長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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ああ今日も桜が一本伐られゆく 痛い痛いと泣いてるようで
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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音も無く陽炎かげろうゆれる濃い桃の百日紅さるすべり咲く 誰も居ぬ午後
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平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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「あたしたちのイエスさまが変になっちゃったのよう」魚眼レンズ直視
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純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
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朝夕に飯を求める野良猫のために生きてる健康的に
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葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
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月という隣人がおりその人はそっけないけど美しい人
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Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
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どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
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歩きつかれ 夢中に寄りそう 人のいて 無理きかぬ脚と そっとなで説く
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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雪景色 から車にて 参時間 つち黒ぐろと オホーツクの丘
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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透過した 下弦の月が はらはらと 風花をよぶ もはや根雪と
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湯けむりは 増幅させる 泣き笑い いまだに生きる 意味など探し
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エレジーを嫌う作曲家でいたいALSの妻は作詞家
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人生のきっかけスマホ音痴だが撮りまくったらあゝラブレター
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頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
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魂の 重さでおちる 地球まで 青い空から ふわふわ淡雪
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陽春の 光りが照らす 雪野原 きらり一粒 遠くの六花りっか
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玉響たまゆらの雨が今宵を包み込む眠れる僕も眠れぬ君も
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幼子を膝に抱えて朝ごはん温もり愛し冬はつとめて
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人知れず春の種蒔く人のよに雨はそぼ降る日の出の前に
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星冴えて 雪のあかりが ほの照らす 遠ざけてきた さきぬくもり
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