Utakata
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鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスは
mitzho84@gmail.com
まで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。
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利き腕にかたぶく重心コロナゆゑ千鳥足にて揺るる視界は
4
暗黙に仮想敵国現実の敵国となり 恐怖に拠る淘治
1
処理水と訓じたることただちには影響なきこと国のいふこと
(
)
2
底深く紫陽花の闇ひろごりて死を近うせる井には滑車を
4
暗黙に断罪されをり疑はざれば狂ひ初むのみ早鐘が音は
1
崩れ去る秩序、断絶、平和の終焉。ベルリン以降をいくるものとし
2
心証の悪き支那人そのままにかがみのごとく 黄の膚を見つ
2
「沖縄は日本固有の領土です」政府広報からまはりつつ
3
フォルクスワーゲン車線変更占拠すにリチャードマットと書き加へつつ
2
がたがたと軋みそめたる島嶼にて竹槍のごと揃ふミサイル
6
従軍か非国民かとよも問はば殉ずるに価するやにっぽん
2
基地据ゑていさましきかなEMP受けらば張子の虎と同じく
2
食に窮しすくなきこめびつのこめはかるなる兵站敗け戦の為に
2
復讐を怖じるがゆゑ敵を誤つ満州の痕目をそむけたれば深手
2
世界とはいづこのひとびとトランプのジョーカー後ろ手にまはしつつ
2
みづからをつらぬくひかりころすなといはば詩歌その危き淵に
4
予後不良心膜炎経過観察このよのほかにいくるすべなく
5
サンミシェル大聖堂に火事迫り熔けむ、磔刑像も木百合も
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覗き戸のなかの交差法極彩の貴婦人ふたりふたごのごとく
4
銀球鏡対称反射左利きなれば右手にかばふ利き腕
2
棺工十三人のごろつきを指揮す 黙示は飾字の森
1
匂はしく木槿の
腕
(
かひな
)
腐りきり差す月はいきわかれのふたご
3
薔薇の名に天津乙女とあり少女天翔る雲こそをうとみをれ
4
ロベールドアノー苛性現像液ひてる市庁舎まへの遠ききのふに
1
薬用石鹸手に遊ばせて覗きやる洗面台にふつふつと海辺は
4
水の井の上澄みにしか掬はれず兵隊となつてゐる蟻一列
4
桐の花箔押しにふちどらるるに静謐馬耳東風なりき
東風
(
こち
)
吹く
2
チェルノブイリ。苦艾のみづ忘れ水流されはじむひとのこころも
1
さらばさらば友よふたたびあらずともはないちもんめのいちめんの闇
4
おきざりの夏蝶ばかりわれをおき帷子色の屍ひしめかせたり
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