恋人らのないしょ話を聞き終えて砂浜はまた海と語らう
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味噌おでん かやくご飯に お新香 紅葉見納め お不動尊で
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小春日に庭掃除せばカマキリやバッタの卵草に紛れて
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小春日は今日が最後かベランダで洗濯干せば雪虫の舞う
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街の灯が幸せそうに見える日は私がとてもちいさいからだ
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透明な砂がこぼれていくようなまだあたたかい夢をみている
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檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
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信じても信じなくてもこの恋は今生の下うたかたの夢
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筆箱の消しゴムの先丸くなり受験の日々もあと一息か
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冬の日の景色と思い重なりてあと幾度かの紅葉散りゆく
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断捨離の荷をのせる時軽トラにとまった蜻蛉 秋の終わりの
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君が前 好きだと言ったスノードームは、雪が皮肉に降り積もったまま
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娘からこれがいいって頼まれた肩まで包むネックウォーマー
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晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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はつらつと若きスタッフ心地良く週一なれど心が弾む
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新品のマフラー整え 無意識に 君の温もり探してしまう
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キラキラとペットボトルが輝いてハードルの横並んだシューズ
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白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
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半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
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山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
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健康になるべく治療を開始してトレードオフの痛みに戸惑う/健康とは?
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名も知らぬ木に艶々と赤き実や 名も知らぬ鳥梢渡りぬ
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雪原のような白鍵さまよひて悲しき調べ一人辿りぬ
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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中空に半月薄く張り付いて言葉足らずの帰路を追いくる
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夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
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wifiのルーターが月と交信している緑と黄色と赤のランプで
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東窓開けて見る月煌々と 恩ある人の訃報が届く
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地球ほし照らす 今宵の月は 格別で この満月は 二度と観れずや
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寒空さむぞらにしらじらと浮く満月はくもりガラスに雪あかり見せ
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