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人恋しい割に孤独を愛してるこの矛盾した心は老いか
31
虚無感に襲われておりフルセットでデュースの末に負けたみたいな
16
鳥が鳴く理由も知らずに癒されて 人の言葉に怯懦になるの
16
やっぱりね あなたとわたしは離れない 運命もそう言っているしね
11
わかれうたなんで今ごろ身に沁みる辛くないのに泣いてないのに
28
暗黒の
闇
(
けむり
)
の如き排気ガス バス発車時に吐き出されおり
28
ふるさとに帰ると決めて初夏の駅 遡上してゆく鮎でありたい
27
引き金と注意サインに対処する「道具箱」書く具体的にね/
wrap
(
ラップ
)
勉強中
14
五年後の予定を信じられるならこの感情を愛だとしよう
12
体力は基準ぎりぎりオーケーと 施設に並ぶ筋トレマシン
20
ちゃっかりと僕の寝床の中央で寝ている犬に「もしもし」と言う
28
賛成の萬歳響く駅前に傀儡のごと晴着――濡れかへ ら ず
13
「あれー」っと短期記憶があやふやで脳裏をよぎる認知の二文字
24
免れぬ老いではあるが胸底に忘れたくなき乙女心よ
26
一ヶ月干しておらぬ布団に熱と涙を漏らす時あり真夏の夜
6
とりどりの百合の花咲く庭園に蜜吸うアゲハ陽に煌めいて
26
いたずらを𠮟られそうな柴犬がソファーで狸寝入りをしてる
29
家庭科でどれくらいまで習うだろう娘のジャージに千鳥がけする
22
むきだしの心に傷がつくたびに 強さと弱さの歪みに流離う
13
しょんぼりと 階段のぼる 踊り場の ぼやけた空に 輝く
金星
(
venus
)
56
さきどりの幸せに溺れてふやけた心がめくれてヒリヒリするの
10
オアシスの活断層の深くへと沁みていくような
湿潤療法
(
あなたのみず
)
12
君が居ぬ 夏祭りなど 意味もなく 花火の音が 心底を突く
21
流れゆく誕生日の群れもうすぐに夢が叶うと夢も無いのに
21
美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の
泡沫
(
うたかた
)
15
夕飯に取り出す玉子は小さくて
鶏
(
にわとり
)
も今夏バテと聞く
37
何もせず 夜中になって 後悔を する夏休み 抜け出したい
12
暗がりに 見つめる一点 ナツメ灯 私は何を してたんだっけ
14
短夜
(
みじかよ
)
の
弓張月
(
ゆみはりづき
)
に重なりて 煙の如く流る薄雲
28
猛暑から蝕まれつつ起床するふとした仕草で足がつります
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