隣屋根に残った雪と春霖と福寿草だけ光あつめる
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彼の昔小さき苗植へ育て人感謝し歩く桜木の道
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旅先のローカル局の天気予報 地方の呼び名に旅ごころ満つ
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てっぺんを今日も迎えて終わらせる 刺し子の魔法が解けないでいる
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夕陽せきようの真西に光る浄土でも子の難に泣く亡母の祈り \ 彼岸にて
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幼少の頃に育った この町は 変わらないのに 目線は変わり
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旅先の思ひ出は 歌に残せり その一首も 良いお土産なり
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ありがとね 冬物セーター・ニットたち お礼はもちろん 太陽日差しの優しさ
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愛猫の 凍みどけ土の付けき足 辺りに散らす悪行三昧 
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はやあしで歩いたつもりのその脇を 楽器かついだ乙女に抜かれ
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亡き父の 描きし達磨の墨絵あり 災禍無きやう睨みを利かす 
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春待てり 散歩道から眺むれば 桜の蕾未だに固し 
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女房が実家に帰った三日間 静かだなあ亀と二人の
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雪による倒壊破損が露わなる近所の空き家全貌凄まじ
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見ない間の心配よそに灰猫の何ら変わらぬ日向ぼこかな
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お出掛けは夏日手前の昼下がり 鳥の囀り日傘越しに聴く
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五分咲きの桜の枝の隙間から 青き美しき空と雲雀ひばり
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みんなみの斜面の木々は一様に雪根開きを見せて明るき
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早々と木蓮もくれんの花散り落ちる 1面広がる白い花道
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暖かな雨を孕んで吹く風が桜つぼみを優しく急かす /京都も開花宣言
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真夏日の明日にも被るニット帽 笑わないでね事情があるの
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春見っけ土を破りしふきのとう味噌に和えれば旬にとろける
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予報士の詳しく語る涅槃西風ねはんにしその風に乗り亡兄姉けいしも帰るや
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卒業の季節が今年もやってくる 今でもできない卒業ひとつ
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先頭車両より眺む 爽快に 車窓に映る 線路と桜
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すやすやと よいおてんきの まどぎわで ねこたちならんで ゆめのなか夢の中なり
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さらさらと 前髪を撫ぜる夜風に当たり ベランダにて 星眺む
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ペン持たず 散歩がてらに 歌を詠み 未送信メールに ネタをメモ
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窓全開 春のドライブ心地よし 花粉もろとも風を吸い込む(花粉は平気です)
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「まるちゃん」の「やまだ」のキャラが 大好きで 彼の身持ちを 我も見習ふ
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