好きなこと、 なりたいものを 笑われて 何がしたいか 分からなくなった今
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日常が戻りし今朝は味噌汁と漬物並ぶいつもの食卓
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排水溝から立ちのぼる白い湯気ゆるまぬ寒さ初春月よ
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「おいしいね」卵酒飲む横顔を見ていられたらもう、治りそう
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曇りのち雨でもいいよ君となら相合傘の口実になる
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愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
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はからずも連れて帰った参道の 玉砂利たちは靴底におり /「初詣」
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靴底の溝に嵌まって出てこない どれほど我をおもうかこいし小石/恋し 
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雪道の一車線を譲りあう車は平和の象徴みたいで
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結露するカーテン少しめくり上げ君が来るのを待つ一分間
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こんな日も鳥が夜空をめくり上げ駄目な昨日をさえずりにする
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雪の紋 貼りつけ走る 車窓から 大雪山だいせつざんの 気高き稜線
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ただ焦がれ貴方に会えたそれなのに 遠く掴めぬきみの手のひら
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投函のあとのまつりの息白くこはしたくなる郵便ポスト
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落ち込んでゐても平らぐドブ色の朝ラーメンに半ライスつけ
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君が打つ「ごめんなさい」のプログラム 僕の頭は真っ青だ!
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安らぎの神経前に深呼吸痛みを逃がす準備はいいか
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暁がほころんでゆくきっかけとなるべくチャリの明かりを灯す
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本日は 銀山温泉 癒やしの湯 入浴剤も 侮るなかれ
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優等生でいられない場所、家にあり母のスープにほどかれる意地
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「あなたには無理」の呪文を噛み砕く 塩味強め母のおにぎり
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厳冬の朝の布団のぬくもりは離れがたきもう少しだけ
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白い空をじいっと眺めている猫のうしろ頭をにんまり眺め
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くれないの実の鮮やかが目に沁みる 我が難(病)転じてくれるか南天
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年始から 残業続く 吾の身にも 福は来たりと 半月の言ふ
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大家らの寝静まる朝ひとときの 安寧求めジャズなど流す
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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哀しみも今の私の一部なり 焼きたてのパン切り分ける朝
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ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
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タイムマシーンあればあの日の僕の背を 叩いてやりたい「傲慢だよ」と
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