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風景の
然程
(
さほど
)
変はらぬバス停も 風の温度で 変はりゆく秋
43
エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
36
お刺身のおろしとわさびを出し忘れ気づかぬ自分に言わぬ家族に/モヤモヤ
20
サンゴジュの実の色付きし散歩道雀の遊ぶ涼風の朝
28
戻りたい 戻りたくない あの日々を抱きしめて生きる普遍パラドックス
11
手頃ならなんでもいいと貪って虚しくなっては失う輝き
10
縋りつく愛に未来があるのならルーブルのように綺麗に飾って
8
さなぎでも愛してくれた君だから空へ行けるよわたしの羽で
13
物体に宿る記憶に絆されて 季節を幾度見逃しただろう
11
もう一度
堕落
(
きせき
)
は起きるよふたりなら アダムとイブの末裔だからネ
10
言葉など無くても
触
(
ふ
)
れるだけでいい 猫に伝わる 人の気持ちは
32
惜しむよに水色の雨落ちてきて僕らの肩にピリオドをうつ
27
目を閉じて 手繰る肌掛け 心地よく まなこねむけに 君をおもひぬ
11
アボカドの水耕の種変化無く夏の絵日記白きままなり
42
まどろみに 絡みて触れし そのからだ 欲するはただ 心も身体も
7
はぐれかけの 私も取り込み 囲まれる 体育祭は
永遠
(
とわ
)
の思い出
16
船の往く中川運河の倉庫群 荷役に残る昔の
欠片
(
かけら
)
33
宵っぱりのクォーターライフクライシス わたしはわたしと崇める朝日
6
甲斐性と認めるほどに不甲斐ない鏡に映るあの日のふたり
6
雨催
(
あまもよ
)
ひの日暮れ 雲を貫ひて 居場所を示す如 光る月
20
若き日の 意味なき自負が 今あれば 寄る年波に 勝てる気がする
14
裂けそうな こころをひとつ 抱えつつ 言葉をつむぎ 避けるあらそい
14
途切れしは 夢より儚く閉じられて 朝はぽっかり 空虚なままに
12
「先輩!」と 呼ばれて気づく 年でしか 人の上には 立てないのだと
21
君を
娶
(
めと
)
り 十年が経ち 君想う 心変らぬ
弥終
(
いやはて
)
の恋
10
太ももに 湿気がまとい 敷布団と 擦れる不快感 雨の日の夜
17
変わり種どんな新芽も花となれ
才
(
三一
)
を信じて高らかに咲け
17
呼び捨てに一人勝手に心躍る 脈を感じてもいいやつなのか
18
信号は 同じ景色見 四六時中 働いている 飽きぬのだろうか
17
試練だと 思いて日々を 駆け抜けて ふたり波を 越えて見ゆる
灯
(
ひ
)
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