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シャーペンで引いたみたいに細く降る雨の日だけは詩人になれる
21
ひきだしの奥のフリースひっつかみ季節は急ぎ
3
マス進む
25
虚空から何を招いているのやら 逢魔ヶ刻に揺れるススキは
17
じゃがビーとジントニックがあったらな 月のほかには何も見えない
12
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
46
電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
18
好きな人そうでない人同居する歌という名の楽曲の群れ
11
独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
32
寝る前のポテトチップスばりばりと 月と一緒に太る晩秋
27
冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
38
腹を押す医師の温もり身に沁みて眠りに落つる冬ざれの夜
40
球速も球質も追う英明はエースなりたい引退間近
16
一面に白き寂寞降り注ぐ庭に
紅
(
くれない
)
差す寒椿
14
屍の周りに花を添える手の数だけきっと愛されていた
10
言葉とは土地にて育つものなのか「寒い」以外の言葉知りたい
16
眠れずに記憶の海を漂ってこの人生もわるくはないと
22
ひだまりで 夢見心地の
猫
(
きみ
)
を見て 伸ばしたい手を ぐっと堪える
28
瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき
服等
(
ふくら
)
35
北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
47
紙パック 交換される日 待ちわびて 今日とてルンバ壁に佇む
16
新しいケリケリ猫に渡したら猫喜んで蹴りに蹴りけり
22
恋
(
こ
)
ふと
云
(
い
)
ふ
二文字
(
ふたもじ
)
の中に
綺羅星
(
きらぼし
)
と 風と泉と
夜櫻
(
よざくら
)
が
棲
(
す
)
む
32
燻炭を撒いて融雪促すも 新雪積もって元の木阿弥
19
いちごやらミニトマトやらの商標™️は愛らしいのが流行りと見たり
16
乾燥し 鼻腔の奥がぴーすかと 鳴るのを一人密かに楽しむ
20
キャンディの包み紙まで桜色 今日のチラシもどこもかしこも
19
僕たちは 晴れた空にも 気づかない 傘を探して 下を向くから
10
春寒の氷雨に一輪椿咲く 風に揺れつつ白無垢の雛 (3/3)
34
勝ち負けを越えて抱き合うライバルに雪光り満つ五輪を想ふ
29
人殺す武器の輸出に耐え得ぬと矜持の道ゆく社長の光り (3/6)
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