(※ 恋に長し愛に短しこの距離は「中途半端」と訳してもよい)
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ただいまと同時にチョコをひとかじり褒美ではなくこれは兵糧
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「鬼は外」かつての声は懐かしく 塾向かいたる吾子の背送る
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鬼は外 多様性の この時代  鬼も内にと なる日も近し
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冬の木の指先飾る紅い花ひとり佇み春を告げつつ
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天球の幕の裏には光ありそんな月です今宵の月は
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でん六に赤塚不二夫の鬼の面定番だった私の昭和
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「ありがとう」最後の最後に零れ落つ 白寿を終えし義母の最期や
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「あんなにも優しかった父」と書く ペンさえ重い冬の朝です
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恵方巻き 残業帰り 売り切れで ままならぬ世に 月は綺麗で
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若草の泉に寄り添ひ陽に向かひ 雲雀と歌ひ風とそよげる
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満月とともにやってくる 月のもの 呼んでないけど まだやってくる
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にゃおんという 呼び声ひとつ いとしくて なんでも叶えてやりたく思ふ
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2年ぶり玄関ベランダ「鬼は外」誰も居ないを幸いにして
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我が膝に飛びつきぬ 人馴れし犬 肉球跡の 土のスタンプ
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ニッコリと営業スマイル手を振って真顔に戻るサロンスタッフ
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明日もまた 会うのだろうに 石段で 話しこけてる 学生いいな
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髪しばり「早くいくよ」といふ母に「ママ、かわいい」をぶち込む次男
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ふと浮かぶ歌をスマホに入力し思い出しては自分添削
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間違いを もっともらしく伝えくる AIはもう信用できぬ
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夕焼けが夜にとけてく時間には帰れぬ日々が空に浮かぶよ
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同じ国、同じ言語のはずなのに三人寄ればわたし除け者
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苺大福だいふくをキメなきゃやってられないよ 試験と就活 中指を立て
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「怠惰」という病のツケが三年の時を経ていまボディブロー
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雪国の暮らしの方が長くなり雪ない実家の母は老いたり/帰省
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今更だ、うずくまっても立ってみる 横で猫、全お腹の無罪
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幾重いくえにも、巻きて開かぬ うちの花 春立つ今朝は 意地を捨て解かむ
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牡牛座の双子の猫に癒されて あなたのウタにほっと一息
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覇気が消え 雪と寒さに丸くなる 筋肉よろい消え失せ ただのアル中
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立春に寒さ束の間緩みおり 雨水、啓蟄心は逸る
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