日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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柿の実をつけしままにて枝飾る古民家カフェのレジ橫の秋
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彼岸には暑さに逃げし盆を詫びゆっくり墓前に語りてみたし
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水を替へ 疲れし花を 切り戻す 健気な命 仕舞まで愛で
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野に往かば名前も知らぬ草の花バッタ跳びきて葉先に遊ぶ
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秋風に伸びすぎ背丈のコスモスが所在なさげに結われし国道
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過去一の笑顔がわっと輝いて猫種図鑑をあげてよかった
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夕風の農道行かば稲穂波 茜の空に群れ飛ぶトンボ
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亡母はは愛でし夏水仙は異郷にて庭の片隅彼岸を告げる
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デジタルの目覚まし時計を逆さまにして眺めてる夏が終わる日
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万博へ ワクワクしてる 人達を 横目に見つつ 大阪の朝
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大き実の栗を購い栗ご飯 夫の好物炊きたて供う
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根を張れぬ レッドカラント 細りゆく 今日も今日とて 雨に撃たれて
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君からのサヨナラメール優しくて 未来永劫みらいえいごう月は綺麗だ
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信濃より 秋桜の咲く 便り有り 追憶のさち 撫でる黒縁
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飲み会の つまを迎えに 車駆る 友蔵ばかり 三人 四人 / 敬老の日
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ハイハイが止まってじっと見つめるは畳を照らす小さな西日
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語るほど自分を守りに行くようで真実なのに嘘に聞こえる
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休みあけの朝はいろいろ重いです かばん、あしどり、まぶた、ためいき
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店入らば有名人とのツーショット蕎麦屋の女将のこなれし笑顔
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隣家となりやの 煙突屋根の 三角の 影がとどけば 開く秋の戸
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夜になればわれのベッドにへそ天で寝ている猫の野生はどこに?
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足元でカエルが跳ねる雨後の庭 か細き声のツクツクボウシ
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今回はきちんとサヨナラ言えました 来世でまたお逢いしましょう
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ぱたぱたと窓を打つ雨 雲間には青空覗く 猫と微睡まどろ
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秋茄子の光る畑や熟したる無花果見つつ通院の道
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母の名で こっそり ヤマザキ応募する お菓子ボックス 届くといいな😸
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朝顔の萎れし花のゆれる夕つぼみふくらむ明日を契りぬ
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明日がきて 鰹のダシとる ルーティンは 具沢山より 具なし味噌汁
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遠雷や ヘッドライトを見て気付く 肌に感じぬ霧雨の宵
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