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夏を越し寒さに果てた我が友の 墓標に積もるは金木犀(子どもの頃飼ってたクワガタ虫です。)
11
紅葉
(
こうよう
)
は 赤き金魚の形して
碧空
(
あおぞら
)
の池で 泳ぎ舞い散る
32
風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
46
奥津城
(
おくつき
)
のきぬぎぬにすそふむ人の
常世
(
とこよ
)
にかへす波はあらじと
16
薄紅
(
うすべに
)
の 夢も想ひも 捨てたれば 身を罰するごと ニガウリを食む
23
在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
29
去年そうあげたマフラー飛ばした目埋められぬうち彼女がさらった
8
聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
20
立冬の日差しを浴びて墓地で飲むい・ろ・は・す美味し日焼け止め塗る
16
決勝で待ってるからなと言われたけど二人とも初戦で負けた
22
銅像になってる人の業績も顔も名前もまるで知らない
28
年末の空気をまとう街を抜け 排水口を掃除する夜
12
桃色の 点描の星 コスモスの 瞬く丘は 夢を
纏
(
まと
)
えり
25
わが
庵
(
いほ
)
は木の葉散り敷き道もなしいづくを分きて冬のきぬらむ
12
木枯らしの吹き余しつる草の
庵
(
いほ
)
にさらに
侘
(
わ
)
びよと照る冬の月
13
神無月誰に
手向
(
たむ
)
けむ
幣
(
ぬさ
)
ぞとて紅葉吹き払ふ木枯らしの風
13
雨粒が落ちる墓石が悲しげでつい差し出した自分の傘を
9
己から湧き出す怒り引き受けてうなりをあげて電車が走る
10
大空に
大鷹
(
おおたか
)
の舞う 夢を見て 腰は痛いが 心晴れやか
33
「感謝しかない」と言う人がいるけれど他にも何かあるはずだよね
10
夕飯は小皿並べて燗つけてゆっくり食べる一人で食べる
18
泣き顔の 眉にも似たり 紫の 細き三日月 連れて
夜
(
よ
)
歩く
28
使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な
夫婦喧嘩
(
バトル
)
24
朝ぼらけ瀬々の
網代木
(
あじろぎ
)
現れて霧より
下
(
くだ
)
る宇治の柴舟
16
誰よりも早くコタツにもぐりこみ寝息をたてる猫をなでたり
21
漆黒の 丘の稜線 なぞりつつ 月の輪の凛と 今現れぬ
27
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
40
深夜の食事 危険だね 取り憑かれたように なんでも食べてしまう
5
死ぬなんてそんな怖いこと言わないで、百年後まで徹夜しようよ
10
最近は否定の棒切れ扱いとむずかる「しかし」と並んでねむる
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