球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
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簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
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この町の駅舎えきのライトに照らされてひとりにひとつずつ影はある
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逆光のなかにある街 清水の舞台の傾斜たしかめながら
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みみうしろ やわらか猫毛 もふもふし 思い出すのは 子猫の時代
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綿毛の塔に風やわらかく吹き込んで崩れ去るにはまだ早いから
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芥子の花ひとすじ伸びて吹きわたる風つよければ折れそうなほど
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揚羽蝶の翅おだやかに振動し何かが始まろうとしている
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しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて
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とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ
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新緑のどよめく道をゆきながら小さく礼をしてすれ違う
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しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
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アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって
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池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
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ささやかな色をのこして紫陽花の花 夏の陽に乾きゆくころ
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昼前に刈り払い機の音響く外を見やると一瞬の夏
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鶏肉と半端野菜を鍋にくべ待つ「この恋が実りますよう煮」
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コンタクトも化粧も落とさず背中越しに ポツリと「わたしいましあわせなの」
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公園の便所の床を這い回る雀蜂を見て僕だと思う
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生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
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幸せという字は手枷の形から出来た われてみたい夜がある
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感情は言葉にして吐き出さないと 勝手に出口を見つけてしまう
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地獄だと自覚があるだけ褒めてよ。生きてるだけで大惨事でしょ。
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じゃんけんが好きな君のその指と私の小指は繋がりますか。
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ただ会って話して食べてまた話す また会う日まで生きるとしよう
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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もう誰も「よき倫理を!」とは言わないし 神は死んだと嗤う声も無し
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ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
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無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
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連日の熱気 はらりと夢になり 9ここのか過ぎれば ここも秋です
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