我が部屋を「死体置き場」とのたまつた 君は元気か?遊びにおひで
10
仕事する 君を想ってパン選ぶ 離れてる時のが 優しい私
13
ようやくに今年の夏も終わり告げ片手に足りる思ひ出仕舞ふ
51
白鷺は細きあしして草を分けひょろ首伸ばし川面覗きぬ
16
いつだって 愛伝えたい 最高の 私でいたい 難しいけど
12
柔らかな 柿よりガリっと 硬い柿 好きなんだよね 白和えも良し
14
紅葉は たわわに実る 銀杏の 落下おさまり 静かに幕開け
10
いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
48
疲れた〜と 湯船に潜り 笑みこぼす 呟く元気 まだあるじゃん!
12
金曜の夜が一番好きと言う小二の息子の選ぶE.T.
11
久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
51
グツグツと 鍋中踊る 栗の実よ 甘くホクホク してますように
15
不機嫌なあの子の顔も美しい だからもう少し生きてみようか
6
頭上数メートルに浮くもうひとりの僕がうたう レストインピース
7
すべすべの小石を拾い上げるように話したことをポケットに入れ
15
夕焼けを僕だけが見ている街にいくつもの新車 いくつもの手からふうせん
7
ひらひらと花の香りに蝶々たち蜜を携え光の中へ
19
遠ざけて いたパーカーを ギュッとハグ 今は私を 守るアイテム
17
冬の香を 感じるけれど 感じない! も少し秋を 楽しませてよ
12
手習えばなんでも匠かの人に追ひつけぬまま秋のかたすみ
39
米は米 されど新米 その旨味 頭を垂れる 王者の貫禄
15
忙しき監房 日の丸の旗の門居楯つればいづこ見張る目
16
萬歳三唱の就任ぬけ出でて英靈とふ悉皆靈の惡も反故 か
16
神の旗増えゆく駅傳の選手に振りつ國民の傲りたるも見ず
21
遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
7
この蜜柑可愛いねって幼児おさなごが笑えば今朝は温かい朝
45
この場所に消えゆく君の痕跡が記憶もうすれ濡れもしない雨
20
仮装して長過ぎシッポを笑ひ合ふ何と平和よこの国ニッポン
34
生え癖を なんとかしろと 罵られ DNから やり直せってか / 親子
35
歌の宿命とはおもふ有明の月蝕旅館から仇敵の余名出づ
14