シリウスも 震えるほどの 月の夜 そっといき吹く 雪片は星
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春風にたなびく光祖母は手に折り紙を折る余命半年
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雨の朝二日分を詰め込まれ古洗濯機きゅうとを吐く
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夕暮れに紙ヒコーキを操縦し君の肩先トンと触れたい
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遠出前母が小梅の飴ちゃんをハイテンションで車内に配る
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吹く風がちらりと春を見せたとき そうだ未来は来るのだと知る
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私だから この人生と わかるまで 随分かかった 今日の黄昏
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写真にも うつらぬほどの ささめ雪 ため息のよに つもりゆく様
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目覚めれば 太陽とまごう 春の月 まだ薄暗き 空に浮かべば
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子どもとの昼寝に勝るしあわせは 中々無くて家事は山積み
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たまにはね 下をむいてもいいんだよ かわいい花を見つけられたりさ
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下手でいいへたがいい のフレーズを短歌うた にも通ずと一首詠むなり
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夕飯のイカ大根と親子丼美味しくできた花丸おくれ
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疲れてる時はやっぱり休みましょ 未来の私倒れる前に
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友人はいつも優しき言葉発つ 心の痛み倍持ちたるも
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亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の白梅シラウメ今年も咲いて
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ストーブの上でアルミに包まれて焼かれる芋がきゅ~と泣いた
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北へ行く オロロンラインの 分水嶺 ひたすら並走 岬をまわる / 望郷
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悩みなど寝ても食べても消えぬもの眠れもしない美味しくもない
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難病と判りし同僚ともは仕事をば続けたしと 全力で支えん
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知らんぷりそれも又良し野良猫に暖かいねと寒いねと言い
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だいじょうぶおやすみというラインきてこの子がモテる理由がわかる
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二週間前、初めて娘を叱った日父に似ているだんまり通し
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ピンク色の肺の機能を知る女医は黙って祖母の瞳見つめて
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さみしさは黒猫みたいに飼い慣らす 向こうから来たらゆっくりと撫でる
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スーパーで「ママー!」と叫ぶ 知らぬ声 無条件に 周りを見渡す
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唇をとがらせた君もドーナツの穴からみると世界はまるい
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公民館より流れくる春の唱歌うた 聞きつつ歩くのどけし午後に
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白波の立つ太平洋 サーファーの水鳥のごと朝陽に浮かぶ
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たまに来る不調の前触れ知りたくて気圧グラフをなぞる夕刻
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