蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
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冬ざれの色無き山のふところに黄色に灯る八朔たわわに
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正月も済んで孤食の日となれりお節の残りアレンジしつつ
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阪急で 伊丹に向う ホームにて 豚まんかじり パソコン見つめ
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いにしへの街道歩かば寒菊の咲く庭ばかり吾の里に似て
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二つ三つ心配事が吹きだまる 風に任せよ 亡父なら言うだろ
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初春も癌の治療の始まる日 枯れ野の径に白き水仙
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ご立派でご長寿なのに幸福か皇居で暮らす盆栽に聴く
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夕食後小さなたい焼き加熱する生き返るよな大きな目玉
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杖つきて道を譲れば笑みこぼれ顔あげ仰ぐ初春の空
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銭湯のえんとつ消えてのっぺりとつのを失くした下町の空
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「おちょこ」とふ名前をつけたと友の言う猫を眺める眼差しに愛
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雪の紋 貼りつけ走る 車窓から 大雪山だいせつざんの 気高き稜線
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本日は 銀山温泉 癒やしの湯 入浴剤も 侮るなかれ
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隣席の シニア声張る武勇伝 方言飛び交ふ地元の朝なり
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こんな日も鳥が夜空をめくり上げ駄目な昨日をさえずりにする
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雀二羽 ぷっくり膨らみ 植え込みに 天敵のない 青空のもと
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目の前の枝にはぐれし小鳥来て刹那のふれあい陽だまりのなか
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あと五分 まどろむ時間 恋しくて 夢とうつつを 行き来する朝
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愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
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明けた空キラリ微笑ほほえむ月がいて 微笑み返す今日は記念日
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哀しみも今の私の一部なり 焼きたてのパン切り分ける朝
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やしなひし ぬくめたお粥「うんめえ」と 妻が遺した 最後の笑顔 /翌日介護終了
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病院の帰りは迎えに行くと言う息子は優しい女子力を持つ
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母が逝き未だ悲しい涙出ず葬式欠席後悔もなく /悲しき現実
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時雨来る予感のあたる冬夕焼け 着膨れて行く五分のポスト
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蝋梅が 灯籠のに 招く寺 涙こらへて 塔婆とうばを抱いて /妻三周忌
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亡夫つまも好き 思い出に酔う寒月夜 久々に聞く中島みゆき
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夏のはあれほど厭うたアイロンをまめに掛けてはほっと暖取る
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降車せし バス停の傍 出迎へり 冬の花壇に 水仙笑ふ
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