ババババン、ドーン、と上がれば戦争が仕掛けられても気付かぬ花火
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母知らぬあの子が私を呼びに来る心の底から子供になろう
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歩き出す 君の背中を 見送りて 私は今も ここに佇む
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時は過ぎ 巻き戻せぬと 腑に落つる 一人旅での 静かな夕べ
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小遣いをちょっぴりもらう程度なら母に手伝う事はしない
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晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
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冗談のように言った好きは今 微妙な色を持って沈んでく
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薄明と だんじり担いだ壮年の 祭囃子に 秋を又聞く
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眠れずに 管巻く私を置き去って 空は薄墨 山際映ゆる
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いにしえに おこし開墾 した田畑たはた 草木くさきがしげり 森へとかへる
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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私には、臓器に薔薇が咲いてるの 隠した好きが咲き続けるの
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穏やかな 君の目と声 いつまでも 心に残り 日々をあたたむ
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大勢の大人に叱られた後でもサーモンの刺身は旨すぎる
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前歯ない姪が「ひみつ」と金平糖くれてゆっくり溶ける手のひら
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三十年ここで寝たんだ このベッド あるじ無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
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ピカピカと光る首輪の犬がいて目尻が膝まで垂れ下がる僕
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かんたんな言葉ひとつで夢心地 ちょっと浮くだけ空は飛べない
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降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
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夏からは病に伏すという君の住む街は雪 今日も明日も
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ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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街角のツリーの星がまたたけば神様のするウインクに似て
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ナカムラは宗教の人に話し掛け 少し仲良くなって別れる
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耳たぶに伝言ひとつ残すためストーブの前動けずにいる
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五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
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ヤバいのは 道具にくっつく雪塊と 下ろす端から積もる新雪/Ver.2
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ライターの 炎ばかりが鮮やかで 雪に潜んだ 灰色の冬
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独り身の寂しさ煮詰めたかのようなレトルトカレー食む寝正月
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ふやけてる餅を置く皿なでている除菌シートをぼくは信じる
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