春の雨 まだ咲きめし桜花さくらばな 散ることも無く しとど濡れつつ
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『ちゃいるど』てふ歯科医院にかかりし子のそのまた子の 旅立ちの春
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枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
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貼り紙に「子の卒業」と書き まちの接骨院は 春の休診
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「春雨じゃ濡れて行かむ」と見栄を切る それは無理でしょ氷雨そぼ降る
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せわしなく車行き交うこの街も 油尽きればゴーストタウン
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「元気でね」 手を振る君を 追いかけて 引退しても 心に宿す
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エネルギー保存が真というならば 君に渡した 熱の行方は
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白霜の ろうのかげそふ ふゆの夜に 遠くにほへり うらもえのはな
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一歩ずつ 君との距離が 縮んでく 過ぎていく日々 各駅停車
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入社式となりの彼にドキドキと元カレに似て胸を離れない
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窓叩く 雨音だけが響く小夜 微睡まどろみ辿る遠き日の記憶
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夜に閉じ ひとり迎えし 同じ朝寡黙に拡がる 薄青の空
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会見後「また嘘言っちゃったよ…」と頭抱えてるのか?トランプ!
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古寺の門をくぐれば背伸びすと四方よもを眺めるみつまたの花
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根を張った大樹ばかりじゃ森できぬ あたしみたいの割と大事よ
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吸わないで買っては欲しいたばこかな防衛費まで虫が良すぎる/増税計5回で
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年ごとに冬越すごとに少しづつ壊れ続ける近くの空家
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柿の木が二本切られて恥ずかしいほどに露わな我が家我が部屋/キャッ!
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訃報来し 翌(あけ)の朝餉(あさけ)に ジャスミンの 匂ひは立ちぬ 泣けと如くに  /挽歌
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軒下の巣取り払われて渡り来しつばくろ二羽は電線にをり
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買い物のメモを忘れてはて?何が要るのだったか店頭に迷う
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ゆっくりと胸がつぶれる音がするさよならさよなら春が来たから
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美酒なれば春の灯りに寿ぎの影揺れはじむ間集まつりの宴
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月明かり 闇夜を照らす 存在に あなたの中で かくありたい 
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懐かしい 景色のはずが 変わりすぎ 思い出せない 昔のここが
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一等星にはなれずとも大人びて微かに光る夜空のほくろ
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風の音に なぜか苦しくなる胸も 色づく頬も きっと夏のせい
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遺伝子が 求めるままに 結ばれて こどもをつくり 役目を終える
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泣いたって顔ベトベトになるだけだ わたあめ帝国 出身だろう?
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