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揚げ油にキッチンペーパー被せたら泣き出すみたいに染み広がった
23
犬あびる「かわいい~」の声めぐりゆき「幸せ」きっと、そに還らん
32
雲垂るるはざまに光るきざはしは天に昇るや烏帽子の岩は
23
雪道の 峠のカーブ 右ゆけば トンネル
明
(
あか
)
く 我を吸うなり
42
ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
23
風船ガムを膨らめないでいた僕はまだオトナになれない
7
ハロウィーンの イベントどうでも 良いのです カボチャオレンジ 溢れる幸せ
11
近づけば消えてしまうのわかってる雪より脆い凛とした君
9
公園のトイレに灯る明かりさえ胸締め付ける風吹きすさぶ夜
23
君がふと あふれるように 笑うから 一滴こぼさず 受け止めに行く
38
ほうばったチョコマーブルが錠剤にみえて「最近だいじょぶそ?」
7
明日から 雨だと知れば 青空も 日差し富士山 より愛おしい
18
階段を かかとはみ出し 登るひと 倒れてこないか ヒヤヒヤしちゃう
26
亡き祖母の干したシーツはふんわりとグーグルマップで過去を辿れば
28
いたずらに お菓子欲しがり 取りこぼす そんな僕らの ハロウィンの夜
12
袋ちぎる赤箱石けん母との
湯間
(
ゆのま
)
ふと立ちのぼる
39
湯に浮かぶ小さき船は温度計てあし伸ばしし子らの今はと
22
溜め息を遠慮もなしに吐いてみる どうせ今夜は仮装行列
17
今宵だけ ジャックオランタン携えて 僕も甘味を乞うてみようか
18
また落ちる 資格の試験に 我嘆き 傾向まるで 成長せずと
8
桜葉
(
さくらば
)
は
一葉
(
ひとは
)
のこらず 落ち果てて 届かぬ手紙 どどと着くよに
40
卵嚢を残し親蜘蛛姿消す 枯れ
狗尾草
(
エノコロ
)
を朝日が照らす
35
手に取れば「小さい気がする」サイズなど家で測って承知なくせに/ザル·鍋等購入時に
19
金魚妻 わたしの鉢はちいさくて 今は自由に游いでいるか
18
移植されし樹齢二千のオリーブの挿し木ひと枝我が家の庭に「ナガシマフアーム」
21
窓開けて 叫ぶ友共に 笑い合う 怒られるまで セットで青春
11
クマさんがお待ちなさいと言うけれど喋る個体は危険らしくて
22
砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
13
肉体は一度死んだら戻らない 心も同じメンタルヘルス /鬱短歌
17
何度でも返り咲くのは黴ばかり 深夜だけ出る潔癖の
性
(
さが
)
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