自販機のペットボトルが水筒に名前を変える午後の仕事場
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四十前まつりごとは分からぬが子の明日のため分かるふりする
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万華鏡 桃色柄は恋の筒かさり乱れて目くるめく酔ひ
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煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
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「先輩へ」 色紙程度じゃ足りないわ 原稿用紙を用意しなくちゃ
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全人類、幸せであれ! さもなくば、巡り巡ってあのこが死ぬの
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全人類、不幸になあれ! さもなくば、無垢なナイフがあのこを刺すの
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二十四の節気の月になじみよき十月十日 とつきとおかの「朝」の重さよ
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かさね着の万葉・古今のかたわらにニュートン・オイラー置かるも愉し
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聞き逃し ラジオ深夜便 朝に聞く 昭和の匂い  我、娘となる
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生更木の 凍てつく大地に麦踏みの ザクザクの音春近づきぬ 
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早春の空樹の塔の尖端に 春告げ鳥は止まるだろうか
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列をす 灯籠のあか燈火ともしび 古き和風のイルミネーション
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温度計プラスをさして立春の辻立ちよりもはやい旗振り
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君のこと好きな私が内にいて 探さないで、と別れが言わせる
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憧れの逃亡生活準備して サンドイッチ用お手拭きもある
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おかあちゃん ぽんぽんいたいの だいじょうぶ あっためたげる ちょっとはましかニャ
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ハクモクレン 寒さの先に 春を待つ つぼみ美し 花はまだ先
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ハードルを上げたり下げたり外したり たまにはぐるりと囲って昼寝
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退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
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カン!カン!と小気味良い音響かせてラリーは続くデイケア卓球
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生命いのちとは熱きものにてたらちねの母子はわれを父親にせし
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思い切る言い訳にする「春なので」あなたを振ってケーキを食べる
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不機嫌に睨んたような顔になる それは良くない老いひしともがら
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土手沿いの 斜面に群れ咲く 黄水仙 風に揺れつつ ツンと顔上げ
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漆黒の ダークネスより 厨二病 そんな言葉は ダークナイトだ
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パンまつり 白いお皿が もう何枚 我が家はしばらく パン祭り
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夜の雲 雷よなれ そう思った 自分が良いと 自我自賛
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公園の出口くゆらすたむろの巣 通り迂回しお巡りさんへ (①・何かあってからでは遅いので🫡)
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劣等生 大体皆に 追いつけず 少しだった差 今では広がり
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