報われぬ思いを抱え帰る日は鯛焼き買っていちごも買って
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幾たびの 心変りを 重ねても 星をひき連れ さざ波はあり
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葬送のリフレインだと言う母にフリーレンだと今日もリフレイン
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あと七日なのか 愛犬あのこない 日々ひび去年きょねんいまよしもなく
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野菜から 美味しい出汁を 研究し ピーマン胡麻が 勝利勝ち取る
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前世の 記憶を垣間かいま 見たような 霧と光を からめたる風
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冬日差す畑の隅に枇杷の花甘き香りを風が運びぬ
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負けるまで続けてやると言いたいが一度も勝ったことのない古希
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風の音 空き缶カラカラ 回る音 静かな部屋に 薄く響いて
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これからが これまで決める 苦しみを 御恩に変えて 滅度に至る
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いっぴきのlinterとして本だったものを閲する如月の夜半
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我が動き マリオネットに 託す事 我やるべきは 心自由に
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我が夢は 笑いと夢と 感涙を 誰かに伝え 天に召されし
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正当な断る権利二つ言ふ されど長老すかして笑ふ
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小さくて取るに足りない幸せを寄せ集めては満ち足りるいま
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薄幸の パウダースノーに 積もられて 子を待つ雪の ダルマがポツン
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大寒を過ぎらば直に春の立つ暦めくりて早に春待つ
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好きな人は好きかもねという人はたいていそれを好きでない人
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まろやかに 雪はつもるの 塞がれた パンダの遊具や 松の枝にも
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エアコンの温風ならずフィルターを開けてビックリ埃の山で
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木の枝の何処に潜みし寒すずめ一斉飛び立ち空色変へし
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明け方に 底冷えのして 目を覚ます 大寒らしく 咲く梅に雪
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平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
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ジーパンの君しか知らぬ友達の震える喪服 薄い三日月
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懐かしき亡母の甘露煮 金柑のたわわなる実は冬天に映ゆ
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枯れ草の中で見つけた白い花スルーが上手小さきチサキはこべら
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畑よりつま持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて一日ひとひに感謝す
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会えなくて抽象的になってゆく  気持ちも声も思い出さえも。
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麹から 甘酒作り 挑戦し 自然の甘さ 身体に優し
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「好き」なんて口に出したら壊れちゃう曖昧で脆い細いつながり
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