出会わなければ 良かったなんて 思わない そんな別れが また一つ
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「ジャガイモの芽出た?」「三本な」楽しげな会話を聞きつエアロバイク漕ぐ
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蕎麦屋まで道々芽吹く木々あれど 相方のなく ただ此処に春
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君を蛋白石にしよう。でも、それまでにはかえってきてね。
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たつぷりと付箋のつひた課題図書読むとは向かひ合ふといふ日々
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告げよ春 この世は冬の幻と 河原の石売るほどのかひ無く(つげ義春逝く)
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勧誘に 問われて 光覇明宗です と真顔で答える 君に合わせる
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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阿保のまま 生き死にせよの定めなり 目出度くもなく赤飯を炊く
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花見へと一三八タワー駐車場どこもかしこも満車満車
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弱者かつ女ひとりの生活は堀埋められた城も同然
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毒親の歪んだ愛に育つ子は一生愛に不自由するんだ
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近距離に在りしが触れず紅白の無数の桃の花よ悲しき
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花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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移ろいの四季の描写に飽きは無く自転車辞めぬ理由の一つ
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真実は人の数ほどありますが事実はひとつしかないのです
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君だけに纏いて包むあたたかな春の微風よジェラシーも消せ
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積読を発掘中に重複をまた二つほど見つけ呆れる/持ってたのかよ!
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山頂に捧げしカフェの湯気へ乞う友との無事の劔の下山
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君が代も無くふつり閉ずさまを聴き今朝は閉じたと案内も聴く/ラジオR2終了に
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こんちはに こんにちはって1秒の会話が温い見知らぬ人や
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朝採れの 菜花、スナップエンドウの たっぷりパスタ 春きらめきて
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駆け込みで のぞみ飛び乗り 東京へ 桜の車窓 しばし見とれて 
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しんとした 病室にひとり 過ごす夜  廊下行き交う足音さえ恋し
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飛梅とびうめの さくに結びし 『吉』神籤みくじ  『大』がつくまで 引いてみようか
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父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
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暗闇の中 我探し鳴く君の声 聴こえた気がして じっと耳澄ます
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心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩 せなに春の陽
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