春風しゅんぷうを浴びつ散策 梅咲きぬ家の 窓辺にすわる黒猫
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赤と黄のポール折れたり曲がったり 君にも厳しい冬であったね
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まぶしげに めをほそめたる ねこのてを そっと握って 気持ちを交わす
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落ち込むわ… 店のガラスに映りしは老いて太ったわが姿なり
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嫁、娘、母の三役こなしつつ、守るつもりが守られる日々
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物陰の沈丁花憐れむにあたらず その香りの主張 我と違いたがて               
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呑み込んでしまいたい香りの壺 あのひと わたしに気づくかしら
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春陽しゅんよう抱擁ほうように酔う 様にして 揚々ようよう 今日は 何をしようか
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盃に 身は冴え冴えと 蒼く燃ゆ 内裏だいりに似たる 君と差し向き
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穏やかな 春風吹けばいそいそと 農具並べて「いざ出陣」かな
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 紅梅の花笠のうえ網目より天海に澄む夕暮れの月
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メンタルによっては毒にも薬にもなると思うのあなたの言葉
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寝るときに 足にそおっと あご乗せる ねこの愛しさ 日々替え難く
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階段を一個飛ばしでいく春の初出勤のをのこの背中
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冬茜 くれない燃える 筋雲や 消えゆくあとに 冬銀河
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夜勤明け陽の射す部屋で微睡みて上書きされるタスクと疲労
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噛みしめる魔法が切れるその時をLJKの頭上のティアラよ
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はれやかに高校生は卒業し混むはずのない道は混みゆく
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天気予報見ては溜め息 皆既月食 観測す予定日は雨/明日の宵
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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密かなる 自慢のくびれ 今は無く 狸の如き 腹を見つめる
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コンビニで冷やし中華を見かけたよ 今年もきっとたくましい夏
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刑務所と閉鎖病棟を指す老婆病棟ここはそれよりずっと苦しい
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身体から心が抜けた人達の心取り戻すまでが難関
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咲き初める ラナンキュラスは 母の趣味 横のフィギュアは 僕の趣味かな
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言葉放つ嘘では無くも半分は好印象欲し本音もありて
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嬉しきは 孫から貰えし折り紙の ピカチュウお守り宝物なり
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オレンジをオレンヂと書く母のメモふわり漂う昭和のかほり
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古本の開きぐせあるそのページ謎解きたくてくり返し読む
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ジャケットの袖からのぞく細き腕 巻かれた時計妖艶すぎて
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