雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
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ひなたでは暑いんだけど日陰では寒くて 僕には居場所がなくて
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雨に散る金木犀はまだ濡れて仄かに甘い香りの朝で
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揚げ油にキッチンペーパー被せたら泣き出すみたいに染み広がった
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テレヴィのなかの日の丸にほほゑめる首脳に光差す優生卵
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亡き祖母の干したシーツはふんわりとグーグルマップで過去を辿れば
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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愛おしい寝顔を見つめて宵っぱり 夢を見るのも惜しいほどの時間とき
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窓開けて 叫ぶ友共に 笑い合う 怒られるまで セットで青春
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砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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「娘にはピアノ、バレエに英会話」作り笑いのお酌で聞く夜
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病院でインフルエンザワクチンを打つ直前に風邪うつされた
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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まだ遠く 会えないあなたもいつの日か 大丈夫。未来を信じてる
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紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
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さまざまな石鹸の香り交ざりあい籠もる夜更けの公衆浴場
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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向寒の耳に囁く潤子歌行った事ないスカイレストラン
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間違いか正解かとかいうよりも別の答えが出てくる人生
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バスツアー波静かなり大洗たまの遠出に幸せ覚ゆ
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別にいいルービックキューブ インフルよ 感染ってもいい愛しています
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分かり合うこと目標にしなくても励まし合ったり笑ってみたり
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流れ星を 喰らうように 強く健気に 泣きながら生きている
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似た人を見かける度に目に染みる 燃え尽きてなお燻る煙
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初デート ママに内緒でいくからね ブタ公園で君を待つ僕
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思ひ出をだいじに去らむわれわれと入れ替わりにホテルに入る家族
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光のあみが足にやさしく絡みつく 初冬の海がゆびさきに沁む
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