賀状出す我が人脈も狭まりて卆寿を越せば僅かとなりぬ
23
女子からの手書き便箋手にとれば 五十年余の刹那を隔て
21
右脳うのうには 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物つく
29
真っ白なまが玉のような形して茶の花咲けり初霜の朝
28
「大丈夫?」やさしい顔のこの言葉 どんなときでもイエス一択
26
まだ暗き公園の中見渡せば枯れた木々には鳥たちの群れ
23
きみの好きな音楽聴く気になった時 この人が好きと強く感じる
10
埃だと思い込んでた ずっともう星は真上でひかってたのに
11
頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
15
栗のパフェ 眺めるだけの 対応で 血糖値への リベンジとする
22
凍ってる道がキラキラ陽を浴びて目を奪われる 危険は綺麗
28
あるがまま受け入れようか抗おか 加齢の波にゆらゆら揺れて
31
三十一の 言の葉ほどけ 湯に浮かび 掬いては結い またほどきたる
22
修正ペンで塗りつぶした一角がそのまま流れてくエンドロール
9
孫六人 サンタのいる子もいない子も 振込人は みんなのじいじ
23
暁の空に下弦の細い月 雲にのまれて隠れて消えた
23
てのひらで慈しんでた太陽の焼け跡が疼いて眠れない
8
やすき世は箱入りものやかたぬきの 匂い立つなきあはれなりけり
13
靴ひもの ほどけて 朝の玄関に 陽だまりいろの 一拍休符/改
20
丁寧に 珈琲淹れて ひと息す 冬の陽だまり スピッツを聴く
29
底に少し テイスティングすれば 想いが回る 銘柄はなに?
16
自然薯を 折ってカバンに 入れる母 折らない様に 掘ったんだけど
10
払暁の東のそらに針の月 ほどなく消ゆる年の暮れかな
25
レポートを二本提出 改めて課題三本 明日はプラゴミ
26
あと5分・・朝は布団の芋虫で今日もきちんと羽ばたかなくちゃ
24
あなただけ最終列車に飛び乗るの?私はひとりで夜明けを待つの?
8
のんあるの ラミーが発売されたとな 一度は食してみたいものなり
20
陰鬱な気持ちを抱え込んで寝る僕を干したて布団が包む
10
アドラー心理学を実践できない私に生きる価値はあるのかな
6
君知るや 人目も恥じず 睫毛墨マスカラ の 落ち滲みたる 我は泣きおり
26