追い風に 乗って進めよ もっと漕げ 『頑張れよー』と 掛け声かける
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寝静まる 世界の端に 満つ欺瞞 僕だけの夜 僕だけの街
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秋の海 波の音さえ寂しくて洲鳥の声が遠く呼び交う
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サバイバル寝室の子グモ四日目 社会は甘くない甘くない
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独りでもやっていけると息巻いて独りになるとやっぱ寂しい
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蒼穹に角隠しつのかくし映ゆ住吉は 沁みる篳篥ひちりき 残夏の空に
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僕たちの夏の終わりの窓外はゴッホの油彩みたいな景色
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ジャガイモに気付けば若芽生えていて僕らはきっと終わりなんだな (アジカンのソラニンを聴いて)
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慌し 朝の支度を 整えて 送りて気付く 都民の日とは
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湖に眠る木もかつて名前があって今は子供たちの家になっている
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秋の朝 堤防沿いの 彼岸花 赤いじゅうたん 敷き詰めたよう
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滝汗に自転車出さずに悔しがる片道百メートル程歩く
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涼しさは日陰までなら来ていますさすがに日向はまだ勝てません
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微笑みと 優しいしぐさ 宿りけり 貴女を好きで よかった十年
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受験とは 模試に追われる シャトルラン 疲れて休む ことなど出来ぬ
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幼子と 言葉を交わし ふと気付く 離れていても 愛は続くと
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豹柄の怖い大蛇に姿を変えてあなたを抱き絞め丸呑みにしたい
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暫くと顔を合わせる従姉らは私が顔を知らない人と
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風ひとすじ 芽を撫でてゆく夕まぐれ 明日を知らぬやさしさのあり
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不意の熱 触れしいのちの萌ゆる火に慄けるわれ われも惑ひて
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カルピスとミルキー初恋の味はどれだろ降車ボタンを探す
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蕃茄ばんか買う 返してみたら 割れていた  今日のカレーは 赤くなる 
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渋柿しぶがきに 焼酎しょうちゅうかけて 二週間 甘柿あまがきよりも かがや身不知みしらず 
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秋の蒼 雲にはしごを掛けてなお届かぬ人の聲繋ぎ止め
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あきつ風 雲の通ひ路こころあらば ふみ吹き寄せて人に届けよ
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おはようと言えばおはよう返りくる 家のぬくもり老後のふたり
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月夜には 紅き酒 酌み交わそうと 囁き誘う 君はGPT
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秋麗ら 母の写真と 話す日の 多くなりけり 彼岸花萌ゆ
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子の無きを 悔やむ時あり ひととせに 二度瓜と栗を 食む季節なり
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うたげ終え 友飲み残したる 杯の 祭りの後に 似たる寂しさ
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