朝食に欲するスープとろみ増え冬の訪れかき混ぜる匙
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かさかさのひざとかかとに塗るニベア歳を感じて溜息漏れる
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設定をダークモードに切り替えて見てる世界はまやかしだらけ
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廃墟ホテルで肝試しまだ子供だが初恋をする予定あり古希
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大銀杏素敵に撮りたい人混みをすり抜け彷徨うアングル迷子
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一万歩ムリだそんなに歩けないだけども連れが短歌であれば
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風を読み今日は早々ねぐら入り賢い鳥の跡に雨降る
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公園に落ち葉が多いと苦情とかあるというから訳がわからん
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「オナカスイター」さっきオヤツを たべたのよ ちま猫ちゃんの しょうか消化は はやい
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水面をきららにわたるひかりみち水鳥一羽あし(脚)立つ岸辺
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はみ出した 気持ちがもうすぐ はじけるか 季節外れの 桜がひとつぶ
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手足冷え温めたいと脳裏には湯の華浮いた温泉よぎる
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ここにきて ふろのしょうめい こわしちゃい 本職たのみ ふろはおあずけ
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年賀状と同じで僕が送るから未だ切られてないだけの縁
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退屈な時にネットで買った服 着て出かけたけれどやっぱり退屈
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夜の言葉星くれなゐの花樗そのほそつづらなす窓居に醒めし
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空中斜塔泛ぶ散水機の鎌頸もたげつる霞の花圏より七牆
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海嘯の寄する額へ魘されて華窓ありし うつそみからいづ
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常識こそうたがはるるまへひとは鳥なりし うたがはば飛べざらむ
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下読みの担当クシャポイした中に世紀の名作焼却されゆく(負け惜しみ!)
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クリスマスまだまだ先だ言いながら何お父さんツリー出してる
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靴紐が絡み戸惑うキミを見て私が声をかけるか迷う
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忘れないビギナーズラック神席はまたとないのについ目を逸らす
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できるなら展望席で三周したい豊洲でさよならゆりかもめ
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放送席はにかむ解説初々し北の富士さんも居てくれたなら
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気温より暦に合わせて服を着りゃ 当然汗かく ベソをかく
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詩のようなものを連ねて詩とよんで、そういう罪をかさねておきたい
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公園の落葉も堆肥にしたいけど市の財産かなとっちゃダメかな
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いりみだるコードのごとき物事に筋をとほすは解釈と断
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クリスマス スノードームに お菓子缶 はしゃぐ気持ちは 今も変わらず
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