垂れていたつららも消えて晴れ渡る空色西に走る電線
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いつもならバレンタインデーバレンタインによく荒れた冬将軍の姿が見えぬ
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八戸であがなひきたる八幡馬 男馬女馬を離して飾る
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甘菓子を頬張るあどけなき孫は戻られぬあの春の日のきみ
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和服着た 清楚な人と すれ違い 貴女を想う 祇園の小路
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無意識に沈んでたのかこの俺は?ふた親おくり幾星霜も
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受付が診察券までかざすだけ「お願いします」を言うこともなく
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猫型のスポンジ週末替えようと 思ってそれから幾日経つか
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ラジオより春告げのうた聞こえ来て胸を開いて顔を上げたよ
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下敷きに推しの切り抜きはさみこみ昭和の子らは恋をしている
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涙してポストに入れたあの手紙いまの私に送った切符
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あぢきなし浮世に立ちて眺むればせめても吾が燈明ならむ
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空腹だ バレンタインも 忍者めし 増えるタスクを 噛んで飲み込む 
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それぞれが今日一日を無事終えて家路に向かう4時過ぎが好き
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肩触れつ 春待ちバスは宙を駆け無限の星をひとつずつ巡る
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深き森 泉を求め獣道 小枝パキッとハラハラ進み
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折々にまどみちおの詩集うたを読むぞうさんのに心なごめり
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如月の 摂氏十度を 超へる昼 上衣の要らぬ 心地き冬
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襟髪をつかまれるよにふりむいた 確かにそれは沈丁花の香
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かっちゅうのお窓の前のほんの前しょうもないけど着ると違うね〜
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いい夢の侵入者が惡い夢出る怪物に惡口を吐く
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いちご食べ口から垂らしよだれだと果汁のままに自ら破滅
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むすめむすめプリンを独り占めなんて焼き立てなのにすぐ食べている
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ふるふると揺らされ具合いを伺ってカラメル伝う小皿にスプーン
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あそび暮れ子らは家路に語らひの 山の端に入る けふの白雲
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つちの戸をたたき春告ぐきぬの雨 うんと伸びする草の子の朝
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「AIと恋に落ちたんだ」「大丈夫?」エラーコードは愛の証さ
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椅子の背に掛けたタオルを引っ張って落として敷いて座ってる猫/いつもいつも
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白黒をはっきりさせてばっかりじゃ息苦しくて仕方がないや
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猫と会話ひとりの日常 懐かしき 夫や母との口喧嘩さえ
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