Utakata
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風はもう冷たく 君も もう遠く また一つ散る 木の葉 言の葉
14
紛争のガザの地区では停戦と 始めるは大人幼児ら犠牲
8
湯の川を揃ってゆったり魚たち群がるところが湯の湧くところ
21
気付いたら視線は自然と斜め前 あなたを見ぬようドリルに耽る
8
誕生日も血液型も知らない 占える手段は名前だけ
11
天気予報に嘘つかれ 夏の名残を薄手のセーターで迎える
13
傘の中滲む視界に出た弱音雨は優しくかき消してゆく
24
クレープが焼けぬようにと願うのは まだ二人帰りたくないから
15
半袖で 風を切るのは 終いかな いまだ30℃ 近くてバグる
15
気にするな って言わない人のやさしさに 育ててもらった 歌詠む 気持ち
51
咳をして 皿を洗って片付けて お風呂をためて 泣いても 一人
24
ひとひらの落ちた銀杏が集まって アスファルトに黄色のおめかし
10
在庫過多 安さに負けて 買い足した 大根をまず ふろふきにして
18
利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る
木葉
(
こば
)
の環にまぎれたり
31
椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
52
いつかまた明るい
短歌
(
うた
)
を詠みたいな 秋空のよな澄んだ心で
39
嵐吹く 私の中の海もまた 光のどけき 日を 願いつつ
60
卵黄を使うレシピに紐づけるシフォンケーキのつくりかた 秋
21
ドジャースの長引く試合めくるめく雪・雨・霙 由伸の男気
23
好きだったはずの秋を愛せない今あなたが隣に居ないから
13
九十年 重ねてもなお 溌剌と 自立素晴らし 理想の姿
16
偶然に 信号待ちで ふれあって 交わす挨拶 「良い一日を」
20
砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
15
切り花のコスパ日割りで考えるそんな僕にも秋のひだまり
43
雪虫と 風吹く街は 碁盤の目 故郷の友と 歩く裏路地
14
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
52
この世をば我が世とぞ言わむ
顔
(
かんばせ
)
で 昼寝決め込む小さき犬よ /本日の愛犬
27
室内の 静寂やぶり 加湿器の 水飲む音が コポコポ響く
22
まったりと 猫と留守番
金曜日
(
フライデー
)
あえて音なき 部屋でUtakata
23
足音を まるで忍ばず タカタカと 物申したく 吾探す猫
24
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