Utakata
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突然の雨に二人は目を合わせ 同時にひらく傘がぶつかる
16
大の字に寝っ転がって昼寝する 風鈴チリーン 涼風運ぶ
40
カートから 桃をもどして キウイにし 豆大福は 空気となった
52
チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
35
来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
15
透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
18
彼
(
か
)
の岸も
此
(
こ
)
の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
42
たくさんの具材をそれこそ生姜まで千切りにして
金平
(
きんぴら
)
ひとつ
35
伝説がはじまりそうな顔の子が駅のホームにつま先で立つ
11
シャーペンで引いたみたいに細く降る雨の日だけは詩人になれる
21
ひきだしの奥のフリースひっつかみ季節は急ぎ
3
マス進む
25
虚空から何を招いているのやら 逢魔ヶ刻に揺れるススキは
17
電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
18
寝る前のポテトチップスばりばりと 月と一緒に太る晩秋
27
白い壁白い布団でみる夢は退院したら髪を染めよう
23
あさまだき夜と朝との境目でまどろむ時間わたしの時間
16
寒い朝父の寝床は天国で煙草の匂いきらいじゃなかった
17
幼らは今日も哭いてるあのまちで世界は何もできないままで
12
昇っては沈みあしたもまた昇るお日さま私がんばれるかな?
18
好きなこと、 なりたいものを 笑われて 何がしたいか 分からなくなった今
29
ひだまりで 夢見心地の
猫
(
きみ
)
を見て 伸ばしたい手を ぐっと堪える
28
晴れ空に老若男女集う日の美よ美のままであれ航空祭
16
勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
35
学級の 隣の席の 子も知らぬ 我の一面
Utakata
(
ここ
)
に隠せり
34
天球の幕の裏には光ありそんな月です今宵の月は
43
瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき
服等
(
ふくら
)
35
ユリの木は枯れ花つけて空に立つ春を忘れずかすかな芽吹き
25
処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
16
勾配は何
‰
(
パーミル
)
かその先に何が見えるかまた明日が来る
46
パーカーが握りしめてたこの毛はさ、長いし細いしそもそも赤い
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