ケアマネは魔女のつえもちドアあける かたきこころのすみをやさしく
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かたくなに神のみちびきことわるも すさぶこころに聖歌のしみる
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ブロッコリー トマトにみかん パン うどん 一歳児にも食の歳時記
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凄惨な能登の街並み次々と余震に怯える孫らを案ず
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凄惨な輪島の町に雨降りて続く余震になおも怯える
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おさまらぬ余震と寒さ炊き出しの湯気につかの間笑顔もどりて
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笑えないお笑いにわらう夫と居て温いぬく部屋には寒い沈黙
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君の肩そっと叩いて手を置いた 独りよがりの重き優しさ
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君が今 深夜つぶやく絶望を 母は知るのか友は知るのか
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尾張の地 風に向かいて歩く時 どれほど寒かろ雪しまく郷
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大寒にきりりと立ちて八朔の かおりに満ちる春をいただく
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溺溺とおぼれゆくかな肋肉へ集る蠅しづか 聖母哀悼曲
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「うまいわね」リハビリ励みほめられる ほのかなあかり先ゆくみちに
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ふるさとの豆腐ちくわの穴の中 雪降る里が白く浮かびし
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落花生 投げては拾いまた投げて 吾子はよびこむ わがいえの春
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能登の地はもっと寒かろつらかろう 長き氷柱に疲れの映る
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鏖殺ののちのゆふぐれ葎刈るまたは火の色の胴をもて
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血の薊ふかまりゆける宵の妹煮つつ解るる繭玉にゆび
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猟銃をかかへて眠るわかものの一度撃たれたることなき君ら
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すこやかに個性を競ふ老若に男女にみな同じかほのうたかた
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一時代の色に限りなく透明のビニルコートずぶぬれの青年、までも 
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風呂あがり衣服のなくて騒ぐ夢 待つ旧友は雪の道去る
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家人寝て、一人コトコト小豆炊く 静かな夜の季節を惜しみ
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北風に向かいて受験不安みつ 談笑しつつお守り握る
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「頑張ろう」思い広がれ能登地震からいっぱいの花咲く春ヘ
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次の予定があり終わっても悲しくはない春になる花が咲くから
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レコードにならない作詞家は今も夢を見ているいつも青春
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野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
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親戚も親子の縁も切り捨てて誰も知らない街で死にたい
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古き雛飾りてひなとめぐる母 なわとぶ少女の輪のなかの春
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