埋め方がわからないから散らかしたままで寝ている 部屋も心も
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朝出会ふおうな畑の草を抜く丸き背中は土慈しみ
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遠くから夫を見つけて愛想するゴロンゴロンと甥の飼い犬
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やみくもに剪定をせし紫陽花は今年も小さき花芽膨らます
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歯科医へとリハビリ兼ねて歩き行く汗ばむ肌に心地いい風
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風さやか若葉きらめく遊歩道わきの畑にエンドウの花
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馴染めずにはみ出していく人生のそのどこまでが個性だったか
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庭隅の日当たり悪い紫陽花もやっとピンクに染まる水無月
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畑仕事梅干しづくり味噌づくり君逝きてよりせぬこと増えて
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暑くとも日射しが欲しや今日の日は干し物揺らす少しの風と
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白き月 まだ消え残る 暑い朝 雀鳴きおり 何をか伝えむ
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早朝の 無心になれる 草むしり 百合のつぼみも 咲く時を待つ
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反戦を唱うる口で菓子を食み文字だけ拾う平和の国で
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真っ直ぐに行かば正解知りつつも右に行きたき たまにそんな日
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鉢植えのブルーベリーの紫が濃くなりてら鳥の如食む
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赤き花見覚えあると思いつつ つぶら実生りて柘榴と気づく
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足早に人の行き交ふ地下街に世代巡るを今更に知る
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八十路なり亡姑はは 患いし認知症 脳トレに我短歌うた楽しみて
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洗濯物干して何気に目をやれば雑な性格ぶら下がりをり
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この星の裏では餓へる人をりて平和の国は大喰い競ふ
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相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
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「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
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自分から 誘ってみるの 夏祭り 意思と帯紐 固く結んで
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君の身に絶えず降れよ幸せが流星群のように静かに
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課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机がひやくて 気持ち良いのだ
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あらかじめ 己の自尊心プライド 捨てとけば 何をされても 傷つかなかった
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てくてくと 歩くカラスの 一匹に ちいさな影が ついて来ている
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憂鬱が 肺の底から 押し寄せる。 苦しくなって ため息を吐く。
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自転車を 漕ぎつつひっそり 息を止む 右前方に ごみ収集車
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尊いなぁ… こんなに小さな 生命が 手のひらの上 呼吸している
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