積雪を彩るカラマツ散り敷きて足裏あなうらにそっと秋との別れ
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訃報ありあゝあの人も旅立つか 噂の媼は時雨しぐるる朝に
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卒業と言われる事の虚しさよ先の夢より遂げられぬ悔い
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秋風に秋明菊の細き身の白花ゆれて散り行く夕べ
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頼もしやこの冬初のマフラーは のどむね温め汗ばむほどに
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夫居れば歩くことなどなかったと落ち葉踏みしめ通院の道
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歩けばこそ見ゆるものあり秋の野に知らぬ花の実紅く熟して
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切り株にしばし座って並木道 まだ新しい木の肌に触れ
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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路地裏に落ちた金木犀はやがて夜を照らす銀河になる
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昼休み空を見上げて伸びをする守衛さんへともみじ葉の降る
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こんなにも小さき国に季のふたつ 南に野分 北には雪と
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冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
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一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
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燃やすなよ 命いただいけ 不味かろが 加工出来ない されどいのちぞ
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硝子越し写る景色が現実で 爪を立てても響かぬ身体
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秋が来る 息子殺した秋がくる 落葉のよに 踏みつけた道
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現実を 逃避し明日はサボります。 おかえりんくる 叫んで笑う 
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恥じさへも詠んで笑って模索して部屋は片付き一歩前進
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寒き朝 キャベツ畑に白き蝶 飛ばずにじっと羽を休めをリ 
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一隅を照らす灯りの石蕗つわぶきは誇らず咲きて落ち葉を抱きぬ
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あすなろは夢みし明日の交差点 山動かすも思ひ初まなば
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公園のメリーゴーランド子供らを大人に変えて一人老いゆく
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わんちゃんとおひるねするとげんきでる! あくむをみないでねむるからかな?
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風強し 風の錯乱か 枯れ葉舞う 雲の流れも また急ぎ足
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来し道は迷い違へど一路なり吾子歩みたまへ道選ばずとも
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晴れ渡る 母の生まれし 日に思ふ 空襲逃れ 生き延び『ツナグ』
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り織りし小さき布に息を吹く つよき点りよ 明日の名となれ
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エンドウの 苗が日に日に 伸びており 秋の陽差しを 栄養にして
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あきあかね顔に触れたり遊歩道 車輪の先に立秋ぞ来る
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