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歳下の 僕の後ろを 歩く君 桜も見ずに 先に逝くとは…
20
儚くも 踊り子の様 ひらひらと 季節は進み 我も踏み出す
32
いつからかドアがきしんで声を出す度に知らせる家族の帰りを
14
八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
55
老眼鏡かけても読めず虫めがねサプリのちらし「ご注意事項」
13
「千の風…♪」 歌いながらの 墓参り 君去りしから 百箇日となり
19
しゃべらない息子が居ればうっとうしい 居なきゃ淋しく部屋覗いたり
14
仮面劇にはたれもが左右へへだたりて中央には翼賛図、曲々し
10
統計の父ありて確実に死すきみらやさしかる絞首臺へ誘ふも
9
頼まれてさらりと上げるブラインド 香炉峰の雪はないけど
10
春祭り黄砂のすきま漂って空つき刺さる赤いふうせん
15
煩わし日々のあれこれ蹴散らして 癒しのボサノバ聞いて眠ろう
25
花水木 主役の下で エビネ蘭 鯛つり草が 静かにゆらぐ
14
川の辺でトランペットを吹く学生 澄んだ音色が空に溶け込む
14
特売日珈琲チケット二冊買ふ 知る人来ない安らぎの場所
34
デゴイチは黒煙を上げ二年ぶり待ちわびた春歓声が湧く
4
渓谷を白波立てて船の往く 谷は知るまい空の広さを
29
長旅はいかばかりか 「ただいま」のひと言残して眠りこける
息子
(
こ
)
14
真夜中に乳液のフタ閉めながら思い浮かべる君の指先
17
山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
27
若冲
(
じゃくちゅう
)
の
鶏
(
にわとり
)
は夜ぬけ出してとなりの
蝶
(
ちょう
)
を
啄
(
ついば
)
んでいる
17
誰だって誰かを失い生きていく 色んな後悔心に綴じて
52
折り鶴がカサリと落ちる音ひとつ引き戸の指を引き留める朝
18
芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
38
ガラス戸の夏の光が肌に染むフローリングに虹が映りぬ
21
あの時が 最後だったと思い出す 未来が見えて だきしめる今
25
熊避けの鈴の音聞こゆ緑道で 白き雲見し夏がまた来る
34
九州の醤油は甘いいっぱいの砂糖を入れるように彼女も
5
ひそやかに小さな本棚組み立てる 幼子眠る土曜日の午後
43
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時半の夕空明るくて 人生全てを一瞬許す
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