生き様を立派に語らう人もおりポツリポツリの亡父母が愛しき
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新聞の知らぬ誰かの言霊が我を鼓舞させ我を鎮めし
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うたかたで繋がると云う意味知りぬ アナログなれど詠むを続けし
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感性は縦横無尽に飛び交いて 空詠む人も 鳥詠む人も
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能登の地はもっと寒かろつらかろう 長き氷柱に疲れの映る
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初雪にはしゃぐ子らの雪だるま 急ぎて溶けし泣き地蔵なり
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風呂あがり衣服のなくて騒ぐ夢 待つ旧友は雪の道去る
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麓より風に煽られし竹林はいただき目ざす竜の背に見ゆ
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そこにある 風じゃない声 耳澄ます 人差し指で評する前に
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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いつだって 桜が散りゆく速度すら すぐ追い越して 遠ざかってく
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毎日を和ませてくれた十五年 金魚死にゆく 淋しいリビング
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いよいよに古希となりたる今朝もまたヨガでスタートいつもと同じに
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湿る窓 見上げた雨空 縒れたシャツ 生まれ変わっても忘れないでよ
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脳のシワ増やすと良いと言うけれど増えて行くのは顔のシワだけ
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父母ちちははに送る花は四つから三つ二つに 今やひとつに
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熱下がり可愛い動画の再開で どっと届いたはじける笑顔
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カーネーション準備しながら廻らして 贈る人いるこの幸せを
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クレヨンとハートのシールいっぱいに幼子作る母の日カード
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気が付けば使い始めた有り難く 親のためにと付けた手すりを
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何者にもならないという幸せがある 今日僕は僕になったよ
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過活動膀胱に泣き二十年治してくれる医者いませんか
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遠慮なく気兼ねなく座る優先席 敬老パスを初めて使う日
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ドアが開き目の前に見えるエレベーター 今日は乗ろうか私はシニア
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眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
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君だった何かの残滓 苦しさも夏雲とともに忘れていく
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ビルケナウにガザの髪触れ合ひ混じり死の後も死者なりき兄妹
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木香薔薇の花言葉を純潔 死へかけがへのあるものならば
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萌黄野へ蝶たちぬわづか血をふふみおとうとの吹く Gute Nacht
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急かされているかのように生きている まずい気がする まずい気がする
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