Utakata
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燕来て ひっきりなしに口開く 雛へ運ぶは無償の愛か
21
帰りたい もう疲れたな 帰りたい 家に居るけど まだ帰りたい
10
五月雨に涙尽くした紫陽花を縁どる「やくも」の車窓過ぎゆく
12
アスファルト真昼はちょっと熱いから日が暮れてからリード取り出す
9
古文では見えない人に恋をする今よりとても健全だろう
9
たましいをやすりで撫で回されてるみたいな日にもきみはやさしい
11
熟しゆく
碧
(
あお
)
き葡萄の密やかに蔓の
庇
(
ひさし
)
に夏至を祝えり
17
雨の中 殻を
背負
(
せお
)
って ゆっくりと 歩む
蝸牛
(
かぎゅう
)
に
処世
(
しょせい
)
を学ぶ
16
夜も更けて無人の派出所過ぎゆけば血豆のごとく腫れる赤灯
8
五月雨の
古
(
[降る]
)
江の
真菰
(
まこも
)
仮
(
[刈り]
)
にだに来ぬ人ゆゑに恋ひわたるかな
7
狭苦しい教室の中で生きるには 恋でもしないとやってられない
7
相応の値段はありて千円のうな丼食えば本物恋し
9
数年前 飼ってた金魚を懐かしみ 今はスマホの中で楽しむ
9
ヨガマット目にした女児A「まほうのじゅうたん」女児B「いったんもめん」
6
二の腕を小雨にさらし帰り道 人肌ほどの燗酒恋し
15
うたかたのログイン情報登録し 今日から始める和歌の道かな
6
どうやってスウェーデン戦見ようかと思案はいらぬ職無き吾は
6
猪鹿蝶 あなたと一緒に いたいから 終わらぬように こいこいをする
6
駅前で 令和の夢を 託されて 梅雨の晴れ間に ゆれる短冊
20
倍速で浮いた時間に置き去りの 胸に残らぬ楽しむこころ
15
傘立ての隅の長めの邪魔な傘相合い傘も想い出の中
6
父の兄 幼き体抱っこされ 立派な遺影はその子にはない
6
人の影を喰うような音 鳴り止まぬ夕立は馬の背を分ける
5
母さんに昔のことも聞きたいが記憶はみんなフリーズドライ/お湯を注ぐと戻ったり…ないない
16
地響きに驚き鳴ける雉の声揺れ来る前の静寂を破り
5
夏祭り 暑くて熱き「焼き鳥」の当番つらき歳になりぬる/そろそろ打ち合わせ会かな
12
パソコンにGPSを取り付けて頭上をめぐる衛星を追ふ
5
雨降りて 昨日の街は 洗われる 僕と言う名の 宿題残し
7
誤定義の集合:僕 の 草いきれ(刈り取られた身が葬られた香)
4
最高値 体重記録 更新し どうにかせねば とまた更新
4
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