ノーアウト満塁からのサヨウナラ さらわれてゆく足音までも / ハム
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ふとすると かいた恥ばかり 思いだす ささやくように ほーれほれと
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なにごとも 神は細部に やどるらし すみに張りつく 髪の毛ながす
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だれもみな 命をかけて 生きている それはそうだわ 産まれてきたから / 夢路
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すみっコぐらしの アイコンが 雪になたよー さくて わからんかー / 菲菲
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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さんざめく 人ごみの中 一人きり 海のみえない 砂浜をゆく
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娑婆に棲む 百鬼夜行を バッサバサ 刃こぼれの数と やぶれた皮ふ / 自己免疫
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どこまでも 花はにあわぬ 母なれば 春に牡丹餅 秋にはお萩 / 母の日
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いそがしく 早苗を植える 水鏡 すきだきらいだ 何になろうか
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嫌いですもう無理なんです私には妻と母親、嫁と姑
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北国の 野は花ざかり 真っ白な 冬には真っ赤な ナナカマドの花 / おはよー。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
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水底みなぞこに しずむ勾玉 ひろいあげ 声持たぬまま 人魚の涙
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離婚して恋人も無く恋も無し種は枯れ地で芽吹く事なし
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夕闇に 季節動かす 気配がし 急ぎてけふを 振り返る夜
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ねこ母の てってはいつも 傷だらけ 愛の証だ ジェルがしみるよ
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親不在 不安な夜を タヌ猫と 寄り添い耐える じき夜が明ける
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入院の 手続き済ませ 帰りつき ふっと気を抜き 我が猫らを恋う
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校庭に 明るいきみどり色の筆   樹々を描いて 飛ぶ野良インコ
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緑萌ゆ 土の香立てる 雨上がり 万物すべて 天より来たる
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人の世は 無常の風が 吹き渡り 初夏の草木が 愛おしく見え
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ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
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子の家は 換気扇に すずめの巣 「巣立つまで待て」と いったばかり
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崩れたよ 壊れたんだよ だからもう この世界は私のものだよ
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あなただれ 娘です あらそうだった 笑えるうちに 笑えるうちに
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恋に似た、されど恋ではないはずの この感情をどこに置こうか
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人類が 飛び道具など 発明し 種族を守る 殺戮始まる
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棺工十三人のごろつきを指揮す 黙示は飾字の森 
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がたがたと軋みそめたる島嶼にて竹槍のごと揃ふミサイル
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つまらないおとなになったあの時のかえらぬ傷が疼くのだった
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