臥す妻へ味噌汁つくる年の瀬の寒き厨に湯気立ち匂ふ
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来る日々をせわし暇だと呟きて矢の飛ぶ速さで春夏秋冬ひととせは過ぐ
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積む雪を片付ける夫ストーブに金時豆はふっくらと煮え
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ふっくらとうまく炊けたる黒豆を「これでどうだ」と夫に供える/夫の好物
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正月も我れ関せずの浮寝鳥 水面に淡く初日差したり
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勝手口開けらば東雲色淡く かの日見たよな帯色のごと
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蕎麦買いに 蕎麦だけ買うの 忘れきて おおむね詰めの 甘い一年 / 反省
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床の間に 松と大きな 菊飾り 家族の声を 聞く年としたい / 抱負
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ささやかなお節と餅のある平和 来る年祈る有事なき事
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この部屋の座椅子の窪みばあちゃんが生きてた証小さな重み
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来年の まっさらな手帳 用意して 夢と希望を 思い巡らす
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キラキラと霧氷を咲かす裸木の零下20の朝の静けさ
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同じ空見上げているね聞こえたよ 月が綺麗と温かい声/皆様、良いお年を
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年の瀬の「良いお年を」の声ひらり角を曲がればさちありそうで
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年の瀬に 古いワイシャツ 整理する 思い出よぎる 深夜の一時ひととき
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床の間の無い我が家のテーブルでちょっと場違い迎春の花
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深大寺の蕎麦をもらひて年越せば深き味より清けき初春 / おめでとうございます
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五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
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編み物の目を数えつつ聞いている坂本龍一闘病の日々
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一年を漢字一字で表せば「凡」あるいは「疲」「痛」なるかな
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初春と書けば幸が舞ふ気して賀状に添ふる温き言の葉
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土曜勤終えて仕事を納めたり 師走の空に うんっと伸びする
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吾子からの菓子に添えらるメモ紙に父母われら気遣う文字の嬉しき
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庭活し落ち葉舞わぬは楽なれど 少しの未練将来見据へど
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恩師より つひを迎へし年賀状 文の末尾に メールアドレス
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期待値が上り過ぎたかプロ仕様 我が家の汚れプロ負かしたり
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初茜はつあかね 詠みたいところ やはりグレー あまける馬 まなうらにあり / 元旦
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元旦のワンルームの窓に灯り無く パワーチャージすそれぞれの場所
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比べたら落ち込むだけだ働きたい働けぬ身とこころの痛み
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ケアマネのスマホ鳴りつつ年の瀬の言葉を積むもサビ抜きの蕎麦
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