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青空を 描いたような
器
(
うつわ
)
買ひ ビタミンカラーの 野菜盛り付け
30
段々と 熟し始める 檸檬の実 寒風の中 元気な黄色
30
ランクひとつ落としてみよう思案して手に取る米の五㌔が重い
30
控え目に 片隅に咲く 秋の薔薇 みなぎる赤色 パワー受け取る
30
なぜ我を産んだと母に責めた後赤子にもどる母を子守て
30
ひと様の花壇眺めて昼散歩陽に照らされし赤きマンリョウ
30
一日の歩数目標少し上げ 落ち葉散り敷く道 揚々と
29
指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
29
冷ややかに主治医の口から流れ出る『脳血管性認知症』
29
道なりにお進み下さい目的地まだ見えません人生なので
29
上弦の 月が放つは
白兎
(
しろうさぎ
)
落ち葉と共に 風がじゃらして
29
庭なずな白き小さき花なれど可憐に咲きぬ陽だまりの中
29
整形とハリの先生真逆言ふ気持ち泳ぎて画像に目凝らす
29
山芋も皮を
剥
(
む
)
かなくなりました 手抜き料理は
破竹
(
はちく
)
の勢い
29
おみやげのスモアと東京ばな奈置きビュンと去ってく午年むすめ
28
明日の午後母の痴呆の結果聞くどんな結果も
母娘
(
ははこ
)
ですもの
28
カレーって飲み物だからココイチで食べても食べた気がしなくって
28
とりどりの薬飲む母「ジェネリックさまさまやな」と元気な声で
28
野薔薇
(
のいばら
)
は寒さに耐えて茎も実も赤くなりけり 空を見上げて
28
麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
28
誰しもが 古傷痛む 夜もある 朝は来るから 今はおやすみ
28
風邪気味の喉に優しい布マスク着けて眠らん微熱の夜に /手作りのゆるゆるマスク
28
少しずつ防雪柵は組まれゆき里の風景日ごとに狭まり
28
幸福も不幸もきっと平等だ街ゆく人のきらめく幻影
28
観葉樹 渇いた土に 水をやり 根の先までも 届け冬の日
28
妹より届きしお芋 熱々のポトフで食みて元気貰ひぬ
28
芳香
(
ほうこう
)
が 我の頭を
温
(
ぬく
)
とめる 妻が
遺
(
のこ
)
した 毛糸の帽子
28
その涙「ごめん」がいっぱいつまってる溢れる瞳の奥の青空
28
もうじきに寒波来たると知る術を尋ねてみたい 舞う雪虫に
28
名も知らぬ木に艶々と赤き実や 名も知らぬ鳥梢渡りぬ
28
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