人の波をイートインからながめつつ食べるおにぎり格別な味
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家族すら持たぬ女はさびしくて人恋しさに人をながめる
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妻は妻、つまの私物じゃないんだと理解わからぬきみをバッサリ捨てた
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台風が ふたつも来そうな その時に 飛行機に乗る わが身を思ふ
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「かわいい!」と 通り過ぎてく犬を愛でる君が一番かわいいと思う
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暑くても眠くても 君に会うために 早寝早起き 手洗いうがい
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バイバイをして 乗る帰りの急行で もっといい言葉を思いつく
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前髪を執拗に直す君を見て 嬉しくなるのはどうしてだろう
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風はなく 西指し示す 風見鶏 明日あしたへ向かふ 陽を見送りて
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が呉れし夏色の青 真新しスニーカー履くデイケア初日
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お手本にしたいね犬の兄弟は取っ組み合ってとても仲良し
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ベンチャーズ追いかけエレキ楽しんだビデオに残る君がサウンド
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カルガモの子を見守りて おきならは そっと布被せ 穴を塞ぎ
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國政――、鼠講商に穢れゆく時を緑黄色社會が謳ふ「萬歳」
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早朝に散歩に出ればキジバトの声聞こえくる葉ずれの中に
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電波塔 各国言の葉 匂いの坩堝るつぼ 昼にうっかり インドカレー屋
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詐欺メールに騙されかけた昼下がりまぶたヒクヒク痙攣してる
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夏陽射す草むらの中昼顔の淡紅優し風にゆれつつ
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初蝉の声に包まれ空仰ぐ 私の夏がいよいよ始まる
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スベリヒユ スーパーフードの記載あり 庭から摘んで食んでみるなり
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木々揺らす風吹く午後に聞こえ来るか細き蝉の声漸くに
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雨後の宵窓辺に立ちて見おろせば遠くの街の灯りさざめく
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野分あと 熱風吹けども 心地よい 風が全てを 押し流すよう
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昔日の 揺らるる列車 故郷ふるさとへ 姉と分け合ふ 冷凍みかん
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歩道来る自転車の子に譲る道 会釈涼しき夏の朝かな
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ひさかたの 雨に歓喜の 蛙かな グゲゲグゲゲと 朝のめざまし
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風鈴を吊るせぬ事情今さらに知って驚く田舎育ちは
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腐らずに 小さく青く しっかりと 気象荒れても 檸檬が実り
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立ち漕げば入道雲と青空の君の待つ街 橋の向こうへ
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秒針の音に重なり 冷房エアコンの音に安らぐ 熱帯夜には
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