積雪は 十九センチ きのうまでの 浮かれ気分は 静かに埋まる
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替えの効く生を受けても 代替のそいつは僕を詠えないだろ
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檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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大陸の 友と語りて笑いあう 小さき外交 祈りかさねて
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雪よりも一足先に白散らせ 月夜が照らす 八重の山茶花
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五平餅売らる茶店の灯も落ちて紅葉祭りも日暮れて終わる
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
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玄関は吹き溜まりなり 帰り来て最初の仕事落ち葉の掃除
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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どの家も玄関明ければその家の安堵と云ふ名の匂ひのありて
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日常を 普通と思ふ 幸せが 戻らぬ事に 気付く年の瀬
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来る日々をせわし暇だと呟きて矢の飛ぶ速さで春夏秋冬ひととせは過ぐ
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土をわり芽吹く緑のえんどうの産声聞こゆ木枯しの笛
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好きだから時間をかけてやわらかくふっくらくらと黒豆を煮る
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吾の雑煮 息子美味いと 好評価 妻の遺影に 笑顔で供へ
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冬ざれの色無き山のふところに黄色に灯る八朔たわわに
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ひび割れた 吾の手のひらの ぬくもりで いやせるものが 有るのだろうか?
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空蝉や枯れ葉に乗りて舞いきたか睦月の山の白き雪の/低山歩きの孫のライン画像
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挨拶もせずにふらりとやって来て母の好物プリンがふたつ
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今は無き仕事は「写植」子育て期 追い立てられし日々の懐かし
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蝋梅が 灯籠のに 招く寺 涙こらへて 塔婆とうばを抱いて /妻三周忌
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雪の中直会なおらえの菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
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そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
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父母ちちははと弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
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親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
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次々とコロナインフル花粉症マスクの下で皺を重ねる
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休憩も 取れず働き 疲れ果て 大寒の風 更に冷たく
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眠れない眠れないから何かして上手く行かずに追加の眠剤
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