鐡網のひかる風花 ドイツ偉人の墓隣たつ無銘異人碑
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静寂な ひなたの庭に カッコウが 今時いまときを告げ 草を引くわれ
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貴女への想いの揺れに驚いて グラスの氷をカリッと噛んだ
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夢の中だけでも誰かに好かれてたい 月を見上げる狼くらいに
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東京にそろそろ、きっと慣れたよね?想いの揺らぎ止まりましたか?
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エアコンのおやすみタイマー止まる26時にじ 苦しく醒める夢のあとさき
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雨の日は貴女と傘に入るためだけにあるのと云った黒雲
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穏やかな 午後に戻って 純粋な 涙出るかな うみが出るかな
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あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
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ポロネーズ第六番の律動は波蘭の舞踊と言ひし母かな
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「7月に家族で旅行に行くんだよ」片麻痺のとも笑って泣いて
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子カラスの 巣立ち終わりの 静けさよ 朝が来たのも 気付かぬまでに
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十四の少年こそが血と柘榴について語れ神話の如く
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濡るるごと深くなりける早緑さみどりに縁どられゐし役所の灯
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「バイバイ」とトイレに流すちっちーおしっこに いつも手を振るもうすぐ2歳
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君がもし月なら君を照らす太陽を僕は倒しに行くだろう
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猛暑日のわたしの頑張り褒めるため コンビニで待つ白熊アイス
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表情が豊かになる孫 うする母 ああ、歳を取るってこういうことかな
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今日もまた僕の心は曇り空 ヴェガほど君は遠くて近い
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曇り空 河無き空を見上げつつ 貴女は織姫のヴェガになる
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兄ちゃんのあのブルドーザーが欲しいんだ! ヨチヨチ歩きはあともう一歩
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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充分に生きたと思う伯母の死は手本となりて丹田にしまう
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手を貸すといーよ嫌よいーよ嫌よと怒られる 吾子は一人でズボンが履ける
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麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
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気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
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おびただしい 数のセミ鳴く 森の中 狂おしいほど 救い求めて
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防犯の カメラに映る もののけは エゾリスの腹 手足ひろげて
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音楽が鳴り止まないから寝たくない まぶたの向こう さらに向こうへ
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気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
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