ファミリーだった 同じ犬種を目で追へば 皆で笑った日々の懐かし
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図書館の過ぎる静けさ予約せし新刊借りる手袋のまま
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山の端の夕陽を追うかみんなみに三ケ月浮きて真冬日初日
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頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
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はらはらと 白き山茶花散り落つる 真白き冬に 季節は移る 
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息白し師走の朝に落ち葉踏む寂しき音色秋残るなか
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豚汁と 煮物を作り 仕事行く 子らの帰省に 吾は休めず
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冬ざれに 風に混じりて時雨しぐれ降る ふと気が付けば冬の陽の照る
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酒タバコ一切やらぬ健全さ あとはやまいが去ってくれたら
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ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
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水鳥は湖面に降り立ち長旅の疲れ癒すか気嵐けあらし早朝あさ
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「母危篤」醒めた頭で考える、バイトのシフトどうだったかな
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雲間から富山平野に陽がさして 神の御柱降り立つがごと
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今日の君茶髪に変えて雲雀なり飛び去る君の予感がよぎる
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週末は冬将軍が襲来す コート一段レベルを上げる
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あの人は少し変だと皆が言う あの人こちらどう思ってや
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書くことは特になんにもないけれど右手にペンを持ち続けてる
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友に逢う車窓の景色も駆け抜ける 東へ向かう新幹線にて
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木道に這いつくばって目を凝らし毛氈苔モウセンゴケを見しはいつの日
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事納め ゆず湯に浸かりて手先見る 節くれ立つ指 有難きかな 
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君の背で ねんねこの中 寝てた子が 一周忌まで 喪主を勤めて…
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週明けの朝の冷気に茜差し今日を進めと励ましくれる
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「好きです」や「愛しています」超えている この気持ちには名称がない
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遅き朝 息白くして 東雲しののめに映ゆる山の端 眺むはすがし /冬はつとめて
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モノやコト 減らしていけば 本当に 大切なモノ 見えてくるはず
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いたがりで ぶつからぬよう さけている ふわっとよける このままにげきる
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週末は寒波や遅れて師走かな朝窓結露のつかぬ暖かさ
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赤い糸辿たどって行きたい冬の朝 300kmも離れた貴方
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安穏も安心もない道のりをよく歩いたねよくこらええたね
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手袋は鮮やかな色が丁度いい肌映えのする糸辛子色
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