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芥子の花ひとすじ伸びて吹きわたる風つよければ折れそうなほど
14
揚羽蝶の翅おだやかに振動し何かが始まろうとしている
13
しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて
11
とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ
24
新緑のどよめく道をゆきながら小さく礼をしてすれ違う
18
しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
20
アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって
22
池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
22
ささやかな色をのこして紫陽花の花 夏の陽に乾きゆくころ
31
昼前に刈り払い機の音響く外を見やると一瞬の夏
4
鶏肉と半端野菜を鍋にくべ待つ「この恋が実りますよう煮」
8
コンタクトも化粧も落とさず背中越しに ポツリと「わたしいましあわせなの」
7
公園の便所の床を這い回る雀蜂を見て僕だと思う
13
生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
16
幸せという字は手枷の形から出来た
飼
(
か
)
育
われてみたい夜がある
9
感情は言葉にして吐き出さないと 勝手に出口を見つけてしまう
16
地獄だと自覚があるだけ褒めてよ。生きてるだけで大惨事でしょ。
5
じゃんけんが好きな君のその指と私の小指は繋がりますか。
2
もう誰も「よき倫理を!」とは言わないし 神は死んだと嗤う声も無し
8
ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
16
無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
24
連日の熱気 はらりと夢になり
9
日
(
ここのか
)
過ぎれば ここも秋です
8
モコモコのスウェットに袖通したら 秒で治せるタイプの鬱病
10
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために
篝火
(
かがりび
)
を焚く
35
おたよりが通じることのありがたさ 心の便秘 しませんように
19
「分かるよ」と絶対容易く言わないで でも君だけは きっと分かって
6
鳥籠の中で産まれた鳥は皆 飛び立つことを
病気
(
ビョーキ
)
と思う
7
そこにある 風じゃない声 耳澄ます 人差し指で評する前に
20
君のそのふざける癖をやめないと薬指ごと噛み千切るから。
5
こんなにも貴方の色に染められた。傷んで価値が消えた髪の毛。
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