春の果て 城の桜を縁どりにシャッターを押す君の指先
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明日来たる兄の寝床へ花冷えの深き夜しのぐ羽毛広げる
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止まり木の愛を掴んで待ち人に飛び立て永遠の輪廻の果てへ
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仕事場で作業してると男前 5時のチャイムで魔法がとける
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キュウと鳴る靴を追いかけイオンタウン逃げる子供にゃ鈴をつけにゃあ
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水仙がみんな前向き口揃え春を歌うよ黄色い声で/ラッパ水仙
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うそつきと四年に一度の約束を果たしたらまた四年眠ろう
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いい馬に目がない僕は駆く馬出資馬に未来の夢を歓声を
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どれだけ美しい花も、結局最後は君の涙で散るんだ
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のど痛しこれから始まる展開に 暗澹とする来週多忙
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通知表にコメント書かず新学期裁縫セットに名前はつける
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君まさば 妙なる和歌を 詠みなむを なくて淋しき 佐保川の花
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春物の 薄手ズボンに 穿きかえて 足取り軽し 桜散る路地
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稲妻の 如き君らか 葦牙(あしかび)の 萌えいでし日の 過ぎて遥けし
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取り合わせ 少し矛盾が あるらしき 歌の評価を 避けて次読む
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道端に アスファルトの 隙間にも ふまれてたんぽぽ ひらいてたんぽぽ
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いつの間に増えなくなった思い出と作れる料理作らない日々
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虹の橋夕焼け空に浮かばせて硝子細工とくらべてみたい/折句・入学
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若き日の烏が残し泡沫の揺れる湯船に微睡の宵
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生け花のデモで舞台にサクラ咲く 片付けはあっという間に終わる
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真っ黒な 人の避ける その闇に 一飲みされる ことを恐れて
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駅前の コンビニ寄って 何もなく 家の近くの コンビニに寄る
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桜舞う ふたりっきりの東屋で河童がいそうな池を見つめる
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世間には 大上段に 決めつける 頑固爺さん 婆さんばかり
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自らの 信念のまま 裁くから 嫌われたって お構いなしに
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熱はなし 体温計が 電池切れ 水銀眺め リアルな結果
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「いま電車?」 永遠に電車です 私は応答しない
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読み切りを読まなくなって 社会を知った
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終わりのない工事 回らないドアノブ
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ガダルカナル島の 餓死者に 合掌
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