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最終便 繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
28
東屋
(
あずまや
)
でひと時
憩
(
いこ
)
う花見行き先客の花びらが鎮座す
25
六十で動けぬ吾あり七十でテキパキ動くヘルパーさんあり
34
暑い時毛糸さわるの嫌だから
束子
(
たわし
)
編むのは春の手仕事
27
「たまに良し」ビールの泡に閉じ込めて 蕎麦を待つ間の自由な私
36
夫と私同じ
表情
(
かお
)
して交わす一言オオタニサン 今日の天気や如何ならん
17
眠ってた 冷食ストック 呼び出して ランチのお供 赤玉ワイン
22
それと知らず
A
I
ジャズに揺さぶられプレイリスト上書きの夜
17
日常を取り戻すらし夫の朝わずかな朝餉をゆっくりと食む
35
やや強き風に誘われダンスする
T
シャツ・ジーンズ春だ春だと
30
春の晴れ三日続かず それも良し 夜を潤す雨の優しき
32
人の世の 常とはいへど無情なり 親しき友の鬼籍の報せ
25
池回り一、五キロの遊歩道 風のランナー吾を三回抜きさり
40
別れの日散りゆく花に送られて残り香撒きつ花道去りぬ
35
本来の 役割果たせず やさぐれて フテ寝している エアロバイク
13
桜
(
はな
)
咲くも 風雨が散らし
形無
(
かたな
)
しに
憂世
(
うきよ
)
を写す
春嵐
(
しゅんらん
)
の候
18
ほろ酔いの花渦まいて桜みち春の嵐に蒲公英の咲く
18
夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
28
校庭のソメイヨシノも静まれり学科授業の開始を待って
24
悔しいよマイクを持つと歌えない爪の先まで唄っているのに
14
花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
19
豪州の肉を噛みつつ和牛とはかくも遠きか年金の日々
20
「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
20
山椒の新芽の相違 尋ぬれば
犬山椒
(
いぬざんしょう
)
なる憎めぬ騙し
8
雨打たれ 散った桜は 悲しげも 隣に咲いた 藤は輝き
36
聞き慣れた 値上げインフレ 少子化も 現時点では 序の口という
13
我が部屋に干したシーツの洗剤の香りの満ちて雨の音優し
25
痩せないといけないのかな?寝る前にとりあえずやるストレッチだけ
28
残雪に うさぎの姿浮かび出で 雪解け水が田に満ち光る
25
雨の日に雨を歌ひし曲聞かば ひととき昭和がワープし戻り来
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