一生を憂き世の外で生きたからそのまま退去させていただく
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この俺の帽子姿がオシャレだと 帽子を脱ぐと何と言うやら
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私たち大口を叩いてようね青年という生き物だから
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吾が友の踏みつけられている人の自由訴う筆頼もしき
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風の吹く夜更けにバスを待ち居れば影絵の森に怯える月夜
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揺れ動く自分の覚悟とアイデンティティやめてほしいよ決意したのに
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おじいちゃん 私の髪の毛優しく乾かす もう一度その手のひらで乾かしてほしいよ
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恋焦がれ君の姿を追いかけて かなわないと分かっているのに
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思い出すあなたの優しさ思い出と共に これが愛だと気がついたんだ
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ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
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割烹の女主人に咎めらる丈夫の二尺上の崑崙
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三十一の文字は牢獄ならずと舎にいへ蒸し焼かる牝鶏
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
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覚めやらぬ 夢の疲れに ぽつぽつと 鹿の子絞りに 鳥は群れ飛ぶ
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見るだけで満足だったあの影を 今は見るのがとても苦しい
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北風は 行きずり水面 騒がせて 白鷺は行く 何処かの夏へ/r
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北風の冬の朝には日が澄んで歌の言葉をほどいてくれる
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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ケアをすること業にする人たちをケアできたならと密かに思い
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火をくべて ほくそ笑む軍需産業 この手にあるは 水か油か
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焼け石に 水でもいいと しぼりだす 言葉 3滴 ジュッと蒸発
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「お母さん寒かったね」と初雪をかぶりし母の墓を拭いぬ
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ベランダの 物干し竿に 紙袋 たしかにサンタは 届けてた 愛
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雨降らば茶色く濁る泥川の河辺に咲ける白き水仙
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夏に着る服をもらった お年玉としてだと言う君のやさしさ
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そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
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日常が戻りし今朝は味噌汁と漬物並ぶいつもの食卓
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明日から 冬将軍の到来とか 小春日和に 歩きに出てみる
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捨てましょう 賞味期限が七年前 缶詰握り また考える/中身乾パン
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