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冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
32
新しき鎌を買い来て庭掃除 師走の声に背中押されて
31
すり林檎食べた数だけ成長し食べたくなった三十八度
31
黄金の花梨を
捥
(
も
)
ぎし指先に可憐な花の面影を追ふ
31
夫
(
つま
)
と
吾
(
あ
)
の間にとっぷりわが猫の浸かると足りなくなる掛け布団
31
やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
31
降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
31
無為
(
むい
)
のまま 降りつづく雪 こうなれば
有為
(
うい
)
であろうか 飛ばない飛行機
31
闇を抜けたどり着きしや病院の灯りのすくう砂金のいのち / おかげさま、落ち着きました
31
老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
31
健診を終えた安堵の空腹に熱いお茶漬けご馳走となり
30
この夏に 花を咲かせし 百日紅 冬の鉢植え 実でも彩る
30
真っ白なスイトピー達ひしめいてシロツメクサが成り立っている
30
ピカピカと光る首輪の犬がいて目尻が膝まで垂れ下がる僕
30
肥
(
こ
)
へし方「社長」と呼ばれ
痩
(
や
)
せた方「先生」と呼ぶ 昔の
夜街
(
よまち
)
30
窓開けて透明な空気冬ざるる消えてゆくならこんな朝がいい
30
二軒分 家事と介護を こなすには 知恵を絞りて 手抜き息抜き
30
雨後の午後 和らぐ
寒気
(
かんき
)
曇天の
下
(
もと
)
南天に 光りぬ雫
30
去る人の残り香宿る年の瀬に白きサツキの帰り花咲く
29
琥珀色 アイスティーに 癒されし 海辺の席で 心ゼロにす
29
満たされぬ心
(
インナーチャイルド
)
が悲鳴あげている そして爆買い爆食またも
29
玄米も米は米だと言う君のあげ足を取る言葉が欲しい
29
窓向こう結露でかすむその真中雪に埋もれる一輪があり
29
「寒いね」と言ってもそれは
独
(
ひと
)
り言 「寒いね」と笑う君がいたなら
29
律儀なり 気配かぎつけお出迎え 一人と三匹それも良きかな
29
仕上がった刺し子が風に揺れている 水につけると際立つ色合い
29
「もう少し考えさせて」断わると決めてるきみの優しい演技
29
突然の手術の姉を見舞う午後思いがけない笑顔に出会う
29
いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
29
柔らかな光あふれる雨上がり 心地良さげに
冬薔薇
(
ふゆそうび
)
揺る
29
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