発車ベル3泊4日の旅終える 現実行きの列車に乗り込む
37
駅ビルで買ったふたつのおやき食べ今日一日が肯定されてく
29
小手先の スキームなぞと 曰うは  枝葉を眺め 幹を眺めず
13
新月の ぽっかり浮かぶ 西の空 夕焼け空に 明日を誓う
26
君の好きな手料理などになびかない保護費で暮らす母の祝福
30
桃李には 人集まりて 蹊を成す  さは成れずとも 桃を手本に
16
枝先のもみじ赤らむ 惜秋せきしゅうや 夕焼けにむ 薄紅の雲
33
公園で 銀杏の落ち葉 遊ぶ孫 ポーズをとって 秋の思い出
29
世間では 連休行楽 日和なり 我は一人で パソコン向かい
28
推し観戦 楽しんでねと吾を送る夫へ感謝のうなぎパイ買う /お土産
25
小春日の連休なか日インフルで寝込む夫に林檎剥く午後
22
目の前を低く飛ぶのはアカゲラで小屋の柱に止まって見せた
32
泣きつかれ抱かれてスヤスヤ眠る顔 思い出せない母の温もり
24
あした何着ようかなって考える そんな楽しみ あってもいいよね
26
「本当は」言葉を飲み込み微笑んだ グラスに移った私の唇
9
指伝う 凍える肌に 緋は走り  震う吐息に 揺れるともし火 
17
灯油切れ 霜降る朝に給油する 老いの暮らしに冬来たりけり 
28
ユーチューバー魔性のネットを生業にフェイク流して揺らぐこの星
27
子供部屋 壁紙お魚 幼稚だと 出世魚かな 任期満了
15
陸橋を渡らば 西の空に見ゆ 三日月の黄金色こがねいろ きらめく
28
果てしなく伸びる射陽の末端で私は今日も細々ほそぼそと暮らす
28
清らかな空気に包まれ癒される 小春日和の出雲大社で
36
枝打ちて寂しく映る木々たちは根と根で繋がるネットワークで
22
飲み干した空き缶並べて片付けたつもりになってもう寝ようかな
9
飛んでゆく テストの点が 軽すぎて  そんな記憶に 口の弛まん
10
彼岸花  カムパネルラは  もう居ない  幻想なのか  銀河鉄道
17
叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
23
偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
23
婚活も転職も停滞してる BL漫画の考察はする
4
死にたいと口では言うが 赤信号は守るし黄線の内側を歩く
18