外交の都合に翻弄される熊猫クマ 日本恋しと鳴いてはおらぬか
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来世とか あるとしたらば 犬かネコ 木とか花とか クジラがいいな
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遠出して昔の赴任地通りなば 思ひ出手繰たぐりて多弁となるつま
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雪にさす 朝陽あさひの色は 生成り色 忘却の彼方かなた 竹を編む人
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悲しみの 雨にうつむき 泣いてては 空に昇った 虹に気づけぬ
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きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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いつもなら隠さず物言う賢人の言わぬ本音に優しさを見る
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カサついた くちびる見つめ 今夜だけ 映画のような 君を信じる
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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凶器にもなれる心をひらがなの「あい」に変えてく「飛翔」の時間
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退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
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「天使」だの「春」だの言ってる口すべて雪で塞いでしまいたい夜
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独り夜に 炬燵に入りて 口遊くちずさむ 涙を誘ふ「♪ かあさんの歌」
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デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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喧嘩して、仲直りして、ご飯食べ。家族という名の終わらない恋
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生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
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甘言に迷わされずに一票を思うが誰がなっても一緒
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頭痛さえラベルのように貼り替えて 悪友と飲むクラフトビール
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カサついた くちびるから出る 言の葉よ 日が変わるまで 止まないように
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雪の朝 通勤途中 黒鷺が 川に降り立ち 元気をもらう
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人の非を突き抜く刃巡りきて おのが非さえも貫かんとす
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桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
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奥さんと 冷戦中の 日曜に 空から雪の 仲介者
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昼の月 凍らせあおく 吹く風の ふくら雀の 胸毛返せり
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流麗な詩文のような女性ヒトがいて微かに香る花の色香が
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挑戦は多難な船出「信を得た」までまだ時間かかるねビール
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若人の「恋詩」読みて 過去想ふ 手のひら見つめ 溜息の午後
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坂道をのぼり終えつく溜息や流るる雲をしばし眺めん
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午前4時 うっすら見える オリオン座 冬の終わりも そう遠くない
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