さき靴 ひで座席に 乗りし子は 車窓に見入り 旅路の真夏
35
空めがけ逆上がりの子 鉄棒の上で茜の雲に染まりぬ
35
世の常も 暑さも変わる 変革の 時代を生きる 戸惑いながら
17
君の身に絶えず降れよ幸せが流星群のように静かに
17
壊しても また再生す 蜘蛛の巣よ 目立つところに 堂々と張る
18
胸底の 黒いタールを みつめてる 白い世界へ 往く日のために
47
雄風に虫と木の実の降るなかにプリマの如く鶺鴒せきれいは舞う
34
日々にちにちのうたを紐解く楽しみを奪う病魔とナガサキを観る
34
忙しない駅で何かを忘れたような まさぐるポケット 切符の角先
12
雨降って喜んだろか青稲は わたしは少し憂鬱だけど
10
銭湯で友と使いし石鹸の減りが嬉しい夏の夜かな
23
子を残し不惑の年に友は逝く 力の萎えし 盆がまたくる
32
寝落ち前 夢と現実行き来する 三途の川に慣れるためかも
15
哀愁が ただよう語感 盂蘭盆會うらぼんえ まるであたしが この世にきたよな
33
進駐軍讃歌を唄ふ教師、アルファベットを暗唱せる「自由」教室
12
あらたしき軍靴を履きぬ戰争が選挙車の廻りにて喚ぶ「万歳」
31
茄子なすの牛 手綱引く我 盆送り ひぐらしと 咲くキツネユリ (キツネ剃刀カミソリ)
35
ピクリとも 動かぬ森の 木々たちの 沈黙の底に 流る水の
52
精霊は流れて空の雲の舟 彼岸へ帰る蝉のなく朝
33
髪型を鳥のトサカに見立てると見える世界が少し優しい
14
教室に 居ても馴染まぬ 私には Utakataここがホントの 居場所と思ふ
22
体重計は 我に配慮など してくれず 「前より三キロ 太りましたね!😊」と
19
病院の車椅子やめ杖と行く廊下の奥に海の広がる
44
憂鬱が 肺の底から 押し寄せる。 苦しくなって ため息を吐く。
15
それぞれの 朝を迎えて 支度をし ベルで着席している不思議
20
おっちゃんの こってりラーメン大盛りに ニンニクマシマシ 失恋の味
23
涼求めくすのきの下見上げれば繁る木の間にまほろばの蒼
29
抗わぬ生き方覚えし我なれど エアコンは点ける 許せよ、酷暑
14
ありがとね 君に届けと 空あおぐ 出逢えたあの夏 サヨナラの夏
30
夕間暮れ ソファにもたるる君ありて 夏の終わりのしどけなきかな
13