金もない いや時もない 誰ぞある 時空の中の 綿菓子のよう
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AIに 知育の素を 与えたる 検索ボタンは ビーフステーキ?
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美しき あな美しき 君なれど 触れる事なし 吾は日没に
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降り積もる白の底が重くて重くて積もる積もる積もる積もる
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ぼくたちは一本道を突きすすむ令和時代にもう「もし」はない
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ぼくたちは悲しきASIAN BOYかな ほら、女神さま銃を構えて
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きれい事ばかりを聴いて日はのぼり轢死者みたいな残雪をふむ
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テレビにて 氷上を舞う スケーター 我道ズルズル てんてこと舞う
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「抱き」枕夢の回廊たゆたえば「おんぶ」枕にひと休みして
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仇討ちゲスに萎えちゃうB級感 悪にも気高き野望を求め
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私たち大口を叩いてようね青年という生き物だから
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電車内 揺れにしたがいシンクロす 朝に 眠い おじさんおばさん
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夕焼けの沁みた空気の手触りと色と香りは時間を止める
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追憶の君は幼さ残ってるまた同じ星を数えられたら
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同クラは出ない 水泳決勝戦 大歓声に プールが割れる
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十五の夜 隣で眠る横顔の奥に 私と同級の母
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僕たちは 毎日せっせと 食べる 食べる 今日もせっせと 薪を、焚べる
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おれ人間向いてないやバッタとか良いんじゃないのとどこぞの二人
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長いこと生きてる気がする 僕だけど。ばあちゃんと並び月を見ていた
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白鷺は細きあしして草を分けひょろ首伸ばし川面覗きぬ
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湯の川を揃ってゆったり魚たち群がるところが湯の湧くところ
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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茜雲あすも良き日になりそうな迫り来るなり燃ゆる黄昏
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大病をせし弟よや健やかに暮らしておるか案じて祈る
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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珍しく口から感謝飲んでいる珈琲豆よ育てた人よ
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柿の葉をかき集めては思い出すみなで集いて落ち葉焚きし日
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寒月のうら寂しげのそのままに今年はいかに凍てつく冬か
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檜葉ひばの木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
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アマリリスと見紛うほど大輪に咲きし花瓶の百合は微笑む
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