Utakata
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お茶したい刺し子もしたい
親友
(
とも
)
宛の手紙も書きたし明日の休日
27
羨みにかまけて研鑽怠った 指を噛めどもやまない嫉妬
5
ホカホカと 太陽浴びる猫ちゃんよ あなたはずっと輝いている
12
陽を浴びた新緑きらきら目に映る桜前線逆走すれば
20
映画館 都会ばかりに密集す 高速乗らねば手が届かん
10
文芸は言葉で人の気持ち縫い合わせ
修
(
おさ
)
める心の外科医
12
Utakata
(
うたかた
)
につぶやくように
詠
(
よ
)
む歌が 心の
澱
(
おり
)
をすすいで流す
22
「もう一度触れてください」切なげにだれかを呼び止める改札機
11
己より僕を大事にしてくれる
老犬
(
きみ
)
を愛さずにはいられない
9
静けさや部屋に染み入るアホの声
9
あなたとしか共有してないプレイリストの再生数が愛しい
5
お笑いの賞レースを見たあとの重いニュースが流れる時間
11
急病の娘の家に向かう道不穏な夜を照らす満月
24
何も損は していないのに 言っただの 云われたなどと
申
(
さる
)
と
戌
(
イヌ
)
たち
22
「ねぇパパは保育園どこいってるの?」帰宅のパパへ素朴な疑問 /吾子二歳
58
昏
(
くら
)
い部屋、夜更けに独り聴いている 雨音の色はあの子の瞳
8
そんなこと 自分でできると 疎まれて いつまでも付かぬ 御膳の燃料
29
紫陽花の花芽みつけし退院日移ろふ季節やっと目に入り
21
君だけが応えてくれた献身に 涙の熱さを初めて知った
15
田の景色知らずに育ちし吾なれど海馬に在りて水張田に鷺
17
窓を打つ雨粒見つむ
吾
(
わ
)
の胸の日々の煩ひ洗い流せよ
19
やられたね! 鳥も知ってる
美味
(
うま
)
いもの 今朝は食べよう完熟ビワを
38
馴染めずにはみ出していく人生のそのどこまでが個性だったか
22
君とでも、楽しめぬものあるならば それを知るのは楽しいでしょう
13
片付け中、カゴと見るなり入る猫。私あなたをずっと愛すよ
19
水無月の晴れ間に夏の熱気沸き脱皮するごと衣脱ぎ捨て
16
雨が降り 晴れの日よりも嬉しそう そんな紫陽花 元気をくれる
35
紫陽花は色とりどりに咲き誇り、深き思いで散らず枯れゆく
18
はみ出さず真っすぐ踏めた足跡を集めて僕を作りたいのに
16
十六年キミと続けたごみ拾い キミのおかげよ もう立てぬ
老犬
(
キミ
)
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