艶のない髪の毛さっぱり切った日の鏡のわたし笑顔が咲いた
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天泣やとける雪の音聴こえつつあしたは何を着たらよいのか
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「付き合って何もないから逢わない」とラブレター来た人から言われ
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頼もしい人が現れまずはいい結果をにいい天気いい笑み
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欠伸から疲れていると知ったのに若いのでまた古希を忘れて
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嚥下障害子らにも旬の味わいを「あったらいいな」形は春に
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あの春に一生ぶん大好きだった もうないけれどたしかにあった
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耐えて勝ち運を逃さずドラフラのいいね決勝進出ビール
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スマホには操られぬとリテラシー半信半疑考えが似て
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達成はハットトリック活躍へ期待に応え愛されただけ
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眠れないまたも嬉しい寝不足はお泊りに来た君のせいだよ
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カド番のもう古希あっけなく2敗はや過活動膀胱にイヤ
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週末にかけて寒さが逆戻り今日はお花見今日は初恋
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人力車外国人が行き交うスカイツリー見える交差点
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真夜中に「タクシーで来て」ラインして既読待つだけ「おはよう」もなし
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まだ古希だ開幕ローテ入りへさあ老け込むなまだ若いじゃないか
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恩を売るチャンス遠慮は気が引けていい姿見せたかったがもう
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簡単に覚えたいなの記憶力あっ期限切れサービス券よ
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待望の1号4番候補なら期待は大に「あっ目が覚めた」
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因縁の対決は大盛り上がりだったカメラじゃなくみなスマホ
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巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
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一塁ファーストはポニーテールの女の子少年野球の言葉ぞ古し
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ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
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迷ったら必ずだめな道をゆくそんな私を助けてGPS
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春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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天井を眺めて嘘を数えてる 羽もないので仰向けで寝る
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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春なのに木炭みたいなかたまりが心の奥に鎮座している
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「3番線快速列車がまいります。」季節を運ぶ桃色のかぜ
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