見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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思い出が まだ とんがっていて入れない 部屋の中にも 午後のお日さま
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頑張れはもう聞きあきたはずだからいちご大福そっと手渡す
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えんぴつをころがすようにやすやすと答え出せない恋のマークシート
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一日で 十五度の差は辛いけど ぬかるむ庭が少し嬉しく
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地下鉄に 凛と咲いてる 一輪の 百合と目が合い 見惚れた初冬
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早朝の ダイヤの乱れに 涙する 神の朝日ダイヤの 乱れを思えば
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皆眠る 刻はつとめて 書を開く このひとときは 我が財宝たからなり
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雪が解け重なり合った掌は愛が交差し熱が絡まる
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コロコロと 手足バタバタ 笑う君 僕も笑って 生きていけるよ
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みずりんがひでちゃんになる地球では恋煩いはまた恋狂い
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日が昇り今日も行き交う人の群れ階下に降りて吾も歩まむ
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朝焼けのビル立ち並ぶベランダで嗅覚動く猫の眼哀し
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背伸びしてどんな自分に見せたいの? そのままでいい私は私
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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目を覚ますことなき母の髪けば庭の梅には鶯が鳴く
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足腰に力入らず お座りも儘ならぬきみ 寿命乗り越へ
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傷ついて また傷ついて 立ち昇る レモンの香に 心整う
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なにもかも集中できない 君のせい 頭で君が踊っているから
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夜勤明けの始発列車を待つ駅の嫌にまっすぐな点字ブロック
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みるは入浴剤もいいけれど柚子のおふろに勝るものなし
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折れちゃった今日は母さん休みます何もしないよなんにもしない
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雪が降る予報 施設に母預け 少し安心している私/介護
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星空にオリオンを見た古の人と歌など詠み交わしたい
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歌を詠み 悲観を封じ 温かいココアでほぐる 気持ち切り替へ
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睡眠を導入してくれなくなった 薬も鬱になったのだろか
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小松菜をざくざく切って、なにもかも 一刀両断できる錯覚
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牛乳は嫌いでシチューは大好きで、きっとなんでも誤魔化されてる
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困ったり うまく行かずに 落ち込むも 君だけじゃない 我受け止める!
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若き日に収監されし友は今介護の仕事に日々を頑張る/学生運動にのめり込み
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