スマホでも着信音は黒電話まぎれず目立つと介護の折に
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怖いから歯をむき出して威嚇する 動物すらもしない仕草で
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ジーンズで来たらダメとの御触れ出て迎えた社長ジーンズでした
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日和見はもはや手遅れ国挙げて洞ヶ峠を転がり墜つる
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旧友とメールやり取り そつなくも AI作のコピペが映える
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疲れたと床に寝転び一休み、いや三休み、五つ休みか
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雲のない夕暮れの山その奥にそびえるあの山クリアに捉え/冬の晴れた日限定
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みつめあう ねことねこのて にぎってる このまま永遠に ここより永遠に
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みどりごのはだかの足がぶらさがり 若い夫婦のリュックの脇に
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喫茶店 シックなスーツ 着こなした 雅な漢 思わず惚れる
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この世には フフと此方こちらが 微笑みを してしまうほど 素敵な人が
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ひさかたの光さざめく波間にも 君が御髪おぐし手繰たぐれ我がかい
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CMがこわいの 誰も絶望を知らぬ顔してそこに居るから
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記憶なく 履歴もなくて 宅配の 配達予告に 疑心暗鬼す
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サンタさん夢見る子にはいい夢を見れない子には靴下編んで
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ははかたの祖父は学徒動員でちちかたの祖父出征の時代とき
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週末の雨に押されて年明けの食べ飽きた頃に餅つき大会/異例
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珈琲の蒸らす時間の惜しかりし 浮かぶフレーズ 歌へドリップ
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蝶の舞 優雅に夜空 舞い上がり 姉さんのこと 忘れないから
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なにもかも すててしまえば 楽ならん この肩の荷を ぶちまけたし
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このままじゃ猶予人生終わっちゃう箸を転がし笑ってみるか
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道場の 上座に座り 思い出す 宇宙を求めし 青い時代を
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生憎あいにく雨催あまもよひ 予定揺るがす 今宵はつまと イルミネーション
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楽しめと 主治医は言うよ でもね やりたいことみぃんなやっちゃった 思い遺すの なぁんも無いよ
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下戸だけどバッカス買った酔いたくて 心を満たすほどじゃなかった
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卒業の記念壁画の剥落に あの子が描いた虹は無傷だ
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さだまさし「案山子」を聴いて考える 世にこんな親いるのだろかと
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多忙なる 一日ひとひの終わり 静寂が クールダウンを 吾に施す
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聞く話す笑うそれだけのこと それだけのことで繋がる日々
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日の落ちる  茜の庭に  居たことも  今となっては  昔日の陰
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