心地良く 寒い空気と 温かい 吐く息眺め けふは良きかな
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前に海 背に山控え 串本の 昼はとんびに 夜は鹿の音
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食べ切れぬ ぽんかん貰い 有り難く  次に何をか じいさまの為
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一目惚れ素直になれない浮かれ猫 距離置いている好かれるために
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本読みの君に愛した受験生 本読みすぎよ! 司書危ぶむ
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あなただけ! のつもりだったチョコレート その頃あなたはあのこに笑う
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老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
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赤子皆生まれる日時ときを選ぶのかならば選ぶは生きるそのもの
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雪にさす 朝陽あさひの色は 生成り色 忘却の彼方かなた 竹を編む人
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通学の自転車の群れ見送ってはるか昔を思い出す朝
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留守電の長々しゃべる候補者に入れませんよとつぶやいてみる
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値札だけ静かに替はり昨日とは重さの違ふ買ひ物籠や
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ごま団子甘く噛みしめ向かい見る 未来の僕を診るクリニック/団子屋の向かいは糖尿病クリニック
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節水のせせらぎ春の雨まちの人のいとなみおもひやらるる
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食事中テレビ消された幼き日 ウルトラマンの登場前に
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コーヒーの吸い込む湯気の微粒子も君と過ごせばこその愛しさ
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立ち尽くすスターハウスの真ん中に星がすうっと吸い込まれた夜
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「生きるとは誰かを想うこと」と言う君の心に棲む人に傘
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高まりにシーツを掴み 靴下はいつ脱ぐべきか考えている
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悲しみの 雨にうつむき 泣いてては 空に昇った 虹に気づけぬ
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ため息も 撫でてあげると 君がいう その言葉はまだ 少し震えて
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174分アイス食べかけのままであなたは春にいますか
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きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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定位置で すやすやねむる ねこを見る キッスもしよう ちいさな額
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今、私、ブルーライトの檻の中 夜明けにそっと鳥になりたい
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本日の お楽しみTV 徹子の部屋 五十年の 歴史に想い馳せ
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いつの間にくりやに立つ子の背は伸びて 注いでくれたる味噌の香膨らむ
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同じ親の子だとて 好み異なりぬ 姉は好きは苦手 椎茸
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み吉野に われ問ふ鳥の来たりなば 袖振り示し給べ 山桜
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雪だから細くなりゆく路地歩きすれ違う人袖すり合わせて
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