切なさを 積んで重ねて いつの日か 君のもとまで 届けばいいな
7
あの夏を 望み愛して 燃え尽きて 空はいつから こんなに褪せて
7
君だけを 愛すと言った でもそれを 時の流れが 許さなかった
3
身近な人と送りたいので家族葬泣いてる中のいい日旅だち
5
初恋を 想えばそこに あった夏 心はいつも あの頃のまま
6
この都会まちに 溢れる愛を 夕立は ただ見ていたよ 見つめていたよ
7
朝刊を待ってて眠れない今日は文芸の日だ載っているかな
6
人肌が 恋しい冬と 春のは どうにも君に 近づきたくて
6
ロウバイの花が見頃で行きたがるALSの妻に写真を
9
コハクチョウ北ヘ帰ると鳥取も二月に春が近づいている
9
そこにある 風じゃない声 耳澄ます 人差し指で評する前に
21
生き残り図る異なる社風でも手をつなぎスーパー激戦に
4
10秒で 返信しないで ポストから 片道3日が ちょうどいい距離
37
躊躇ためらわず 恋を詠むんだ 喜びも悔いも 全部が 歌になれるの
6
亡き父の苦難を胸に行進はビキニ被災の70年ヘ
6
階段を駆け上がってたねあの頃はよろける老犬と今朝もお散歩
13
幼き日姉弟こどもが登った桜の木 伐採前に最後の開花
12
「これ、どーお?」上から下までユニクロで気だけは若い白髪しらがの夫は
14
暖風や どうにも君が まだ横に 居る気がしては やっぱり一人
5
駆け出した いつかの夏の 主旋律 すべて照陽てるひに 輝いていた
6
お上がりの息子のシャツ来て鏡見る「若返ったわよ!」にニタッと笑う
10
言の葉が 胸に詰まって ヒリヒリと 痛む夜には うたかたが効く
26
病棟の 父への葉書に歌一首 余白で伝わるものの多かれ
28
途切れなく次々飛び出す昭和歌謡  ジュークボックスと呼ばれた夫は
9
来る春の 山の息吹を確かめつ 木洩れ日の下 カタクリの花咲く
28
寒戻り 遅くなりても 咲く桜 君と一緒に 見るの叶わず
21
初彼岸 春を待たずに 去りし君 膨らむ新芽 生まれ変わって
23
見る度に 遺影の君は 違う顔 怒っていたり 笑っていたり
24
今はまだ 哀しい詩しか 詠めないが 美詩を詠える 春来るを待つ
20
納棺時 嫁の体に 我が母が 掛けるセーター 涙止まらず
18