落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
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回る寿司 店の出口に鹿しし威しおどし財布のひもの弛みを打てり
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平穏な生活に花 添へるよに 歌を詠む日々 心潤ふ
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ちぐはぐな組み合わせだね冬コート 春を先取り白のタイトスカートタイト
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慰霊碑に刻まれし子の年齢は二歳とありて孫と重なる
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もし明日命尽きてもそうするか正しさよりも愛おしきもの
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不可能を墨で上塗り葬れば焼かれし辞書の生き生きとして
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若人わこうどよ 無闇矢鱈むやみやたらを 恐れるな  みちを守れば あとは自由だ
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いかにせむ眠れぬ子へと伝へよう 恐るることはないと言ふのに
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豚こまを 醤油とねぎと 大蒜にんにくと  炒めこしらう 即席の薬
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忙しや 春告げし後 鶯は 時鳥ほととぎすの子も 育て旅立つ
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かすみたる山の端追へば川妬みわれ忘るなと水面ひかるや
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陸奥みちのくの 花の盛りを 見ぬままに  時は過ぎ去り 十五年
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横顔が なんか綺麗?と ふと気づく あなたに会える 1週間前
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梅園の 寂しあでやか 薄れ日に ねた小鳥や 春はほのかに
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老木の ひなたの桜 満開で パワーもらいし 五十二の春
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悲哀とは 幸福たちの 存在を  証明し得る 唯一のもの
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保育園 六年間も 行ったのか  い立つせがれ 少し遠くに
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死ななくていいんだよって理解わからせて機械になりきってきた身体に
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桜色の 夢見しばかりに ゆうべ まで 乙女心の 封印を解く
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幸運に すました顔で 身を委ねる そうしたいのに ハートはうらはら
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並ぶほど愛くるしいは雀なり後光を受けてわれにおはよう
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病窓に朝を告げ来る鳥の声見上げる空に朝焼けの雲
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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今はまだ他の楽しび知らねども 新芽のやうに伸ぶるてのひら
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咲きめば 心乱せし 桜花さくらばな 花吹雪はなふぶく前に 胸にとどめむ
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目をふさぎ 耳をふさぎて 「孤立人」 虫にもなれず 何処に行くのか
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幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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今までに捨てたレシートを集めて 何度折ったら月に届くか?
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