さよならと[贈答歌] 言うなよ我が背 ひさかたの[枕詞] 月また満ちて 日はまた昇る
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父になったらもう父さんは考(とう)さんに「死ぬまで生きる」口癖だった
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今日もまた静謐の時間をともにする凛々しい猫と支える人と
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花びらが雨に濡れると浮き上がる 傘は未だかと梅雨入りを待つ
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おやじの会 若いパパたち汗流す プールも完成 園庭は夏
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「シシャモのね おかおもたべたよ ほーらみて!」ちょっと自慢げ 笑顔の五歳
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やっぱりね雑巾にするのやめとこう 家族旅行の温泉タオル
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出来ぬこと徐々に増えてく歳になり「できた」が一つ 今日は良しとす
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ひと押しで不具合解決 洗濯機 私も欲しいなリセットボタン
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朝六時 いつもの親子「いってきまーす!」ランドセル二つ 元気に駆け行く
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孫が来る 退散するまで待っていよう 朝の掃除が夕方になる
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頭頂がちょっぴり薄くなってきた 言うのは止めとこ 夫の散髪
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回覧板しっかり握ってヨタヨタと 一才のキミ、何処にお届け?
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鼻つかみ 触って叩いて 一歳児 「どうぞお好きに」老犬寝そべる
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「かみのけもぬいていいのー?」五歳児は初めて一人でトウモロコシ剥く
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眠い目が 見開く心を 留まらせ 闇夜へいざなう まぶた合わせて
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街頭の ない畦道で 吾子と聴く 虫の知らす 秋はもうすぐ
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洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
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志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
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万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
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われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
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川底にキラリと光った小魚は流れに逆らい上へ上へと
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現世では ちょっぴりつらい みち歩く 宿命だよね なら仕方なし
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夏という季節が決壊した様な豪雨が僕を叩き続ける
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叶うなら かもめに伝言 託したし 私は元気と ただ一言を
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急ぎ旅なれどコスモス風に揺れ吾を迎える ふるさとは秋
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日替りの社食のデカい唐揚げが嬉しい三十二歳児の秋
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ものづくり琴線ふれる作品は平明にして気をてらわない
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山肌やまはだに 落葉布団ぶとんを 掛けし木々 裸になりて 雪衣ゆきごろも待つ
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帰り道 妙義みょうぎの山が しゅに映える 綺麗な夕焼 朱鷺とき色の空
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