昔日せきじつの秋の 祖母との思ひ出を繋ぐ 鬼灯ほおずき 隣家の庭に
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ぐ空を 到着便が 横切った 日本を想う 小春日和に / 国会
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一度きり 釣り合わなくて背のびした フローラ選ぶ マイ人生ストーリー
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走るたび木の葉の踊るアスファルト 秋の陽させば楽しく見えて
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雨強く 寒さ感じた 一日に ミネストローネ 夜のご馳走
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ノアールかオレオか好み失念しどちらでもない安物を買う/「菓子」
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田舎町にトパーズ色の光差す夕焼けチャイムの「恋は水色」
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孤独には人は勝てない事もある何も残さず死んだ若者
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きみにだけ見せた一話のドキドキを今も探して作家になった
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立冬に 立ちのぼる湯気ヒュウヒュウと まな板の音朝餉の味噌汁 
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野沢菜を採って洗って漬け込めば 冬の支度がひとつ終われリ(まだやってない)
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悔いばかり蘇りきて寝付けずに夜の静寂に雨音を聞く
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聞きなれたタイトルコール日常へ戻るラジオにほっと息つく/津波注意情報解除時に
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たましい と いう名の核持つ 単細胞 そう見えるかな 空からの雪
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秋桜フラワーロックの如く揺れ 陰キャの恋は咲くこともなく
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相談は聞くよじゃなくてじゃあ俺が殺しておくねと言ってよ課長
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泣き叫ぶ 子供を見つつ 早歩き 君は泣いたら 助けが来るのね
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積雪を彩るカラマツ散り敷きて足裏あなうらにそっと秋との別れ
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風切りの音が路上をさらってく夜の始まり冬の始まり
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男ふたつ乳房に手を添えて啜り泣いており紅葉遂に散る夕方に
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卒業と言われる事の虚しさよ先の夢より遂げられぬ悔い
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雨上がる もみじの雨粒葉を遊び ポツリ落ちたり たまゆら光り
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頼もしやこの冬初のマフラーは のどむね温め汗ばむほどに
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夫居れば歩くことなどなかったと落ち葉踏みしめ通院の道
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歩けばこそ見ゆるものあり秋の野に知らぬ花の実紅く熟して
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色々と選びたかった洗い桶さてどうしよか店から消えて/プラ製の水切りかごも
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切り株にしばし座って並木道 まだ新しい木の肌に触れ
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道端のアイドル揺れるチェリーセージ 視線いっぱい紅白ウサギ
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星屑の金木犀と冬隣 君の誕生日、儚く終わり
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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