雨に濡れ一つ二つと落ちる花 庭はもうすぐピンクの絨毯じゅうたん
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故郷から小包届き よし決まり! 今日の夕餉は山菜三昧ざんまい
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咲き竸うツツジ美しウォーキング 愛犬キミの思い出詰まった道を
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言い訳をしないところが似ているね まるで僕の過去みたいな君
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悪性のしこりを胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
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花びらは アスファルトにさえ 解けてゆく 桜という名の かたちを借りて
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音声おんじょう文字もんじを深くかきわけてまだここにないことばを捜す
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雨上がり 川の両岸一面に 活き活きと咲く 野の花愛らし
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ただ一つ作れる料理はカレーなり 夫の定番メニュー 母の日
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鍬をふる 夏の野菜を 食むために 時をさまよう あなたのために
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手先なら多分そこそこ器用なの 言葉はいつも出てこないけど
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朽ち果てた パチンコ店の 駐車場 かつての栄華 そのままに藤
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あなたとしか共有してないプレイリストの再生数が愛しい
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若葉風 左脇腹 肉離れ ハムの四番を 護り給え / 推し活
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たわわなる リラの花房 街角で 胸いっぱいに 香りを満たす / ライラック祭り
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お笑いの賞レースを見たあとの重いニュースが流れる時間
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なにかしら面白いことは起きないか 面倒じゃない日常の範囲で
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昔から みんなのうた が好きでした 宇多田ヒカルはクマの人です
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幸せの定義を君に聞きたいな 百二十文字以内で答えて
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暑がりの君に合わせたエアコンが僕をにわかに刺した休日
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もうすぐで自分の家に着くけれど 君の横にはずっと居たいし
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温泉へ 道のすがらに トラクター 田植えに浮きたつ 乙女でなくとも
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おひとりのフードコートで食べ終えたスプーン見つめ時間を止める
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「あと千歩」まだ歩こうとする父の残りの数を僕も数える
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緑なす五月の風の中に立つ白きシャツ着た君が手を振る
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薔薇の棘とりて一輪挿し気づく萎れの早し棘もいのちと
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洗面所 パックがぬるくなっていて もうすぐそこまで 夏の足音
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ご近所の人にゆっくりかけられる「こんにちは」の試されてる感
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名前のわからないペンギンの前髪みたいな寝ぐせをパシャリ
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外出の予定のない日だけ やけに髪と顔の調子がいい
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