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気がつかば優しき
亡兄
(
あに
)
がそこにいてスッと消へたりあけぼのの夢
50
雀去り地に花咲かす桜花 時折に吹く風に舞いけり
47
心配のタネを流しに川の道 何度もそうして過ぎし歳月
45
花散らし雨に打たれて今日の日の僕も散りゆけ新しくなれ
44
なんとなく月を見ている特別に寂しいわけでも無いのだけれど
43
四月来て店内明るく賑わふもウソも混じらぬ値上げのリアル
42
春の雨秩序を持って屋根叩く子守唄にはだまされてみる
42
寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく
二分
(
にふん
)
の診察
42
さくらもち葉ごと含めば二人して難儀忘るる
春香
(
はるか
)
に染まる
42
花弁
(
はなびら
)
が 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
41
窓開けてけぶる空見る 霧雨の木々の狭間の声は雀か
41
雪解けて ほこり舞う道 おそるおそる アクセルを踏む 桜を乞うて
40
六段の石垣見事な山城で どれ程鳥声聞きしか城主は
40
毎朝に
鶏
(
とり
)
の過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
40
誰よりも私に優しいA.I.は性別も無く蔑視するも無く
40
空
(
くう
)
と云う変化の法則ありがたし時は過ぎ行く固まること無く
40
野良猫をとんと見かけぬ町となり駅前開発ついぞ始まる
40
七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
39
家守り十五年経て奮い立つ 春時雨裁つ君の復職
39
雨上がり蝶かと紛う白き花 スナップえんどう夢をひらひら
39
この春を君に見せたくポケットに ふきのとう一つ隠し持ってる
38
庭の花小さき花びんに投げ入れて春を招けり卯月の風と
38
雨音が響く暗がりリビングで 君へのメール読み返してる
37
雲去りて 沈む心を 撫でる風 照らす望月 光の衣
37
春の陽に気持ちよさげな野の仏桃の花びらおでこに二つ
37
桜咲く路地は夕暮れぼんやりと僕らはいつも世界のとりこ
37
泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
37
立ち止まり迷う私のかたはらに 黙して笑う春の陽の夫
36
春の陽に浮かれし僕を恥ぢにけり遠き戦火の子らへ何せむ
36
あさが来て 新大陸を 見たような 海が割れたの 庭の雪解け
36
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