紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
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染めたまへ きみが訪ひまつ肌の はまゆうの花からくれなゐに
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寝かしつけようと何度も口開き母の歌声呪詛っぽかったな
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バイキング 麻婆豆腐は 禁止にしないか お前がでてくるからおかしくなるのだ
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横になり疲れたふりし指図さしずする チョロいよ息子キッチンに立つ
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車窓から見える山々紅葉す 空気も澄んで水色の空
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ふたり旅 頭の中で 妄想中 隣のおじさま 君に見立てる
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気にかける親のもう居ぬ故郷ふるさとの天気予報をついまた見てる
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通行人Aにも帰る場所がある 皆足速みな あしばやな初冬のビル街
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もてあそえにしもて子をいたづらに苦しむるとも知らで老いけり
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分かり合うこと目標にしなくても励まし合ったり笑ってみたり
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エアコンの作った空気が苦しくて冬の夜風に消えたくなった
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人知れず 産声上げし 機螂獅鮫きろうしきょう 独り銀幕の 波に揺られる /Z級映画『メカカマキリライオンシャーク』
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「本当は」言葉を飲み込み微笑んだ グラスに移った私の唇
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穏やかな 君の目と声 いつまでも 心に残り 日々をあたたむ
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波多き 人生なれど 刻まれし 愛と記憶は いろどりとなる
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くちもとに かかる火の粉を はらわいで  熱さのあじと 匂い眺めん 
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あのひとの 子を可愛がり 恨めしく  思うわが身の はしたなきかな
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赤信号 ぼぅと眺める その先の  街路樹濃ゆく ワインレッドに
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良きうたを 秋の夜長に 手探りで  煙くゆらせ 珈琲匂わせ
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メタ認知 夜ごとめぐりて止め処なく「ああまたかよ」とインパスの沼
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換気扇 煙と香り 無造作に  吸いて吐き出す 今の我が身か
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
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思うのも思われるのも塞ぎたく 己に夢中になるもできない
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「早いね」と話しかけると「早いね」と答える人のいる温かさ
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暗幕あんまくに 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の いくつ 
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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愛せない街で生きるあなた 頬を撫でる風に僕はなりたい
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イカロスの蝋とわかりし子育ても 低く自由に羽ばたけ空に
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