笑うたび 仮面の裏が 軋みだす 僕という名の 人形ひとがた
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すぐズレる 石の上では 危うくて 元の岸辺を 恋しく思う
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人物と 時代背景 文体が 三位一体の妙 止まらぬ小説
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暑い日に思い浮かぶる海の底 静かで涼し青の世界よ
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地の果てで高く輝くきらめきの主はあなただ まばゆいあなた
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わたしへの悪口なんて、聞こえないくらいがちょうどいいのさ
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頑張った恋の花散る夏の午後 君への気持ち揺れ続けてる
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叶わぬとしつつ咲かせし恋の花 涙に濡れて色褪せていく
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君のこと本気で想い届かぬも きっといつかの思い出となる
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まっすぐに支えてくれた君想う けれども痛みまだ胸にあり
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この痛み背負いながらも進んでく 新たな風に運ばれていく
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痛み込め 詠んだ短歌は 素通りで 気の抜けし句が もてはやされる
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溌溂と晧歯剥きつつ小綺麗なる口蓋言ふ 「原爆もたば」
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お上への 批判集中 そらすため  民の対立 煽り煽られ
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いらいらは己が未熟の吹き出もの だからしゃあないああありがたや
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オアシスに刺さっておけばしばらくは心配ないよあっち行ってて
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家の前でフレッドペリーとトイレロール持った人とすれ違った
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「好きだよ」とそれはプレーといいながら 私の本音気づいてるでしょ
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日の落ちるその時までも君といて 来年の夏思い描くの
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ベランダでアイス溶けゆく指の先 月だけ遠く冷たく光る
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叶わずに終わるであろうこの恋を 抱えてる今幸せ感じ
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向日葵のしゃんとした背すじ見て 我もと思う 夏の日の朝
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帰り道 やわらかな風浴びながら 君の鼻歌の続き 口ずさむ
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空を飛ぶ羽があるのに君はまだ僕の隣を歩いてくれる
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ブラウン管泥にまみれた球児たち火の花開く網戸の向こう
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少しづつぼんやりしていくあの笑顔思い出さえもやがて消えゆく
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アンガーをマネージメントしていても あなたの気持ちは そのままでいい
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散瞳し 検査後霞む 風景は 白く眩しく 切なく見ゆる
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一日が長くて長くてたまらない小学生の頃みたいな八月
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少しずつくらくなってく嘘みたく終わらぬ季節の終わりを想う /恵雪様に共感を込めて
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