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来る年の悲喜こもごもを記さんとまだ真白きな日記帳買ひ
27
証拠なく鹿蹴る人を異人とし騒ぎをあおる要人の言
22
霧のふる夜明けのまちに浮き上がる赤信号のけぶる道なり
34
もう二度と 書けぬ名前が せつなくて 唇を噛む 国勢調査
58
夜半の秋 窓から伸ばす 手のひらに 月の光が 燦々と差す
18
真ん丸だ!
夫
(
きみ
)
が指さす西の空 並んで見つめた早朝の風景
30
とくべつな夏を忘れぬラベンダー再び咲きて雪虫の舞う
23
今はただよき日のほかは茫としてふたり重ぬる金婚の日々
15
神様の数限りなく今日の日は金木犀の色の夕焼け
49
いたづらで 棚から猫が落とす本 たまに息抜きせよと云ふ如
40
アトラスの良き理解者は袋詰めされたミカンだ一番下の
8
寝室の余熱を
攫
(
さら
)
ふ 秋雨の
夜
(
よ
)
には 毛布の温もりを足す
38
秋の夜に哀しみ撫でる白き手を払えば闇に雨の
音
(
ね
)
のふる
35
きみゆえに無性に無常考えるこの世はあの世あの世はこの世
6
いつからか友仲間から遠ざかり一人宇宙を彷徨っている
8
一日中汗流しただろうおじちゃんの冷えたビールが誇らかに立つ
15
地球よりもでかい猫の腹の上で眠る夢をみたい
14
もしやまだ…と思いて置きし扇風機やっと仕舞ひて神無月秋
26
いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
51
紅葉の映える峠を二つ越え歌友まつ街の吟行会へ
24
紫の朝顔ひとつ残り咲く黄の葉をゆらす秋の夕風
32
灼かれると知っているのか?夕暮れの蛍光灯に飛び込む虫よ
14
しとしとと傘打つ雨音聴きながらしとしとしとしと家へと帰る
24
「雛ポーズやってみようか」カメラマンがキメの弱いグラドルに指示
6
君は会社不適合者ではあるが社会不適合者ではないぞ
17
車窓から見えるススキの穂は白い 今年はじめて長袖を着る
16
秋の夜に震える僕の鳥肌をさすってくれた君の手のひら
17
あのときもマンション価格爆上がり 若きは知らず 泡の顛末
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インスタにモナリザ見つけ凝視する 思い出だよと口動くかな
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童謡も ファンタジーだと すまされぬ 人里で会う 森のくまさん
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