霞む空に沈む夕日の物悲し 線香花火の最期にも似て /黄砂
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たちまちに溶ける淡雪ふる夕べ亡きひとの短歌うたいくつか拾う
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椀 三つ 久々煮込む 「つみっこ」を 一つ供えて 息子と夕飯 /つみっこ(方言?) = すいとん
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ここに立ち 猛烈に動く 潮流から 海底の針 ひろう勇気を
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誰ぞ知る彼岸へ渡るその順序前ならえして列へ加わる
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はやあしで歩いたつもりのその脇を 楽器かついだ乙女に抜かれ
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密やかに にほへば春や 沈丁花 を探せよと 囁くがごと
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早々と木蓮もくれんの花散り落ちる 1面広がる白い花道
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山なみが 淡い緑に染まる頃 額縁納まる風景画かな 
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様々に 桜咲いた日 散った日も 喜怒哀楽を 生き抜いてこそ
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数多あまたある歌を目通し 選択いいねをし ようやく閉ざす 深夜のスマホ
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もう父に 届かぬ歌を 詠む夜道 去年の桜は今年もそこに
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保有米 昨年以上に備蓄すも 米櫃底つく孫の成長 
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さくら草 二十二才の君に似て澄まし顔した夢が揺れてる
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投稿後すぐつくイイね嬉しくて 貴女と同じ時間とき過ごしてると
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食い付いた 干物どろぼう 執念で 宙吊りになり しがみつく猫
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月遅れ 桃の節句に 飾る雛 君と嫁ぎし 高砂人形
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花冷えの桜の街に寒き雨 去り行く人の肩をぬらせり
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孫ら去りカーテンの裏残されたひとり遊びの風船ぼっち
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この冬は小鳥に米をあたえたが心開かぬまま春がくる
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決まったよ義姉あねを託する「後見人」安心の側に寄せくる淋しさ
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オシャレってこんなにテンション上がるんだ 気づくの遅しアラ還暦かんなのです
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雨予報 その日に傘は 出番なく 晴天日より 幸運度増し
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買い物中 メモに書くのを忘れてる食材もの思い出し グッジョブわたし
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病む猫のただ寄り添ひしかたはらに耳を澄まして何を語らん
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淋しさをまぎらすためにやってるの? 自問自答し進める刺し子
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歳重ね 互ひを敬ふ心持ち 幾久しくと安寧願ふ 
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ごめんなさい。桜の季節に 十センチも 雪降らすよな 歌詠んじやって…
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風呂場から聞こえる口笛鼻歌が 寡黙な息子も陽気な今宵
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美ら海と 優しい島人しまんちゅ 支えられ ナンクルナイサと 教えらし日
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