気がつかば優しき亡兄あにがそこにいてスッと消へたりあけぼのの夢
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満開の桜に溶けて見上ぐれば知らぬ翁も我と並びぬ
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菜の花は今茹で上がり厨には蒼き香りと春が拡がる
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雀去り地に花咲かす桜花 時折に吹く風に舞いけり
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思ふままソロ花見する楽しさよ日常離れて右手に酎ハイ
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雨間あまあゐの風にさらはれ 改札を薄紅にむ 散りし桜花おうか
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春の雨秩序を持って屋根叩く子守唄にはだまされてみる
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心配のタネを流しに川の道 何度もそうして過ぎし歳月
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小松菜の種をパラパラ庭の隅ほんのささやか我の菜園
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中々にご立派でしょう うちの子のシール帳ですニ枚のふすま
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花散らし雨に打たれて今日の日の僕も散りゆけ新しくなれ
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四月来て店内明るく賑わふもウソも混じらぬ値上げのリアル
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雪解けて ほこり舞う道 おそるおそる アクセルを踏む 桜を乞うて
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花弁はなびらが 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
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六段の石垣見事な山城で どれ程鳥声聞きしか城主は
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毎朝に とりの過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
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寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく二分にふんの診察
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七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
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この春を君に見せたくポケットに ふきのとう一つ隠し持ってる
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雨音が響く暗がりリビングで 君へのメール読み返してる
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なんとなく月を見ている特別に寂しいわけでも無いのだけれど
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窓開けてけぶる空見る 霧雨の木々の狭間の声は雀か
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くうと云う変化の法則ありがたし時は過ぎ行く固まること無く
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草引きも畑も駄目と医者の言う庭の手入れは我の趣味なり
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩 せなに春の陽
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家守り十五年経て奮い立つ 春時雨裁つ君の復職
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雨音に 鳩の鳴く声 混じりける 卯月の午後に 睡魔が襲う
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真新しランドセル背負うひい孫の写メを写真の夫にかざせし
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春の陽に気持ちよさげな野の仏桃の花びらおでこに二つ
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