卒業の子と入学の子の在れば涙の親はスイートピーかな
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逢う日まであなたの告げた「待ってね」を我胸べりの小鉢へ育て
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「いよいよ」と思う頃には有料のチケット買うのか…サブスクの罠
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思い出の湯けむりの町一人ゆくあなたとわたし分子になれず
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二千年戯れ過ぎた洋神のその救済に和の八百万
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孫出るか…半年先のイベントの予約サイトへキーボード打つ
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ははそはの母の湯湯婆ゆたんぽしまはれて一万日の日はめくらるる
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桜舞ふ バスを待つあゐだに 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
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一夜漬け叶わぬゴルフスウィングのYoutubeなど彷徨いており
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キミ想い清明の空見上げをり新たな年も共に生きたい/卯月六日
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戯れに 答え求めて 幾世紀 今で云うなら 学者馬鹿?
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誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
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さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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深夜2時、突然バーバーマイセルフ髪切り虫が疼く季節で
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切れ目なく言葉を紡ぐすべもなくうわごとだけを並べては泣く
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火曜日であることを確かめるよう 二カ月続く妻の通院
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春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
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脱いで入れまた脱いで入れ素裸になって洗濯する心地よさ
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雨雲の浮かべる影をぼんやりと眺める日々の時は穏やか
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冴え返る 花の盛りを 家籠もり 眦拭ふ 君が四七日(よなぬか) /挽歌
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自治体の 長(おさ)の醜聞 亡き人も 柩の蓋を 開けて見まさむ
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「束の間の~」 歌の腰の句の 「松抱けど」 朧に霞み 頭(かしら)疼(ひひら)ぐ /「花の音」御許
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今日もまたお年寄りが業スーに吸い込まれていくこの物価高
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そもそもない疲れまで癒えそうここは茅ヶ崎竜泉寺の湯
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その人の語ることには想ひ出を手放すにはまず深いものから
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欲しいものリストを打ちこむ ただひとり ポテチ、スイッチ、あとそれと君
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東京はなにもなくてなんでもある 白い桜と枯れた空とか
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夢破れ 散った桜と 反撃の 狼煙を揚げ損なったメビウス
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貴方への想いは確かに愛だった、恋と見紛い壊れた友愛
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