鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスはmitzho84@gmail.comまで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。

あらたしき軍靴を履きぬ戰争が選挙車の廻りにて喚ぶ「万歳」
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父祖の父祖は死せばわれらが敵國の主格を換骨し憎しむ、敵とは
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永久戰犯數長らへる政権の中枢一家に災禍はあら ず
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蝉の屍を確かめしこと。黑白に嗄る仰向けの脚、脚 折畳ね
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玉音、もはや手後れなる日本に響き――、無条件降伏の八十年 後
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萬事健よかなれ よ。口語版教育勅語を起草せる聖・翻訳者
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進駐軍讃歌を唄ふ教師、アルファベットを暗唱せる「自由」教室
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數多滅びし焦土の防空壕の洞へ滴る脂、巌肌凭る骨
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沖縄、その上陸の水艇は吐き出せり火炎放射のオイルも
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或る歴史敗残の誤謬くりかへす島嶼の軍事基地に祷るも
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「差別してねえっッていッてんダロ‼」すごい名を体で表してるぞカミヤソウヘイ‼
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マッシヴで30キロトンの腕力をもつぞ、すごいぞカミヤソウヘイ‼
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欧州を憎み賭トランプに尾を振るおとこだ、カミヤソウヘイ‼
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溌溂と晧歯剥きつつ小綺麗なる口蓋言ふ 「原爆もたば」
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賛成の萬歳響く駅前に傀儡のごと晴着――濡れかへ ら ず
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富める日本。夢遊病にてくちずさむ約束手形に偽眞珠母 生る
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潔く清ら を騙るは底浅く排‐同志のごと諸君捨てなむ
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誰が櫻を善となす 焼夷弾のあぶら撥ぬ火傷痣の癒着も
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汝戰に征かず懸崖の菊一輪取つて曰 特攻隊につづけ、と
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額縁の祖国 祖國と違へつつ昇降口ゆ突き落とすへ列車
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愛賊の偽造国家に祝はれて額縁のなかの平和を戰前とふ
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浅き憂國 日本第一義の神とは偽救世の主に他ならず
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われはわれ愛せるものを撃つわが名とは國體、國家なり
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ナチス、叛ナチス絶滅戰争の弥果に冬曝の曠野 骨
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戰世近づきある 旋風風とは鉤十字紋章にほかならず は
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天皇制督父は鐡杖をもて支配せ り、なまぬるき革命の血褐の旗
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國政――、鼠講商に穢れゆく時を緑黄色社會が謳ふ「萬歳」
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シンジケヱトより國粋主義者を作らうよ「撃たれた総理は二度撃たる」
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見目塞ぎ過しき 壁裡なす公私けぢめにも戰争は遣つて來、
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箱庭にて。緻密模型は組み上がるともよくよく見れば砲臺の塔
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