初雪に錯覚ごとき起こりつつ木々に花々咲かせおるなり
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食細くなりつ 持ち直す老犬 無事に一緒に 正月迎へり
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人知れず故郷離れた私にも 年賀の便りが一枚届く
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意味の無い 問いかけですら すり抜ける やけに風吹く 満月の朝
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ショッピングカートに残るぬくもりを感じる初売りのスーパーで
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不従順を 叱りて鞭を 当てし事 悔やめば馬の 背を長く洗う
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大体の嘘はニベアで隠せるとガールズバーで教えてもらう
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馬の尾の 顔払いたるを 叱りつつ 蹄油ていゆ塗り終え 仰ぐ落日らくじつ
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冴ゆる冬空 ふたご座を追ひ 浮上しをりぬ 寒夜かんや更待月さらまちづき
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忙しない時が私をクズにして レジに並んだ老婆を憎む
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蟲が沸く 新年早々脳腐り アイツの性器切り落としたい
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今さらに夏らしいことしたくなり 凍てつく銀の六花を思う
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しんどいと瞼が重そうにしてるの 当たり前なのに そうじゃないみたい
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待合室 長椅子の上 タップダンス ママの隣がステージだもん
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バスの窓 知ってる道とかお店とか 私の顔とか 次で降ります
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足りないね 人手や時間 分かりたい ひとのこころは 癒せないのか
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冬枯れに烏の一羽柿つつき赤き実落つる哀しき青空
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いちばん良いものを天国いちばん悪いものを地獄と生きてる人が
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よく知っているけど 未だにスマホでは打ったことない言葉:『巻き尺』
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不安でも一日ずつを生き延びて 詠み返す日に泣けますように
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雀二羽 ぷっくり膨らみ 植え込みに 天敵のない 青空のもと
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白みゆく凍てる道行く車にはあからむ富士のあしたが乗りぬ
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「泣けるわ」とスマホを閉じて見上げれば三十一文字の空広がって
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推しがく また裏切るの?糞女が いいよ。シェリルは永遠だから
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「いいね」より温かいのは三十一文字スマホの中に咲く花の雨
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予感してカーテンさっと開けてみる 白い世界が広がっていた❄️
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あの日から変わらぬアイに侵されて もう3年か、凶器は絶えず
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わたしたち違っているから目をあわせ話しあって触れあえるのね
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歩くたび抜かしていく人の背に元気だったわたしが見えるよ
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掛け声の 余韻抱いて 影並べ 大きな夕焼け 背負って歩く
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