巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
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命日に記憶は巡る幼き日父が削った鉛筆並べ
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やっぱりねアナログがいい アルバムを開けばそこに家族の笑顔
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せわしさにコーンフレークを掻き込んで春居丈高いたけだかに来たりと思う
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さみどりが うなづく川辺 伸びしろが 少ないなりに 肯定されて
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水の田に 光りの道が あらわれて 太古の景色 穢すことなく
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杖をつき 前行く老人 カートには 花束一つ ゆっくり揺れる
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大の字に寝っ転がって昼寝する 風鈴チリーン 涼風運ぶ
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永久戰犯數長らへる政権の中枢一家に災禍はあら ず
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朝イチの美しき声はキミだった! ひょいと現る小さなコオロギ
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すくわれて向こうに行けと流される小魚になり途方に暮れる
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シャリシャリと月の形の梨を喰む夜暗がりに小さく泣いて
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の岸も の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
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国会のテレビ中継見入りつつ行方を案ずまつりごとかな
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笑いつつ 手を取り走れば 粉雪が なれが睫毛に 我の睫毛に
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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アマリリスと見紛うほど大輪に咲きし花瓶の百合は微笑む
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頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
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親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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白い壁白い布団でみる夢は退院したら髪を染めよう
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針の目を たどるがごとく 街路樹の 背高ノッポの コニファーの列
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もう少しあと少しだけ光ってて 今年最後の夕日が沈む
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初茜はつあかね 詠みたいところ やはりグレー あまける馬 まなうらにあり / 元旦
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あさまだき夜と朝との境目でまどろむ時間わたしの時間
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寒い朝父の寝床は天国で煙草の匂いきらいじゃなかった
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幼らは今日も哭いてるあのまちで世界は何もできないままで
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昇っては沈みあしたもまた昇るお日さま私がんばれるかな?
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蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
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好きなこと、 なりたいものを 笑われて 何がしたいか 分からなくなった今
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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