どこかではほっとしていた 低きへと易きへとただおちてゆくのを
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「ポリープが良や悪でも構わない」 涙の子らの抗議に まだ、生きねばと
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運河って書けば少しはきれいかな涙もいつかは海へゆくから
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間違えてばかりの地図をひらいてる私に「赦し」の雨が降る夜
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許しとは私のなかのピストルをそっと野原に置いてくること
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百歳の祖母がわたしに言いました四十八かいもうババアやな
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来客にすました高い声を出す米寿の母の現役感よ
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投函のあとのまつりの息白くこはしたくなる郵便ポスト
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落ち込んでゐても平らぐドブ色の朝ラーメンに半ライスつけ
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水鳥が 朝の川面に 泳ぎおり 凍てつく水に 戦い挑む
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ひび割れた 吾の手のひらの ぬくもりで いやせるものが 有るのだろうか?
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優等生でいられない場所、家にあり母のスープにほどかれる意地
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この上なく 遠いお空に 下弦の月 むせび泣くよう 寒夜かんやに揺れて
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息子から 少し早目の 贈り物 幾つになれど やはり嬉しく
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結露、結露 滴るしずく拭えどもパッキンの黴ニタニタと黒し
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二人きり向かうちっちやな宴なり喜寿を迎えし夫の白髪
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玄関を 他所行きの靴が 埋め尽くし 茶の間の温度が 2℃上がる
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靴下を左右揃えて干すうちに 飲み頃すぎてゆく一杯(ひとつ)あり
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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除雪車が削ったカーブの側面は 巨大なケーキに見えて楽しい
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ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
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食道を熱して下る大根を ビールで追わん寒夜の夕餉ゆうげ
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三連休なぜだかやたらにお腹すく健康なのだと信じたいよね
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題∶「納期の返事」  進捗を  問われるたびに  揺れ動く  まばたき語る  不吉な兆し 
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駅前に想像上の唐揚げ屋 想像だけで嬉しくなっちゃう
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終わるとは 思わざりけり あの頃は 月の夜道で サルサ踊りて
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蝋梅が 灯籠のに 招く寺 涙こらへて 塔婆とうばを抱いて /妻三周忌
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「東京ドーム〇〇個分の広さ!」凄いことは分かるけど一個分を知らない
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夏、アイス 冬、缶しるこ ねだられる 娘と散歩 1歩進んで2歩下がる
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子や婿の仕事始めに残された 我に今日から初場所来たり
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