鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスはmitzho84@gmail.comまで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。

「ゴキブリにはツィクロンb」資生堂にごきぶり色の髪の青年
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統計の父ありて確実に死すきみらやさしかる絞首臺へ誘ふも
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父母優生学に分別すはなはだしくおそろしき医師ある
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仮面劇にはたれもが左右へへだたりて中央には翼賛図、曲々し
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自傷のごとき自嘲に充ち充ちて畢竟死は喜劇俳優に外ならず
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馴犬支配しゆき叱責す主人のかなし頸枷を牽く
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叛天使はらめる暁の立葵青く告解の十字架へ斑なるみどり
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少年は展望室に青年は燈臺がいしずゑへたちぬ、岡と岡
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ダンテ・ゲイブリエル・ロセッテ画伯憎しみき群天使、葡萄、鳩尾
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水式時計たたふ羽根散る憂慮あさからず正午門・緑橄欖花
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わたくしの狂気に巻き込まれ死ぬひとがあなたの正気に巻き込まれ死ぬ
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ナツィズムの夏 医師は診察鏡を翳し堕胎宣告をせり、狂人に
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或る島国にて。田舎風芋粥が流行り――、六本木ヒルズ文学が隆盛を迎える、
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アウシュビッツ以降、個人が歴史観を具有するのは野蛮である。
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人間の為すことを躊躇はず民・民を蔑める今様 軍国和歌集、は
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正統防衛つねに白鶏十字軍ひとりころさば生贄は百あまり
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アラビア人かなしきいくさ世をへだて民族浄化ゆくへしらずも
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箱庭の中へ死にゆきぬ智慧の実も腐りきつたり 食卓のうへ
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おほよそは自我の固執にとどまりてあつらへらる現実に止まる 
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即現実手に余る地下劇場102階まで想像力の世紀よみがへれ
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大時計十一時五十分ほどをフォークロアの花束の静まりて眠れ
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くしやくしやにひらく水芭蕉枯花より晩冬落雪鳥花図に目
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支那の売人に罌粟の花燃ゆるものは愛・麻酔・飼犬
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貝殻の塔階段まで三浬みづつかば水没寝臺へ夫人・夫
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おれの百一匹目をけちらしてゆきのちあめの天気予報士
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瞬間沸騰器だってぶちこわすわよだれはあなた ごみ捨て場にはまほうのかがみ
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さようならはなれない手をあわせましょうともだちになれるあなたと
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くまのプーさんアルファベットをおぼえたらはじまりははじまりのおしまい
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光から目をそらしなさい明日も生きているひとはだまって
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金属精製第一天月より銀を第五天金星より銅を創造したまへり
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