Utakata
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旅先で 旅館の子どもと 知り合って 帰っちゃうの?と 聞く子にさよなら
18
「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
26
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
16
見回すが子供は見えずシャボン玉一つ現れて空へ昇った
17
山を越え川を横切り風に乗り気にも留めずに鳥は羽ばたく
15
ひっそりと ロフトへ昇り 歌綴る 小さな灯り 私を染める
22
本棚も椅子もベッドも溶けていく 夜に溶けない私は一人
14
石投げて波紋。小石投げて波紋。伸びた影までズックで石けり
14
何にでもなれるし何でもある国でひとりの不在に錨を下ろす
13
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
13
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
13
何かこう棲む星多分間違えて生きおるような自分呆れて
16
初夏に聴く風の音色は水紋の泉に透けてそよぐゆらめき
15
長渕も美空ひばりも
X
(
エックス
)
も平成元年流行歌きく
12
木漏れ日の流れる川の咲く花の 命にひれ伏す我は人なり
15
うっとりと五感を抜ける潮風に四月の海を確かめている
12
もう少し黒めの薔薇はありますか 忘れたくない人に贈ります
12
この時期が一番夏を忘れてて 都合良すぎる「夏」に恋する
12
くだらない世界が少し輝いた 君が笑って空気が揺れた
12
点々と 続く足跡追いかけて 愛しき
愛猫
(
きみ
)
は陽だまりの中
17
買い替えたフライパンで焼く餃子いい焼き色はよそよそしくて
22
ダッフィーの緩い温もり抱いて寝る
(
山里は 冬ぞさびしさ 勝りける
)
人目も草も かれぬと思へば /28/100/ 源宗于朝臣
11
日焼けせし八手の若葉が気になりゐて
間日
(
まび
)
なればよしと移植するなり
11
蝶の舞う 春うららかに つむじ風 明日の行方は 誰ぞ知るらむ
11
漆黒の闇歩きつつ思い出すかつての悔いと
永遠
(
トワ
)
の別れを
16
「ごめんね」がコーラの泡に溶けなくて我が子の背中を追う帰り道
28
あちあちのシチューの蕪をたっぷりと盛って差し出す小さな復讐
13
眦
(
まなじり
)
が下がり優しさ増す
表情
(
かほ
)
の 老いか愛かは問ふまでもなく
18
ハナミズキ 色鮮やかに 踊りだす
花
(
きみ
)
は今まさに 輝いている
12
ドライブが苦手だったね いつまでも 早く帰ろと か細い鳴き声
9
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