凛とした 空気の中を 通勤す 向かい風でも 日差し暖か
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三年も続く喪中にどうかとも百円ショップの鏡もち買う
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聞こえればほっとしているふすまから母のいびきが延び緩やかに
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病室の壁があまりに白すぎて何かぶつけてやりたい夜更け
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眠れずに二時間いいえ三時間白い病室繭にはなれぬ
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来年の まっさらな手帳 用意して 夢と希望を 思い巡らす
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母の居る 空へ届けと ブランコを 力の限り 漕ぐ星 野原ほしのはら
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落ちた量だけ高くなる砂時計の山も戸惑うわたしの未来も
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積む雪を片付ける夫ストーブに金時豆はふっくらと煮え
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最近の家電はシュっとし過ぎてて電源入れる術が分からず
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墓参り ご先祖様に 挨拶す 幸も不幸も 引き受けますと
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寝たきりで稼げる訳を読み取れば金と頭脳に恵まれていた
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年末に車車車車車車車車車車車車車車という字を脳内に書き尽くす
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汗かいて 泣いて笑った ひととせが 静かに閉じる 令和七年 
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期待値が上り過ぎたかプロ仕様 我が家の汚れプロ負かしたり
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臆するな誰もが他人に興味無し だから背筋を伸ばし歩けよ
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ケセラセラ なるようになる 何事も 普段通りに 過ごす年の瀬
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天気雨 不気味なまでに 空は晴れ 光の粒が 斜めに落ちて
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てかてかのローファーで漕ぐ自転車をわたしは難破船
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幾人の旅立ちの日を立ち合いて去年の夏のぬける青空
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大またを 開いて今年を のぞき込む 一年の兆し 大吉と見えたり
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苦にいたみ 嘆きの雨はやまずとも ただきみの背に は傘を
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聴きながら歌えてたはずのHANAとミセスいざカラオケは悲しき玉砕
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初仕事 終えてようやく お雑煮を 味わう時間 有難き夜
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あらたまの年の初めの星空の兄はどの星 去年こぞに召されて
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枝葉なし刈り込み過ぎたミニ盆栽 春の楽しみまたひとつ増え
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このところ 学生時代の 友らとの  距離の取り方 わからずにいる
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新年は迎えねば来ない さながら2025第二シーズン
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空見上げ 馬の目遠くを 思うごと 青き泉を しんたたえり
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道端に雪だるまふたつ 勘違いしてもいいの? 君が来たって
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