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薄氷
(
うすらい
)
の ごとき夕月
縁
(
ふち
)
欠けて 羽虫の飛びて 闇に溶けゆく
28
君はなぜ 過去変えたいと 悔やむのだ 明日なら今でも 変えられるのに/友人の言葉
26
だけど、まだ、歩けるんだと言い聞かす がらんどうに埋めた強がり
13
ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
22
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
51
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
55
最中に花火の音が鳴っているエロ音声で暖を取る冬
5
蕎麦ぼうろ 素朴な味に 笑みこぼれ 会話も弾む 晴れた昼時
29
「限りなく透明に近いブルー」は涙なの?海辺の街で悲しみ拾う
14
ベランダで スマホを空に 向けながら 平安の夜と 同じ月見る
20
今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
8
病ゆえ四角き景色のみぞ見る人にススキが 知らせる
爽籟
(
そうらい
)
(在宅療養)
22
その昔 子らに問われし
E.T.
の
訳
(
やく
)
しかと答えた 得体の知れない友達
16
厳密に選別されるジャガイモの気持ちがわかる人間ドック
18
使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な
夫婦喧嘩
(
バトル
)
23
ようやっと布団からぬるり頭出す 肌寒き朝にカタツムリとなる
24
硝子越し写る景色が現実で 爪を立てても響かぬ身体
7
『あなたには泣かされたよ』と先生が今の娘に違う涙す
31
串カツを 味噌鍋浸し はふはふと ほおばる友は 無邪気さ溢れ
22
出逢えたと思う 海で街で本棚で 痛みだけが似てる貴方に
9
帰宅して扉を閉めて鍵かけて 社会人
A
の魔法が解けて
17
街
歩
(
ゆ
)
けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
22
久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
42
横になり描きかけの母じっと見る美人と写実迷うさじ加減
29
懐かしさ 漂う喫茶 奥の席 コーヒーフロート 至福の一時
42
華がない だからどうした漢なら 生き様死に様 背中で語れ
21
朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
54
気がつけば 朝から食べず 夜半すぎ チョコパイ一つ そっと噛みしめ
27
人知れず 産声上げし
機螂獅鮫
(
きろうしきょう
)
独り銀幕の 波に揺られる /Z級映画『メカカマキリライオンシャーク』
6
海面に小石をぽとり落とすときわたしも海も何も変わらぬ
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