病窓に朝を告げ来る鳥の声見上げる空に朝焼けの雲
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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今はまだ他の楽しび知らねども 新芽のやうに伸ぶるてのひら
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駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
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咲きめば 心乱せし 桜花さくらばな 花吹雪はなふぶく前に 胸にとどめむ
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目をふさぎ 耳をふさぎて 「孤立人」 虫にもなれず 何処に行くのか
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ランドセル 登校最後 君の背が 大きく光る 六年の時
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花びら追い はしゃぎ跳ねてた樹の下に  袴姿の君 凛と立ち /卒業の日の孫へ
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幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
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打ち合わせ 終えて飛び込む とんかつ屋 勝利を願い ヒレをほうばり
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今までに捨てたレシートを集めて 何度折ったら月に届くか?
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おぼろげな光をまとい 春の月 しんと更けゆく夜を照らしつ
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卒園式 子どものパワーに負けまいと フルートを吹く 気合いを入れて / 謝恩会にて
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大切にしてもらったね先生にいつかどこかでまた会いたいね
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謀略が 均衡崩し 世界戦 高笑いする 大富豪たち ※戦乱こそ格差拡大富豪の利
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「引きこもり」 「孤独孤立死」 「震災死」 政府丸投げ 三十年 ※ 「震災死」=震災後の孤独孤立死
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うぐひすのはかそけくも春をまつ君が袖へとひとひらの舞ふ
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一緒に居たあの頃よりも あなたのこと考えてる自分 戻らない時間とき
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あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
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苔むした義父の墓石 労るようにそっと撫で合掌す 在りし日の夫
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球根のでし芽見んと四つ這いになりて地中の温さ伝わり
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あの方は今はどうして居るのだろう連絡先も知らないくせに
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枝先に 萌黄色のちさき若葉 心細げに 春風に震え
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近くに見ても 遠くに見ても 美しき 光、闇さえ 従えしはな
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月が綺麗 あなたの好きな 細い月 見て見てなんて 言える距離なら
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君逝きて がらんどうの身旅幾度 囃す友あり「メリーウィドウ」
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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好きな人黄色い傘を差している恋空は今晴天となる
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嬉しきは鳥の囀ずり聞く朝と狭庭に開く花を見し午後
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