Utakata
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気がつかば優しき
亡兄
(
あに
)
がそこにいてスッと消へたりあけぼのの夢
47
満開の桜に溶けて見上ぐれば知らぬ翁も我と並びぬ
45
菜の花は今茹で上がり厨には蒼き香りと春が拡がる
44
雀去り地に花咲かす桜花 時折に吹く風に舞いけり
43
思ふままソロ花見する楽しさよ日常離れて右手に酎ハイ
40
雨間
(
あまあゐ
)
の風にさらはれ 改札を薄紅に
染
(
そ
)
む 散りし
桜花
(
おうか
)
や
40
春の雨秩序を持って屋根叩く子守唄にはだまされてみる
40
心配のタネを流しに川の道 何度もそうして過ぎし歳月
40
小松菜の種をパラパラ庭の隅ほんのささやか我の菜園
39
中々にご立派でしょう うちの子のシール帳ですニ枚のふすま
39
花散らし雨に打たれて今日の日の僕も散りゆけ新しくなれ
39
四月来て店内明るく賑わふもウソも混じらぬ値上げのリアル
39
雪解けて ほこり舞う道 おそるおそる アクセルを踏む 桜を乞うて
39
花弁
(
はなびら
)
が 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
38
六段の石垣見事な山城で どれ程鳥声聞きしか城主は
38
毎朝に
鶏
(
とり
)
の過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
38
寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく
二分
(
にふん
)
の診察
38
七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
37
この春を君に見せたくポケットに ふきのとう一つ隠し持ってる
37
雨音が響く暗がりリビングで 君へのメール読み返してる
37
なんとなく月を見ている特別に寂しいわけでも無いのだけれど
37
窓開けてけぶる空見る 霧雨の木々の狭間の声は雀か
37
空
(
くう
)
と云う変化の法則ありがたし時は過ぎ行く固まること無く
37
草引きも畑も駄目と医者の言う庭の手入れは我の趣味なり
36
朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
36
心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩
背
(
せな
)
に春の陽
36
家守り十五年経て奮い立つ 春時雨裁つ君の復職
36
雨音に 鳩の鳴く声 混じりける 卯月の午後に 睡魔が襲う
35
真新しランドセル背負うひい孫の写メを写真の夫にかざせし
35
春の陽に気持ちよさげな野の仏桃の花びらおでこに二つ
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