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傘もなく 途方に暮れた 店先で 差し出す君の 桃色の傘
24
巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
18
ペンギンの行列の如 ユラユラと 頭や肩が揺れる人混み
25
切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
26
謝るよ、顔は好みじゃないけれど、君がいないと満たされないんだ
5
静寂が僕を酔わせて夕暮れの雨の雫にロマン感じる
8
幼子の白き手あわせ祈るごと蕾ふくらむ木蓮の花 \ 彼岸にて
33
命日に記憶は巡る幼き日父が削った鉛筆並べ
15
隣屋根に残った雪と春霖と福寿草だけ光あつめる
27
菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
45
ドーナツよ淋しくないかポッカリと まあるい穴があいているのに
22
しなやかな猫の如くに駆けだせば雪解けの泥青春に散る
20
食い付いた 干物どろぼう 執念で 宙吊りになり しがみつく猫
24
帰り際 角曲がるまで 見送って 手を振る父に 祖母の
俤
(
おもかげ
)
22
本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
48
ほろ酔いで星を見上げてゆく道の頬にやんわり落ちる春雪
28
冴返る春に負けじと 花びらは
萼
(
がく
)
に
留
(
とど
)
まる 散らぬようにと
22
桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
39
さくら草万華鏡の夢のよう冴返る日に揺れて煌めく
20
古き良き馴染みの店も 継ぐ者もなく 畳みゆく 惜別の春
21
泣いている 空の涙を 受け容れる如く 散らずに耐える 桜は
23
海月
(
うみつき
)
と書いて
海月
(
くらげ
)
と読むような月ぼんやりと春の霞に
59
花びらを拾うレディの透き通る手の影残る朝の公園
24
夢洲には無縁でいたいかりそめの過度な未来は信じていない
9
子の歩む速度で木々の
間
(
ま
)
を行けば卯月の枝に
早
(
はや
)
蝉の殻
48
人知れず一人芝居の初恋のような花梨の花が咲いたよ
28
よく見るとツツジの蕾並んでる 順番待ちを楽しむように
37
海になる花韮の花一面の間引けば哀し風のささめく
27
雨に濡れ一つ二つと落ちる花 庭はもうすぐピンクの
絨毯
(
じゅうたん
)
36
行く末に重き果実る恵み秘め花梨の淡いもも色の花
28
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