同じとき重ねし友に会いにゆかんうすく紅ひき古希同窓会へ
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少しづつ アルツ近づく 妻見つめ つまづく箸の つましき夕餉
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満ちた月君の街では見えてるの? 空を見上げて問いかける夜
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ギチギチと百舌の声する夜明け前 くもりぐらいでちょうどいいのに
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ぐ空を 到着便が 横切った 日本を想う 小春日和に / 国会
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厳密に選別されるジャガイモの気持ちがわかる人間ドック
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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薔薇のトゲプチッと取ってツバつけて 鼻の頭に可愛いピノキオ
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一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
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茹で上げた落花生食む夕餉時秋の夜長に会話弾みて(再々考)
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物故者に黙祷ささげ始まりし同窓会に集う古希たち
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鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
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寒いのね 吾が立ち上がり 温もりが 残る座椅子を きみが横取り
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真夜中に するどく光る 二十三夜 17才の 君に似ている
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淡雪に零るる想い閉じ込めて春にはきっと宙に漂ひ
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秋日和 風無き庭にメジロ二羽 残りし花の狭間たわむる
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今日の月綺麗ですかと話しかけ 答えなくても信じていたい
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積雪は 十九センチ きのうまでの 浮かれ気分は 静かに埋まる
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金色の銀杏背にして君を待つ遠い秋の日十七歳じゅうしちの吾
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短針が 5さし長針 2をさせば 母帰りきて ともる電灯
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寒がりの 猫に湯たんぽ 熱すぎず ほどよき温度 模索する日々
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彼岸花 萩、ほととぎす 秋深く いのち名残りを 惜しみつつ咲き
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秋長けて隣家の庭にひとむらのローズマリーの紫さやか
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小春日に庭掃除せばカマキリやバッタの卵草に紛れて
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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はつらつと若きスタッフ心地良く週一なれど心が弾む
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魂を売ってでも金欲しいけど腐ってるから誰も買わない
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 庭なずな白き小さき花なれど可憐に咲きぬ陽だまりの中
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ひと様の花壇眺めて昼散歩陽に照らされし赤きマンリョウ
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霊園の前通るたび想うのは背中合わせの我が死なるかな/通勤時
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