去る人の残り香宿る年の瀬に白きサツキの帰り花咲く
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北風の冬の朝には日が澄んで歌の言葉をほどいてくれる
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六十路なる吾の通信簿 理音四 国美社が三 数体下がり二
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想い出は街をぐるりと歩いた日 兄の遺した紬をほどく
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歩いてく 夜中の帰路を 隣り合い 父と話せば アイスが溶ける
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集まり後いまだ一人の反省会 損だと思ふこんな性格
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目薬をささんと上をみれば空、カラスよこぎる いっぱいに空
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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蕎麦買いに 蕎麦だけ買うの 忘れきて おおむね詰めの 甘い一年 / 反省
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納豆にねぎを刻んでかき混ぜてご飯にのせる朝八時半
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幾人の旅立ちの日を立ち合いて去年の夏のぬける青空
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健やかに新年迎う四世代広き窓辺に初日差しくる
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年越しの天ぷらそばを食べ終わり除夜の鐘の音かすかに響く
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そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
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ただ焦がれ貴方に会えたそれなのに 遠く掴めぬきみの手のひら
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君のこと触れた瞬間破裂する悲しい言葉「当たらす触らず」
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「わたしのお母さんはおばあちゃんです」ちょっと恥ずかし次女の作文
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噴水が落ちる間際に映し出す街は眩しく崩れていたり
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バブルだった。 氷河期がきて ミレニアム、 Zときたか 雪の日の晴れ着 / 成人の日
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搜すあて会うつてなども閉ざされて屋根からの雪ドドドっと落ちる
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春風の運んだような筆跡で 顔も知らない君に恋した /創作短歌「手紙」
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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木の枝の何処に潜みし寒すずめ一斉飛び立ち空色変へし
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短歌うたで知る大雪の地のご苦労に寒いくらいで負けてごめんと
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窓を打つ風が夜通し哭いていてもらい泣きする眠れない夜
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忘れてた 言葉をキミが レンチンし 去年の夏が 今夜のごはん
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たった今 Bluetoothで ペアリング 去年の記憶を 君が再生
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勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
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朝日射す清くて強い眩しさに私は灰になってしまおう
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受話器越し 短歌を詠んでいる キミの聲 この瞬間も 短歌のなかに
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