Utakata
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ファミリーだった 同じ犬種を目で追へば 皆で笑った日々の懐かし
23
図書館の過ぎる静けさ予約せし新刊借りる手袋のまま
23
山の端の夕陽を追うか
南
(
みんなみ
)
に三ケ月浮きて真冬日初日
23
頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
23
はらはらと 白き山茶花散り落つる 真白き冬に 季節は移る
22
息白し師走の朝に落ち葉踏む寂しき音色秋残るなか
22
豚汁と 煮物を作り 仕事行く 子らの帰省に 吾は休めず
22
冬ざれに 風に混じりて時雨
(
しぐれ
)
降る ふと気が付けば冬の陽の照る
22
酒タバコ一切やらぬ健全さ あとは
病
(
やまい
)
が去ってくれたら
22
ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
21
水鳥は湖面に降り立ち長旅の疲れ癒すか
気嵐
(
けあらし
)
の
早朝
(
あさ
)
21
「母危篤」醒めた頭で考える、バイトのシフトどうだったかな
21
雲間から富山平野に陽がさして 神の御柱降り立つがごと
21
今日の君茶髪に変えて雲雀なり飛び去る君の予感がよぎる
21
週末は冬将軍が襲来す コート一段レベルを上げる
21
あの人は少し変だと皆が言う あの人こちらどう思ってや
21
書くことは特になんにもないけれど右手にペンを持ち続けてる
21
友に逢う車窓の景色も駆け抜ける 東へ向かう新幹線にて
21
木道に這いつくばって目を凝らし
毛氈苔
(
モウセンゴケ
)
を見しはいつの日
21
事納め ゆず湯に浸かりて手先見る 節くれ立つ指 有難きかな
21
君の背で ねんねこの中 寝てた子が 一周忌まで 喪主を勤めて…
21
週明けの朝の冷気に茜差し今日を進めと励ましくれる
21
「好きです」や「愛しています」超えている この気持ちには名称がない
42
遅き朝 息白くして
東雲
(
しののめ
)
に映ゆる山の端 眺むは
清
(
すが
)
し /冬はつとめて
20
モノやコト 減らしていけば 本当に 大切なモノ 見えてくるはず
20
いたがりで ぶつからぬよう さけている ふわっとよける このままにげきる
20
週末は寒波や遅れて師走かな朝窓結露のつかぬ暖かさ
20
赤い糸
辿
(
たど
)
って行きたい冬の朝 300kmも離れた貴方
20
安穏も安心もない道のりをよく歩いたねよく
堪
(
こらえ
)
えたね
20
手袋は鮮やかな色が丁度いい肌映えのする糸辛子色
20
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