そんなのに誓ってないで神様は君なんだから私を救え。
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インクとかこんな時代に滲ませて間違えすぎた手紙と涙。
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病棟の 父への葉書に歌一首 余白で伝わるものの多かれ
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娘から「これから行くね!」突然に 今日の予定は「孫」に変更
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後追いの一歳児連れてフラダンス ママの背中はゆりかごになり
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プレゼント箱を開けるとまた箱が 最後の箱には指輪がひとつ\思い出①
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「こわれもの」小包届く海越えて 現れたのは ふわふわコアラ\思い出②
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丁寧に紙とテープで修理する 夫と半生歩んだ聖書
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葉も枝も切られてしまって丸坊主 桜の樹々は寒そうに立つ
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この国に欠けているもの教育ね 年々増えゆく朝拾うゴミ
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ひと言の「ありがとう」に励まされ さあ、拾うぞ明日もゴミを
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ああ今日も桜が一本伐られゆく 痛い痛いと泣いてるようで
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下校する二人の児童歌いつつ 素敵なハモりに思わず拍手
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ビワの木は挿し木してから二十年 今年もたわわに大きな実を付け
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故郷に今年も咲いた亡き祖父の自慢の深紅の霧島ツツジ
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ビルケナウにガザの髪触れ合ひ混じり死の後も死者なりき兄妹
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一年間背比べしてたサボテンが造花であった、そんな夏です。
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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通勤の改札出れば天気雨 夏の終わりの香りが満ちて
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子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
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いつだってぼくらはきっと若すぎる 上手くできないことばっかりで
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純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
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六十年ともに過ごした古ラジオ 時代・時代の歌を聴くとも
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新しい街の生活 少しだけバカンスのよに一週が過ぐ
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丁寧な暮らし生き方憧れる せめて歌はと丁寧に詠む
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無花果いちじくのほのかに甘い風香る 無花果の木の小さな木陰
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晴れ着着た さき手を取り 踏む砂利は 人生時計 秒針の音
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遺された 毛糸で膝掛け 編む夜は 胸に去来す あの日の笑顔
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ハッとする店の鏡に映る我 何時からだろう見て見ぬふりは
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寡黙な息子居間でくつろぐ大晦日 久しぶりの家族のひととき
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