Utakata
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鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスは
mitzho84@gmail.com
まで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。
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「君たちはどう生きるか」の掛かりゐし小屋がジブリの魂の粋よ
3
唯神論たてまつる右翼の友にコカ・コーラの瓶の中の蛇見せむ
3
「南西諸島は日本の楯まもるべき威厳よもあらば死ににゆけきみら」
4
玉砕を唱へる百田尚樹とゐて切に懐かし憂国、はたて
1
船渠に鉄の船おそらくは沈没まで二百浬の後水浸し
3
「草」に潜む感情ありて 見渡せば花殺しの月の花野
2
市長は蜥蜴に生け捕りの餌を与へ夫人歿後の伴侶
2
一枚の証明写真印刷されひとつにしてひとりならざる
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母耄碌しをさなごを呼ぶ黄昏に死をつれきたるその長じし青年
3
岩窟の母うらわかくふたり仔の遊びに微笑まふ偽家族
2
あには羊の頭ををとうとはあにのかうべを擁きぬ 聖母子画
2
無花果の蔕を剥き遣り置く卓に白釉の皿清浄なりて
6
青年の瞑る目蓋へ塩粒の置かる寄せかへす血潮聴きゐつ
4
橙のダチュラ砂地に吊り下がり砂に呑まるるまでを幾尺
5
しづかなるこどもあやめし兎の屍月光に艶かし弟切草は
6
鞭打のそびらを固めギブスありて白き胸像四肢のあらざり
3
鎮魂頌朗らかひびく霜降の薮紫陽花にはなあらざればいなむか
3
戯れ歌に黒人奴隷ありきその豚より易き一ポンドの労働契約
3
諧謔と深刻の差も知らぬまま浅き酔ひに酔ひてを
歿日
(
いりひ
)
2
資本てふ怪物サトゥルヌスに肖てみどりご喰らふ扁桃花もろとも
2
密室劇。誰が争ひ誰が撃たれたかなきがらの兵卒三つほどかさなりぬ
3
民族的忘却の末
(
四月尽のハロウィン。
)
ヴァルプルギスが衣装ぺらぺらの化学繊維の合皮
4
柘榴実れる人工庭園の一角に信仰深きことは信仰深き
3
エリカ黄色に咲きシベリア抑留に死せる俘虜同胞を売り祖父帰る
2
框へと積む花樗はなびらの宵夜おとづれぬ遠縁の死の通達
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黄疸の眼球一個捌かれて皿に仰向くピエタが許にて
1
新約物語に十二匹の蟾蜍ありぬを完膚無きまで叩き潰しぬ
1
飼育流刑室1725号に星図渦巻虜囚へと降る脂粉かな
1
憂愁夫人加はりゆきぬ葡萄の咽喉越えて鉱物の恋標本箱へ
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敵と敵相容れざるに仏蘭西装の製本断裁されず綴ぢぬ頁
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