たれが歴史をくりかへすのか その文書の一ページ目は からはじまつてゐる 、
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手の平で溶けて消えてく牡丹雪 生まれて直ぐに逝ったごと
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かなしき袖余そであま浮浪雲一はぐれぐもひとつ かれのこしたもいつまでか
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雪の木戸まだ起きぬ街微睡まどろみの中で燻らす煙草の寂しさ
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月命日 長き通い路耐えかねん 泣かせてくれるな待宵の君
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留まらぬおくと面影おもいつつ 君の口癖さえ忘らりょか
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滲みゆくロングコートの主はき 抱けど話せど片道切符
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ふじの色見えぬ澄空結露越し センチメンタルだけの残月
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茜空彫るは富士のみねの黒 じきに消えようあおに交じりて
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軒の下明けてくれるな松の内 友の年賀はたった四枚
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ひび割れのモルタル寂し公団前 人は変われど街も変われど
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モノクロの雑踏掻き分け上野口 デッキの雪さえ心ぬく
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投げ渡す時計の針の指す向きににヴィエンナ・ワルツのあくどいパロディ
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人参と枝を残して雪だるま 「さよなら」も言わず空へと還る
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歌友うたともの 歌を通じて お互いの顔知らずとも 内面を知り
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春を待ち 葉も花もない 裸木はだかぎの 美しき枝振りに見惚みとれて
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云う人も 云われる人も「ありがとう」人に優しさ包む言の葉
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輪郭が ぼやけたままの 月ひとつ おぼろな夜に 窓埋める雪
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つくづくに北国生まれの遺伝子か雪降る日には何故か落ち着く
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待ち切れぬ信号の紅向う岸 君の背中はもう第三者
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横綱の 綱の白さに めざめたり 春へと向かう 薄墨うすずみのアサ
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嵐吹く 溢れる紅葉 残すのは 夏の温度と 貴方の声
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真っ暗な 舞台の上の ピンスポット 笑う演技が 一番むず
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寒椿 積もる白雪 美しけれど 寂しさ勝る 如月のこと
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やぶ椿 ぽとりと落ちて地でも咲く 生きた証を残すかのように
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鮮やかに映る餡蜜フルーツは雪と曇天の日々に彩り
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雪解けてついに露わなる田んぼ水面凝視すノスリ目敏し
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ああまたか 「丁寧」「真摯」の繰り返し 何も変わらぬ日本の政治
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コンクリの隙間を割って首もたげ 咲いたタンポポ 春よ春よと
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一塁ファーストはポニーテールの女の子少年野球の言葉ぞ古し
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