久方の息子の姿その声に目元のほくろあゝわが子なり
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気がつけば 作りし短歌うたが四百首 数多のいいね励みとなりて 
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出張の 帰りに現る 富士の山 カメラで撮れぬ 夕焼けの色
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「誰の歌?」耳遠くなる母にまで届いているよ猫の恋歌
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おすわりをする脚力すら失せつつ 食欲で命繋ぐ老犬わがこ
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子と過ごす 時の短さ しみじみと 子育て中は 気付く間もなし
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バラフェスの人混み逃れ梅のみち青梅ころぶ樹下に寝ころぶ
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田植え前夕暮れ映す水鏡しばし見つめるもう少しだけ
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猫の様に日焼けもシミも気にせずに思う存分お日様浴びたい
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来年も会うこと誓う病にも萎れし菖蒲あやめと希望を紡ぐ
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笑うなよ頬のえくぼが見えるだろバレるじゃないか君が夏だと
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五弁花の星の如くに咲き乱れ甘夏の果の恵み契れり
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古希過ぎし 歳重ねるもへこたれぬ  ポンコツなれどなほ夢ありて 
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青空を抱きてひかる田の水に黒き姿の燕の旋回
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ねこたちの夜中暴れたあとをただ 淡々と片す月曜の朝
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地下鉄の窓を 鏡の代わりとす 降車前か 襟を直す乗客ひと
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足もとに 一面広がる芝桜 柔らかな風ふんわり撫でる 
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韓流ドラマ気力体力要るなれど何処かはまりし昭和の世代
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ドクターもスランプがある今日もまた「お薬だけをお渡しします」
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人生の東京駅と高尾駅行きつ戻りつ今日も生きてる (中央線)
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もう少し繁れば空も隠すかと柿の葉透かし見る青の色
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心地よき初夏の夜風のバルコニー 朧月眺む 明日あすも仕事
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神栖まふ信濃の山に囲まれし 盆地の初夏は林檎花咲く
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目の前のドラッグストアに行くためにフルメイクする吾の滑稽おかしさよ
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青空に ぐるりと回る観覧車 車窓の吾子が爺ちゃんと呼ぶ 
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ふるさとの母とくらした蕗は今異郷の庭に亡母ははを連れくる
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たわわなる リラの花房 街角で 胸いっぱいに 香りを満たす / ライラック祭り
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濃さを増す緑の中を君へ向けアクセルを踏み峠に至る
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人想うための嘘なら透明でビニール傘は空が透けてて
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心にも 肥料を与え 枯れぬよう 限界値まで 超えないように
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