妻となる人を知らずにひと部屋のアパートにゐた男がよぎる
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原発の処理は進まずまたけふもだれかがつくる灯りをともす
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「出したくねぇ、あんたの都合は聞かないよ」 腸が手を組む自律神経
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飛ぶことを忘れたカラス慣らされていくんだ知らず知らずのうちに
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ハッピーの 言葉贈れば 幸せが 幸せ連れて 舞い降りて来る
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つち振れば割れてひらける石のなか祖父の面影化石に映り
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一番に「唐揚げ入れてくれ」と云うきみも茶色の弁当好きか
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銀行用事済み ご褒美は はら屋のカスタード キミと食べよう お茶を淹れよう
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不登校のシンガーソングライターが歌う青春ソングの純度
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この色を言葉にできぬもどかしさ黄昏時の空の蒼さよ
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涙星 泣きたいときは鳴けばいい いつかは渇れて 忘れてくから 
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脆きひと 見てもいられぬ傷のひと 避けど寄せ付け、此れは天性?
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「雨水」だと気付いただけでホッとした雨が降るから春が来るから/明日雨水
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毎日の中川記者の賞受けし写真のパンダギター弾くがに/毎日新聞社中川祐一記者「報道写真の力」受講
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月面のゴルフボールが見えたとて人のこころの襞は見えない
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懸案の債権回収成功し やれやれやれとロング缶呑む
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フロジンを一月分はもらえない悩み過ぎては髪また抜ける
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道ばたの水仙ナルシスは今うす汚れ 己の姿観る気も失せり
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閉ざされた 我がこころへと 差す光 わたしを変えた 革命の訪問者うんめいのひと
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背伸びして したこともない 失恋を 感情込めて 歌ってみた日
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亡き母と二人旅などしたかった命日近づき今更に思ふ
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春近し 古木の白梅咲きそむる 若草色のメジロが二匹
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戒名に「牛」と「肉」の字入れ込めばジュッと成仏しそうだ祖母は/祖母百歳。大往生
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ふた探す 隠した場所が 分からない? 昨夜ゆうべだんは 豆炭あんか(久々使用) /中編
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空青く風ばかり強く吹いている雨の待たれる雨水朝かな
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粉々に割れしまったメッセージボトルを今も砕き続ける
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応援や愛を綴ったメッセージゴミの漂う海へと沈む
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針穴が従来よりも四倍と触れこむ裁縫セット吾も欲し
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付き合いが苦手で海の大好きな祖父は夢見た灯台守を
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氷雨ゆき軒の下こそ暖めつ 虹の青いろ冴へ冴へと見ゆ
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