この夏も仕舞いの市民プールからふわり飛び立つシオカラトンボ
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うらはらに思いと違い進み行くわたしはどこへ行くのだろう
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はぐれかけの 私も取り込み 囲まれる 体育祭は 永遠とわの思い出
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女子らとは まるで違った 足音が どどどどどどど 男子のリレー
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空の音静かになってこの夏は本当は終わりと教えてくれる
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つぼみのまま 枯れるの恐れ 種すらも 撒かない。花は 実りなどしない
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独裁者の群れの中 何を学ぶ気だ まだ可憐なはずの少女よ
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何となく太くなりしかコガネグモ庭に居続けひと月が過ぐ
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胸の中を掴まれる感覚が好き。寒い日に吸う煙草の話。
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海の中 サンダルをぬいだ 恋人は 白いさらさらを 愛しました
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通院の我を待ち居る虫の音の清けし音色に灯りを消しぬ
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トランプがまたやった 省名変更 「戦争しよう」としか聴こえない
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木々の枝葉がわたくしの頭を撫でて慰めようとしていた土曜
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カップ見て陶器か磁器か悩む母伊万里焼だと教えてあげる
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気にしないでいてと言って去る君の背を眺めつつ胸に込み上げ
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蛇口から水滴ポトンと落ちる音静まる部屋でテストを受ける
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チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
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朝イチの美しき声はキミだった! ひょいと現る小さなコオロギ
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懐かしい匂いと声に乱されて 危うく君を引き止めかけた
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誕生日 3の数字の風船が静かに揺れるみんな寝た後
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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新米を食らふ悦び奪はれし古米をあさる瑞穂の国よ
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潮風に 季節外れなクリスマスソング流して忘れたふりを
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かなしみの冷たさよりも喜びの熱で溶かせよ永久凍土
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あんたってなかなかひどい奴だよね 高天原たかまがはらを向いてむくれる
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虫の音の夜明けの空は茜色 熱き太陽兆し満ちくる
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手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなるまばゆい瞳
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どうせなら綺麗に死ぬと言う君の手元で落ちた線香花火
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さよならと言って私を待っている君に背を向け、それで、そのまま
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ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
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