白菜を無理に切る時の音がする初恋でした しくじりました
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上弦の月に自ら射られゆく涙は凍る特に雪冷え
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道端のタヌキ戦士の亡骸は車に挑む戦いの果
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ものすごく眉毛キレイに描けたのに 今日に限って部屋から出ない
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雪原を割けば春だと足跡で切り取り線をつける野うさぎ
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一日の終わりに星を画鋲にし掲示係のきみが貼る夜
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二月でも八時半には登校す窓際ニ列目君がいるから
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懐かしい友にラインをしてみよう目の錯覚か「退出しました」
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説明をするのが少し面倒で雪が降ったで済ましてしまう
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ブーブーの歯磨きコップは置いてゆけ獣道とて一人で走れ
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すれ違う一年前の僕に告ぐ「お前の尻に火はついてるぞ」
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ヨーロピアン・シュガーコーンをカゴに入れ一人暮らしは冷たい自由
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嘘つきな暦は春と云うけれど、水道管の凍った夕暮れ
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素数には二が含まれるぼくたちがいつか溶け合う暗示のように
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紺色の安物ジャージ上下組取る猫の毛の終わらぬあした
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一瞬を愛し合おうよその先はわたしひとりで生きていくから
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ベットから出られない日のかさぶたを無理に剥いだら俺が朝焼け
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こんなときほうれん草の缶詰が手元にあれば勝てると思う
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一歩だけさがってみれば一歩だけさがった景色が見えるもんだな
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慟哭の 白ゆき降らす天の原 我らを癒やす 妙薬となれ
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飼い犬も噛みつくことはできるのだ。ましてや人は傘を持ってる。
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出生は他人の選択だったのでせめて今後は私が選ぶ
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明らかに ネコじゃないやつ 通ったが タヌキだという 確信もない
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福豆と恵方巻が酒のあて 冬よさよなら春に乾杯
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お庭そとうずまっちゃうし肉球が冷たくていや春よ来い来い
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公道に洗濯バサミが落ちていてこんな感じの人間もいた
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読むぼくを労うように伏線が回収される推理小説
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春風が吹いた狼煙にするために桜色したストールを買う
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風吹けばちらりちらりと隙間から方程式の一端見えた
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今年またバレンタインに流されて一日かけてチョコラスク焼く
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