Utakata
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新緑の清しき風を吸い込みて五臓六腑が青に染まりし
18
白雲をまばらに隠す鳥たちは天国なんて目指していない。
17
大阪に
筋
(
すぢ
)
ぞ多かる御堂筋牛筋煮込みその筋の人
13
暁に 勤めに向かい 横見れば 宵闇に居た 猫が見送る
12
生ぬるく塩からくてもこれは雨、感情線を埋めるのは雨
11
もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
25
カーテンを開けて今日へと切り替える 連休初日 時計見ぬ朝
10
喪っただけの衝撃ではなくて葬儀を終えて駆け走る街
11
美術館の 学芸員のように 澱みなく キャベツを語る 君の熱量
15
マスクから出てる部分を武装してマスクの中で本音を叫ぶ
16
晩春の小雨に烟る藤の花夜の灯りで見れば異世界
10
逆風で腹一杯の鯉のぼり。吾にはなきその強きメンタル
12
割り箸を折らずに捨てた弁当が指定ゴミ袋でする蜂起
10
もう見ない屋根より高い鯉のぼり今は河原で遊んでるらし
24
イメージが希望を形作るよに五月の風になる鯉のぼり
8
花曇り雑草取りの果てに立ち汗ひきゆけば初夏の風かな
8
雨あがり えごの花は 輝きて 真白き光 吾が中に
射
(
さ
)
す
16
七十四歳
(
ななじゅうし
)
未だ試験の悪夢見ゆ 紅蓮の炎 埋み火なりと
12
「そんなに仕事仕事って言うなら仕事になっちゃえばいい」と犬が
7
五月雨が洗い流した思い出は取るに足らない男の慕情
7
谷川にずらり吊るせし青と赤 鯉の目刺を干したるがごと
16
ボイジャーが宇宙の果てを目指すころ私は部屋の灯りを点ける
13
過ぎにける月日を忍び藤浪のまつはる思ひ沈めもぞする
11
二週間買い忘れたる紅茶オレ バターロールとほっと一息
20
ホームにて人身事故のアナウンス聞こえてくるよ「次はお前だ」
6
見上げれば肉球のついた四肢を投げ 好きに振る舞う毛玉と目が合う
6
夢見は風船の形 頂点で破裂してから地に落ちるまで
6
友として 黒柴我を認めたり 耳を倒して
匍匐前進
(
ほふくぜんしん
)
12
店員がうるさい服屋嫌だけど聞かれないのも寂しいんだな
6
街灯にユスリカの群れ 東京にまだ居場所のない四月の僕ら
12
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