海の町送り出すとき歌う歌指揮振る君のそばにいるよと
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いれかわり 寝室入ってった ねこ おかあちゃんのねてたとこ ぬくい
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血のいろも こんなに紅くはなかろうて ルビーレッド(キウイ)の真紅の断面
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やりたいことをやらねば自分から死んでしまう しょうがねえ、やるか
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母の日に花より団子の化粧水 若くなれよと白寿の母に
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触れる手にいつもの熱がなかったの君の虚しい指が震える
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妻つくる昼のラ‐ メン添え物の庭で摘みたる三つ葉が香る
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母つくる田楽 でんがく焼の木の芽とる 山椒のかおり指に残れり
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鳥海山とりみやま秋に伐りたる粗朶ぞだあまた吹雪の山路馬橇ばそりで運ぶ
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満月に水の張りたる田圃みち月影と共に我が家へ辿たど
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万博を出れば夕焼け包まれて今なら君に言える言葉が
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「だいじょうぶ、これは切れないナイフなの」それがいちばんこわいと思う
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来年も会う約束だモンシロチョウ マイナカードを翼にのせて
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教えてよ、どこで計算ミスしたか 「ごめんね」とだけ答えたきみへ
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すみません、こんな(遺棄されさっきまでカビまみれだった)皿しかなくて
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ひとしづくおちた涙は何のためいまぞ生いたつこの芽のために
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偏見の目浴びながらさ あとで気付くことになるよ先見の明
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夕に出て、その明るさと涼しさに季節を思った。重い夜が来る。
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この国のルールによれば理論上ゆるされているぼくらの結婚
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音声おんじょう文字もんじを深くかきわけてまだここにないことばを捜す
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午前二時 後には引かぬ メンヘラ道 角刈りになっても 愛してくれる?
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カァカァと 鳴く、また鳴く 声響かせて 鳴くよ仲間たち ずっと鳴いたよ 
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雨雲を追い払ってくれたのか ちょっとひしゃげた未満の月よ
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君は御菓子 甘いモノが好き 僕は唐辛子 辛いモノが好き 双子本体は胸が痛い
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いや全部 オートバイでしょ? またアウト ロボットですか はいそうですか
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すれ違う男の子に言われたよ 「坊主あたまカッコいい」って(本当ですからっ)
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やるせなさ 丁寧に畳み 奥にしまう 次の季節に 取り出すように
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あたためた 牛乳でチョコを ゆっくりと 溶かすように 忘れていきたい
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いつまでも 続く苦しみ いつの日か 雨雲晴れる 奇跡願って
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幸せに なってねなんて 言えなくて わたしのためにと 付け足してみた
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