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くらやみでうまれたこどもはひかりから逃げようとする習性がある
5
心臓をうしろからわしづかまれる満身創痍ハッピーエンド
2
届かないと知っているからいくらでも闇夜へ流す紙飛行機
4
かみさまにもらったノートを一文字もうめられないまま地獄におちる
2
だいじょうぶ、僕はひとりで死ねるからお前はあの子のところに行けよ
4
「じゃあまたね」まばたきひとつしないままコーラで流し込むハルシオン
2
もうだいぶ塞がりかけた傷だって触られるのはやっぱり痛い
9
とりあえず出された薬をとりあえず飲んでとりあえず今日を生きる
2
太陽やあの子みたいにいつまでも灯り続けるひかりがこわい
3
あいつよりましだと思いつつ生きるあいつよりましと思われながら
3
「あの魔女は自殺でしたよ その証拠?僕に名前を教えたことです」
3
かさぶたになってしまった思い出をむりやり剥がしてまた傷にする
3
歯車はもう狂わない最近の運命はみなデジタル仕様
3
どなたかが一心に打つ点描の
赤橙
(
あかだいだい
)
がきらめく季節
7
こうやって年月が過ぎあの頃は大変だったと早く言えたら
9
でもそんな寒くないしとコート置き出てきたもののもう帰りたい
4
新しいパソコンが来て古いやつ拗ねてもう立ち上がりもしない
4
人の声せぬ正月はおとなしく手酌で旨い日本酒を呑む
14
いかに踊ろうとも背後迫るのは冷えたどうしようもない風だ
5
霜夜には翌朝の土踏む夢よサクサク靴で鳴らす快感
4
寒波去り鬼柴田も負けにける秀吉の計あゝ無常なり
3
花菜漬トントントンとまな板と葉を軽くたたく母の影見ゆ
2
帰り道バス乗車中に出る涙 あってよかった不織布マスク
1
駅を出た昼下がり過ぎの青空にある白い月、誰も見てない
5
君だけの傷になりたい治ること叶わぬ一生ものの痕に
1
懐かしい歌を聞いては思い出す きみとすべてを集めていたこと
3
窓を開け掃除機かけて口ずさむご機嫌な歌、鳥の合いの手
2
繰り返し吐いては吸って生きている 止まらぬ呼吸ままならぬほど
3
打ったとて響かぬ世界で生きている 自己プロデュースの波に揉まれて
2
心荒れ全員死ねと憎むとき何故か呪いは上手くいかない
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