思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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洗顔の泡をぬぐいてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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混み混みの イオンで気づく 春休み 子らの笑声に 周り明るし
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菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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朝の公園 あなぐらからかと 思うほど 人を連れてくる 春の魔法か
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田舎道陽射しを浴びてひとり旅 蓮華の紫快晴の蒼
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甲子園 女子高生の 君が代 その歌声に  美しき曲と知る
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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インフルBという春休み 五日間家族の声で満たす喜び
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月夜野つきよのは今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
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にぎにぎと はなのもとにて 宴持たむ 花も人世ひとよも はかなくあれば
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暮れなずむ町はいつしか遠くなり贈った言葉は湿度を無くす
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音曲おんきょくに 詩歌に絵にと うたわれし 桜は生きむ 時代を超えて
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菜の花に降りしきる雨車窓より眺めつ向かうデイケア施設
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「今ここ」の 感覚がなく なりそうな 優しく白む ワシントンの桜
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やっとこさ子らの進学準備終え次は自分の異動の準備
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みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
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花見へと一三八タワー駐車場どこもかしこも満車満車
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模様替え したくなる春 『春』の字は 『新』に見えたり さあ、スタートだ
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花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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移ろいの四季の描写に飽きは無く自転車辞めぬ理由の一つ
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何もない日が幸せと言えるほど 良い環境に置かれてみたい
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