空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
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わざわいは 一切全いっさいすべてを 奪い去る されどそれすら かてす君
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心折れ 今を嘆きし 老木に  接ぎ木を成して 見届ける妻
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目的をクリアに持てば大丈夫思考も晴れてまた歩み出す
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影二つ 夕日を馴染ませ君の髪 揺れる頃には夜の街並み
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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死に別れ?怖くは無いわ 簡単よ 次も貴方と出会えば良いのよ
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星屑の 銀のきざはし 昇りゆき スノウフレイクの 銀河で踊らむ
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病床の吾を想いて厚き文 友の笑顔が飛び出し舞ひぬ
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テーブルの 花瓶にいけた 小枝から 梅が一輪 春の息吹が
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高3生 決意を胸に あとにした 教室に光 しづかに満ちる/明日、共通テスト本番
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いくつもの 眠れぬ夜を 乗り越えて 赤く滲んだ手 いざ本番へ/先輩方、頑張って下さい…!
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薄っすらと積もった雪で遊ぶよう雀の足跡あちらこちらに
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積雪の歩道に残る足跡と同じ歩幅で歩くいずさよ
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「愛(かな)し」とは「悲し」に似ててわが胸に一匹の鬼棲ませてやまず
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もう後も ないまま告げた 別れにも 彼女は一人 背を向けていた
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二十歳なる光の殻を脱ぎ捨ててゆく背なまぶし 息子(むこ)に幸あれ
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同じ家の並んだ街を寒風と過ぎれば暮るる人参畑
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湯気の向こう誰の期待も届かない場所としてある朝の珈琲
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スマホから指を離してひらがなの「やすみ」を飲み干す土曜のひかり
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「月が綺麗ですね」を待つきみの横顔は月
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捨てられぬ 古き手紙の 薔薇色に 変色すまで また仕舞い置く
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地下鉄に 凛と咲いてる 一輪の 百合と目が合い 見惚れた初冬
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雪が解け重なり合った掌は愛が交差し熱が絡まる
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香しい葉で包まれた桜もち口いっぱいの春を噛みしめ
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縫いぐるみのお猿を乗せてカート押すばあ様お茶目な幼女になりて
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寂しげに 漂う雲よ 片恋よ 春を あのを 追うか待つのか
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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病みて臥せば 枕は砂漠の砂となり うずもれ星と 眠り落ち行く
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今宵こそ回り道せむ 蒼き森  月のあかりを地図として踏む
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