打ち合わせ 終えて飛び込む とんかつ屋 勝利を願い ヒレをほうばり
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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今までに捨てたレシートを集めて 何度折ったら月に届くか?
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おぼろげな光をまとい 春の月 しんと更けゆく夜を照らしつ
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今日こそは開花宣言春うらら 思い新たにそれぞれの道
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野花詠み妻偲ぶひと我に沁む はじめて知った「狐の剃刀」/キツネのカミソリ 
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春浅き君住む街にほおき星 欠片を追ひて永遠の歌詠まむ
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菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
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いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
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愛拗れ難儀なるかな かのひとは 麻婆豆腐憎や恋しや
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球根のでし芽見んと四つ這いになりて地中の温さ伝わり
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枝先に 萌黄色のちさき若葉 心細げに 春風に震え
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君逝きて がらんどうの身旅幾度 囃す友あり「メリーウィドウ」
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「反戦歌うたっても武器作るなよ」被爆二世が言ってもムダか
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
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長い冬 耐えて開きし野辺の花 なんと可憐で愛しき生命いのち
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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これほどに 待ち望む花が 他にあらむ 古きより胸に 刻み込まれて
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転々と 君を追いかけ 春の中 今点々と 咲くシバザクラ
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ハイハイで 一目散に 孫三女 ママをスルーし たこ焼き見つめ
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二日間 メールを開けず 仕事して 週明け未読 百件超えて
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次年度の 事業計画 練りながら 部下のクレーム 溜息混じる
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面会の十五分ほどちぐはぐな義姉の話題は帰宅に尽きる
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月夜野つきよのは今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
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心臓よ、 高鳴らないで 今だけは 鼓動が彼に 聞こえちゃうでしょ
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