温室に滴る苺の甘さほど想う気持ちは夏を待てずに
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トランプジョーカーの脚に重りを括り付けホルムズ海峡沈めてみよう
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一年ひととせに一度の福運なる日には列をなしたり来ぬを求め
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変はりゆく 街並みの中 桜咲く 古戦場のみ 置き去りにして
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真ん中を射てしまうのは怖くて 少しズレてる自分を装う/其の一          
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林檎の真ん中射抜くごと詰られて わかってる恥じているよと胸の内で/其の二     
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音曲おんきょくに 詩歌に絵にと うたわれし 桜は生きむ 時代を超えて
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出会わなければ 良かったなんて 思わない そんな別れが また一つ
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君を蛋白石にしよう。でも、それまでにはかえってきてね。
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終わり続ける君と終わらない僕の終わりを迎えたちいさな約束
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住職が花守らしき山門に 薄墨桜離し植へらる
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告げよ春 この世は冬の幻と 河原の石売るほどのかひ無く(つげ義春逝く)
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がんばって大きくおなり 甥っ子よ ひなどりのようについばむおくち
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炎症が どこか臓器に あるような けだるさ続く 花の咲く頃
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みどり濃し湯に泳ぎきる菜の花よ熱燗酌みて早春を知る
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安納芋 蒸して焼き目を 付けたなら 甘くてホッコリ 優しい味に
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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他人ひとのこと心が小さい人と言う君の大きな口だけ見える
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春先は カイロと湿布の重ね貼り 腰のご機嫌伺うゴルフ
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地に落つぬ 紅き椿は 天仰ぎ 道を飾りぬ コサージュの如
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今はもうコロナ禍思うはまれとなり定点報告いまだ「0」無し/都道府県 新聞にて
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思い出す「さぞ重かろうお前さん」肩書を見る祖母のつぶやき
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この世には限りがあると諭されて今満開で咲き誇る
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寛解の医師は「患者の心境が分かったかも」としみじみ言えり
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阿保のまま 生き死にせよの定めなり 目出度くもなく赤飯を炊く
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花見へと一三八タワー駐車場どこもかしこも満車満車
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弱者かつ女ひとりの生活は堀埋められた城も同然
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毒親の歪んだ愛に育つ子は一生愛に不自由するんだ
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整頓の手を止め 近場にて花見 よどみぬ心をほぐす桜
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春雷しゅんらいが 二夜ふたや続けて 耳を刺す 花でる国 たまに泣く国
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