朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
25
世界一ピンクが似合うと叫びたい 「〝が〟じゃなくて〝も〟でしょ!」仰る通りです
8
カメラから外れて消えた君の影を探し求めてにらむ画面外
7
立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
31
投げ渡す時計の針の指す向きににヴィエンナ・ワルツのあくどいパロディ
6
言葉には色んな意味があるわけで 「寒いね。」だけで伝わる何か
14
君がいない 春なんてもう来なくていい 一応布団は半分 空けるね
10
輪郭が ぼやけたままの 月ひとつ おぼろな夜に 窓埋める雪
44
枝葉の鳥 追う君の目に縋りつく 僕は空舞う影しか掴めず
9
薬飲み 落ち着く心に安堵して 安堵するこの心は真か
10
冷凍保存は失敗みたい 未来人さん かき氷はお好き?
4
横綱の 綱の白さに めざめたり 春へと向かう 薄墨うすずみのアサ
33
涙飴 固めて貴女の舌の上 転がり傷つけ 溶かされたい
5
嵐吹く 溢れる紅葉 残すのは 夏の温度と 貴方の声
10
真っ暗な 舞台の上の ピンスポット 笑う演技が 一番むず
31
寒椿 積もる白雪 美しけれど 寂しさ勝る 如月のこと
14
誰からのアンコールかな降る雪に桃の節句は白く染まって
60
傘の下耳を澄ませて聴いている降っては積もる雪の衣擦れ
44
鮮やかに映る餡蜜フルーツは雪と曇天の日々に彩り
20
雪解けてついに露わなる田んぼ水面凝視すノスリ目敏し
19
ブチ野良に 強面じいさん餌をやる 猫なで声に心あたたか
18
古希祝い 孫もローソク吹き消して どっちが主役? にんまり二人
31
君がおく パンプスのなか白々と 白蛇のごとく 我をからめとる
5
ころころと鈴音のような君の声 荒ぶるときも耳にやさしき
7
夕暮れの桜吹雪を切り裂いて飛ぶ白球に胸を躍らす 
8
ぱらぱらと貴方の恋が実る音 エピローグ読めないやまだごめん
6
歳取れば 書くこと同じ日記帳 認知予防はいとむずかしき
13
後ろから狙う賢さトンビかな 花見の弁当一瞬で消え
30
風強き 花弁はなびら舞い上げ 山が泣く 紅葉と夏椿シャラの 新芽も踊る
23
風に舞い 窓より入りた 花弁が ドレッサーに落つ…おかえりなさい
21