あれよあれ… あれだってばさ… あれだって! 日に日に増える 夫婦ふたりの会話
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インフルやコロナでなくとも風邪は風邪 微熱こらえて営業回り
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風邪ひけば酒は駄目だとわかってる わかってますよ理解わかっているだけ
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死んだなら何が出来るか知りたくて試しに死んでも戻れませんよ
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奮発しピザを取ったがその味が塩分過多で吐きそうになり/味覚障害?
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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行く秋の陽だまりの中さわやかに空色朝顔風に揺れおり
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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さりげなく餅の話題をはさむ母そうきたかって話題をそらす/介護
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冷へ込みの深まりぬ 霜月の朝 止めるアラーム 冷ゆる指先
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眼下から 紅葉こうよう映る せせらぎを 無で眺めつつ カニを追いかけ
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天守から 木曽川眺め 時が過ぎ 携帯アラーム 我にかえって
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線路沿ひ 微風そよかぜ揺蕩たゆたススキ 通勤を飽きさせぬ風景
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自分では死ぬことさえも出来ないとベッドに乗せられ管を繋がれ
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ダンディーで 寡黙な喜寿の わが部下は ポテト大好き 笑顔でほおばる
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行きつけの店 バースデーサプライズ 居合はす客からも拍手を浴び
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戯れに浅瀬に立てば止めどなく打ち寄す過去にさらわれゆきぬ
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風邪ひけば生姜の辛み際立ちぬ 喉によろしと人は言ふけど
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抑えても咳の暴発止めがたし 今は出るなと頼んでみても
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処方薬飲んでちっとも効きゃしない 咳に喉痛あぁ煙草吸いたし
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待ち合わせ場所に 早目に着き 友を待つに 二つ缶ココア買ひ
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勉強と 元上司に 誘われて 本格的な 茶室で一席
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究極に荷物減らした旅支度 されど一冊「えいえんとくちから」
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昼下がり 秋の陽気の心地き 上衣を片腕に 歩を運び
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バツ四で もう懲り懲りと 語る君 鍋の湯気に 涙を隠し
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ふたりきり僕の心が揺らいだように屋外プールは思考を乱す
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飲みもせず毎晩捨てて取り替える麦茶は時に命も救う
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白鷺は川筋舐めてフラフラと滑りバサリとひと掻き空へ
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ありふれた街の匂いは変わらねど 風邪鼻は聞く異界の香りを
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静けさに帰りたくない午後五時半君がいたから死ねなかった
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