塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
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ねこ母へ お悔やみ申し上げまする タヌ猫さんへ冥福あれと
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もう行けぬ老いらくの恋は実らない蕾のうちに摘花されてく
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親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
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さんとくジャガイモを 植へたがる母 拒む我 遅霜おそじも逆算 植へるは彼岸
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往き方は調べたけれど間に合わず 疾うに葬儀が始まる刻や
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ミステリーを読みふけるきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
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これやこの 想像ラジオのジングルは行くも帰るも 別れては 知るも知らぬもあふ坂の関 /蝉丸✕いとうせいこう 10/100
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下手なりに 写経に臨む 我を見て 成長したなと 友が微笑む
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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間違いは笑いとばして知らぬ顔シナプソロジー声弾ませて
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紫の 星のかけらの 散りたるが 朝日を得れば すみれと咲けり
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アスファルトの窪みに春を溜めておく 星の数だけ路面、光るよ
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塀のうち熱に沸き立つWBC格差に沈む倭国の夕日
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お互いに 相思相愛 知りながら 無意味に帰る 別々のドア
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降車せし親子 ホームに無邪気なる歌声聴こゆ トトロの『さんぽ』
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ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
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巣作りの 支度をしおり 烏たち クチバシだけで 器用に運ぶ
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ゆく人のうつつに惑う子らの声にぎやかなりや春の波立つ
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虹の橋渡り切ったかタヌ猫ちゃん幻でよいたまに姿を
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買い置きと昭和な暮らし役に立ち助けられたを教訓として/東日本大震災から15
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うらやまし 仲良き父子の その中に 吾の入る隙間なきWBC観戦
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眼前に絶望の大海うみ広がりぬ 苦しい夜は明けると知らずに
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羽ばたけば抱きしめてくれるやさしさを 掴んで壊してしまう君たち
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廻りくる3.11原発を逃れしY子はどうしていよう
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下向いて片手袋を探す海わたの原 八十島かけて 漕き出でぬと 人には告げよ あまのつりぶね /参議篁 11/100
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花粉はるの日々 籠り居らずに歩けよと 空の青さが奮い立たせる
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欄干(おばしま)の 端より端へ 駆け抜けて 大松明を 闇に掲げぬ /二月堂修二会大松明三月十日
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玉の緒の 果無はかなきことを 忘れゆく  身を置く処 満ち足ればこそ
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15年 地獄で暮らす人がいる 上書きをして こんな傷など
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