Utakata
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鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスは
mitzho84@gmail.com
まで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。
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ぼく達の歴史にわたしはいないからヤグルマギクの花言葉って ?
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わが祖父は英靈か 虐殺ののち肩口に消ぬる緋の初霜が
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英靈碑肩欠けて零る菊の蘂 かくごとくひと殺むるは雄
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日灼けせる空地の壁へ病みしまま囲はる弟切草のおとうと
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硝子戸一枚へだて漏れきこゆ工兵のこゑ 大伯父よ去ね
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平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
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われあやめたるもの数多千万の軍民草の骨編みて建つ塔
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更でも属国 独立運動家はげしきののしりす生卵割れて
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鳩殺し ダリアの花蘂のダイアルを回し呼鈴ひびかふ夜警国家へ
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偶像 暁の車へはきたらず山鳩のこゑながながし、闇
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アニメーション・アイコンへ公民の意志。民ゆくへ争ふ 国家 の
5
泥濘の河亙りみな殺められし。ひとつぶの石骨壺へ収め
6
夏草へうづもれゐたる兵數多。骨晒れて芥子色の帽垂は
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苔の生すへ、軍は果てて死ににけり。夏虫の絶ゑしかそけさ
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われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
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万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
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志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
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「兵器には自由があってころしてくれるぼくたちの敵に 自由は?」
4
田園交響樂さびて明るしいもうとは家系図譜へと贖 は る
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朝餐ののちは死化粧 鏡臺へ姉妹の十姉妹が嫌に悲しき
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洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
7
祖国なし 埃及出自浅黒き橄欖樹へ暗紅の實はふふらまず
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ノートルダム寺院。青年戴冠式に侯はば受け賜らむか 御旨
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コンビニエンスストアへ三十六個のクピドの刎首の罐詰の茹豆
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牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
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「死体拘置所、死体刑務所、死体死刑室、死の衛生博覧会はこちらへ☞」
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「僕は自分の死が見たい!僕は迷子になったのかな、御嬢さん、ねえ御嬢さん。」
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「かあさん、あなたの落とした真っ赤な櫛が、青い鳥を梳ってはやまないのです。」
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捌かれて子宮の轢かるうすむらさきの牝馬の亡骸へと車輪
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青年はたは未亡人喪家ゆあらはれて娼館へ入るまでのいきさつ
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