悪夢覚め夜明けの空は澄み渡り心に深く秋を吸い込む
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昨秋に似たよな短歌うたを詠んだかとおぼろな記憶確かむる朝
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断捨離で カセット見つけ 時戻り 四十年ぶり 元カノへ返す
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ふらいぱん 可愛い店で 君が待つ オムライスの黃 幸せな色
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金曜の 最終のぞみは バーのよう ビール片手に パソコン作業す
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大空に 貴女と浮かぶ 夢の時 罪も翼も 風まかせにて
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打ち水にきらめく芽なり紫陽花の挿し木を包む秋風の色
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長月の ついに行なう 大神輿 もはや合わせよ 夏祭りとや
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生田の地 試験行なう 丘の上 初秋の風は 我をたすくか
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眠れずに静かに外す敷きパッド次の次かな温かいのは
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一夜明けニトリへ息子と行ったこと夢かまことか母に訊ねる
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霧雨の空に架かれる虹の弧を回せば弾む大縄とびに
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同窓会散り際またねと手を振ればふと吹き抜ける放課後の風
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証拠なく鹿蹴る人を異人とし騒ぎをあおる要人の言
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院政の 予感抱きし 新総裁 秋の早苗の 背に麻生え
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またしても 凱旋門に 馬挑み 返り討ちなる ロンシャンの秋
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霧のふる夜明けのまちに浮き上がる赤信号のけぶる道なり
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の色が からだいだい しゅへ変わる  秋の深みが かきうつりて
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中秋月ちゅうしゅうづき 真円形しんえんけいとは 限らない  けしところに 風流ふうりゅう
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八丈に 台風あらし襲いし 神無月 盛秋の気は 十日ずれたる
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色なき風 金木犀キンモクセイの を乗せて  鼻腔びくうから 秋が始まる
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異常気象と 言えどこよみに さからわず  君とのあいだに 秋風が吹く 
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朝風が 冷たくなりし 神無月 半ば過ぎれば 寝間着も厚く
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「無用の用」我が心にも響き来る鈍き動作も心明るく
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温泉に 入浴剤で 早変わり 今日のお風呂は 登別の湯
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秋の夜に哀しみ撫でる白き手を払えば闇に雨ののふる
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朗読会 奇跡を集め 音楽と 宮沢賢治に 酔いしれる秋
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ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
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紫の朝顔ひとつ残り咲く黄の葉をゆらす秋の夕風
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日の暮れの西側座席の眩しさが不意に懐かし午後の踏み切り
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