30歳 顔を洗っても 30
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積もっても すぐ飛ばされて ゆくような きみの心は パウダースノウ
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夫が遺したちいさな菜園 何植えようか 春を待ちつつ思うも楽し
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雪空に あなたと二人 肩寄せ合い 幻想的ねと 微笑んでみる
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辛そうに 云いきる君を 感じみて 気付いているのに 気付かぬ振りを
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「憎い。マジ」豆でアパート追い出され2月3日はカプセルホテル記念日 /俵万智
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一人立つ景色を見つつ少しだけ 置いて離れた地を懐かしむ
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うれしきはイチナナパー(17800円)でパソコンを手に入れしこと。中古なれども
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現代の 経済格差 表出す オリンピックは 差別の祭典
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作っては比べて作りまた比べ 好きで終われぬ 終わらぬ創作
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ビジネスの顔で棒読み本当はあの時みたく笑い合いたい
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花ひとつ新芽に咲けるサボテンの 人の痛みに寄り添わむとか
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私たち大口を叩いてようね青年という生き物だから
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電車内 揺れにしたがいシンクロす 朝に 眠い おじさんおばさん
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夕焼けの沁みた空気の手触りと色と香りは時間を止める
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追憶の君は幼さ残ってるまた同じ星を数えられたら
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同クラは出ない 水泳決勝戦 大歓声に プールが割れる
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十五の夜 隣で眠る横顔の奥に 私と同級の母
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僕たちは 毎日せっせと 食べる 食べる 今日もせっせと 薪を、焚べる
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おれ人間向いてないやバッタとか良いんじゃないのとどこぞの二人
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長いこと生きてる気がする 僕だけど。ばあちゃんと並び月を見ていた
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白鷺は細きあしして草を分けひょろ首伸ばし川面覗きぬ
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湯の川を揃ってゆったり魚たち群がるところが湯の湧くところ
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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珍しく口から感謝飲んでいる珈琲豆よ育てた人よ
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柿の葉をかき集めては思い出すみなで集いて落ち葉焚きし日
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寒月のうら寂しげのそのままに今年はいかに凍てつく冬か
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アマリリスと見紛うほど大輪に咲きし花瓶の百合は微笑む
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歌で知る 歌しか知らぬ あの人も 良い一年で ありますように
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蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
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