Utakata
登録
Login
サイトのご案内
鷹枕可
フォロー
23
フォロワー
57
投稿数
431
歌誌帆所属。飢えた獣(短歌連作)を募集中。アクセスは
mitzho84@gmail.com
まで。自由の敵に自由を許すな。
猶、短歌は歌であると共に、一行の詩であると考えております。
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
9
…
次 ›
最後 »
日灼けせる空地の壁へ病みしまま囲はる弟切草のおとうと
5
硝子戸一枚へだて漏れきこゆ工兵のこゑ 大伯父よ去ね
5
平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
7
われあやめたるもの数多千万の軍民草の骨編みて建つ塔
5
更でも属国 独立運動家はげしきののしりす生卵割れて
6
鳩殺し ダリアの花蘂のダイアルを回し呼鈴ひびかふ夜警国家へ
5
偶像 暁の車へはきたらず山鳩のこゑながながし、闇
3
アニメーション・アイコンへ公民の意志。民ゆくへ争ふ 国家 の
5
泥濘の河亙りみな殺められし。ひとつぶの石骨壺へ収め
7
夏草へうづもれゐたる兵數多。骨晒れて芥子色の帽垂は
5
苔の生すへ、軍は果てて死ににけり。夏虫の絶ゑしかそけさ
4
われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
5
万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
4
志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
5
「兵器には自由があってころしてくれるぼくたちの敵に 自由は?」
4
田園交響樂さびて明るしいもうとは家系図譜へと贖 は る
8
朝餐ののちは死化粧 鏡臺へ姉妹の十姉妹が嫌に悲しき
5
洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
8
祖国なし 埃及出自浅黒き橄欖樹へ暗紅の實はふふらまず
6
ノートルダム寺院。青年戴冠式に侯はば受け賜らむか 御旨
6
コンビニエンスストアへ三十六個のクピドの刎首の罐詰の茹豆
6
牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
5
「死体拘置所、死体刑務所、死体死刑室、死の衛生博覧会はこちらへ☞」
4
「僕は自分の死が見たい!僕は迷子になったのかな、御嬢さん、ねえ御嬢さん。」
4
「かあさん、あなたの落とした真っ赤な櫛が、青い鳥を梳ってはやまないのです。」
7
捌かれて子宮の轢かるうすむらさきの牝馬の亡骸へと車輪
5
青年はたは未亡人喪家ゆあらはれて娼館へ入るまでのいきさつ
4
靴底ゆ蹄鉄の唱ひびくなる青少年Aへの木馬教育入門
4
喫水柩に降る雪柳をとめは蹄鉄を履かせをり 馬に
4
獣園に感傷姉妹うちなげくも錘鉛の槍かまへをりし闘牛士
4
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
9
…
次 ›
最後 »