斑沢鵟
0
6
投稿数
35
窓際に猫が寄り付きだして春ガラス越しに蝶追いかけて春
12
退社まで友達でいてくれたひとaikoの歌が上手かったひと
5
ラジオからペーパーノイズが這い出して鼓膜を撫でる優しく撫でる
8
「撫でさせてやってもいいぞ」と横たわり撫でるまで猫はそこに居る。ずっと
15
転寝うたたねのふくらはぎから沁みてくる猫がいてくれることの幸せ
17
だいじょうぶ笑ってるだけ街のがビックカメラの袋みたいで
8
窓のない巨大なビルの真っ白な壁に貼り付く細い階段
9
世の中のコンテンツすべて食べるまで何億年? ならそれまで生きる
3
この辺は雨が降るともう歩けないだからあなたはどこへも行くな
5
一丁目まるごと幸せにしながら洋食店はコンソメを引く
9
慣れもせず引きずりもせず「さよなら」が降り注ぐこの毎日をゆく
8
街路樹の向こう側から吹く風が不意に浴びせる夕立の余韻
9
手の甲にツートンカラーの蚊がとまり他人事ひとごとみたいにそれを見ている
13
寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
11
窓際で何かを見ている黒猫とそれを見ている僕との時間
18
茜雲ポツンと黒い穴が空き徐々に広がりアオサギが来る
12
真っ白な壁にしばらく影として存在してみる本日快晴
9
脳味噌の長らく使ってない箇所を鍛えられている猫と暮らして
5
付き添いに病院食の献立表エアで頬張り楽しくはない
6
にじり去るヤマカガシの背のドット絵にダイブしてみる夏日・南中
7
光さすトンネル越しの東口ひがしぐち別のライフが待っているような
6
石垣にカニの形の窪みあり同じ形のカニを待っている
12
惑うひと手伝うひとを飲み込んでノンステップバス深呼吸する
8
ナガミヒナゲシは書割かきわり然として ままごと遊びの裏庭を飾る
3
ぽっかりと駅の方だけ晴れていて用はないけど靴紐を結う
10
十五年書いたブログが消えた朝このすがしさはどういうことだ
15
そういや今日スキップを踏む大人を見た 一杯目はまずその人のため
11
夕暮れが八十吉やそきちみたいな色をして空は球体ここは平面
8
アベリアは無数の腕を突き上げて花粉媒介者ポリネーターを捉えんばかりに
4
何にでも始まりはあるいたずらに想いを馳せる朽ちた店にて
7