教室は絶え間なく森しとしとととけない問いが制服に染む 

笑み浮かべ聞き役徹する僕のことマスクの下を想像できる? 

真夜中に祖父は散歩をしたらしく月の匂いがしみたサンダル 

必要な嘘は透明であるべきビニール傘は空が見えてて 

縦笛のように両手で子にもたれ音が出そうになるコッペパン 

りんどうの茎は意外に真っ直ぐで 眺めては背を伸ばしたりして 

海水を両手で掬い離された海の一部の孤独を思う 

母さんの心に息を吹き込んでとうきび炒飯食べよう好きでしょ 

南国の果実のような嘘つかれできただろうか騙されたふり 

好きだよと言ってくれない唇の 柔らかさなら知っているのに 

サウナ水風呂サウナ水風呂サウナ(死に近づいた気もするが)良し 

玄関に子らが集めた夏名残 向日葵の種蝉の抜け殻 

我が家では爺ちゃん最強説があり最弱は常に僕でありたい 

マジやばい九官鳥が元カレの名前を忘れてくれないんです 

イオンにてポムポムプリンの筆箱を私のために私は買った 

ブラックを一口含み語尾に「じゃん」なんか違ったいつもの俺と 

若さなど足枷でしかなかったな ガラスの靴も痛いだけだし 

なんとなく世界に抗いたくなって千円カットで坊主にした夏 

直前にミントの種を飲んでおくことにするから土葬で頼む 

夜長く頬杖増えて君想うこのひとときを秋と呼ぶのか 

僕と母勉強するとかしないとか揉めると父は活気湧くらし 

夜中まで起きれるようになったのは あなた返信寄越さないから 

どこからでも切れますという嘘もみな溶かせよ粉末スープのうしお  

白日傘軽く畳んで夏の日を終えた木槿の花横たわる 

きみが詠む短歌のきみになりたいよ きみの言葉になってみたいよ 

みなそこで好きと言いたいさけびたいすべてがあわになる水底で 

水たまり逆さの君が揺れている真実はいつも言えないままで 

校門がいつでも空いてる我が母校校庭で寝る孤独を感じる 

裏側の闇を陽気な餅つきのうさぎで月はカモフラージュする 

パクチーを好きな自分が好きだけどパクチーもたぶん僕のこと好き