オリーブの深緑色ふかみどりいろ 空き瓶に薔薇生けてみて勤労感謝
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清らかな空気に包まれ癒される 小春日和の出雲大社で
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幸せな夢から醒めた午前二時 草木を寝かしつける木枯し
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思ひ出をだいじに去らむわれわれと入れ替わりにホテルに入る家族
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光のあみが足にやさしく絡みつく 初冬の海がゆびさきに沁む
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秋の海 光のあみがゆれうごく僕のはだしと一緒にうごく
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冷凍食品れいしょくをチンして食べる気力すら 奪い取るのだ鬱のやまひは /鬱短歌
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人は言う「止まない雨はない」それはそうとして傘は必要だろ
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グラコロはコロコロコロっと転がって、冬が来たぞと知らせてくれる。
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母船出えっさほいさと小舟旅いつかなれるか自由な帆舟
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丑三つに  やるせなさ持ち  乗るバイク  風が凍てつく  妙に鋭く
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たくあんの水が上がってヤレヤレと 米の袋をよいしょと外す
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片付けは したら勿論 いいけれど 散らした部屋も 居心地よくて
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桜散り花火は消えて落葉が重なる 風鈴だけが温風に揺られる
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胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。 / 黒ゴマだった🙄
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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なんとまぁ多くのゴミを出す命フロアにかけたコロコロを見て
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ガラガラと壊されました此れ正に 私の自尊心だったもの
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不登校くさって部屋で泣いてたら父が差し出す少年ジャンプ/思い出
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久々に愛車でれば蚊に刺され 私も鋼の表皮が欲しい
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霜月の 晦日みそかのAEON 人にもまれ 焦がれる静謐 伽藍がらん御堂みどう
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朝との境界線に照らされて我が主役とばかりのしっぽ
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ちょっとだけヨコシマなことしてみる?と肩にもたれる霜月晦/八年目はじまる
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「胸貸すよ」「助けてあげられなくてごめん」届くLINEに救われて/会議のあと
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激動の日々はいつしか過ぎて行き光を纏い冬の日優し
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見上げれば朝の光は柔らかに飛ぶ鳥の羽黄色の落ち葉
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この窓は オリオンが走る ※大六角を立てて 昨夜は月を 追いかけていた
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ミュージカル 残すは二年と 伝え聞き 僕の恩刃おんじん 『刀剣乱舞』 /鬱初期の命をゲームに拾われた
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太陽になれない我は月になり 静かに君を照らし続ける
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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