裸木の枝振多彩なるを見て 描き写したし絵心あらば
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幸せって何だっけ 過去の自分は楽しそうだったな、と 溜息一つ
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いたずらにテレビに映る飽食の時代の終わり間もなくみえる
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寒の雨のきらきらひかる涙の音 消え失せにけり連絡先よ /「クモの巣」
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「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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柿の葉をかき集めては思い出すみなで集いて落ち葉焚きし日
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港町のスーパーにしか売ってないお惣菜を見に行く朝の
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どなたかが搾取されてのこの価格 身にかからねば気づく事なく
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からっ風肌切るようなこの夜は あの日の痛みもこんなのだったか。
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吹雪後の満月が照らす人々の必死の除雪語る雪塀
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あと八日 今年はこれに懸けてきた 超楽しみでも 淋しくもあり
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モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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誰を待つ 訳でもなくティーカップあり 葉洩はもれ日の散る 庭のテーブル
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親友のような顔して近づきぬ カラスに諭す自分でさがせと
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自転車の アニメ楽しく いざ遠出 息子の跨ぐも 地に足遠く
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暗闇を走る電車に腰掛ける疲れた僕と傘が一本
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音立てて雪を踏み抜く長靴であちこち昇る吐息が白い
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短すぎるショートヘアー明日からイブまでアイメイク極めるしか
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紙やすりで 研がれるような 寂しさに みぞれざらざら 降り注ぐ音
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万葉の 人に詠まれた 同じ月 やがて令和も 昔と眺む
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かみさまのつくってくれた からくりの 日時計きょうもおはようという
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ら·くっくの つまみを指でつまみ上げ 焼き印押されて アロエを貼って/ら·くっくは、グリルの中で使うほうろう容器
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爪切りに小さな教会描かれて師走なればとしばし眺むる
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風邪っぽく ウォーキングから遠ざかる 私を責める職場の階段
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石鹸をむしゃむしゃ噛んで吐き出した この夢の意図をユングはわかるか
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あなたへの 想いはいつも 果てしなく 六年続く 片想いかな
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甥からのフランス土産チョコレイト絵柄エッフェル包みし甘さ
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ささやかな誕生祝いのあて先はたった二ヶ月先のワタクシ
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