原爆展ゆ貴族社會の仔等出でて哂ふも直ぐ襤褸となりぬ
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英雄の惨殺オイル垂らしころしかたなど教へてやりし は
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徴兵遁れられず若き丈累々と希望の旗のもとに殺さる
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嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
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木蓮はキャンパスの如き青空に真白き絵の具で描く早春
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クッションに頭乗せ 毛布を被り 飼い主の寝姿のよな犬
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春のにホコリも跳ねて舞い踊り ぱっとこよみに書く「オオソウジ」
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今国を 救えるのは誰なのか 勇者たちは 待っている 自分の力使わずにして
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TICトランプの「最大の賭け」のチップには僕らの明日もベットされてる
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歌をもて 我を殴るも 諌めるも 知りてなお堕つ 我が影の常
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大丈夫 ただあなたから 聞きたくて いつも押せない 緑のボタン
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夢現 冬の想い香 燻って のぼる煙に 君をみる
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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
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あと5キロ痩せて綺麗に春までに! 決意ゆるがす菓子の誘惑
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嫁、娘、母の三役こなしつつ、守るつもりが守られる日々
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次々と美しい歌詠む歌人 その感性にふれてみたくて
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物陰の沈丁花憐れむにあたらず その香りの主張 我と違いたがて               
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呑み込んでしまいたい香りの壺 あのひと わたしに気づくかしら
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春陽しゅんよう抱擁ほうように酔う 様にして 揚々ようよう 今日は 何をしようか
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まどろみの中で便覧開けてみる 耳に行行子、頬にはひかり
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銭湯の帰りに覗く玩具屋に子の笑顔置き 四十年よそとせの前
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穏やかな 春風吹けばいそいそと 農具並べて「いざ出陣」かな
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一夜寝かせ コクと甘みと旨み増し 夕餉ゆうげ舌鼓したつづみ打つカレー
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術前の不安抱えて検査待ち  短歌ひねりが こころを静め
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月影の蒼きひかりに君ゆらぎ指先まどう 春は彷徨ひ
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やることがあれやこれやと多すぎてまだ朝食にたどりつけない
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気を揉んだ 朝食抜きの検査終え 帰宅と同時に冷蔵庫開け
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階段を一個飛ばしでいく春の初出勤のをのこの背中
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冬茜 くれない燃える 筋雲や 消えゆくあとに 冬銀河
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負けて生く丸く収まる片言の花が咲いたらハッピーだから
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