溜息は幸せが逃げると言うけれど それでもいいから一息つかせて。 

マジパンとクリームの味がしてそうなサンタ服着た君のデコルテ 

明日から一気に冷えるらしいけどフライングして今夜から鍋 

朝シャンで勤務時刻が迫りゆく 濡髪のままドア開けてゆく 

電線のすれすれ枝を剪る庭師歩道の吾は呆けて見たり 

橙の街灯滲む水たまり避けつつ夜のコンビニへ行く 

達郎が聖夜歌ったあのころはスマホはなくてシンデレラがいた 

僕などを追い越してゆく歌たちが 先にあなたに会いにゆくでしょう 

わたくしのわたくしたらんとするものが地下鉄のつよい風に飛ばされ 

そっか冬 煙草とジンと彼方から音楽 熱く寒く 震えた 

真夜中にカップヌードル食べてると孤独が進化する気がしない? 

最高の眠りと目覚め天気まで良いのに身体を縦にできない 

うしないしひとのかたちをした穴を埋める都合のいいひとはなく 

人生のはじまりにあるカフェーではコーヒーはただしろくてあまい 

目が合ったその一瞬の窒息感 首にかかった手は恋だろう 

『これ以上だれも私に触れないで』境界線としての黒髪 

気の抜けた会話で心が満たされて深いとこまで辿りつけない 

君がしあわせでいることで幸せになれる人らに混じりたかった 

窓枠がうっすらと濡れ貝の鍋星の触れ合う音響かせて 

この街で老いてゆくのね枯れ芝生ホットカルピスおかわりします 

生活と無限は相容れがたくして空を遮るためにある屋根 

白々と煙の上る秋空よ君のハートはあまりにも濃い 

マイナンバーカードを海になげすててただしいことだけして生きていく 

半世紀前のかさぶた取れました 秋の夜長の失恋記念日 

ハムと雨 森を明るくする落葉 卵も空を飛べそうな曲 

手を伸ばし星を掴むことよりも俺の作った芋煮食べてよ 

月の歌。僕は月に恋してる。君の面影、月に重ねて。 

雲かかる月の幻影光ゆく。空から一粒涙流れる。 

革命や木枯らし弾くよピアニスト。ピアノの詩人、月夜に詠う。 

マルクスはお腹を空かせ亡命す。かのヘーゲルを逆立ちさせて。