題∶「納期の返事」  進捗を  問われるたびに  揺れ動く  まばたき語る  不吉な兆し 
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喜寿の吾を「若くていいね」と米寿の姉が そうは言っても歳のみのこと
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駅前に想像上の唐揚げ屋 想像だけで嬉しくなっちゃう
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終わるとは 思わざりけり あの頃は 月の夜道で サルサ踊りて
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夏、アイス 冬、缶しるこ ねだられる 娘と散歩 1歩進んで2歩下がる
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風禿かぜかむろけふは雪夜を触れけど まろきたもとに匂ふ梅の
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木枯らしの冷ややかな音響き渡る 寒空続く静寂な朝
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ふんはりと卵を覆へばスパイスの印の国めきスプーン踊るも
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午後六時孤独のグルメの五郎さんの相伴に預かり夕飯を食む
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水疱は逢瀬のごとに透きとおりあと残らぬよう君を忘れむ
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不登校のぼくの心に軟膏が浸みてくような祖父の雑談
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極寒の風に吹かれて喫茶店 ハイビスカスの紅茶二杯で
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推しメンは年長組のそうし君 さ行が言えず「7×1=7ちちいちがちち
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雪の中直会なおらえの菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
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既読さえつかぬ画面の奥側に冷えたままある僕のスタンプ
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「独り」より「大勢の中」にいる時のほうが正しく孤独になれる
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予感してカーテンさっと開けてみる 白い世界が広がっていた❄️
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パソコンをくれた愛しいあの人に教えて欲しい。言えはしないが
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屋上でオムライス食ふ唇の赤 眼下の白き傘に零さむ
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本来は獲らなきゃ食えぬものだろと感謝を持って食むウインナー/たずさわる動物と人
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電磁波の海を漂う魂に冬がWi-Fiのように刺さる
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あのときの僕の自由はナイフだし今の僕へと正しく届く
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どんと焼き 今年はふたり 自転車で… 憶い出される 愛犬あのこの重み
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知ってます?好きになるって無料なの! こんな辛くて苦しいのにさ。
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ゆく人もこち来る人にも隔てなく うつむき微笑む水仙一輪
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腰までの髪をザクザク切りましたヘアドネーション出来るのも最期
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題∶「休日」  今宵のみ  急がず焦れず  ゆるゆると  夢もうつつの  波に身を置く 
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凍える夜 融雪剤を撒く凍結防止剤散布車きみを 我 ヒーローと呼び讃えたい
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婆ちゃんがさっと結んだ『はた結び』もう亡き人に聞けず検索
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甘き色 洋菓子のごとき 薄桃の 薔薇に頬寄せ 爪を塗る夜
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