Utakata
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秋雨に はぜた木の実が 濡れている 目で拾っては 心の奥へ
10
山は紅遠きことこそ美しく鮮明である息一つ吸う
26
雨打たれ枯れたアサガオ下を向いてそんな子らにも朝日は優し
21
秋雨が秋雨でなくなる日いつまばたきの間に季節変わりて
17
草生えると人の声で聞いた時インターネットも現実だと
5
ふかふかのホットケーキに犬を置き いや、ホットドッグにはならんよ
8
久々に会った友等の顔はみな老けているのに変わらぬ不思議
21
口籠る 今更月を探しても手遅れなほど君が綺麗で
14
飽きもせず よく降るものだ 残された 朝顔が喰む 水の塊
7
口に出したことばをなかったことにできるよう小声で話す
13
夏物と秋物同居の部屋の隅そこへ冬物割り込んでくる
29
手元には、
古香
(
ここう
)
漂う 物語。 払う
閂
(
かんぬき
)
、埃の栞。
12
霜月の胃痛を感じる早朝に 暖かき白湯が身体を巡りて
26
ストーブは微小設定してるのに前に座ると寝癖が揺れる
18
いつからか爪の甘皮剥くのやめ分厚くなりゆく面の皮かな
17
ご葬儀についてスタンプ絵文字無し字だけのライン流れてきをり
21
朝焼けを珈琲共に眺めいる時間切っ割くサイレンの音
19
この世には寄り道しただけだったけど、あなたの胎の中は好きだった
15
人生をはじめて生きるから僕ら上手くやれずとも仕方ないのさ
17
神楽月
(
十一月
)
。暦の上では 冬のはず...。 出雲を照らす、ヒタキの鼻唄。
11
泳いでたつもりがきっと流されて 優しいさかなに守られている
13
終末はあっという間でほんのりとカモミールの香りがしたんだ
13
改札を越えた2人は眠らない。東京は多分、いま午前2時
13
生産性の呪いにかかった僕たちは犬と成り果てて夜毎、牙を研ぐ
12
着飾るは、自虐が伴う。それがピアス。
霙
(
みぞれ
)
取り出し、暫し慰む。
8
机上には、昨夜の雫が 寝転んでいる。 そこは私が 予約してた席…。
6
流氷の上に暮らして 冷たくて あたたかい海へひとり ながれ
8
諦めぬ事を学びし横浜の下剋上嬉し美酒に酔う夜
21
似てきたと評判の彼 分かるけど顔認証は突破できない
11
あなたとのラインを糧に生きてます黒やぎさんと白やぎみたく
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