七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
54
音も無く陽炎かげろうゆれる濃い桃の百日紅さるすべり咲く 誰も居ぬ午後
52
風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を。
20
朝夕に飯を求める野良猫のために生きてる健康的に
11
魂の 傷がその人 たらしめて そこはかとなく 悲の彼岸花
47
愛用の お花鋏も 四十年 いちども研がず チカラワザで切る
31
各各かくかくの 流儀にそいし 雪國の 仕舞いはすすむ さいごの竜胆りんどう
31
とどめさす 淋しい心の 急所とは。 人にはおわす のど仏なる
27
目覚めれば べつの天地が あらわれて 靴をはきかえ あさの白銀 / 立冬
37
歩きつかれ 夢中に寄りそう 人のいて 無理きかぬ脚と そっとなで説く
39
雪景色 から車にて 参時間 つち黒ぐろと オホーツクの丘
37
透過した 下弦の月が はらはらと 風花をよぶ もはや根雪と
32
頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
33
魂の 重さでおちる 地球まで 青い空から ふわふわ淡雪
52
天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
12
陽春の 光りが照らす 雪野原 きらり一粒 遠くの六花りっか
43
玉響たまゆらの雨が今宵を包み込む眠れる僕も眠れぬ君も
35
星冴えて 雪のあかりが ほの照らす 遠ざけてきた さきぬくもり
40
寒さ増し川原に集う野鳥にもヒタヒタ寄せるインフレの波
18
肉球の 跡をたどって 雪漕げば たたずむ木々の 真白き姿
49
たまに来る息子たちには手土産を 我が親の気持ち今更みる
24
冬空も 春へ変わりゆく オリオン 東から徐々に 南へ移り
25
思い出し忘れてしまう繰り返し 22時から惣菜作る/オクラのおかか和え
26
小さめの手提げ片手に 一枚のはだかの紙幣持ち コンビニへ
13
あられ降り笑い転げて走ってく おばちゃんたちも心は少女
32
思い出す貴方きみはどうしているのかな 元気な日々を送ってますか
17
冬空にスノームーンは冴え冴えと凍土に咲くはスノードロップ
22
紅梅と白梅咲くや公園に春を探しに車椅子行く
21
「ありがとう」そのひと言の破壊力 「優しさ」引き連れ返ってくるね
24
たんぽぽが 踏まれて轢かれて育つなら 僕ら今頃マングローブに
10