風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
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向日葵ひまわりの笑顔のような貴女きみだから 黄金色こがねいろした糸で進める/刺し子
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レンズから図鑑から世の解像度どんどん上がる足を運べば/自然観察
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落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
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二十年前のわたしが綴ることまだ何ひとつ叶えてないよ
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昼下がり 息子が食べる ポテトみて 笑顔で突撃 0歳の孫
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娘から投函頼まれ必ずと愚直に手で持つ言われた通りに
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有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
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バズれども 鼻をすすりてひとり酒 粗い目に落つ電脳の網
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雲の上 待ちたる月蝕 赤濁り 雨打つ袋 明日はゴミの日
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AirPodsエアポッズ 耳毛はみ出て 白雪になお立つ老木おいき 似てあはれかな
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君からの 『竹踏み』するたび 運動バカの君と共にいし 日々あたたかし
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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洗顔の泡をぬぐいてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
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行きつけの飲み屋のトイレ ボタン覚えた お前誰
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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混み混みの イオンで気づく 春休み 子らの笑声に 周り明るし
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菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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溢れ出す創作意欲を文字に変え 裸足で逃げ去る冷笑文化
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朝の公園 あなぐらからかと 思うほど 人を連れてくる 春の魔法か
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田舎道陽射しを浴びてひとり旅 蓮華の紫快晴の蒼
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甲子園 女子高生の 君が代 その歌声に  美しき曲と知る
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
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塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
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手の冷ゆる 彼岸の午後の 徒然に 甘めの紅茶 時かけて飲む
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父と母 二人の兄の 思い出を にれがむうちに 中日(ちゅうにち)は過ぐ /にれがむ=反芻する
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故知らず 人恋しくて 茶を啜る 彼岸の明けの 薄日さす午後
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