木の枝の何処に潜みし寒すずめ一斉飛び立ち空色変へし
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平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
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寒さにも三年越しの胡蝶蘭 花芽をつけて光へ伸びる
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燃え尽きた火球は秘めて土の中やがて根を張り赤き実となり
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畑よりつま持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて一日ひとひに感謝す
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バンザイと訳のわからぬ解散よ 庶民の労苦ただ残しおり
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吉祥寺 人波を縫い アーケード 駆け足で行く 遅刻も遅刻
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ありがとう 人の親切 身に染みる 中央道は コバルトブルー
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刻みへ 君よが身に 常世なる 不毀ふきの夜桜 散るをしらねば
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おにぎりを食べて布団に隠れてる生きていてごめんなさいと謝りながら
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核心の謎は明かさず最終回 残る余韻に枝葉が伸びて
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オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
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雨光る日曜ぽろぽろぽろぽろとグレン・グールド聴きつつ木立を
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心にも時に生じるビッグバン希薄な宇宙は大気を求め
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Utakataは泡の花咲く大樹の木 若き新芽は冬でも伸びて
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止めどなく 垂れては冷ゆる 鼻の奥 息するたび 冬をのみこむ
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コミカルに 介護続ける 親友の 基本姿勢は 恐らく愛情
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子の頃に一瞬目にしたオニヤンマいまではキャンプの虫除けフィギュア
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お題【悲惨】 完璧にマニキュア塗って乾くのを待つにトイレもよおした時
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勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
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繋ぐ手を 失い探す闇のなか 立ち尽くしては 無可思に逝きる 
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あちこちにチラシ看板恵方巻き 節分前にお腹いっぱい
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私にはテレビに映る総裁がアンドロイドのようにも見える
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外交の都合に翻弄される熊猫クマ 日本恋しと鳴いてはおらぬか
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ふかふかの雪は五寸を越すほどかサラサラと落ちスコップに残らず
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遠出して昔の赴任地通りなば 思ひ出手繰たぐりて多弁となるつま
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ラブソングみたいな空だ冬風に星瞬いて輝く空は
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数人で 会話するとき 全員に 等しく目合わす そんな人、好き
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公園の前身は駅誰ぞ知る光りつつ舞う六花に問わん
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窓硝子に重ねる君と眉月を雨粒は石を穿つらしいし
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