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こっそりと隙間に開く蒲公英よお前いったいどこから来たの
8
知らぬ間に辺り一切桃色に霞み崩れるはずだ愉快だ
4
みしみしと成長痛の音がする若き桜の伸びていく様
5
春雨に負ける桜は見たくない試合は始まったばかりだろ
9
雪道に張り付く紅葉ぱらぱらと秋のパズルが外れるように
13
巻きつくも枯れてゆくのも意のままにきっとならずに生きたアサガオ
6
息をして
一万八千
日生きた誰にも言わぬ寂しさにいる
13
わはははと漫画のように笑ってる座椅子の義父の在りし日想う
9
テレビつけカボチャの種を煎っている冬の時間は夏より長い
13
茶だんすの奥に未封の赤ワイン今夜飲もうか一人飲もうか
9
スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
6
久々に目覚まし鳴るまで寝た時はなんだかふわふわ調子が悪い
9
夏茜、戻れずともまた逢いにきていいですかと君きいてくるから
2
山深き
斎岩群
(
ゆついはむら
)
の
丹躑躅
(
につつじ
)
は
迦具土
(
かぐつち
)
の血の
奔
(
たばし
)
れるかも
4
意地悪な電話とぎこちない手紙 貴方の利き手すら愛おしい
6
この街に雪は降らねど 積もったと君が囁く電話越し 冬
14
これまでの自分をいくら赦しても今日の自分が罪を重ねる
16
透明な花瓶は傷も透明で 割れる前なら触っていいよ
16
聞こえないふりして前を行く君の真似して空も黙り込んでる
6
「ちょっと海さわってくる」ときみは言い半年前の夏へかけだす
5
こんな詩すぐに忘れていいよでも忘れるまでは僕を愛して
6
肝向かふこころに色ぞなき 今日の涙に色の絶へてなければ
8
朝月夜 並々入れた珈琲にうつるまだ眠そうな猫の目
6
脳死まで動き続ける心臓と心停止まで思考する脳
12
不発弾多き脳内 爆発と成れぬ芸術たちの墓原
9
長年の恋が一つの結末を迎えた朝の君の味噌汁
9
珈琲に溶けしミルクよ この傷も癒えて私の色を変えるか
18
川沿いのあれも桜か尋ねれば ええそうですと蕾が笑う
18
バイバイと手を振ったあとドア越しの 発車する前長い一瞬
33
言の刃で 刺しかけてやめ 絵はがきとペンを選んで 刃を葉に変える
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