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灯台の
灯火
(
ともしび
)
なれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
27
暗幕
(
あんまく
)
に 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の
音
(
ね
)
いくつ
28
窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの
音
(
ね
)
低く 空に溶けゆく
25
くたびれに拾ひ物あり届けなば探す人ゐて胸ほどけたり
28
球速も球質も追う英明はエースなりたい引退間近
16
もう少しあと少しだけ光ってて 今年最後の夕日が沈む
18
「おふくろの味に似てきた」もしかして褒め言葉だと思ってますか
13
そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
24
愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
56
昨日
(
さくじつ
)
の
白花蝋梅
(
しろばなろうばい
)
思い出し
生成
(
きな
)
りのシャツに 袖通す今日
22
にゃあと鳴き
偶
(
たま
)
に現れ すっと消え 気ままに見えて 思慮深き君
24
寒中は 生きていること 思い出す 凍えた両手 包む両手に
20
やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
49
われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
25
元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
25
忘れ物してきたようで落ち着かず春の私はちょっとせつない
30
じゃあね、って 手を振った君の 背は遠い ひとり教室 あまりにも恋だ
12
如月は衣を重ねることという一枚一枚ぬいで待つ春
30
子育ては ハラスメントに 似たるもの 受け手が決める 愛の正しさ
19
もの言はず追ひ越してゆく息子の背ほのと匂ひて犬見まはせり
25
軽トラに 婆さま乗せて 聴く声は 春唄いする 今もうぐいす
20
気にせずに いられた時の 懐かしく 祭りの陰で 武器売る準備
39
会うたびにハグせし孫も近頃は吾の背を抜きてはにかみをみせ
33
「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
28
気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
37
徴兵遁れられず若き丈累々と希望の旗のもとに殺さる
15
闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
33
三月の イオンモールの 賑わいに あてもなく買う 春色ブラウス
60
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
丸
(
まろ
)
き
灯
(
あか
)
りに 伏す君の
手弱女
(
たおやめ
)
の如き 長き睫毛よ
27
独り身が 語る事無く 桃節句 頬と心を 氷雨が叩く
38
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