのが人生なんだろうな/釋愛翔様 ありがとう
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枯向日葵にしろき窩數多ありて項垂れつつ零す種子を
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最敬礼のこころに星条旗楯てぬ新愛國婦人會長を 撃て
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敬虔に跪くなき被曝せし額縁に生き長らふるか、天皇!
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嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
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辛口のジンジャーエールと焼きたてのピザで乾杯春の始まり
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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風が吹く風に吹かれるカーテンを透かす光はもう春の色
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手伸ばせば 届く君の肩 波打った 鼓動のせいで 話しかけられない
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僕たちの間を桜の花弁はなびらが舞って君との遠さを知った
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寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
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青空へ白木蓮のつぼみ立ち再起の君へ春を祈りぬ
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ピンクから黄色に変わりし店先の居並ぶ花に頬ほころびぬ(再考)
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塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
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夕方はすみれ色してまほろばの如く優しく染まる街角
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ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
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虹の橋渡り切ったかタヌ猫ちゃん幻でよいたまに姿を
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待ち合わせ8時の電車の先頭ね スマホなくてもちゃんと会えたし/昭和時代青春の頃
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震災後二年経つ日の「浄土ヶ浜」何事も無かったように波寄せ返す (記憶)
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雨雲が虹を内包するように君への憎悪も恋の病だ
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特番の「風の電話」に涙して震災の日の夜が過ぎてく
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落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
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カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
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春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
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