重き物 心にありて 歌にせば 東雲しののめあけに かせは外れり
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都市ガスを 装うDM 許すまじ プロパンガスに 万払ってるのに
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リビングの壁にあなたの影みつけ 師走の低い朝陽のしわざ
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結局は朝三時まで作業して徹夜のつもりが眠くなるもの
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曇天に蓋をされ 秋の温もり包み 寒気かんきを跳ね退く初冬しょとう
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無理をした 多分折れたな… あばら骨 今回もまた 自己治癒挑む
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友がみなわれよりえらく見ゆる日の虚実綯い交ぜ啄木のうた
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歩道沿ひ並びし 低木の紅葉 散歩の犬目線の秋かな
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亡き母は荼毘に付されて小仏を骨壷に入れる箸が震える
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窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
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朝四時の空気の匂いは 独りきり コンビニ着くとヨシダさんいる
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気が楽と言うけど私の心臓はそれどころじゃないの貧乏ゆすり
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もう過ぎた十一月に降る雪は私のようにきえてゆくもの
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空白に勝手に咲いた水仙が勝手にしおれて勝手にさびしい
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起きるため眠る獣の四畳半 金魚はいつも横を向いてる
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雨どきの しじまにいたり 君に問う 散りゆく恋路 恋情いずこ
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物寂びた紙の香りを思い出す図書館通う懐かしい日々
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店仕舞い古本屋兼喫茶店在りし日の我が声が聞こえる
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時々は本屋に寄って探索を背伸びしながら小説手に取る
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頬に告ぐこの優しさの雨の予報 あーした天気になるかしら
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「(寒いから)帰ろう」『(眠いから)切るよ』受け取ることが愛のお返し
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錚々たる哉憧憬の園 人は知らぬとばかり言う 木枯らしの声甲高き されど我ゆく彼の道を
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何にでも見つけようとすりゃ粗のひとつやふたつくらいあるもんでしょうに
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言葉には正解なんてないでしょう そこんとこどう ねえ定家さん
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仕事する、あなたと話す、服を買う、明日も生きる、緩やかに死ぬ
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悪人に刺されて死ねたなら星座にして飾れるほどの結末
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実るほど おつばい垂れる 秋時雨
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銀色の 顔ばかり溢るこの街に 今年こそはサンタさん みんなをHappyにしてよね
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ふたご座の 流れ星だって見たかった 目の前にいる君は遠い星みたい
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どなしたん 大丈夫やでここにおる 水の吾は 何度も君に掬われた
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