踊り子がひとり回るオルゴール グランパドドゥの夢に囚われ
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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
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次々と美しい歌詠む歌人 その感性にふれてみたくて
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こちらへと色あざやかに菜の花が 春を招くよ川辺の小道
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美味いもん 食ってナンボの 人生と わが狸腹 肯定してみる
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痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
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本年も ボロ服まとい 軽トラで のぞむ税務署 確定申告
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「さあ記憶なくせば無罪してあげる」そう言われたら何でもできる
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着実に進む浮足立たずさあ待望になれ青春になれ
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啓蟄の鼓動を聴いて走り出す泥濘ぬかるみさえも軽やかにゆけ
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あめのあさ ねこは ぽやんと ねぼけがお 横目に見つつ プリンを食べる
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表裏 裏の表のまた裏と 聞きたい事だけ耳をそばだ
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ひさかたの 雨の予報の ひな祭り 月食阻む 雲し恨めし
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追徴の 確定申告 決定し つまと見上げる 喰われゆく月 / 皆既月蝕
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独り身が 語る事無く 桃節句 頬と心を 氷雨が叩く
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沈黙は沈丁花の連れてきて言葉を継がぬ夜道の二人
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あられ降る寒の戻りのひなまつり夫婦静かにせり鍋かこむ
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最南端 世界遺産に 魅了され 波の音聴き 心をほぐす
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邪魔になり冷たくしたら後悔のレコードばかり聴く引き篭もり
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広告の 桜 旅立ち おめでとう 明るき文言弥生に踊る
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面を脱ぎ試合のあとに配られた薬缶のカルピス薄くて美味い
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学研の付録に焦がれた鍵っ子の夢はち切れるアパートの二階
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三月の雪は稀ではない秋田自転車出せば次の日は雪
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土曜日は5月の陽気少年よ自転車連ねて何処へお出掛け/投稿3日遅れて
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コートまとひ 凍て返る通勤路行かば 氷雨ひさめに打たるる散りし紅梅
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ラーメンを食む君のメガネが曇る 何なんだろうこのときめきは
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春なのか冬の残滓の中なのか三寒四温のVAR
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ひたすらに 下腹あたたむ 月数日 ときどきねこも 乗ってくれたり
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雨上がる 歯肉蠢く啓蟄に 「夢の中へ」と陽水聞ゆ
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母の肩 めば上手うまいと 褒められり 亡き後に残る 感触寂し
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