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天気予報に嘘つかれ 夏の名残を薄手のセーターで迎える
13
ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
40
久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
52
傘の中滲む視界に出た弱音雨は優しくかき消してゆく
24
クレープが焼けぬようにと願うのは まだ二人帰りたくないから
15
気にするな って言わない人のやさしさに 育ててもらった 歌詠む 気持ち
51
咳をして 皿を洗って片付けて お風呂をためて 泣いても 一人
24
ひとひらの落ちた銀杏が集まって アスファルトに黄色のおめかし
10
利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る
木葉
(
こば
)
の環にまぎれたり
31
椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
51
誰とでも仲良くなれる君の
瞳
(
め
)
がさみしがってる
理由
(
わけ
)
を教えて
42
いつかまた明るい
短歌
(
うた
)
を詠みたいな 秋空のよな澄んだ心で
39
嵐吹く 私の中の海もまた 光のどけき 日を 願いつつ
60
卵黄を使うレシピに紐づけるシフォンケーキのつくりかた 秋
21
好きだったはずの秋を愛せない今あなたが隣に居ないから
13
縦長のきみとを繋ぐこの画面 無くてもわかるさ話し振りまで
15
砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
15
切り花のコスパ日割りで考えるそんな僕にも秋のひだまり
43
ひこうきの澄んだ轟音そらあおぐ 青から白へこころは黄色
18
秋冷えに子どもと湯船につかりをり 父と数えし
十
(
とお
)
までのうた
21
雪虫と 風吹く街は 碁盤の目 故郷の友と 歩く裏路地
14
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
49
この世をば我が世とぞ言わむ
顔
(
かんばせ
)
で 昼寝決め込む小さき犬よ /本日の愛犬
27
おまえだけイメージ良いの俺という悪がいるから成立してる
25
犬と僕と、他には何も要らぬから どこか遠くの
場所
(
ほし
)
へ往きたい
18
どことなく春風に似ているようで似ていない秋の風の匂い
10
風切りの音が路上を
浚
(
さら
)
ってく夜の始まり冬の始まり
41
白色のコートに引っ付く雪虫が彩る模様はポルカドット
9
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
24
世の中は時折見える希望などとやらを追いかけ続けるシステム
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