*トンネル*
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ふたりで、同じ側から映写機の光を照らしていると思っていました。
けれど、本当のほんとうは「表」と「裏」からだったのだと、気づくまでに二年ほどかかりました。
いえ
本当は、ずっと前から知っていたのです。気づかぬふりをしていました。
ながく、ずっと この物語を続けたかった。ただ、それだけのことでした。 
思わぬ「きっかけ」に今までを振り返り、これ以上苦しい思いはしたくないと強く思い、戻らずそっとこのまま消えることを選びました。さよならも言わずに。

頬撫でる 柔らかな風 思いのせ どうか元気で 交わらぬとも
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非日常 揺れる境界 甘くこえ ごっこに本気 沈む火曜日
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***** 区切りつけ、さぁ 今までの わたし抱きしめ はじめの一歩
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何も見て いないふりなど 出来なくて だからごめんね もうあわないね
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ひとつ詠む 記憶のかけら 掬い取る 溢れ消えゆく 全部、貴方の
8
「いってきます」 表の顔は 置いてゆき 背を向け甘く 「はじめまして」と
5
いつだって ジタバタしてるの わたしだけ 貴方はいつも 気づかぬふりで
8
日常を 無くして気づく 脳内の 「お花畑」と 蝶の残像
7
踏み出せば 遠くゆらめく わずかな 信じるように 背を押すように
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もう声も 思い出せない 背の君は 今日も誰かに 甘く名呼ばれ
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綻びを 見ぬふりしてた あの夜の 思い出解け 指に絡まり
10
にんじんを ぶら下げられて よそ見せず 行き着いたのは 夢の骸場むくろば
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元通り 差し出した手を 引き戻し 手放せば、ほら 穏やかな日々
10
もう終い 背中押さずに 手を添えて 柔く包んだ 貴方の居場所
8
バカみたい 呆れるほどの 優しさを 与えたことを 恥じず誇りに
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輪郭を ぼかし薄めて 流しゆく うたは心の 排水口
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糸垂らし 小慣れ囁き 繰り返し 乱し淫れて 残る空白
5
欲望を吐き出すためのひと時に存在意義を満たす愚かな
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不特定多数に撒いた優しさに 心預けて咲いた無の花
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空の井戸 水をやっても 枯れる井戸 君とわたしの 心と同じ
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不確かで 曖昧さまで 飲み込まれ 夢心地さえ 弄ばれて
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失って 貴方が感じた その種は 「喪失」ではなく きっと「不便」で
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新しい刺激を求め愉しんで飽きたらしまい次を探して
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やさしさの 仮面をつけて 偽りの 甘いひととき 空虚残りて
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安全な 場所で見下ろす 踊り子は 滑稽だった? 仮面の君よ
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遊び場は 変わらず今も あるでしょう? わたしはそこに いやしないけど
7
偽りの 渦の中から 這い上がり もう戻らない わたしのままで
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掴まれた 心の奥の 煌めきに ついた嘘さえ 愛に見えたよ
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指の間を するりすり抜け 慌てたの? 恋人ごっこの 相手は終い
8
あの嘘も 仮面外した フリさえも 気づいていたよ 知らぬは君だけ
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