「おめでとう」 乾杯の声 高らかに 吾を母にせし 子と酌む地酒
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暖かく 陽だまりのごとき 母の部屋 うつらうたた寝 亡き母の夢
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「ですね」から 「だよね」になった 瞬間も 気付かないふり 気付かれぬよう
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山城が 静寂の中 雪化粧 水鳥が飛び 墨絵の世界に
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あどけなきさくら草にも雪のふる 立春越えに桃色ふるえ
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桜雨 涙隠して 背を向ける 愛だと信じ 手を離した今日
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やんだならいつもの道を見に行こう池を梅の木を雪の景色を
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もう一度 結婚したら 良い妻となる自信あり  それでよいか君
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軍拡と改憲の影煙らせて岐路を告げずに印象選挙
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投票所 通常業務 並行し 来客多し 息つく暇なし
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人の非を突き抜く刃巡りきて おのが非さえも貫かんとす
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「ただいま」と猫耳に触れ水洗の僕の心に灯がともる五時
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耳たぶの冷たさをなで身をすくむ 君乗るバスを待つ停留所
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いつの日かウイルスみたいな言霊で人の悪意を浄化したいよ
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「おはよう」と 家族に放つ陽だまりが 積もった雪を ひとさじ溶かす
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コンビニで朝刊を買う 天声人語に頷きながら この国想う
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笑えない厳しい結果乾杯をして挑んが明日も涙
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道凍り 実家の母は ゴミ捨てに 行けず諦め 杖が危ない
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雪国の春雪原せつげんの凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
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黙々と 歩く姿は 徘徊か エキササイズか  ほくそ微笑む我
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風邪をひく 学校休む 熱を出す 君からLINE 上がってく熱
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積雪の重みに耐へづこうべ垂る バス停わきの花壇の水仙
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日の本はメルカトル図に表わせばそこそこでかい地球儀見てみ
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「斬新」を夢みる僕はスキマ風 流浪のニッチは斬って斬られて
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夜も更けて帰宅の電車  散らかるのは 部屋だけだったら良いとか思う
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バス停で肩にツバ吐く男あり「何か用かな?」笑みで投げかけ
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インスタで集まり笑うストーリー 私だけ一人?深夜二時
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YouTubeデビュー先日しましたとスマホ音痴のしつこいメール
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我忘れ 学びしうちに 我のこと 良しも悪しもぞ ましておぼゆる
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我思ひ 学びしたびに かえりみつ さながら深く 煎りし茶葉かな
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