北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
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新しいケリケリ猫に渡したら猫喜んで蹴りに蹴りけり
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燻炭を撒いて融雪促すも 新雪積もって元の木阿弥
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もの言はず追ひ越してゆく息子の背ほのと匂ひて犬見まはせり
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いちごやらミニトマトやらの商標™️は愛らしいのが流行りと見たり
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梅の花ミモザの花が如月の雨に濡れてる春呼ぶ雨に
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ふきのとう 摘みし 畔を歩みつつ 君が迎えを 小躍り待たむ
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防空頭巾爛れて千々に孔開きぬ蒙る儘焼かる火に
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殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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風吹けば 揺らぐ心は 今消えて 木の下君の 髪結ぶ花
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風が吹く風に吹かれるカーテンを透かす光はもう春の色
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僕たちは 晴れた空にも 気づかない 傘を探して 下を向くから
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春寒の氷雨に一輪椿咲く 風に揺れつつ白無垢の雛 (3/3)
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勝ち負けを越えて抱き合うライバルに雪光り満つ五輪を想ふ
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紅富士に寄りて映えるや十六夜の月に引かれて通院の朝 (3/5)
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青年にドア開けられてしずしずと五十五の我乙女となりぬ
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微笑めば微笑み返すレジ台にやっと届いた小さき子の指
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老いといふ証の爪のさざなみに 命の色の紅いマニキュア
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ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
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やっつける道が見えない 碁敵ごがたきは悪手を打った顔つきなれど
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親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
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頬流れ そこに揺れるの 花影と 名残る雪影 落ちる露音
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ミステリーを読みふけるきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
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これやこの 想像ラジオのジングルは行くも帰るも 別れては 知るも知らぬもあふ坂の関 /蝉丸✕いとうせいこう 10/100
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気になりて調べてみれば椿には多品種ありてちょっと驚き
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下手なりに 写経に臨む 我を見て 成長したなと 友が微笑む
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名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
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イスからの立ち上がり時に膝激痛 行くのためらう映画「スペシャルズ」/観たいけど(泣)
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