鷹枕可
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歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスはmitzho84@gmail.comまで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。

歴史喪失そののち四月朔へと雪 長靴の裡入るけがれ
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増長すこの若者らみづからを皇帝と呼ぶすめろぎ擱きて
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呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
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戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
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奇蹟のかけがへは誰がつぐなふか瞭然と蘇りなき慰霊碑の石
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神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
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父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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われ義しき國民なれば崇拝すクリスティアーノならず 墓を暴かむ
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國民総戦犯ゆゑに絶たれたる昨年の忠魂碑はたれのはか
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戰犯とは不肖の綽名われいくさに倚らざれども死なず
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敗戦忌 すめらみことへゆくすゑをしめし若き柩工は死せり
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人草絶ゑて弔鐘へ祷る慰霊碑へ霙 皇帝とは誰なるか
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「あたしたちのイエスさまが変になっちゃったのよう」魚眼レンズ直視
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基督をひとはもとめむさでもなほ――、無棘薔薇冠など編みて刑吏
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わたしヒトラー。わたしロベスピエール。もしもし。ユダヤ人を――
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シオニズム 角砂糖水へと溶けて水薔薇国家の仔羊の頸
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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ぼく達の歴史にわたしはいないからヤグルマギクの花言葉って  ?
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わが祖父は英靈か 虐殺ののち肩口に消ぬる緋の初霜が
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英靈碑肩欠けて零る菊の蘂 かくごとくひと殺むるは雄
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日灼けせる空地の壁へ病みしまま囲はる弟切草のおとうと
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硝子戸一枚へだて漏れきこゆ工兵のこゑ 大伯父よ去ね
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平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
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われあやめたるもの数多千万の軍民草の骨編みて建つ塔
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更でも属国 独立運動家はげしきののしりす生卵割れて
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鳩殺し ダリアの花蘂のダイアルを回し呼鈴ひびかふ夜警国家へ
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偶像 暁の車へはきたらず山鳩のこゑながながし、闇
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アニメーション・アイコンへ公民の意志。民ゆくへ争ふ 国家 の
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泥濘の河亙りみな殺められし。ひとつぶの石骨壺へ収め
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