終焉の時が近づき母想う 夏の再会 も一度かみしめ
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うたごころはや死にしかば現實の實ももたざるはなごろもかな
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さればいにしへの戀はらからの今際の面散る昨日いきてしか
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山の端へけぬるかたへへ花霞たつけふをかぎりのいのちならまし
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まこと亡びとももふ歌たらざりしいきのこりとはわがことならば
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佛頭焚かれ やかれもせずにをのをのがとらはるるは上手ならずや
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人間に意思などあらじ 「むかふ家に百合の黄の花がたつたやう」
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さばさばさばこきくれなゐのはねごろもたててふるなむしらかみのゆき
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雪花ききづたへなる聖靈の耳霜灼けてなほ靑かりしかども
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やっちゃった! 気が弛んだか ぎっくり腰 嗚呼また始まる 動けぬ日々が
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カメムシくん いつからここにいたのかい? 衣替えする半袖シャツに
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やっとこさ寝返り出来たと喜んで でも起き上がれない 嗚呼ぎっくり腰
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雨上がり 草刈りの音に誘われて 心浮き立ち そろーりお出かけ \ぎっくり腰から回復😊
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焼きバナナ 焼き柿入りの ヨーグルト 冷え対策で はまった朝食
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さはれみづのことば韻文の明くるまで暁星へやかれし涛に
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夜の言葉星くれなゐの花樗そのほそつづらなす窓居に醒めし
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禁慾の庭園ならで忌憚の百花白百合の髄蘂ゆこぼるる音せし
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空中斜塔泛ぶ散水機の鎌頸もたげつる霞の花圏より七牆
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海嘯の寄する額へ魘されて華窓ありし うつそみからいづ
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常識こそうたがはるるまへひとは鳥なりし うたがはば飛べざらむ
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老犬は反応も失せて寝てばかり も一度見たいよ元気なキミを
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「はい、これ」と差し出す袋 あっケーキ! 息子に祝われる今日は結婚記念日きねんび
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扉閉じ  密かにもゆる  夜の折  火照る体感  肌に伝わる
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情け無い  貴方がそこに  いる事に  目を背けるは  恥じらい隠す
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君が過去詠んだあらゆる葛藤がどうしようもなく私でもある
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Auschwitzの門, Gazaの門 は黑白な すふかき雪 に鎖さ れて 、
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たれが歴史をくりかへすのか その文書の一ページ目は からはじまつてゐる 、
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吾の日々は少し働き少し食べたまに短歌をあげてときめく
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繰返す  韋編三絶  道を征く  挑み結ぶは  或る日の想い
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やわらかく降る雪見ればよみがえる雪かきをする父の姿が
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