シャンプーでアトムの髪型やってみる 100万馬力で晩飯を食う 

鳥よりも先にみなみの国からの花嫁がきて町に告ぐ春 

鋼鉄のメンタルしゃべり顔も良し俺の全てと取り替えろ 手越 

「降車時はブザーでお知らせ下さい」が使えりゃいいのに人生にもさ 

ゴミ箱に捨てられている上靴の存在知ってた僕も共犯 

ささやきも溶けそうな雨しんしんと糸電話しよう神さまあのね 

詠み耽り日と日のあわいを見失う夜は寂しき詩人の無季語 

わたしにも砂地があって夕立も降るから今日は名前で呼んで 

気まぐれに買った駄菓子のラムネさえ大人の僕にはタイムマシンだ 

おつかれさんビールを冷やして待ってるよ 留守電聞いて帰路を駆け出す 

ブランコを並んで漕ぎし少女らが人を殺してみたいと笑う 

涼しげな音色の響く風鈴は南部鐵なり母の手土産 

いつもなら言えぬわがまま「夏だから」その一言で済ませてみたい 

花揺れて水面みなもが揺れてぼく揺れて神さまぼくらを風で指揮して 

不機嫌を 隠す努力も しないのね 幼児に戻る 老いた母親 

あと少し足してください白い愛これでは飲めぬにがいカフェオレ 

犬になる夢を見ていた熱の日の寝てることしかできなかった午後 

スライムを倒すみたいな目標がないから僕は町をでれない 

壊れたり 折れたりするんだ 心って 形なんかが あるばっかりに 

外国の映画みたいに土砂降りの中傘なしで歩きたい日だ 

ご予約の本はこちらになりますと水槽の底で司書は呟く 

なんだかな 夢見たことは夢のまま 膨らまなかったマフィンみたいに 

梅雨の日の猫の代わりにびしょ濡れてふやけて大きな傘になれたら 

あなたからもらったものはただ一つ 忘がたいという気持ちだけ 

さよならの気持ちは痛いほど分かる だけど私はまた恋をする 

こわれてるオルゴールからあふれだす音色は母の耳だけで鳴る 

夜深くぽたりと零す感情の染みが広がる前に拭き取る 

下手くそなテトリスみたい積んだって穴ぼこだらけできりがなくって 

腕時計が遅れるように少しづつ君との距離も離れてしまう 

紙袋たくさん下げた帰り道 きみの代わりは今日もなかった