石蕗つわぶきの 黄色き花が庭先に 花火のごとく花開く
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腕の中 わたしを見上げて笑うその 歯のない口から転がる鈴の音
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いつもは不便なこの乱視 夜の光は倍美しいの
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ツリーのライト 光る頬 オーナメントに散らばる笑顔
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素晴らしい クリスマスデコ真似しても どこかチグハグ 我家の装飾
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三日月は はるか彼方を みつめたまま 振り向きもせず 慕う夕星ゆうづつ
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20%パー  offで売れてた 恋ならば 僕は今ごろ 君の手の中
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匂い立つ柚子湯に浸かり偲ぶるは貴方きみと過ごした束の間の時間とき
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夢にみる 登場人物 多すぎて あの世もずいぶん せわしいと見え
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座席を取ろうとする人の素早さ 全然立ってられそうな脚力
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港から 新年祝う 汽笛聞き 愛する人の 健康願う
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もし蛇が輪廻をすべて呑み込めば不生不滅のむこうできみと
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くるくるりまわる君の裾ふわり舞う ここが世界の中心のように
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一身に春野の風をまとわせて駆けゆく夢を抱く冬ごもり
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肩の雪払ってくれる姉の手に亡き母想うそんな正月
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あごだしと味噌で娘がお雑煮を そういや母もおんなじレシピ
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染めたての艶やかな黒にひらり桜 幽玄の君はまるで春の季語
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義母という要なくした正月も流れていって煙の如く
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言いもせず 言われもしない 柔らかな 言葉をさがし 雪降る窓辺
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天高く 冬の月る たった一つ 欲しいがための あり余る似非えせ
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裏返すまえのパンケーキのように、黄色いまんまるの月がいいんだ
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案外に好きな曲って聴いてないそれよか未知と出会いたくてさ
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五年前きみと出会えたあの日から雪だるま式に増え続ける愛
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朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
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世界一ピンクが似合うと叫びたい 「〝が〟じゃなくて〝も〟でしょ!」仰る通りです
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カメラから外れて消えた君の影を探し求めてにらむ画面外
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立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
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投げ渡す時計の針の指す向きににヴィエンナ・ワルツのあくどいパロディ
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言葉には色んな意味があるわけで 「寒いね。」だけで伝わる何か
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君がいない 春なんてもう来なくていい 一応布団は半分 空けるね
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