鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスはmitzho84@gmail.comまで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。

フランシスコ・デ・ゴヤのたじろぎ憂愁公爵、夫人応接間
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ずれてゐる禿頭の侭波止場へと仕掛けるものは爆弾とする
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われならず火事の青年音立ててピアノへむかひ指を揃へり
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ドレスコードを守れ。紀伊国屋書店にて白昼刃物ふるふをとこは
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空気人間達の晩餐空気飾り立てて箱の外へいづることなき
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よくなれど小麦は小麦熟れつつも一デナリよりたかくはならず
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戦争になるらし錨しづめるかのごと異人しづめて日本国民
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あしびきのヤマハピアノまへ調律われときみとをおなじくもせず
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群衆押黙りて支那人の喬氏の名札へ唾を吐きたり
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しづやかに基地となりゆく嶋ならむ神功皇后にはたづみつつ
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凪のごと自警たちはやつてきて 教練通りひとをあやむる
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居ないのと同じ だからなにって追い出してひとりもホームレスがいないきれいな街
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きみ達へ国はひらかれていないからウィダーウィンゼリーのような歌をつくろう
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アンガジュとかいつの時代のはなしなの ぜんせかいよりきえたきみたちの
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カエル君世界を救う とうめいなぼくたちには今しかみえない
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穂村弘と従順な羊たち なにも考えなかったのは明日には戦争へ行くために
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みせてあげよう きみたちがなかったものとした呪いが世界を破壊し尽くすところを
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こころには名残さへなき浦上天主堂に且つて割鐘落ちぬ 時は過ぎ遣れども
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事実のみを遺せ賛美翼賛のはたて 正当防衛は軍靴を揃へて
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みさげ果て思うは自己愛と我執に塗れたるわれ、われらが闇 
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真偽こそ問はずも汝等生活報告へと告ぐ諸氏は国家総動員法迄つづく生茹の鶏卵、糵
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国家乃至約半径三メートルほどの幸福のため今見捨てられたる定型外郵便、または貨車
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邦と邦を何隔てるか稔るともたれ収穫するものなき熟麦、やがては
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富満てて虚栄の名残今は唯うちひしがるるべし 群衆無く静もれる謝肉祭
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虜囚の貌 労働と銭貨の正しきを未明死の企図に充てて悼むも
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敢ていふ祖国喪失せる測量器になに誇るも無き落日、自死さへ
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歴史より個我を貴ぶ 岩のうへ蒔かれて終ぞ実らざる種子
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ぼく達がなぜ その問いだってわからないのだから絶滅収容所なんてしらない
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戦争は呼吸みたいでひとごろしはどの少年漫画でもかっこいいじゃん。 
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液化した市街電車にはことごとく だって正当防衛だったんだから
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