傘もなく 途方に暮れた 店先で 差し出す君の 桃色の傘
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巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
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ペンギンの行列の如 ユラユラと 頭や肩が揺れる人混み
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切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
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謝るよ、顔は好みじゃないけれど、君がいないと満たされないんだ
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静寂が僕を酔わせて夕暮れの雨の雫にロマン感じる
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幼子の白き手あわせ祈るごと蕾ふくらむ木蓮の花 \ 彼岸にて
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命日に記憶は巡る幼き日父が削った鉛筆並べ
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隣屋根に残った雪と春霖と福寿草だけ光あつめる
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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ドーナツよ淋しくないかポッカリと まあるい穴があいているのに
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しなやかな猫の如くに駆けだせば雪解けの泥青春に散る
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食い付いた 干物どろぼう 執念で 宙吊りになり しがみつく猫
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帰り際 角曲がるまで 見送って 手を振る父に 祖母のおもかげ
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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ほろ酔いで星を見上げてゆく道の頬にやんわり落ちる春雪
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冴返る春に負けじと 花びらは がくとどまる 散らぬようにと
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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さくら草万華鏡の夢のよう冴返る日に揺れて煌めく
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古き良き馴染みの店も 継ぐ者もなく 畳みゆく 惜別の春
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泣いている 空の涙を 受け容れる如く 散らずに耐える 桜は
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海月うみつきと書いて海月くらげと読むような月ぼんやりと春の霞に
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花びらを拾うレディの透き通る手の影残る朝の公園
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夢洲には無縁でいたいかりそめの過度な未来は信じていない
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子の歩む速度で木々のを行けば卯月の枝にはや蝉の殻
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人知れず一人芝居の初恋のような花梨の花が咲いたよ
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よく見るとツツジの蕾並んでる 順番待ちを楽しむように
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海になる花韮の花一面の間引けば哀し風のささめく
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雨に濡れ一つ二つと落ちる花 庭はもうすぐピンクの絨毯じゅうたん
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行く末に重き果実る恵み秘め花梨の淡いもも色の花
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