胸底の 黒いタールを みつめてる 白い世界へ 往く日のために
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リビングで独唱するはジブリ歌観客なしの「さよならの夏」
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八十の夏を数えた ひとつめは「あの夏」でなく 地続きの夏
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終戦を記念日と呼ぶあはれさを原爆二発うけたそののち
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世間では枯れた花でも構わない咲かせた人が一人でもいる
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君のことちゃんと守るとこの声をかき消すほどの外に降る雨
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事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
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迎え火に誘われ父母は尋ね来て竜胆の花思い出の家紋
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蝉しぐれあの日もひとり墓参り手向けた花は竜胆だった
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紙巻きのくわえタバコは夕暮れにぽつと灯せりノスタルジーを
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アン・ミカが松居一代と重なりてハッピーラッキー呪文を唱えた
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反戦と平和に みんなが飽きるのを リニューアルした 戦前が待つ
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我々が 「正義」と名付け 信じるは いつ何処で決め 誰が告げしや
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課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机がひやくて 気持ち良いのだ
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静寂の エスカレーター 踏み出して 動かす今日の 私は主役♪
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ここに来て 身長一センチ 伸びて オーラが少し 強くなったか
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夏好きの我も凹んだこの暑さ 冬が来ればこれまた恋し
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姿よく紫紺の色に咲くさまは平安のきみ野牡丹が合う
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草抜きを少し怠り庭見ればカヤ茅の類いが野放図に生え
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棲み分けが はじまる合図 新世界 天にとけてく ホルンの雄たけび / ドボルザーク
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いま僕に また明日と言う太陽は 別の誰かに おはようと言う
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唐突に宇宙へ放り投げられる「どこでも好きなお席へどうぞ」
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狭くても木漏れ日が降るこの路地に君への想い置いておこうか
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ブラウスの白の眩しきOLは日傘の中に顔しかめ行く
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いつまでも続いて欲しい信号が 変わって私今交差点
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炎天にミニひまわりは萎れ咲く輝き薄くも我が子と思う
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バス停は人影も無くこの夏を閉じ込めるよに降る蝉時雨
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魂の部分しかないあの蝿は二万千匹でようやく一つ
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月は秋 気温は四十 更新す 夏は終わらず 暮らしを工夫
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アボカドの水耕の種変化無く夏の絵日記白きままなり
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