一面に白き寂寞降り注ぐ庭にくれない差す寒椿
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屍の周りに花を添える手の数だけきっと愛されていた
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言葉とは土地にて育つものなのか「寒い」以外の言葉知りたい
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眠れずに記憶の海を漂ってこの人生もわるくはないと
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ひだまりで 夢見心地の きみを見て 伸ばしたい手を ぐっと堪える
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瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき服等ふくら
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水滴を 吸い付くように吸い尽くす ニトリのマイクロファイバークロス
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新しいケリケリ猫に渡したら猫喜んで蹴りに蹴りけり
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ふとふ 二文字ふたもじの中に 綺羅星きらぼしと 風と泉と 夜櫻よざくら
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燻炭を撒いて融雪促すも 新雪積もって元の木阿弥
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「一」を足したり引いたり繰り返すのが人生なんだろうな/釋愛翔様 ありがとう
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いちごやらミニトマトやらの商標™️は愛らしいのが流行りと見たり
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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キャンディの包み紙まで桜色 今日のチラシもどこもかしこも
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僕たちは 晴れた空にも 気づかない 傘を探して 下を向くから
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春寒の氷雨に一輪椿咲く 風に揺れつつ白無垢の雛 (3/3)
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勝ち負けを越えて抱き合うライバルに雪光り満つ五輪を想ふ
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寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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人殺す武器の輸出に耐え得ぬと矜持の道ゆく社長の光り (3/6)
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風のにひとの声聴き肩越しの白詰草に春告げる陽は
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青空へ白木蓮のつぼみ立ち再起の君へ春を祈りぬ
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ピンクから黄色に変わりし店先の居並ぶ花に頬ほころびぬ(再考)
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頬流れ そこに揺れるの 花影と 名残る雪影 落ちる露音
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春を編む文字の飛び込みはっとすは闇夜に詠みしやさしこころね
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スカートのゆらぎを気づかれないようにそっと心の窓を閉じてる
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虹の橋渡り切ったかタヌ猫ちゃん幻でよいたまに姿を
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震災後二年経つ日の「浄土ヶ浜」何事も無かったように波寄せ返す (記憶)
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原発にふるさと追われ民去りし荒野に芽吹く沈黙の郷 (3/11)
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蔦の這うひかりに鏡うもれいる うちに眠れる人おだやかに
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くしゃみして春こじ開ける君とぼく その断面を分けあうルタオ
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