雷鳴 刹那のワイパー潜り抜け 目が合い落ちる 雨粒ふたつ
5
ありがとう 私とあなたとの不和をSNSに書いてくれなくて
7
今ならば 溺れ死んでも構わない 君を縁取るシーツの波間
10
扇風機 プロペラ軋ませ 揺り動き 幼い風で涙干す
8
支えられている私から伸びる背中をそっと支える右手
5
向こうから手を繋ぐ君が来てるから曲がりたくない路地を曲がるね
9
眠っておくれよ 僕のそばで 羊雲を枕にするくらいなら
5
運命 この暗がりに居てたまるか 揺れるスマホの光を消して
7
お日さまが きみのつむじを やいている はんぶんのそで あさがおの夏
16
十五夜の うさぎは空を 見上げては 「おおきなおおきな 青い月だね」
11
外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
29
とぐろ巻く 気持ちがとびだしそうになり 父と離れる時間を買った
30
あなたへの想いを乗り換え出来たならそう考える赤坂見附
14
帰宅して迎えでてくる愛猫キミはいず 今日はどの餌 ひとりつぶやく
12
午前2時 あなたが去ったあの日からシングルベッドの広さに気づく
10
揺れる月 糸を垂らして君想う 巻き取るリールの先に居たら
9
こんな果ての 夜でもビールを通して見る世界は 輝いてる
9
伊右衛門のラベルの裏の大吉に喜んでいる私はチョロい
22
心から貴方を想う十三夜 想いつづけて耽る星空
12
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
56
俺がなにかを祈るとき、その瞬間だけ七夕が発生している
8
朝風で一粒落ちるクヌギの実 童心戻り急ぎ手に取る
14
気づいてる?ハロウィンだけじゃなくいつもあなた好みに仮装してるの
8
振り上げた拳は行方を失って無限のもやを彷徨っている
17
渋谷にて闊歩した魑魅魍魎は翌日の朝人へと還る
13
ママ友のリーダー格は来なくなり じゃない方の三人話が弾む
40
知ってるよ わたしはわたし 波の音に 削れて溶けて 海になっても
11
真夜中に うなされてたと 聞かされて 覚えはないが 少し泣きたい
47
いびきまで食べたいくらい君が好き。寝てない君には言わないけれど。
6
この街のいたるところに残る靄 嫌いになっても消えない呪い
9