過ぎた日々 幾度も散った 白い片 君が去りても 花は残りて
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空白のひと日はひとり花のした亡き人思う春の夕暮れ
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海溝に マリンスノーは 積もりゆく 闇に降る雪 タマシイは何処
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ごめんなさい。桜の季節に 十センチも 雪降らすよな 歌詠んじやって…
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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列島を ツリーとみれば ふる里は ベツレヘムの星 近くて遠くて / 宗谷本線崩落
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みどり萌え長き病と決別しメロンを食し君は旅立つ
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吾子の住む 街に積雪 予報でて あのコは靴を 選べるだろうか…
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ボケでなし。 ただ無知無明の 現れか 子供時代は 戦中戦後 / 昭和の日
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喜びや 悲しみだとか 実相は わたしがつくる 雨の桜に
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玄関を 開ければそこは ピンク色 忘れていたよ やわいということ / やっと開花🌸
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ネモヒラは地平の果てまで淡く咲き蒼き海へと溶けて重なる
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花びらは アスファルトにさえ 解けてゆく 桜という名の かたちを借りて
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鍬をふる 夏の野菜を 食むために 時をさまよう あなたのために
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埋め方がわからないから散らかしたままで寝ている 部屋も心も
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朽ち果てた パチンコ店の 駐車場 かつての栄華 そのままに藤
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若葉風 左脇腹 肉離れ ハムの四番を 護り給え / 推し活
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華やぎの 街とうらはら リラ冷えの フィックス窓から 眺める夜空
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通夜席の 御膳の固形燃料に チャッカマンにて 火付けてまわる
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そんなこと 自分でできると 疎まれて いつまでも付かぬ 御膳の燃料
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遠くから夫を見つけて愛想するゴロンゴロンと甥の飼い犬
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五月雨さみだれ というには冷たい 雨がふり 苗の植え時 また一日ひとひ伸ぶ
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早苗田の空に飛行機ひとすじの雲を引きつつ雲間に入りぬ
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走り梅雨しとどに濡れし花畑 鳥さへ鳴かぬ朝の寂しき
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歯科医へとリハビリ兼ねて歩き行く汗ばむ肌に心地いい風
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風さやか若葉きらめく遊歩道わきの畑にエンドウの花
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朝凪に 鳥らの声しか 聞こえない 世界にただ 一人の私
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搭乗口「8」をさがして 右往左往 乗り遅れる わけにはいかない
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馴染めずにはみ出していく人生のそのどこまでが個性だったか
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路傍にも小待宵草ユウゲショウとりどりの花ひそやかに揺れ
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