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エアコンの温風ならずフィルターを開けてビックリ埃の山で
21
野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
24
グラタンはホワイトソース作りから認知予防にせっせと料理
34
この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
28
渡り鳥 国境越えて 羽ばたきて 世界平和を 託してみたし
34
オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
43
寒太郎
(
(北風小僧の)
)
山を泣かせて 逃げてゆき 静かな
夜宙
(
よぞら
)
上弦の月
37
天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
45
仕事終え 空見上げれば まるい月 残業だけど 月が明るい
35
大根の 鋭利な旨味
一筋
(
ひとすじ
)
に 集めて
辛
(
から
)
し かいわれ大根
23
やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
52
最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても
/
立春の朝
47
ハクモクレン 寒さの先に 春を待つ つぼみ美し 花はまだ先
33
古希なのに若い伸びしろしかなくて「余命五十年」が口癖
27
母さんが千の風になってたら怒るだろうか鍋を磨けと
31
美しき清き臣民にメシアのごと宰相の攣れるほほゑみ
27
小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
35
瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき
服等
(
ふくら
)
37
咲き初めのしだれ梅にもぼたん雪つかの間だけの白き世界よ
35
桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
35
うまいこと言えても 生きるの上手くなく 歌で息つぎして また明日へ
51
終日を静かな雪を窓に見て春はどこまで来てるだろうか
36
スピードに乗れない吾を急かすなとゆっくり歩む日だまりの道
34
ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
62
婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
42
処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
18
黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
19
隠し
(
財布
)
より 出る遺品の メモ書きは 父に渡した 我の番号
41
涙鳥
(
るいちょう
)
の天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの
金星
(
きんせい
)
/コルティナ五輪
35
寒風を漕いで夜行く受験路に十五の春の蕾膨らむ
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