「花びらがここまで来たよ!」子の髪を春一番がなでる夕暮れ
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マンションが建つかと思えば自転車店マジかよ神様オレの為かよ
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要人の 警護さながら 家族らし  4人に護られ 馬思わせ犬
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二人夜の酒宴の終えて帰し兄の旅路の無事を願う朝かな
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雲よぎり 宙に上りし 月を見る 過ぎ去る夜汽車 見送るように
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返り咲き 大統領に 懸念せる  恐れが 天下に 蔓延せり
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吾妻山 種蒔きうさぎ 身を切りて 土を潤し 農の始まり
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逢えぬ日に抱く微熱の囁きを星ひとつ詠む夜の短さや
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農園の隅の角地にむらさきの天の川みつ芝桜かな
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親友と彼の同伴蒼白に四月の雨の冷たさの中
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小名浜の凪を見に行く祖母の海住の江の岸に寄る波よるさえや 夢のかよひ路 人目よくらむ 18/100 藤原敏行朝臣
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霧つつむ木の葉に集う一滴のしずくへ揺れし明日のこの星
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ミサイルが飛ぶ可能性ゼロでない空を姿勢よくベンチたちが見る
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吠えて子の巣立ち促し遠ざかる母の目に見し強き優しさ
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​葉桜となりにけるかもわが恋はふりにしのちも世はあをくして [ 題詠 葉桜]
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そよ風に吹けば飛ぶよなプライドが恋の歩みにブレーキかける 
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学び舎に 桜踏み分け 行く児等こらの 背を見る時ぞ いとほしきかな
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曇り空映えぬ桜を見上げれば見えぬ鏡に向かうさまなり
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気持ちを詩に綴るなど出来る筈もなく広がる虚空 以下余白。
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みどり濃き 深山陽射して 秋の暮れ 紅色一色 鐘がなる 古寺の
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携えどむせかえるほど何もない眠ったままで26歳
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世間には 大上段に 決めつける 頑固爺さん 婆さんばかり
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自らの 信念のまま 裁くから 嫌われたって お構いなしに
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熱はなし 体温計が 電池切れ 水銀眺め リアルな結果
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「いま電車?」 永遠に電車です 私は応答しない
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読み切りを読まなくなって 社会を知った
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終わりのない工事 回らないドアノブ
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ガダルカナル島の 餓死者に 合掌
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好きだよと キミに何度も 言ったけど 愛してるとは 言いたくなかった
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恨み言 文句も愚痴も 申すまい 耄碌したる 人の戯言
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