鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスはmitzho84@gmail.comまで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。

覗き戸のなかの交差法極彩の貴婦人ふたりふたごのごとく
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銀球鏡対称反射左利きなれば右手にかばふ利き腕
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棺工十三人のごろつきを指揮す 黙示は飾字の森 
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匂はしく木槿のかひな腐りきり差す月はいきわかれのふたご 
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薔薇の名に天津乙女とあり少女天翔る雲こそをうとみをれ
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ロベールドアノー苛性現像液ひてる市庁舎まへの遠ききのふに 
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薬用石鹸手に遊ばせて覗きやる洗面台にふつふつと海辺は 
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水の井の上澄みにしか掬はれず兵隊となつてゐる蟻一列
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桐の花箔押しにふちどらるるに静謐馬耳東風なりき東風こち吹く
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チェルノブイリ。苦艾のみづ忘れ水流されはじむひとのこころも
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さらばさらば友よふたたびあらずともはないちもんめのいちめんの闇
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おきざりの夏蝶ばかりわれをおき帷子色の屍ひしめかせたり
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うまくいかざるもの 不具の恋 レスラーの羽固め 水菖蒲
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集団的自衛権の発露とし不登校児にいちりんの菊
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仰天にそはゐまさずさばいづくにぞ一過性脳虚血しらじらと
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されかうべ置かれある書机に扁桃花つかのまを花やぎてにくしみ
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寺町をこゆれば墓場曼珠沙華ほのほのごとくしたたりやまず
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超写実的に熔融せる缶のキャンベルスープ罐の天使絵
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「キューピーは天使になれない 高速道路こうそくに微温みたいにひろがる空は」
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国境を越ゆる医師団主のごとく死ぬなたかだかコロナごときに
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蕎麦の花むらさきにしてあはかりぬ青年の頬てらす逆光
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蕎麦屋にて切る十字かは伊達巻を食すジーザスすがれ
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フランシスコ・デ・ゴヤのたじろぎ憂愁公爵、夫人応接間
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ずれてゐる禿頭の侭波止場へと仕掛けるものは爆弾とする
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われならず火事の青年音立ててピアノへむかひ指を揃へり
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ドレスコードを守れ。紀伊国屋書店にて白昼刃物ふるふをとこは
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空気人間達の晩餐空気飾り立てて箱の外へいづることなき
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よくなれど小麦は小麦熟れつつも一デナリよりたかくはならず
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戦争になるらし錨しづめるかのごと異人しづめて日本国民
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あしびきのヤマハピアノまへ調律われときみとをおなじくもせず
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