カルピスとミルキー初恋の味はどれだろ降車ボタンを探す
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図書館に毎日勉強する君のいない窓際 座る秋の陽
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こんこんと 母の空咳が苦しい 私の不孝を責め立てるから
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誰そ彼たそがれに道踏み出して心の黄 破る信号ひとときの春
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友告げしあの街花火無いといふ愛でし処名ところな相生(の)橋「岡山市」
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神無月 過ぎゆく秋に短歌うたを詠む 三十一文字に思ひを込めて 
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可愛げは自宅のトイレに流してきました水道代はそちら持ちで
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あかねさす 紫立ちたる 暮時に 漂ふかほりの みちにのりける
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ほうき草 丸いフォルムが愛おしく 紅く染まって いや増す可愛さ
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『カナリア』のスタライには茹で玉子 ウデスタ一択あせだくだくに(赤茄子日本翁、同学ですなっ)
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パリの街我が遭ひたるロマの娘 スリが生業なりはいとは哀れなるかな
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朝散歩 鈴虫が鳴き 大鴉 ふわりと着地 威厳に満ちて
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田舎空 合図花火が炸裂し運動会が始まってしまふ(体育は苦手でした)
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扇風機汚れ落として 出番待つファンヒーターに場所を譲らる
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仕事する 君を想ってパン選ぶ 離れてる時のが 優しい私
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線はいいもう沢山よ点のまま星さながらにスッと消えれば
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無愛想に隣に座った老犬の 尻尾が少しももに触れてる
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どこからが空か海かもわからない大きな碧から生まれて還る
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週末の 洗濯物や 溜まり過ぎ いざ畳もうか 天保山よ
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憧れのルビーの指輪のイラストを机に貼ってる今が好きだよ
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一円玉もうこれ以上くずれない 予報官の喜ぶ言葉
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『もう寝るよ』『切るよ?』笑い混じりの声 切れないふたり 『あのね……』ってまた
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次々と話の種に花咲かす 『寝よう?』『切るよ?』は双葉のまんま
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「もう寝なよ」をそのまま返してあげれずにまだ話したいと思ったら恋?
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三分間急行列車通過待ち秋風ふけば澄んでゆく車両
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あけぼのの 進む先には あしひきの みかもに揺るる 心もおどる
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どうしてとタラレバ並べ落ちる穴 今日は一日雨だったから
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シロさん何食べの真似して 浅く漬けました まぐろの山かけ どうぞ召しませ
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グレゴリオ聖歌を聴きて横になり疲労と揺らぎ共に来る秋
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涼やかな 秋うた聞こえる草畑 潜む鱗と ともに驚く
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