旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
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小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
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初デート ママに内緒でいくからね ブタ公園で君を待つ僕
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曇天のたまに雨舞う一日は唯々ただただ明日の晴れを待ちおり
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同僚ともからの 旅の土産に 温もりぬ 忙しくとも 足痛くとも
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断捨離の荷をのせる時軽トラにとまった蜻蛉 秋の終わりの
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指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
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タクシーが角まがるまで両手ふる妻と吾なりの無事ねがひ
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デイケアでおしゃべりはずむ女性陣寡黙な小数男性陣よ
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聞き慣れた朝のアナウンサーの声 今朝は鼻声 流行りをる風邪
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批判することは簡単トゲトゲをもて余してはスマホをさわる
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野薔薇のいばらは寒さに耐えて茎も実も赤くなりけり 空を見上げて
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麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
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暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
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グラコロはコロコロコロっと転がって、冬が来たぞと知らせてくれる。
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『私はね健康診断だと思う』認知症だと告げられる前は
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喫茶店 落ち葉降り落つ窓外そうがいを 見をれば冷めし舌焼くコーヒー
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雨はげしい今日は合羽を使おうか買い物するにも事欠く生保
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黒すじをよけておろした縦割りの残さる大根何にしようか
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真っ直ぐに 考え過ぎず 晴れ渡る 青空のよに 師走を走れ
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丑三つに  やるせなさ持ち  乗るバイク  風が凍てつく  妙に鋭く
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白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
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キジトラの シマシマなぞって どこまでも ほっぺにゴール 歯形は褒美か
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段々と 熟し始める 檸檬の実 寒風の中 元気な黄色
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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風邪気味の喉に優しい布マスク着けて眠らん微熱の夜に /手作りのゆるゆるマスク
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深淵を覗くとき深淵もまたこちらをあれっ?見てない見てよ!
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控え目に 片隅に咲く 秋の薔薇 みなぎる赤色 パワー受け取る
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胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。 / 黒ゴマだった🙄
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うたかたの句ごとに深き物語窓に雪あり心温か
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