庭の花小さき花びんに投げ入れて春を招けり卯月の風と
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野良猫をとんと見かけぬ町となり駅前開発ついぞ始まる
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さくらもち葉ごと含めば二人して難儀忘るる春香はるかに染まる
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誰よりも私に優しいA.I.は性別も無く蔑視するも無く
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寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく二分にふんの診察
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泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
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あさが来て 新大陸を 見たような 海が割れたの 庭の雪解け
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くうと云う変化の法則ありがたし時は過ぎ行く固まること無く
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楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
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降り積もる桜吹雪の公園に光差す午後蝶の飛び交う
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絹の雨 菩薩の如に優しけれ 花の命を慈しむかに
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深層の 心の傷を さぐるよに 鈴の余韻は 永くふるえて
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ご近所の子供と遊んで洗われる再び汚れるおばちゃんだけど
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春雨を吸ひて つぼみの膨らみぬ隣家の藤は 初夏への準備
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「春のせい」そんな言い訳詰め込んで二つ目最中に手が伸びる午後
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自身さえ 忘れてるうた 掘りおこし ありがとうです ハートの光り
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術もなくニュース見つめる白鳩の口に咥へし反戦ポスター
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ひい孫が零れ桜の通学路嬉々として行くのどかなる朝
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池回り一、五キロの遊歩道 風のランナー吾を三回抜きけり
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ぜいたくな悩み干し椎茸しいたけどう消費 弟からのふるさとの味
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雪の如 りぬ花弁はなびら バスを待つ人の足もとにも 花絨毯
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早緑の山椒の若葉艶やかに葉陰にひそとさき花咲く
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たまにはと昆布と鰹で出汁をとりうどんをすする春雷の宵
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病院の玄関までの上り坂 花吹雪舞い温い風吹く
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身一つで 武器も持たずに 生きている 愛猫きみは強いね そして優しい
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土曜朝ひとり勤務する窓枠にちょんと現る小鳥の挨拶
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雨の日に雨を歌ひし曲聞かば ひととき昭和がワープし戻り来
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窓開けてけぶる空見る 霧雨の木々の狭間の声は雀か
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頭ばかり しっかりしっかり つぶやくが 心でないかい 最終的には
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桃林は花盛りなり喜寿の春楽し日もあり夢持ち生きる
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