杓文字しゃもじとは ※光りお米を掬う 道具なり 木から白プラ 今は透明
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飲み会の つまを迎えに 車駆る 友蔵ばかり 三人 四人 / 敬老の日
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の岸も の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
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おしなべて 花蕾からいは天に 向かいおり 空色の花 咲かせるが為
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白黒で はっきりさせないこともまた 美しさかも 百鼠色
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また一人 昭和のじいが 亡くなって 透明感が 増す秋の空
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読経の 僧侶の袈裟は 藍白あいしろに 金銀の雲 暮れてゆく秋
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溶け残る角砂糖こそ甘かりし夜更けてそこに灯る思い出
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熱闘は 悔し涙に たそがれて 雪のにおいの 空を見上げる / 日ハム
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雪道の 峠のカーブ 右ゆけば トンネルあかく 我を吸うなり
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人びとは 縦横無尽に 行き交いて ひとりたたず 駅コンコース
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桜葉さくらば 一葉ひとはのこらず 落ち果てて 届かぬ手紙 どどと着くよに
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国会のテレビ中継見入りつつ行方を案ずまつりごとかな
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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バレンタイン あなたの為にリボンつけ 気持ちに蓋をし自分で食べる/「真心」
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白壁の土蔵を覆う蔦紅葉きらめき揺るるそよ吹く風に
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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積雪は 十九センチ きのうまでの 浮かれ気分は 静かに埋まる
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替えの効く生を受けても 代替のそいつは僕を詠えないだろ
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檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
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笑いつつ 手を取り走れば 粉雪が なれが睫毛に 我の睫毛に
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雪よりも一足先に白散らせ 月夜が照らす 八重の山茶花
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五平餅売らる茶店の灯も落ちて紅葉祭りも日暮れて終わる
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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どの家も玄関明ければその家の安堵と云ふ名の匂ひのありて
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親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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