悔いばかり蘇りきて寝付けずに夜の静寂に雨音を聞く
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たましい と いう名の核持つ 単細胞 そう見えるかな 空からの雪
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またですか?(笑)言いたげに言う「コロナです」 サディスティックな医師の微笑み
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そばにいてほしい時ほどさみしさに強くなってくわたし演じる
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秋風に秋明菊の細き身の白花ゆれて散り行く夕べ
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宰相の本音ポロリに弁解も軍靴のをまどろみに聞く
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頼もしやこの冬初のマフラーは のどむね温め汗ばむほどに
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歩けばこそ見ゆるものあり秋の野に知らぬ花の実紅く熟して
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厭な予感のどがイガイガしてきたぞ これは違うと自分に説明
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枯葉舞い いよいよヒーター 点火して 冬が始まる 霜月の晩
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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薔薇のトゲプチッと取ってツバつけて 鼻の頭に可愛いピノキオ
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嬉しさに 笑顔があふれ 悲しみに 涙 流せる そんな人が
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冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
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実家ではやかんで10分かけていた湯たんぽづくりケトルで2
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綿棒を鼻の奥まで差し込まる あの検査が厭で医者には行けぬ
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天海の冥色めいしょくまとい鬼気ひそみ背に打ち寄せる波の慟哭
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綿棒の検査を受けて結果待ち 「はずれ」を願う妙な籤引き
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「じれったい」安全地帯の曲を聴く コロナの症状一進一退
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晴れ渡る 母の生まれし 日に思ふ 空襲逃れ 生き延び『ツナグ』
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私から旅立ち誰かの物になれ集めて生やしヘアドネーション
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嫌いだよ好きでもあるよ人なんて完全無欠は息もできない
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山の湯で近くに熊が出たと聞く 湯船に溶けし凝りが戻りぬ
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ベタベタと嫌な思い出 手に付いたガムシロならば拭えるものを
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インフルやコロナでなくとも風邪は風邪 微熱こらえて営業回り
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死んだなら何が出来るか知りたくて試しに死んでも戻れませんよ
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雪遊び手足の凍る帰り道母待つ家のありしあの日々
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奮発しピザを取ったがその味が塩分過多で吐きそうになり/味覚障害?
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秋風が思い出ばかり連れてきて私の心とばされそうだ
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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