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ドアが開き目の前に見えるエレベーター 今日は乗ろうか私はシニア
14
短歌
(
うた
)
を読み思い起こすは故郷の一家総出の田植えの五月
17
カーネーション長持ちさせるって難しい 日に当て水やり大事な花たち
14
スピードに今さら驚く遠い国旅する息子と瞬時のやりとり
14
手抜きでも「美味しい」と言ってくれる
夫
(
ひと
)
それで上がらぬ私の腕が
17
人知れぬ痛み悲しみ誰も持ち
短歌
(
うた
)
で知らさる分かつ喜び
19
ビルケナウにガザの髪触れ合ひ混じり死の後も死者なりき兄妹
13
木香薔薇の花言葉を純潔 死へかけがへのあるものならば
9
萌黄野へ蝶たちぬわづか血をふふみおとうとの吹く Gute Nacht
6
近親相姦兆す鳩小屋いもうとは髪切り散らし兵率ゐしに
5
半身不随のあには車椅子へくくりぬ両脚に雛罌粟の一輪 かれき
7
獣園に感傷姉妹うちなげくも錘鉛の槍かまへをりし闘牛士
5
喫水柩に降る雪柳をとめは蹄鉄を履かせをり 馬に
5
生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
54
急かされているかのように生きている まずい気がする まずい気がする
8
二度咲きは小さく可憐 夏空に薄紫の藤の花咲く
27
夏休み静けさの中出勤す 校庭には
早
(
はや
)
工事の足場
42
音も無く
陽炎
(
かげろう
)
ゆれる濃い桃の
百日紅
(
さるすべり
)
咲く 誰も居ぬ午後
50
五輪祭 地続きで鳴る銃声よ
79
年の広島忌
哉
(
かな
)
35
気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
38
油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
37
どんなにか素敵だろうかあの人に〝ありがとう〟って伝えられたら
43
降る雨の雫の中に秋がある 清めの如く
轍
(
わだち
)
を染めて
33
茹でたての枝豆を噛む喜びよ 夏という名のご馳走がある
41
人生は神様が書いた物語 俺はページを日々めくるだけ
10
「まだ読むの?」疲れた兄ちゃん逃げたいが 一歳あと追う「もういっかい!」
24
波音に耳を澄ませば満ちてくる 人は何処かに
渞
(
みなもと
)
を持つ
38
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
55
海底を二万
里
(
マイル
)
も行くように静かに静かに寝ます おやすみ
39
口内にニッキの飴玉放り込み転がす《
20
時》オフィスを占拠
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