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言の葉の棘が刺さって抜けません 咲くのを待たずに腐りゆく心
11
戻りたい 戻りたくない あの日々を抱きしめて生きる普遍パラドックス
11
手頃ならなんでもいいと貪って虚しくなっては失う輝き
10
さなぎでも愛してくれた君だから空へ行けるよわたしの羽で
13
物体に宿る記憶に絆されて 季節を幾度見逃しただろう
11
もう一度
堕落
(
きせき
)
は起きるよふたりなら アダムとイブの末裔だからネ
10
宵っぱりのクォーターライフクライシス わたしはわたしと崇める朝日
6
甲斐性と認めるほどに不甲斐ない鏡に映るあの日のふたり
6
大合唱 玄関開ければコオロギが 秋も近しか猛暑日の夜
33
丁寧に終わりを描きだす絵筆 いつか滲んでも美しいままで
8
矛盾にも居場所と愛があるように 分かり合えないあなたと生きたい
13
秋麗ら 母の写真と 話す日の 多くなりけり 彼岸花萌ゆ
23
久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
60
エスケイプ 言葉が刺さる俗世から ちいさい秋の
灯火
(
とも
)
をさがして
10
死にはしない 生きているから辛いのに 的外れだと言えずに飲み込む
10
秋の陽の 背を暖める縁側の 虫の音は止みて 独り栗食む
28
哀しきは 飛び立つ鳥の
羽
(
は
)
の音よ 暗き小部屋の窓に立つ我
30
花が落ち 土の中で実が生まれるように 潜んでいたいの旬がくるまで
12
愛おしい寝顔を見つめて宵っぱり 夢を見るのも惜しいほどの
時間
(
とき
)
14
君の寝顔はこの世の哀も知らぬよう このまま目覚めぬほうが幸せ?
9
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の 部屋の何処に 鳴き居るか
去年
(
こぞ
)
より声は 冴えて哀しき
31
紅葉
(
こうよう
)
は 赤き金魚の形して
碧空
(
あおぞら
)
の池で 泳ぎ舞い散る
34
淹れたての コーヒーの香りは 時を止め 秋空の雲を しばし見送る
24
哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
49
君想い 長く伸ばした 後ろ髪 引かれてどうも 断てないのです
32
朝ごはん 富士山望むリビングに ちょっと優雅な気分に浸りて
49
黒豆の
漆
(
うるし
)
の如き
艶
(
つや
)
を見て 口にせずとも うまいとわかる
25
昨日
(
さくじつ
)
の
白花蝋梅
(
しろばなろうばい
)
思い出し
生成
(
きな
)
りのシャツに 袖通す今日
21
寒中は 生きていること 思い出す 凍えた両手 包む両手に
19
鬼は外 多様性の この時代 鬼も内にと なる日も近し
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