悠久の歴史桜は吉野山薫り今でもみんなの故郷
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とりあえず番犬だけど 人間はみな善良と信じてる
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春鬱はるうつ頓服くすりねむりにちてゆくそれでも まねばみずかとむら
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いつの間に肝っ玉母さんになったよ 三児の母は我が目にまぶしく
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催花雨を草木に注ぐ雷神ともう一度だけ誓いを交わす/折句・さくらもち
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あしひきの山切れるところ古屋連なり 日入る海に雪崩れん如し
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やりとりがあったあかしの既読とはきっとまぼろしだったのだろう
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むさぼった ハッピーエンドの 動画たち ずいぶん手軽な 快楽ですこと
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汽車を待つ あなたの肩に 舞ひ降りし 花びらに願ふ 無事の帰りを
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いつの間に始まっていていつの間に「老い」と呼ぶ日へ続く日曜
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核見えず 通せんぼする海と陸、意地悪捨てて和ぎ給えよ
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レコードにフィルムカメラに拘りのオジンはスマホ音痴やっぱり
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試写会を観てきた君のくちびるは つるり滑ってネタバレしそう
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そりゃああなた持ってるやつが「持つな」って云うから八十年不均衡
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何処ゐづこから散りぬ桜花おうかの振り積もる路肩 見上ぐれば葉桜そよ
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約束の 前日に送る 楽しみと あなたもきっと 待っててくれる
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吹く風に仄かに戦ぐ菫草 陽にきらめきて花びらの降る
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一日中検査検査でくたびれた夫ねぎらわん苺のシフォンで /ハピバ🎉
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予定なき日々が待ち受け猫伸びしカラッポの心跳ねてころがる
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親ごころ尽きることなく病める子と代われるものかと思いこそすれ
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母の愛 うざがる君が お風呂場で 口ずさむのは はなみずき
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桃色の 絨毯踏むを 忍びなく 風に頼みて 道をつくらむ
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春の陽に 土を持ち上げ顔を出す 旬の筍山の香満ちて  
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青空に残雪きわだつ岩木山おやま見てつい掌をあわす吾は津軽衆
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先輩の 人形みたいな その瞳 丁寧にくり抜き喰らいたくなる
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品性を 損なう歌を 読まぬ君 一粒胤の 御子の居るらし
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笑ってる 健康のため 人のため 泣いているのも明日のために
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「順繰りや」祖母の口ぐせ思い出す人も季節も巡りてめぐる
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ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
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並木道 新緑いちょう 朝帰り 水がほしいな俺も胃腸に
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