食卓に朝を届けてくれるからクロワッサンはさん付けされる
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どす黒くざらりと粗い喉越しの憎しみに似た何かをごくり
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絵が好きなあなたなら絵を乗り越えることのできない壁にも飾る
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頬を刺す日差しはすでに春日和 無事に彼岸参りを終える
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息子きみ作る オニオンリング ハフハフと 揚げたて隣で 立ち食いをする
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過ぎた日々 幾度も散った 白い片 君が去りても 花は残りて
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春が来た おニュートップス・ボトムスに 袖を通して行ってまいります!
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てっぺんを今日も迎えて終わらせる 刺し子の魔法が解けないでいる
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卒業の季節が今年もやってくる 今でもできない卒業ひとつ
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この2年体重10kg減ったのに 痩せたの?と言う夫のひと言凍りつく
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ありがとね 冬物セーター・ニットたち お礼はもちろん 太陽日差しの優しさ
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空見上げ あの日のことを 思い出す 祖父が残した 夢の続きを
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早々と木蓮もくれんの花散り落ちる 1面広がる白い花道
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病人の肩をさするその温さ気の毒なのに羨ましいのだ
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昴の空 飛行機一機飛び立った 思い出すのは神格化した君
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君のこと特別な人と勘違い 結局周りとおんなじ他人A
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文字なぞり普通の世界に喰らいつく 私はいつまでも利口になれない
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深夜二時、低く唸る冷蔵庫。鼓動が共鳴して平行線。
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人生は重き荷を負う旅と言う人にはキャリーバッグを勧める
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振り向いた名前で呼んで餌をやる昨日はヒロシだった野良猫
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出会いはきっと偶然 別れさえ必然だった、そう願いたい
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彩りも鮮やかな嘘も隠したいドレッシングの底に沈めよ
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大丈夫 もう大丈夫 と繰り返す 魔法が呪いに変わらぬように
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指先で心を吐いて傷を縫う 明日が怖い仲間にエールを
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人間のとしで数えて受け入れる他にはないと分かっていても
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夏と冬 苦手な君が息を吸うように呟く 「猫になりたい」
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ページ繰る音を葉擦れの音として聴いてる初夏の図書館は森
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5時ちょうど 音の鳴らない秒針に合わせて閉めた家出するドア
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レジ(アイス+ロック+スチル)×3 麻雀で言えば役満
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花言葉「追想の愛」咲き乱れ 放棄畑に 春紫苑ハルジオン 揺る
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