大嵐響かせ切り裂き過ぎていく戦へ向かう足音よ
3
雑踏で老いたる君とすれ違い後ろ姿に面影重ぬ
3
賑わいの桜並木を避けるように晴れた土曜の独りの散歩
3
いつかまた会いましょう冥王星とか遠いところで
3
授業中 窓際で二人 吹き出した 世界が少し 狭すぎてた日
3
溜め込んだ 想い放てば 空ひらく 桜溢るる 弥生の暮れよ
3
父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
26
人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
32
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
37
仮面劇にはたれもが左右へへだたりて中央には翼賛図、曲々し
11
父母優生学に分別すはなはだしくおそろしき医師ある
13
額買って子どもの描いた絵を飾る 夏が始まる今日を祝って立夏
42
老犬キミはもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
29
巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
19
カンダタの夢の中だけ観覧車振り落とされてなお夢の中
8
あいどるの靴のなかを調べたら五寸釘のひとつやふたつ
6
メイクして着飾るよりも起きたての君の顔こそ魅力じゃないの?
7
咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇り
42
水の田に 光りの道が あらわれて 太古の景色 穢すことなく
43
突然の雨に二人は目を合わせ 同時にひらく傘がぶつかる
16
大の字に寝っ転がって昼寝する 風鈴チリーン 涼風運ぶ
40
カートから 桃をもどして キウイにし 豆大福は 空気となった
52
チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
35
来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
15
透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
18
の岸も の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
42
たくさんの具材をそれこそ生姜まで千切りにして金平きんぴらひとつ
35
伝説がはじまりそうな顔の子が駅のホームにつま先で立つ
11
シャーペンで引いたみたいに細く降る雨の日だけは詩人になれる
21
ひきだしの奥のフリースひっつかみ季節は急ぎ3マス進む
25