「駆け抜けてみれば一瞬だったよね」笑える僕らは歴史を紡ぐ
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生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
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あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
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人の和に入るも入らぬも人のまま 椋鳥もよし百舌もまたよし
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自らの糞を喰らいて回り生くユープケッチャの夢見ゆるあさ
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思い出す 本音隠して君のこと「嫌い」と言った十四の夏
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この夏の流行りならむと胸張るも 男の日傘顔隠しゆく
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おっさんよ「納豆記念日」よく詠んだ 歯の浮く本歌に一石投ず
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豆の香の木綿豆腐は堅くあれ もさり武骨な益荒男ますらをの味
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それぞれの星の形は違うけどみんな揃えば一つに輝く
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麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
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気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
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おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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空爆で殺戮さつりくされる子ども達 チャンネル変えれば五輪の歓喜
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盆の時期とんぼや虫が近付けば もしやと思ふ少し本気で
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気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
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六時半 希望の朝が 流れきて 青空にのぶ 子らの手のひら
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わたしヒトラー。わたしロベスピエール。もしもし。ユダヤ人を――
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揺さぶられ倒れし墓を撫でる人 ニュースに映る被災地の盆
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神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
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戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
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呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
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下駄の音と徹夜躍りの夜は明けし 風の盆待ち夏は過ぎ往く
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生きてきた経験値などどれほどか 時代の流れ後ろなど見ず
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なすりつけ あって別れた あの人が 大事なカバン 届けてくれた
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窓際で外に向かって最敬礼 思わず笑みがこぼれた 豆苗とうみょう
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「かぐや姫」検索したらこうせつと伊勢とパンダが笑っていたわ
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どことなく 憂いをおびた 秋空に 例大祭の 花火は上がる
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持ち歩く手の平サイズのメモ帳に短歌うた読めそうな空の高き日
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