君の名は世界で1番美しい 毎夜見つめて眠りに落ちる
32
思い出の彼はとてもやさしくて あれがいいの、今の君じゃなく
10
明るさに気づいてみれば窓の外寝ぼけた色の月が沈んだ
16
いちいちいろいろいうと大変な目にあうからと黙ってしまう
17
大輪の芙蓉ふようが開花 真っ青な空にあいさつ ああ夏本番
43
夕焼け空 精霊とんぼの群れ遊び 亡き母重ね お帰りと云う
21
単三の電池2本で旅をした僕たち、今はどこへも行ける
9
暑い夏あの日も今も去って行く 私は今も待っているのに
12
いつだって通知も瞳も見続ける ずっとずっと待っているから
8
障害者手帳の相談したあとにオーロラグレーのマニキュアを買う
15
長生きをしないつもりで生きてても千百円の指輪に迷う
10
いつの間に 頼もしい父 年取って こんなに白髪 多かったっけ、
12
白旗をあげたからもう今日のよき日に寝っ転がってなんにもしない
7
美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
13
目が覚めりゃ そむけたくなる 日々ばかり 押し寄せてきて 今日も二度寝し
9
相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
10
それぞれが試練抱えて過ごす夜を慮りおもんぱかて安けきと祈る
20
「確かに」を使いすぎたらそのうちにカニになるって ジャンケン弱そ
8
湯上りの蛍光灯のちかちかよひぐらしのねのきえゆくことよ
8
なれないと知っていたけど将来の夢の欄にはメタモルフォーゼ
7
アンガーをマネージメントしていても あなたの気持ちは そのままでいい
45
こんなことばかりしている コップのふちで昨日の私と分け合うリップ
10
庭の端 茗荷がたんととれました 酢漬けにしよか 味噌で漬けよか
29
普通ってどんな親なの言ってみろ 一人立ちせぬ娘二人
11
車窓から嬉しそに手を振る人の 先にも手があり それを見ていた
10
濡れた髪からシャンプーが香りたつようになんだか大人びた杉
10
文字だけで争うなかにまことがあって同じ痛みをちがうことばで
6
事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
33
立秋すぎて朝な夕なのすがしさに暦に倣う地球ほしに安堵す
20
戦後っ子貧しき日々もありたれど平和の国に生きる幸運
24