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ご時世に翻弄されし
亡母
(
はは
)
の
人生
(
みち
)
なにをおもいて語らずし逝った
23
利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る
木葉
(
こば
)
の環にまぎれたり
30
遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
7
人知れず流した涙は循環し山の湖水で星映すだろう
27
この想い 姿を見ぬと 伝えたい 姿を見ると 伝えられない
15
依存せず、期待をかけず、受けいりて
術
(
すべ
)
を覚えし
歳月
(
としつき
)
の果て
39
誰とでも仲良くなれる君の
瞳
(
め
)
がさみしがってる
理由
(
わけ
)
を教えて
42
生え癖を なんとかしろと 罵られ
D
N
A
から やり直せってか
/
親子
36
犬あびる「かわいい~」の声めぐりゆき「幸せ」きっと、そに還らん
33
列王に名を遺すてふみづからの榮代の後までいくさせむ
18
女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
30
ほうばったチョコマーブルが錠剤にみえて「最近だいじょぶそ?」
8
明日から 雨だと知れば 青空も 日差し富士山 より愛おしい
19
語らいをためらいをそして歳月を その手と共に重ねたかった
13
友夫婦
郷里
(
さと
)
の幸負い
亡夫
(
つま
)
墓前上京せしはありがたきかな
25
三人旅「ここに君なきこと寂し」竹馬の友の云ういとうれし
24
幼日
(
をさなび
)
を語り馴れ初めを語りて話しは尽きぬせせらぎの宿
29
繰り返し 貼って剥がせる シールです でも人生は 一度きりです。
14
縦長のきみとを繋ぐこの画面 無くてもわかるさ話し振りまで
15
砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
14
終わりまできっと読めない 世界から長い手紙をもらったけれど
16
隠された職人のわざ用の美に思考の奥行き今に息づく
37
ひこうきの澄んだ轟音そらあおぐ 青から白へこころは黄色
18
秋冷えに子どもと湯船につかりをり 父と数えし
十
(
とお
)
までのうた
21
目に涙浮かべて走る環状線 不意に流れたくるりのせいだ
10
夢であれ現実であれ
睡
(
ねむ
)
らせてくれるのならばどちらでもよい
9
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
49
初詣神様なんてそっちのけ今年の夢の話をしよう
8
昼下がり炊事に片付けお洗濯私はちょっとしたマエストロ
17
その昔 子らに問われし
E.T.
の
訳
(
やく
)
しかと答えた 得体の知れない友達
15
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