列王に名を遺すてふみづからの榮代の後までいくさせむ
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花の名をしらぬこころにふれるとき花の熱だけのこるのでしょう
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影もなく夏日真夏日姿消し はやトナカイがウォーミングアップ
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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葬儀屋のネオンサインは煌々と大河の様な国道の脇
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この街を自分の街と思えても別れは来ると今日が囁く
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木犀の香る坂道一歩づつ杖を頼りに空仰ぎつつ
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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街角に早くもツリーが登場し 短かい秋が逃げ去ってゆく
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星の数 砂の数より多いと孫に教わる満月見つつ
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ベランダで スマホを空に 向けながら 平安の夜と 同じ月見る
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大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
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秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
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積雪を彩るカラマツ散り敷きて足裏あなうらにそっと秋との別れ
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日が変わり 仕事終りの 溜息と 珈琲一口 苦笑いかな
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コンビニのコリアンコスメ手に取ってラメのキラメキ見比べてみる
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公園のメリーゴーランド子供らを大人に変えて一人老いゆく
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ふっくらとみがきニシンの準備終えソウルフードを仕込む冬の日
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君を待ち小鳥のきもちなぞってるオリオン座ほど簡単じゃない
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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再会に「どなたですか」と問う姉の海馬をそっとのぞけぬものか
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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オフィスには ポインセチアの 鉢植えが 光を浴びて 赤く輝き
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勘当を失言と言ひ繕ひし父よそれを失言と云ふ
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ダンディーで 寡黙な喜寿の わが部下は ポテト大好き 笑顔でほおばる
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咳をした 君のとなりに居られるの かみしめながら 一人と 一人
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結婚の知らせを聞いた 今日もただ自分一人の肌寒い部屋
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祖母の干す柿をこっそり味見せり 軒に吊るせばふるさとの色
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幸せの形を探して三千里 ちょっとうねったシャンプーボトル
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けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
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