カップ見て陶器か磁器か悩む母伊万里焼だと教えてあげる
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気にしないでいてと言って去る君の背を眺めつつ胸に込み上げ
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蛇口から水滴ポトンと落ちる音静まる部屋でテストを受ける
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チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
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朝イチの美しき声はキミだった! ひょいと現る小さなコオロギ
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懐かしい匂いと声に乱されて 危うく君を引き止めかけた
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人生の三叉路に立つわたくしに秋はやさしくあいさつをする
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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新米を食らふ悦び奪はれし古米をあさる瑞穂の国よ
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潮風に 季節外れなクリスマスソング流して忘れたふりを
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あんたってなかなかひどい奴だよね 高天原たかまがはらを向いてむくれる
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虫の音の夜明けの空は茜色 熱き太陽兆し満ちくる
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手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなるまばゆい瞳
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ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
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夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
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暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
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先生が答えを省いたあの午後にほんのりすりむいたままの胸
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糸をり 衣結べる 色を見て 君が心を しるよしもなし
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テレビ前 後ろで手を組む父と息子は おんなじかたち やっぱり親子 \ 世界陸上観戦
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葉が染まる 心と筆を 揺らすのは ずっと貴方で いてほしいのに
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子ども舌 苦味があっておいしいと言う人みんなうそつきとする
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さぁ行こう 心を紡ぐ 物語 みんなと進む この物語
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お彼岸のお参りすませ見る空は屈託もなく高く広がる
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おれ人間向いてないやバッタとか良いんじゃないのとどこぞの二人
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のどかな日 もう大丈夫 掘ってみよう。 溢れてきたのは 知らない何か
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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水飲むとずっしり重くなる胃が好きだ 人ってただの筒と思えて
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うかうかと生きているから知らない傷が腿に走ってわたしをそし
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乱筆のわたしが書道七段のきみのとなりに寄せ書きをする
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元同期 娘の名聞き 縁感じ 咲弥サヤは亡き人 同じ名前で
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