君の手が蛍をそっと包んでる世界で一番優しい灯り
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揺れそよぐすすき穂とまる赤とんぼ飛べ空よりもまだ空の上
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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紙芝居 ぼんたん飴と 散歩道 あの日から来た 今日のやさしさ
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シンデレラの靴みたいな救いが欲しい 合わないヒールで踏みしめる帰途
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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ただ会って話して食べてまた話す また会う日まで生きるとしよう
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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貧困は望まないこと清貧は自らのこと律すると見る
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魂を悪魔に売れば21グラム痩せられるという噂
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無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
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眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
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大切な 人をなくした 短歌うた詠めば そっと静かに 「いいね」は増えて
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彩りが 消えて寂しい畑には 揺れて咲く花 菊芋きくいもの花
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母という海を超えゆきいつか知れ人しか人を刺さぬということ
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新米のとぎ汁 植木鉢に撒く いただきますの似合う夕方
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言葉では つい言い過ぎてしまうから  秋色の葉を 貼ってポストへ
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あなたには 長生きをしてほしいから ポテチは私が食べてあげます
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何度でもあなたの母になるだろう違った星で生きたとしても
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アスファルト 押し上げ根っこが背のびして 立って春待つ 桜の並木
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ごつごつの桑の根っこに まばらの芽吹き 緑の生長 いのちたくまし
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シャリッと鳴る苺大福噛み締めて驚くほどの空の高さよ
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久々にぐっすり眠れた日曜日窓開け放ちヨガでスタート
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川の辺でトランペットを吹く学生 澄んだ音色が空に溶け込む
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脳のシワ増やすと良いと言うけれど増えて行くのは顔のシワだけ
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眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
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ひと言の「ありがとう」に励まされ さあ、拾うぞ明日もゴミを
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ビワの木は挿し木してから二十年 今年もたわわに大きな実を付け
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アンジェラという名の薔薇を挿木する未来が少し明るくなりぬ
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食事終え今日はゆっくり茶が飲める ちょっと雑だが息子が皿洗う
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