欠け月の 満ちる姿に 恋重ね 君を想ひて 夜の更けるまで
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綺麗だね 零れた言葉 十五夜に 君には見えない あの満月が
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小倉山霧立ちこむる夕暮れに道踏み惑ひ鹿ぞ鳴くなる
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道玄坂 葱まみれの蕎麦すすり浮かれた夜を正常化する
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秋の宵 吹く風辛く 孤独とて 優しく包む 月光かな
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また一つ増えてしまった不安ごと 息子の健診結果を盗み見
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テスト前 ふと脳内に 浮かぶのは 単語じゃなくて 君の横顔
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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
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泣きたくて 入ったトイレ 汚すぎて 夢かと思った 現実だった
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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萬歳三唱の就任ぬけ出でて英靈とふ悉皆靈の惡も反故 か
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雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
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椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
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揚げ油にキッチンペーパー被せたら泣き出すみたいに染み広がった
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亡き祖母の干したシーツはふんわりとグーグルマップで過去を辿れば
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私が今日 風邪で辛くて 休もうが 模試のある日は やって来るのだ
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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愛おしい寝顔を見つめて宵っぱり 夢を見るのも惜しいほどの時間とき
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窓開けて 叫ぶ友共に 笑い合う 怒られるまで セットで青春
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まだ遠く 会えないあなたもいつの日か 大丈夫。未来を信じてる
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紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
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間違いか正解かとかいうよりも別の答えが出てくる人生
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バスツアー波静かなり大洗たまの遠出に幸せ覚ゆ
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別にいいルービックキューブ インフルよ 感染ってもいい愛しています
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分かり合うこと目標にしなくても励まし合ったり笑ってみたり
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きしのふたおやの声おもはする こはるひよりのやはらかな朝
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流れ星を 喰らうように 強く健気に 泣きながら生きている
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似た人を見かける度に目に染みる 燃え尽きてなお燻る煙
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透明な砂がこぼれていくようなまだあたたかい夢をみている
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