たな
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絵手紙の富士に宝永火口なく潔白な君に拗ねてみたりする
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あの頃の涙が昨晩降り積もりドアが開かず遅刻しました
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墨汁を落としたような濃淡を木の下で受け もう辞めよっか
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寝かしつけようと何度も口開き母の歌声呪詛っぽかったな
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君を待ち小鳥のきもちなぞってるオリオン座ほど簡単じゃない
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最近は否定の棒切れ扱いとむずかる「しかし」と並んでねむる
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ハーマイオニーがしゃらい添削す方言女子のイントネーション
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そのまごころを仕舞えるか 仕舞えないなら僕はカニを食べに行くよ
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去年そうあげたマフラー飛ばした目埋められぬうち彼女がさらった
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平熱と微熱の差分ほどですが隣座っていいですか 好き
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浜省のサビに合わせて雄叫びをあげる海岸我をみる犬
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目覚ましは木魚のビート壁隔てオマケでテストなんとかなるか
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雨の朝だけど気持ちをあげたくてピンポンマムとシフォンカーテン
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断捨離を始め唐突に思い出す山下さんの本捨ててない
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カルピスとミルキー初恋の味はどれだろ降車ボタンを探す
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すがるものが同情でしかなくなってそのとき生きていけるだろうか
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アクリルの向こうのイルカもこちら側君のおでこも遠い空色
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玉砂利をざりざり言わせ域出れば白い色した馬と目が合う
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買い物を躊躇う迷う潰れそうポチる時だけ忘れていたい
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伝言がうわんうわんと重なってうわんうわんと防災無線が
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夜明けまえ地下アイドルのおっさんに感謝させてるカラスがないてる
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うっすらと笑うことしか方法がほかにないっからそうしてるだけ
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発熱の場合午後四時診察の呪符めく張り紙あり立ち尽くす
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どこまでも私が欲しい蒼じゃなく絵筆を取って空を見上げる
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試着室前で待つ我中にいる我もいずれは脱ぎ捨てられる
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まだできていないささくれむくように二十歳(はたち)には死ぬと君はうたった
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光食べ生きていけない私にはミミズをそっと逃すことだけ
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親しくも仲悪くもないメンバーの修学旅行君を借景
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流星がはしり弾けて消え去った夏休み恋帰省した君
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海沿いの洋館で見た風見鶏は誇らしそうで頼りなさげで
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