子カラスの 巣立ち終わりの 静けさよ 朝が来たのも 気付かぬまでに
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十四の少年こそが血と柘榴について語れ神話の如く
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濡るるごと深くなりける早緑さみどりに縁どられゐし役所の灯
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「バイバイ」とトイレに流すちっちーおしっこに いつも手を振るもうすぐ2歳
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君がもし月なら君を照らす太陽を僕は倒しに行くだろう
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猛暑日のわたしの頑張り褒めるため コンビニで待つ白熊アイス
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表情が豊かになる孫 うする母 ああ、歳を取るってこういうことかな
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今日もまた僕の心は曇り空 ヴェガほど君は遠くて近い
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曇り空 河無き空を見上げつつ 貴女は織姫のヴェガになる
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兄ちゃんのあのブルドーザーが欲しいんだ! ヨチヨチ歩きはあともう一歩
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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充分に生きたと思う伯母の死は手本となりて丹田にしまう
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手を貸すといーよ嫌よいーよ嫌よと怒られる 吾子は一人でズボンが履ける
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麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
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気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
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おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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音楽が鳴り止まないから寝たくない まぶたの向こう さらに向こうへ
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気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
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六時半 希望の朝が 流れきて 青空にのぶ 子らの手のひら
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君を見てなんだかポワンとしてしまう ネットじゃこれを恋というらしい
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僕の胸はあなた型にくり抜かれてる 埋まる気配はないんだけども
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祈りつつポストに落ちる文の音戻りし便りは愛した笑顔
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横たわる愛猫見つめ感謝するともに暮らした楽しき時間とき
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満月の知らせを受けて夜空見る 一緒に見ようね必ずいつか
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一時間考え込んだ文章の送信ボタンを押すのに三日
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風鈴やミンミンゼミに責付せつかされ「楽しいことをしなきゃ」と思う
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少しでも元気になれと病院通い 猫の治療費冷や汗たらり
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なすりつけ あって別れた あの人が 大事なカバン 届けてくれた
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免疫が上がると聞いて飛びついて 食品増加体重増加
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