Utakata
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市民展 友の切り絵の見当たらず 老々介護の苦悩を見たり
44
小春日の軒に吊るせる干し柿を揉めばやはらに秋を包みぬ
38
山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
37
忘れ花 凍蝶とまりて動かずや 越冬できらば 春野飛びゆけ
36
不登校くさって部屋で泣いてたら父が差し出す少年ジャンプ/思い出
35
出来るだけうつさぬようにと籠る部屋 ちょいちょい覗く夫は子のごと /風邪
34
陽射し浴び 窓辺に見える パンジーの 花に水滴 輝きを増す
34
なぜ我を産んだと母に責めた後赤子にもどる母を子守て
32
週明けて全快とまで言えぬ身に慈悲深きかな師走の陽光 /
20
℃
32
山芋も皮を
剥
(
む
)
かなくなりました 手抜き料理は
破竹
(
はちく
)
の勢い
32
山茶花を覆ふ枯葉の隙間から 顔だす一輪かくれんぼの笑み
32
裏起毛 温きズボンでペダルこぐ 人来ぬ道で小声で歌う
32
私以外気づいていない窓外の木にやってくる多様な野鳥/職場
31
僕だけが損をしてると思う日よ今日はあそこの餃子を食おう
31
近づかば ささっと飛んでこちら見る 嫌われカラスに遊ばる小春日
31
ひと様の花壇眺めて昼散歩陽に照らされし赤きマンリョウ
30
整形とハリの先生真逆言ふ気持ち泳ぎて画像に目凝らす
30
この窓は オリオンが走る
帆
(
※大六角
)
を立てて 昨夜は月を 追いかけていた
30
太陽になれない我は月になり 静かに君を照らし続ける
30
中空に半月薄く張り付いて言葉足らずの帰路を追いくる
30
少しずつ防雪柵は組まれゆき里の風景日ごとに狭まり
29
観葉樹 渇いた土に 水をやり 根の先までも 届け冬の日
29
庭なずな白き小さき花なれど可憐に咲きぬ陽だまりの中
29
その涙「ごめん」がいっぱいつまってる溢れる瞳の奥の青空
29
枯れ枝に上弦の月寄り添ひぬ 風雪耐えし姿を照らす
29
もうじきに寒波来たると知る術を尋ねてみたい 舞う雪虫に
29
名も知らぬ木に艶々と赤き実や 名も知らぬ鳥梢渡りぬ
29
「
黄金
(
おうごん
)
のジパング」ここぞ大銀杏 木のもと仰げば
黄金
(
こがね
)
の渦巻く
29
リア充にこだわるなって言うようにカピバラたちは目を細めてる
29
晩秋の色葉散る庭大輪のキダチダリアの薄紅揺るる
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