陸橋に揺れるスカート西陽差し冬の終わりは風の音に知る
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らしさって縛られちゃうと自滅するものなんですよほどほどがいい
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言の葉に秘めらる光遮りて己みづから闇となすまじ
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さりげなく苔を纏った若桜 粋な着こなし春を誘って
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歯車となりて文句を云い友は回りつづける文句を云いて
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初物のデコポン悩んで やっぱ割る 熟し加減が すこし足りぬか
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アスファルト化粧直しの雨上がり北風戻る通院の朝
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情景の言の葉の声 聞けたらば ペンを走らせ 推敲重すいこうかさ
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ガラス越し記憶を辿る世界あり 「フェルメール」に ふる里想う
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進学し 親の保護下を 離れたかわず あまりに広い 大海を知る
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「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
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雪柳 早も数輪咲きめて 陽射し無き日の慰めとする
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明け前の白き煙は立ち上り二本の煙突双子のごとき
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いいことがあって夜明けのコーヒーを飲む暇ありも喧嘩し帰る
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帰省した息子に好物あれこれと ペロリ平らげ しあわせ時間
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雪洞ぼんぼりに むつみて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
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勤続し 十五年を 記念して 同期飲みする つまみは烏賊で
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夫が去って8回目の春 今年もまた 「元気だからね」と笑顔で言える
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私が研究を進める間ずっと窓にぶつかり続けていた蛾
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公園の木に咲く花を撮らむにも曇天の下たゆたへる吾
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届くか届かないかは関係ない手紙 宛先はあの子じゃない
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夕支度 お味噌ひと匙 溶きながら 三十一文字が ぐるぐる巡る
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「いつ帰ってもいいように」ドアのチェーンはいつも開いてる
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「ダメな奴だ」と自分を呪う癖にようやく気付く夜/都々逸
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滝つぼに 梅の花 散る 樹つららの  雫したたり  梅の残り香
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春立ちて くれないもえる 枝垂れ梅   おぼろ月夜に夜の影朧 去ぬ後ろ影  
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春寒(はるさむ)に 悔いることなし おぼろ影 陽射し影朧 夢かうつつか
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ベランダにそそぐ春陽はるひの強さ増し庭の雪塊もちりちり昇華す
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降り積もる 雪に吸わるる 音もなし 霜柱踏みて待ち人来たる 灯り灯り 馬いななくや
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眠い朝 目に鮮やかな みどり色 菜花の里に 春隣はるとなるなり
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