大丈夫サンタのいない子供たち僕もこうして何とか生きてる
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トランプにハラスメントのカードなし僕の手札に切り札がない
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雨後の夜半よわ 雲を払ひし温風ぬるかぜに当たり 星影望む ベランダ
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風の音で目覚めた朝は手を伸ばし毛布のなかに春を連れ込む
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ハナミズキ 晴天の下 花開く 白やピンクに 空を染め上げ
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春鬱はるうつ頓服くすりねむりにちてゆくそれでも まねばみずかとむら
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青春のあわきを知らず老いという深き静寂に独り入りゆく
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あしひきの山切れるところ古屋連なり 日入る海に雪崩れん如し
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むさぼった ハッピーエンドの 動画たち ずいぶん手軽な 快楽ですこと
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いつの間に始まっていていつの間に「老い」と呼ぶ日へ続く日曜
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レコードにフィルムカメラに拘りのオジンはスマホ音痴やっぱり
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日曜の 公園にぎわう 家族連れ 弾む声聞き  平和よ永遠とわにと
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昆布こぶかせシャキシャキセロリ浅漬けに 夫の「美味い!」にドヤ顔返し
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隠蔽を見て見ぬふりの日本人 陰口コソコソ報告しようよ
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パソコン台百均縛りで作りぬく使い心地は明日試そう
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添い寝する我の傍らにじり寄り片手を預け愛猫は去る
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土瀝青アスファルトの片隅 さき名も知らぬ白き草花 健気に咲く春
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「コメ黒」の コーヒーの香を 嗅がせけり お目々ぱっちり 木彫りミミズク /コメダ珈琲北大路店「コメ黒」
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何処ゐづこから散りぬ桜花おうかの振り積もる路肩 見上ぐれば葉桜そよ
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一年の 悲喜こもごもを 知りもせず 昨日のごとく 燕が戻る
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道端に放り出されてたヘルメット拾って見たら実が詰まってた
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まだ力む 背中をかすめ ひらりひら 頑張れと言わぬ 桜のエール
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春風に 誘われペダル 踏むわれは ひとり追い越し ふたり追い越し
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本当の恋に別れを告げた後 月が初めて満ち欠けをする
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待つ君の背中に滲む「さよなら」に花の香りを添えて返そう
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目覚めたら 夢だったとか 無きにしも 非ずなんて ある訳もなく
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スズランと ドウダンの白き鈴なりが 我に教えし 群れという
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仕留めたる 鼠をくわえ 見せにくる 健気な猫と 共にありし日
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品性を 損なう歌を 読まぬ君 一粒胤の 御子の居るらし
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月も無き闇夜にひとつ声ぞする寝言云ふらし人めくうぐいす
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