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堤防を越えた汗が目に入る真夏の昼のワンタンスープ
5
水の井の上澄みにしか掬はれず兵隊となつてゐる蟻一列
5
薬用石鹸手に遊ばせて覗きやる洗面台にふつふつと海辺は
5
ロベールドアノー苛性現像液ひてる市庁舎まへの遠ききのふに
2
匂はしく木槿の
腕
(
かひな
)
腐りきり差す月はいきわかれのふたご
4
棺工十三人のごろつきを指揮す 黙示は飾字の森
3
銀球鏡対称反射左利きなれば右手にかばふ利き腕
3
ここにない。あなたが欲す、そう、『希望』みたいな言葉。さわれたら、熱。
4
「どちらでもない」世界だと言い聞かす 何にもしたくないからだよね
5
希望なら手に入るけど絶望を歌うためには足りぬ文字数
6
行かなかった解散ライブ再生し部屋に時間の塊が降る
6
かっこいい言葉遣いに無理してる?感じたことをそのまま言って
5
真ん中を行く人 僕は掘って行く ここでさよなら、地球のみんな
4
その猫も死ぬよ 歌壇にてあらかじめ穂村弘が飼いはじめしも
5
アルブレヒト・デューラー「
復讐
(
ネメシス
)
」像の幾多度刷られ幾多度の戦争
3
ワンタンメンしようかパンケーキを焼くか 究極の二択?でもしんどいの
6
母からの「家静かです」ひとことに子も犬も去る実家を思う
20
投げた球追って帰ってこぬ犬は六文銭もきっと渡せぬ
8
いつまでもいつまでもただ踊ったの今宵で夏も去り行くのだと
9
雲を呑むような心地を
雲吞
(
ワンタン
)
と書いた詩心 漢字はポエム
11
木々の間をざぁっと吹いてセーターの真青の肩にとまる
紅葉
(
もみじば
)
13
楽しいとあなたが言ってくれるなら 生きている意味あるかも。やった!
8
仕事として米の選別知る夫はいまだ田にある稲穂を憂う
16
新しい袋ラーメン試したが マイ・ベスト・ワンはワンタンメンなり
9
刈り取りの済みし田んぼにじっと立つ陶器にも見ゆ白鷺一羽
19
岩窟の母うらわかくふたり仔の遊びに微笑まふ偽家族
3
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
39
いちじくの葉のちりゆきてひとつあり うれぬみのまま何思う秋
15
庭のすみやさしい光の浮き上がる黄色く笑むはつわぶきの花
16
あきのよにうたよむ吾はモンスター やまのせんべーバリボリ食らう
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