ふりはらう 女の髪の 仰ぐ香に 吹かれて私 脇役と知る
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青春や JKなどは 名ばかりで 相応しくない このニキビ面
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ハンガーに かかった浴衣 出番なく くたびれている 来年こそは
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多様化の 社会の波に 揉まれても 自分の足で 歩み行きたし
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美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
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蝉の声鳩の声聞く道の辺に待宵草が朝風に揺る
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妻の方を猫は僕より好きみたい分かるよ僕も大好きだから
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芋ロック パッションフルーツにぶっかけて粒粒ごと吸う一夏の恋
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暗がりに 見つめる一点 ナツメ灯 私は何を してたんだっけ
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目の前の ポテチ我慢し 痩せるより デブも愛せる 人を探したい
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お揃いのボールペンだけ持たせてよいつでも君のそばにいたくて
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暑き日に留守宅の猫気になりてエアコンつけて迷う外出
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リビングで独唱するはジブリ歌観客なしの「さよならの夏」
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君だけに 恋焦がれてた 想いさえ 咲いて消えゆく 花火のように
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丁寧につまみをひねる これはあの時どこへでもあふれかえっていた火
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しらさぎの代わりに戦闘機が飛んで蝉の声すら聞こえない夏
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こんなことばかりしている コップのふちで昨日の私と分け合うリップ
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ネズミがね横断歩道を渡りかけ クルマに気づいて戻っていったよ
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君のことちゃんと守るとこの声をかき消すほどの外に降る雨
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文字だけで争うなかにまことがあって同じ痛みをちがうことばで
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事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
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迎え火に誘われ父母は尋ね来て竜胆の花思い出の家紋
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蝉しぐれあの日もひとり墓参り手向けた花は竜胆だった
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紙巻きのくわえタバコは夕暮れにぽつと灯せりノスタルジーを
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反戦と平和に みんなが飽きるのを リニューアルした 戦前が待つ
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我々が 「正義」と名付け 信じるは いつ何処で決め 誰が告げしや
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玉音、もはや手後れなる日本に響き――、無条件降伏の八十年 後
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もう帰れないじいちゃんのすがりつく手があの日没した兵に重なる
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ホイアンの夜景きれいなコースター孫から土産ベトナムの風
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課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机がひやくて 気持ち良いのだ
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