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駆け出した いつかの夏の 主旋律 すべて
照陽
(
てるひ
)
に 輝いていた
6
言の葉が 胸に詰まって ヒリヒリと 痛む夜には うたかたが効く
26
病棟の 父への葉書に歌一首 余白で伝わるものの多かれ
28
僕と君 二つの青春が いつか また交わって 繋がる日まで
5
白木蓮あはあはと滲みいづこより来しものぞ燕尾垂れをり
6
絶対的現存在の把握を期して必然死偶然の死ならず・石牢
4
右廊・三菱油彩鉛筆風景画展 左廊・村上隆ファンアート展、の地獄
4
血の衾よりあれて父母の胎を憎しむ聖霊の目
4
シオン 無辜の羊に刺青あり豫死登録‐罰・死蘇生録
4
十年も経てば君らの叙情など時代のコードもろともに死ぬ
(
2024年現在のドレスコードでお送りしています。
)
7
あるじ亡く ねだられ買った 腕時計 何も知らずに 時を刻みて
22
ありがとう 冬を彩る パンジーを そろそろ土へ 返してあげる
17
息子ほど歳の離れた頭脳派は思いやりだけ少し足りない
16
私にも麗しき頃あったかと回想の後千切れゆく日々
15
思い出の 二人で見てた この桜 涙の筋に 貼り付く花片
21
あまりにも儚く割れたふたりには残されたもの煮詰まって濃く
14
入園式いよいよ今年で三十回
白髪
(
しらが
)
に似合うよピンクのネクタイ
14
屋台去り静けさ戻った並木道 犬とお散歩舞う花びらと
14
「歩けたね!いつものコース、久々に」老犬抱き上げ頬ずりをする
17
屋台消え人がまばらな遊歩道ゴミ拾いする爽やかな朝
13
なんとなく気まずい空気が流れ出す寡黙な息子と二人の夕餉
15
桜詩 美しき詩 皆詠い 我詠う事 時に忘れし
14
空っぽの記憶の中に残る歌昭和歌謡を母と聴く夜
28
次々と社員が辞める八百屋にて客の老婆を怒鳴る御子息
16
箱庭の中へ死にゆきぬ智慧の実も腐りきつたり 食卓のうへ
6
カフェラテに初めてハートが描けたよと写真に既読なんか嬉しい
19
幼子は狭き我が家を駆け抜ける まだまだ寝ないと親から逃げて
38
玄関で一人で靴が履けなくて履かせた母の足のちいささ
28
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッテ画伯憎しみき群天使、葡萄、鳩尾
8
八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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