見ず知らず人の行き交う冬の街コートの襟を立てる夕方
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長雨で電波が途切れえんえんと跳躍してるラジオ体操
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目標を達成しても幸せになれるわけない公式違う
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4年前ここのマンション302で起きた事件そこに置き配
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趨勢の末枯れ死にき世の浅茅刈る積車に安らかなれど
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利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る木葉こばの環にまぎれたり
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中央のタビビトノキの丈高く誰かを待つや北の地に生き
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ビル壁に映る秋空だけを見て七日が過ぎる 媼ひとりで
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誰からも忘れ去られてここにいる そんな行く末を願ふものたち
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雨上がり柔き陽の差す朝の庭ゼフィランサスの白、風に揺れ
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三十一の文字は牢獄ならずと舎にいへ蒸し焼かる牝鶏
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女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
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花の名をしらぬこころにふれるとき花の熱だけのこるのでしょう
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影もなく夏日真夏日姿消し はやトナカイがウォーミングアップ
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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葬儀屋のネオンサインは煌々と大河の様な国道の脇
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ゆく秋の硝子を透かすしづけさと 色づく柿に落つる涙と
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この街を自分の街と思えても別れは来ると今日が囁く
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くもらせて雨を降らすも人ならば 晴らせて照らす故も人なり
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木犀の香る坂道一歩づつ杖を頼りに空仰ぎつつ
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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我ごとく友を喜ぶ吾子清しグリーンカードのあの日の勇者
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星の数 砂の数より多いと孫に教わる満月見つつ
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ベランダで スマホを空に 向けながら 平安の夜と 同じ月見る
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今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
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大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
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秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
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積雪を彩るカラマツ散り敷きて足裏あなうらにそっと秋との別れ
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日が変わり 仕事終りの 溜息と 珈琲一口 苦笑いかな
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コンビニのコリアンコスメ手に取ってラメのキラメキ見比べてみる
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