夜読むと決めた小説手にとってページめくれば途端に睡魔/お疲れあるある
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午後の陽を羽に透かしたキタテハを目で追い行けばコスモスの花
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縁側で 水出し緑茶 に添えられた 水まんじゅうで 涼を重ねる
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虫食いの あとは涙の かたちして くもり空にも 朝顔は咲く
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長月は風流気取りて詠みたしや秋の七草探し歩きつ
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風景の然程さほど変はらぬバス停も 風の温度で 変はりゆく秋
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文字も無く駅そば写真のライン来る立山かまぼこに思ふ旅先
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お惣菜 半額シールの栗ご飯 思わぬところで秋を先取り
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夕暮れの運ぶ涼風 浴びながら 鈴虫を聴く 初秋しょしゅうの窓辺
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熱帯夜 幾日目かとぼやきつつ 冷やした梨でささやかに秋
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雨宿り らまる思ひ く様に 頬と心を たたく夕立
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夕の風 昼の暑さを詫びるよに しなびし五感に秋ふわり来る
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成長に 感謝しながら 処分する 吾子の机を 運びし朝に
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むすめ来て嬉しいあまり夕飯にこさえたものを覚えていない
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夕方の風は真夏の僕たちに秋の予告を届けてくれる
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目覚む未明 吾が十代に寝し刻よ 亡父の小言の 早よ寝よ懐かし
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味噌汁の 鍋かき混ぜて ン十年 ここが宇宙の はじまりなのか / ビックバン
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夏の朝 自転車ひやり幼子を見守る母に蝉の声援
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若かりし母と楽しく服選ぶ夢でひととき娘に戻り
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菜園の 見た目の悪き夏野菜 猛暑に耐へて愛しさ募る 
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いつだって元気なふりの向日葵の夕暮れの背にかける労い
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風渡る 青田の稲穂も垂れる頃 秋刀魚の匂ひ恋しくなりて 
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夕散歩 仕事を終えて 出掛ければ 夜風涼しく 井戸端会議
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信号待ち木陰にらば少しだけ秋の顔した風のそよ吹く
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ぼんやりと朱に染まりたる三日月に秋は何処いずこと尋ねてみたし
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エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
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庭隅のチョコレートコスモス地味なりて秋の風情に合うと慰む
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遺影には微笑むあなた別れなど先の先だと決めていたのに
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楽しみは高額な物に限られずスイカに塩を振ることに似る
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焼きたてにレモンをしゅっとしぼりかけ はらわた苦し秋刀魚塩焼き
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