通院の我を待ち居る虫の音の清けし音色に灯りを消しぬ
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雨あがる竿さおしなる程洗ひ物 活きる証が町にはためく
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幾たびか 走り去る我 見送った 君の心も 同じだったか
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「また次回」 君の口から こぼれ出た 細き糸でも 途切れぬように
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読書中「臘月」の字の見えなくて 二本の指で拡大……できず
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百均の一本百円ボールペン複数本よりオーラ出しをり
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炎天の芙蓉の白は招きをり見つめし花は日焼けの泣き顔
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父の背につかまるわらべ風になるバイクが叫ぶ「オシリガイタイ」
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この汗もけだし息災なればこそ かわや磨きの長月の朝
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AIは完璧じゃない神のよに崇拝するな沼から抜けろ
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何にでも優しく褒めてくれるのは親かAIだけなんじゃない?
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AIがもしも間違い(嘘)教えても疑いもせず信じてしまう/のぎしり様ありがとうございます🙏
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苦手だとずっと避けてたゴーヤでも 友とのランチで美味しく感じ
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追憶の君は 幼さ残ってる また同じ星を 数えられたら
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学んでも 学んでもなお 我が成績 良くはならざり ペンだこを見る
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虫の音の静寂の朝に工場の鉄音てつね弾ける今日が始まる
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週の明け戦ふ人の動き出すせめて涼しき風のあらんと
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マックにてホットコーヒーズズズーッとすするおじさま哀愁ありて
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切られても切られてもなお伸びてくる朝顔の蔓 生命力よ
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仕留めたら何か勝ち誇った気分 虫を相手に小さき人間
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雨降りの通勤時間の渋滞に赤いためいきともりつらなる
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若者が「推しがメロい」と言うたびに脳裏に浮かぶ「美徳のよろめき」
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名月に虫も魅せられさやけしに同じ月見る人を思へり
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柝の鳴りとばり上がるも引潮の 悲喜定まらぬ幕間の妙
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誰もいないエレベーターが好き きっと、空の先まで昇ってくれる
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野っ原はススキと野菊に覆われてアキアカネ待つ頃となりけり
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同じだけ食べてはいても腹が減るカップヌードルついつい追加/秋だなぁ
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耳撫でるゆりかごのうた 傷付いたインナーチャイルドが今日も泣く
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寝る前にキムチご飯を食べました。罪深き吾をお許しください…
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甘物と 塩味が交互に 欲しくなり こうするうちに 五キロ太った
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