久々に一人の朝食これもいい ジャズ聴きながら家事後まわし
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二度咲きは小さく可憐 夏空に薄紫の藤の花咲く
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星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間 30光年
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どしゃ降りが上がって一気に蝉時雨 この声もやがては懐かしくなる
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頑なに夏は綿と思ってた 確かに涼し エアリズム着る
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老犬は反応も失せて寝てばかり も一度見たいよ元気なキミを
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ツツピー と 求愛の声 高らかに ヒトも素直に 好きと言えたら
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寒き日も 言葉の灯り あたたかく 明日を潤す 桜雨かな
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ころもかりぎぬくづる花争へ流鏑の音 正鵠を逸す 
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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冬の日も 雨降る夏も お別れも 過ぎてしまえば 戻らないから
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ささやかな ミニの願いも 立ち枯れて トマト引きぬく 般若波羅蜜多
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われはわれ愛せるものを撃つわが名とは國體、國家なり
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富める日本。夢遊病にてくちずさむ約束手形に偽眞珠母 生る
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薄墨に さかづきをもつ君がいて 光るわたしと 二人きりの空 / 三日月と明けの明星
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もう戻ることはできぬと知っているカナカナカナとひぐらしが鳴く
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新築の お墓に あるじ 納めれば あかねの空に しろいアジサイ
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一匹の 蟋蟀こおろぎの声 ききながら 眠りにおちる とがなくて死す
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山の端の ちっちゃな青空を めざして 雨を泳ぐよ くじら12 / ドライブBGM
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掃除機の手を止めじっと立ちつくす今この時刻原爆落つと
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トマト枯れ 空いたところに 半額の ヒョロきゅうり苗 植えたらすくすく
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盂蘭盆會の ご先祖たちは なに思う 帰るところが あれば嬉しい
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ピクリとも 動かぬ森の 木々たちの 沈黙の底に 流る水の
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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虫食いの あとは涙の かたちして くもり空にも 朝顔は咲く
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この夏も仕舞いの市民プールからふわり飛び立つシオカラトンボ
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あした咲く つぼみさがして 安堵する 半分いじょう かれてる朝顔
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隣家となりやの 煙突屋根の 三角の 影がとどけば 開く秋の戸
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ひりひりと波立っていく心なりほんの些細な出来事なれど
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雷光の度に強まる雨音を一人聞いてる音の無い部屋
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