十六年一緒に暮らしてようやくに分かってきたかも 犬語なるもの
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桜花贈る言葉を探す僕 涙しか出ぬぽろりぽろりと
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春爛漫君と見上げる桜花 今宵花より君に酔います
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春の夜に貴女に夢をみせられた ゆらり妖しく咲く桜人
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コートからひらりと舞った花びらが 僕に小さく春を知らせた
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水玉を勝手に傘に描き出す 花びら連れたあたたかい雨
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いつもより時の流れがゆっくりな 千鳥ヶ淵を花と歩こう
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美しいのは散るからと知りつつも 春以外にも見せたい桜
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喫茶店トーストの上溶けるバター BGMはパブロ・カザルス
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「学校前」小学生はバス停を早押しクイズで駆け降りてゆく
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強風に折れた大枝ぶら下がるそれでも生きる花を咲かせて
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咲く花も 美しいけど 風に舞う 花の姿は 薄紅の雪
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春霞華と同じ色の空美しいまま散りゆく桜
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春なのか?陽炎の立つ駅 独り 乗り遅れてた春色の汽車
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環八に舞い降りてきた天の河 僕も川面の光となりゆく
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お互いに通って過ぎた季節ときがある この季節へと捨ててく想い
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「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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しゃべらない息子が居ればうっとうしい 居なきゃ淋しく部屋覗いたり
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目の前で起きし不条理よくあると 逃げる吾の意気地の無さよ
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雷にあんなに怯えた愛犬はひたすら眠る何にも動じず
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もちもちとしたやつ頬張りたいけど それがなんだか わからずぼんやり
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毎日を和ませてくれた十五年 金魚死にゆく 淋しいリビング
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そのへんの言葉じゃサイズが合わなくて 裸の気持ちがくしゃみをひとつ
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いよいよに古希となりたる今朝もまたヨガでスタートいつもと同じに
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朝一番テーブルの上にはバラの花 静かな善き日 古希を迎える
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歌詠みで他人ひとの生き方垣間見る改めて知る短歌の世界
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マスク取る日常戻り薄化粧 日除けの帽子は深めに被り
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一人では気づいてくれない会う人が セットなんだね私と犬は
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君の手の触り心地を忘れないうちに会いたい。今はそれだけ。
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世界中飛び回っている息子でも 出発の朝の変わらぬ寂しさ
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