マンドリン少し 音は鈴虫みたく
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風になびく君のくろいかみ 少し振り向いて、あかいくちびる
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紫陽花をせめて見た気になりたくて 絵ハガキなんか届かぬだろか 
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あの夏の 全てを映す カセットは 君の心に 置いてきたまま
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根拠無き光降りそそぐ散歩道体は軽く言葉はいらぬ
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六月の炎天だとて引きこもり復活二刀流見逃すまいと
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三秒後死んでも良いと思うけど一瞬で逝く道を下さい
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鉢植えの 四葩よひらの花が鮮やかに 朝露弾きて梅雨空に咲く 
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緑陰を一人出づらば一人来て同じ挨拶猛暑日六月
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網戸からサラリと吹き込むそよ風が 揺らす風鈴 夏のささやき
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梅雨晴れ間猛暑警報親切に草の勢いまってはくれぬ
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実家にて記者会見同様な質問攻めに毎度辟易
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おとうさん きょうのおむかえ ごじにきて ぜったいごじに ぜったいごじに
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鬱々と何もする気がしない日は心静めんうたかた読みて
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学校も 試験もなんにも ない生活 もうおばけなのか ただ汗はでて / おい!鬼太郎!!
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あの歌にいいね少ない何故だろう 当たり前過ぎ無視されたかも
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井戸を掘り意図を汲む人いるかしらそれぞれ詠うそれぞれの歌
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飲み込めず噛むるチャーシュー父の喉詰まり涙目あわや訃報に
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炎天下走り回りしアクエリアスむさぼり飲んだ死なないように
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各国の時差と為替を教えてくれる必ず切符で交通する彼
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缶ビール飲み終えたあとの達成感缶潰す時も達成感有り
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蛍光のベストで子らを護る人 頭さがるホタルブクロと
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譲られし友のアナベル純白に思い出包む忌日巡り来
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ゴミ出しを忘れ慌てて飛び出せば月が笑った共に笑った
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嫌いじゃない致し方ない別れだと勘違いした惨めっぷりよ
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小樽にて寿司屋出で歩く運河沿い写真を撮ったそれももう過去
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ほんとうのさいわいは銀河にあるという それならわたしの銀河はきみだ  
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歳重ね 何不自由無く暮らせども 福来たらんと欲深き吾 
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コンクリに叩きつけられ背骨折れた金曜の朝満足バー
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恐竜の生まれ変わりがうなだれる離れ校舎の解体現場
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