斑沢鵟
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投稿数
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重なった「SALE」の札の向こう側遊ぶソマリと目が合っている
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去年まで何があったか1ミリも思い出せない更地がひとつ
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ゴミ記事にゴミな見出しを書く人の暮らしを想うゴミな一日
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激安な呑み屋のワンオペ店員に愛想がなくてちょっと嬉しい
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とりあえず大人なんだから僕たちは綺麗事くらい胸張って言え
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全速で歩道を走る自転車のカッコ悪さよ世界に届け
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パラパラなだけで味のないチャーハンを掻き込んでいま世間に溶ける
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五十億年しか保(も)たないこの星で命をつなぐ君が眩しい
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YOASOBIがあればいいよで済むような曲が流れるカフェで人を待つ
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ヒガンバナ燃え立つ道に長い影。打ち解けなかった義母を焼きに行く
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半日を考えごとに費やしてだいじなことは唯のひとつも
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ウォシュレットが壊れた便器に狼狽(うろたえ)えてホモ・サピエンスの未来を憂う
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なにひとつままならぬ日に猫がいてなんとなくただ報われている
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妻の方を猫は僕より好きみたい分かるよ僕も大好きだから
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自転車の隊列が来る夏服で直射日光弾き返して
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解放され胡座(あぐら)を解いた太ももが猫の形に汗ばんでいる
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友人をふざけて置き去り走り出す少年たちとコロンの香り
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窓際に猫が寄り付きだして春ガラス越しに蝶追いかけて春
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退社まで友達でいてくれたひとaikoの歌が上手かったひと
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ラジオからペーパーノイズが這い出して鼓膜を撫でる優しく撫でる
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「撫でさせてやってもいいぞ」と横たわり撫でるまで猫はそこに居る。ずっと
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転寝(うたたね)のふくらはぎから沁みてくる猫がいてくれることの幸せ
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だいじょうぶ笑ってるだけ街の灯(ひ)がビックカメラの袋みたいで
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窓のない巨大なビルの真っ白な壁に貼り付く細い階段
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世の中のコンテンツすべて食べるまで何億年? ならそれまで生きる
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この辺は雨が降るともう歩けないだからあなたはどこへも行くな
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一丁目まるごと幸せにしながら洋食店はコンソメを引く
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慣れもせず引きずりもせず「さよなら」が降り注ぐこの毎日をゆく
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街路樹の向こう側から吹く風が不意に浴びせる夕立の余韻
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手の甲にツートンカラーの蚊がとまり他人事(ひとごと)みたいにそれを見ている
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