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「忘れた」と言えぬばかりに声を張る祖父の孤独をまともに見れず
47
晴れ空に老若男女集う日の美よ美のままであれ航空祭
18
「大丈夫」「全然平気」「待てるから」深夜の駅前雪だるま一つ
17
「普通」という名のバスをまた見送りて 私は私の歩幅で帰る
45
教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
36
マイク持ち叫び続ける候補者がただ何となく小さく見えて
11
「怠惰」という病のツケが三年の時を経ていまボディブロー
38
日向夏ジャムは甘くほろ苦く 遥か昔の切なさを ふと
32
朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
28
サーモンの旨みと シャリの酸っぱみと 醤油の香り 好きな寿司ネタ
26
想像す雪のない地はどんなにか白一色にただただ絶望
11
新しい モノがはじまり 少し前 新しかった モノが消えゆく
9
レコードの音がだんだんデカくなる聞きたくないこと多すぎるから
11
春忘れ芽吹きを忘れしおれゆく市井の一票どこかに消えた
19
笑わずに教えておくれチケットを買うところから離陸するまで
32
他意の無い「励ましたい」がそんまんま伝わると良いな今度会ったら
30
今は無き
故郷
(
こきょう
)
の古き喫茶店 記憶を灯す 茶色のランプ
41
こんなにもみんなで帰る道のりが愛しいことを最後に知った
19
人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
56
並び立つ者などいない君ひとり誰もが誇れ己が命を
25
吾妻山 種蒔きうさぎ 顔出して 身を乗り出して 急ぐ春なり
20
奥歯欠け 型取りまでに 二週待ち 接着までに もう二週とは
27
思ひ出と共に 今も手元に残る
主
(
あるじ
)
なき 祖父母の家の鍵
35
夜に発つ白鳥姿は見えなくとも子犬のような派手な声量
29
コンビニで冷やし中華を見かけたよ 今年もきっとたくましい夏
33
せわしない令和の音に逆行す余白の多い音符の心地/ラジオから
28
かすむ名を召しあげとかす今日の青 胸をつらぬく三月のそら
21
義母とゆくお墓参りの道のべにおおいぬふぐり見つけ摘みたり
29
もう桜咲いてしまうよ咲くんだよ咲くんだよあなたがいなくても
15
透明の水彩画からこぼれ落ちだいじな
欠片
(
かけら
)
うまく
描
(
か
)
けない
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