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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
51
グツグツと 鍋中踊る 栗の実よ 甘くホクホク してますように
15
悪口をさらっと流す君と飲む少しやさしいブラックコーヒー
38
夕焼けを僕だけが見ている街にいくつもの新車 いくつもの手からふうせん
7
遠ざけて いたパーカーを ギュッとハグ 今は私を 守るアイテム
17
冬の香を 感じるけれど 感じない! も少し秋を 楽しませてよ
12
歯の中に 私の抜けた 歯があって カラカラいって 少し寂しい。
6
まだココア買ってないんだ いきなりの冬の寒さはちょっと勘弁
58
たった今地球が過ぎた軌道には君の笑った声が残った
24
近頃の 秋は
玉響
(
たまゆら
)
なればこそ
鱗雲
(
うろこぐも
)
さえ
儚
(
はかな
)
く見える
19
炒飯
(
チャーハン
)
は 細く刻んだ かまぼこの
薄紅色
(
うすべにいろ
)
が 味を
左右
(
さゆう
)
す
14
手習えばなんでも匠かの人に追ひつけぬまま秋のかたすみ
39
手のひらの ちっちゃなホクロ 手をピンと 伸ばさなければ すぐに埋もれて
34
幼日
(
をさなび
)
の
畑
(
はた
)
にあと追い赤とんぼ抱きとめし
亡父
(
ちち
)
遠きにありて
23
秋の陽に背を押されおり
畑
(
はた
)
立てば晴耕雨読の
亡父
(
ちち
)
訪れ
29
米は米 されど新米 その旨味 頭を垂れる 王者の貫禄
15
初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
25
手土産の かんころ餅が 呼び起こす この懐かしさ
未
(
いま
)
だ
解
(
わか
)
らず
15
ご時世に翻弄されし
亡母
(
はは
)
の
人生
(
みち
)
なにをおもいて語らずし逝った
23
利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る
木葉
(
こば
)
の環にまぎれたり
30
遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
7
人知れず流した涙は循環し山の湖水で星映すだろう
27
椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
50
この想い 姿を見ぬと 伝えたい 姿を見ると 伝えられない
15
依存せず、期待をかけず、受けいりて
術
(
すべ
)
を覚えし
歳月
(
としつき
)
の果て
39
生え癖を なんとかしろと 罵られ
D
N
A
から やり直せってか
/
親子
36
犬あびる「かわいい~」の声めぐりゆき「幸せ」きっと、そに還らん
33
列王に名を遺すてふみづからの榮代の後までいくさせむ
18
女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
30
ほうばったチョコマーブルが錠剤にみえて「最近だいじょぶそ?」
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