夏旅か笑顔はじける子供らのざわめくホームに一人汽車待つ
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暮れなずむ坂 くっきりと浮かびをる 蒼きうさぎこうべ垂る月
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夕刻の炎暑残りし公園にサッカー少年 光る汗飛ぶ
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白絵の具垂らしたようにかもめ飛ぶ空と海との青さ極めて
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よい人と認められたいあなたには悪い心が潜んでる
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あんな風に死ねればと思わせた父の大往生
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夕餉ゆうげ前 仕事疲れに 蝉時雨聴き ベランダで 月の出を待つ
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飯事ままごと白粉花おしろいばなの 色水を コップにそそぎ カンパイのまね
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雷鳴のリズムをベースにライムする雨音と蝉のMCバトル
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つゆほども先行き知れぬ気のままに精霊雨しょうりょうあめは日を延べてふる
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光の紗は緑葉の屋根をつたいゆく猫は小走りに暗渠を進む
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夏の星座を眠らせる 薄雲や 早目の消灯 促す如く
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我々が 「正義」と名付け 信じるは いつ何処で決め 誰が告げしや
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茄子なすの牛 手綱引く我 盆送り ひぐらしと 咲くキツネユリ (キツネ剃刀カミソリ)
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朝夕は散歩しようと思うほど風の匂いに靴を履く
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買い出しでからのやぐらをながめ見て夏祭りの風お勝手で聴く
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産まれ落ち わけも分からぬ まま生きて もうすぐ大人に なるらしい、我。
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なにひとつままならぬ日に猫がいてなんとなくただ報われている
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四時起床寝不足になりぼやけてる早寝早起きは三文の損
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切ってで凍らして置く手仕事の爪をうっすら牛蒡ごぼうが染めし
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神様も仏様すら居ないだろう信仰たるは「偶像崇拝」
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甲斐バンドサーカス聴いてオフコース来生たかおに岩崎宏美
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教室に 居ても馴染まぬ 私には Utakataここがホントの 居場所と思ふ
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ぎゅうぎゅうの引き出し開けて哀しみを捨てよ無言の声が聴こえる
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花散るも宿根草はなほ愛し 繋ぎ咲かすが生き甲斐となり
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いま僕に また明日と言う太陽は 別の誰かに おはようと言う
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風景の然程さほど変はらぬバス停も 風の温度で 変はりゆく秋
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エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
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お刺身のおろしとわさびを出し忘れ気づかぬ自分に言わぬ家族に/モヤモヤ
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サンゴジュの実の色付きし散歩道雀の遊ぶ涼風の朝
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