二回ふたまわり 歳の離れた先生がくれる「またね」 わたしの居場所
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「頑張ってね!」ってキミの文字無理してるのはきっとキミの方なんだ
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久し振り白いサギ様ご来場いらっしゃいませゆっくりどうぞ/公園の池にて
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トマトとか 洗うお水が すこしだけ 冷たくなりて ひっそりと秋
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晩秋の庭タイヤ交換する貴方キミをずっと見つめてた若きあの頃
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ふと浮かび書き留めし歌読み返しまた没にする人には見せず
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雄大な桜島へ向け桃色のフェリーは湾を貫いてゆく
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薄雲が 月を隠して 見えなくて  貼り付く足と こんくらべだね
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西日入り先週よりは温くない 今夜はシチューにしてみよう
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ばあばあは杖つき坂を上り来る杖の音哀し旅立ちの日に
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どうしたら 浄土へ着くか 今年あと 三月みつきと半分 ストーブける
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雪虫がたった一匹とんで来てせっかちなのか長月半ば 
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七十の父にパソコン指導する まだまだ学ぶ姿勢の若し
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老人の来し方やさしくつつむよに ポン・デ・リングのふんわりとして
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あの秘密墓場まで連れるつもりだが 白状しそうな坊ノ岬ぼうみさきにて 
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鳳蝶アゲハチョウひらりひらりと舞ってゆく 季節に乗って翔び去ってゆく
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生真面目な父とチャレンジ精神の母のDNA実感するわれ
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螽斯キリギリス飛蝗バッタと何が違うのか 壁の客人きみはどちらか? /外に逃がしました
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丑三つに 虫の 聞けば 宇宙かと 思えば 志村の おババ※注 弱った虫の声がいたり… / ドリフを見ての夜
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夜明け前蒼い静寂我を起こし 薄衣羽織りて秋が来にけり
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「あれ、月」という間に昇るバーベキュー キレイなものは遠くにあるの
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ハミガキも出来ないほどの無気力よ ゴミ出しひとつ覚悟が要るぜ
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屋上で満月を見ること想い迎える今日は十五夜なり
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エアコンの切れぬ九月の夜でさえ鈴虫の声混じり聞こえる
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道端の小鳥の亡き骸涙さえ誘わずひっそり土へと還る
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いちばんに 見つけた秋の 訪れは  夜風も一緒に 握る君の手
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大柄のあなたにビンタ食らわせて悲しいことはペチと鳴る音
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少しずつ遠ざかる月のようにはできなくてただ走って逃げる
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膨らまぬパン膨らめと待つあいだ酸っぱい香りは酵母の吐息
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中秋の そらに名月 ぽっかりと 和らに陽光ひかり 照りかへしおり
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