死んだあと、きっと世界をこう見てる。屋上の景色。羽はまだない。
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高齢の妻より体力あるだろうなのに旦那は手ぶらで歩く
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退勤後フードコートに集合でみんなで食べるラーメン旨し
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金沢へ 嫁いだ友は 道産子で 小箱につめて 「これが木犀」
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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葬儀屋のネオンサインは煌々と大河の様な国道の脇
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切り花のコスパ日割りで考えるそんな僕にも秋のひだまり
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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夏を越し寒さに果てた我が友の 墓標に積もるは金木犀(子どもの頃飼ってたクワガタ虫です。)
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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奥津城おくつきのきぬぎぬにすそふむ人の 常世とこよにかへす波はあらじと
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明るくて大きな月で立ち止まり見上げてしまう様な月です
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聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
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決勝で待ってるからなと言われたけど二人とも初戦で負けた
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銅像になってる人の業績も顔も名前もまるで知らない
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わがいほは木の葉散り敷き道もなしいづくを分きて冬のきぬらむ
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木枯らしの吹き余しつる草のいほにさらにびよと照る冬の月
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神無月誰に手向たむけむぬさぞとて紅葉吹き払ふ木枯らしの風
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雨粒が落ちる墓石が悲しげでつい差し出した自分の傘を
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己から湧き出す怒り引き受けてうなりをあげて電車が走る
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「感謝しかない」と言う人がいるけれど他にも何かあるはずだよね
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夕飯は小皿並べて燗つけてゆっくり食べる一人で食べる
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風切りの音が路上をさらってく夜の始まり冬の始まり
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朝ぼらけ瀬々の網代木あじろぎ現れて霧よりくだる宇治の柴舟
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鴨川のもみじの赤と清き水きょう手術日を決めてきました
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誰よりも早くコタツにもぐりこみ寝息をたてる猫をなでたり
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死ぬなんてそんな怖いこと言わないで、百年後まで徹夜しようよ
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庭先のレモンは黄色に色づいて僕のほっぺは赤くなってた
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合わせれば逸らす視線の動線で見えない壁を張る能力者
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鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
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