正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
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知恵も力も及ばず帰りたくなるがひとりぼっちに夜は長いし
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君を待つ時の緩さを思い出す雨は今夜もセンチメンタル
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窓枠に取り残さるる羽蟲をもう冬だよと殺せずにいる
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汗なんて かくはず無いのに 顔ぬぐう 気付かれぬ様 涙を隠す
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手袋は鮮やかな色が丁度いい肌映えのする糸辛子色
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連絡帳一番上は君のまま今は誰かの彼女なのにね
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君の背で ねんねこの中 寝てた子が 一周忌まで 喪主を勤めて…
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覚えとけ兎がいつも寝ることに賭ければ亀は負け組になる
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天然でちょっとマヌケな娘からお茶を吹き出す名言が出る
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青春のテトラポットが無い海辺打ち上げられたハングルの文字
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猫がいる?そんな感じに温かい手編みニットで包む湯たんぽ
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来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
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別れ際離れたくない本心に重石乗せて好きと言わない
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日記とは記憶の埋葬 美しい君を罫線に横たえて
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いつだってスマホつつけばあなたへの履歴の中に爪あとはつく
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持ち帰るたった一つの収穫のキャベツ高値に夫ほくそ笑む
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戸の外に飾らぬお宅増えておりたまに見かける紙の門松
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泣きそうな 親子に逢ったら 今度こそ 声をかけたい アメと折り紙
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もっと良い場所は何処ぞや寒の入りいつもの場所にいつもの猫居ず
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靴型の雪が車内に落ちていて誰が乗ったの始発のバスで
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研ぎ澄ます刃の上を歩くよう。息子よそれは出来ぬ仕事だ
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さよならを告げた訳では無いけれど逢いにゆくにも理由すら無い
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来し方の出逢い全てが星となり瞬いている真冬の銀河
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故郷の冬は寒くて冷たくて夜は暗くて星が綺麗で
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家の中いたるところに時計有りせかす用など有りはせぬのに
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人知れず春の種蒔く人のよに雨はそぼ降る日の出の前に
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手強てごわくて金串かなぐしに聞くさつま芋蒸して確かめ蒸しては確かめ
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成長や発達に良い効果ある大人のビール最初が美味い
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深夜までこまい作業を終えられず午前二時前空腹に病む
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