雪女 ペットの名前は窒素ガス あなたが好きなの彼も私も
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外に出よう 秋の日差しに 誘われ 買ったばかりの ジャケット羽織る
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多摩川を渡り彼の地で酒盛りや ななとせの縛り介護を終えて
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「内緒だよ」教えてくれた公園で不意の初雪芝を覆った
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LED 照らす冷めた赤 東京でこれをもとめて生きていくのか
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公園の梢の奥に百舌鳥の声 紅き桜葉秋空に映ゆ
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季語ありの俳句に七々足してみて短歌にするというタクラミ
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小夜時雨ジレ着た君の背の香り階段のぼる鼻を擽る
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上野路を包む彩葉に歩を休め 絵に向かひゆく人波を追う
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あなたこそ太陽であり月であり宇宙とおなじ愛なのだぴょん
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「愛という言葉は軽い」と言った君 なら縛り付けて重くしようか
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「あと、映画!」ビジネスついでに誘ってくれる粋なベーシスト現る/ニヤリの日
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塞翁が馬というのはこのことか マイナススタートプラス終わり
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泣きながら笑える人に惹かれます終わり良ければすべて善しかな
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「デートかな?」「です!人妻を。」なんて言い 笑える友がいる嬉しさよ
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無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
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思考の海 波揺られ僕 沈んでいく 僕にエラなんて ないのにね
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君の手に触れられるたび疼き出す私のからだ蜜にまみれて
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「分からないきみの気持ちが分からない」芭蕉風味で別れたカレシ
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喉痛い 悪寒もあるし 嫌な予感 検査陰性 ほっと一息
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金色の銀杏背にして君を待つ遠い秋の日十七歳じゅうしちの吾
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話す時 何度も「めっちゃ」 をつけるから 信用のない 私の「めっちゃ」
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ネクタイを縊死いしだって首にかけてみる 自分の意思で生きてたいだけだ
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ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
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気にかける親のもう居ぬ故郷ふるさとの天気予報をついまた見てる
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久に会う誕生月の娘のために少しはずんでランチ愉しむ
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亡き父と 母の誇れる 思い出を  語れる妹が いる幸せよ
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愛し君ずっと幸せでいてくれと 願ったその夜わがままを言う
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百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
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親も子も 毒も薬も 喰らいつつ お腹くだして うたかた処方
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