幾重いくえにも、巻きて開かぬ うちの花 春立つ今朝は 意地を捨て解かむ
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春立つ日きまりのような陽射し受けごみ収集車は給油を受ける
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凶器にもなれる心をひらがなの「あい」に変えてく「飛翔」の時間
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満ちる月 炬燵に入りて 羊かんを 栗の寄りしぞ君へと分けむ
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三層の劇中劇を観るような半覚醒の悩ましき朝
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世界ごと買える気がするAmazonで 短歌の本を探す指先
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徴兵制復活しても私には資格ないだろうちてしやまむ
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体操のお兄さんの如キッチリとラジオ体操するASDアスペの彼
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よどみない圧倒的な語彙力で会話してくるギフテッドの彼
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冴ゆる朝 けふも園バス 送迎す 幼き希望の光を乗せて
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二人して癌友だねと笑いつつ友に伝える想いあふれる
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弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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一億の國民たる日を逃れ得ず國家のひとつの家に喀く血も
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探し物 失くしたものは 物でなく 仕舞ひぬ場所を辿りぬ記憶
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ぬか床を久かたぶりに掘り返し 胡瓜と蕪を埋めて春待つ
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日向夏ジャムは甘くほろ苦く 遥か昔の切なさを ふと
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徒歩五分それも車に乗るくらし選挙ポスターありやなしやと
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パスタみ思いを馳せるあの味に貴女が作ったハヤシライス
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片手だけ ナイフを握り 左手疼かせ 月を眺める 僕がいる
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ひよどりは声高高と飛び上がり凍れる空に朝の月見ゆ
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自分とは 自問自答し 知りたがる 返る答えは 何も無い
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真っ白なテストに消える雪の華 溶けて見えざる核だけ残し
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君と乗りし ジェットコースター 絶叫し 笑い合う日々 今は帰らず
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甘やかな愛情も義理も飛び越えたビターな惰性にリボンをかけて
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ピロピロピロ 待合室で 小鳥の声 BGMとは また別のよな/通院
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雪壁に 小さき氷柱つらら群れ集い 崩されては清明に響く
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笑ってるだけで幸せ感じてる きみに会えた日心はぬくい
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人生に再び咲かせたい花は ほんのりと清楚に香る花/①
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干上がって 茶色だらけの ダムの底 いにしえの村 姿寂しく
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脂のり たまり醤油で 照り焼きに 炭火の香り 食進む夜
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