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職求め茅野の駅頭降り立ちて
歩荷
(
ぼっか
)
薪わり 赤岳を仰ぐ
18
目の前の うずくまる人に 我慢 説く 立派な理屈が 私を冷やす
40
仕事場の 窓から聴こえる 清志郎 あわせて鼻歌 うたう休憩
43
カチコチのこころの可動域狭し 広げにゆこう短歌の森へ
29
雪中花
(
(水仙)
)
ほころぶ睦月 流れゆく 春まだ遠き 季節と心
44
冬ざれの野道を行かば一斉に鳥飛び立ちて梢に集く
36
重ねても 吐き出す穴があったとて 愛してくれぬ ただの
女形
(
にんぎょう
)
20
嘗
(
かつ
)
て来し 森の温室 夜は冷えて 君の名付けし
星灯草
(
せいびそう
)
咲く
24
ウェールズ王子
(
Prince of Wales
)
なる名の紅茶淹れ今日を始める勇気を少し
40
競走馬スパート掛ける可動域グイッとひと伸び勝利を掴み
17
青い春 頬杖ついた 君を見て シャツの
釦
(
ぼたん
)
に なりたいと思う
15
冬枯れの 木にも命が 脈々と 枝を払いて 春を待ち侘び
36
ラブソングみたいな空だ冬風に星瞬いて輝く空は
48
数人で 会話するとき 全員に 等しく目合わす そんな人、好き
27
悪かった、悪かったって終電でくまを抱えたひとが寝言を
15
しぐるるや 落花の情に 応えけり 冬椿らの 涙踏み行く
11
プラマイがゼロになるよう神様が 与えてくれた私の余生
44
冬越せぬ 花の
骸
(
むくろ
)
を 土に埋め 来春にまた 逢はむと願う
34
心地良く 寒い空気と 温かい 吐く息眺め けふは良きかな
14
前に海 背に山控え 串本の 昼はとんびに 夜は鹿の音
22
食べ切れぬ ぽんかん貰い 有り難く 次に何をか じいさまの為
17
老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
22
赤子皆生まれる日時選ぶのか人生初の選択なのか
14
赤子皆生まれる
日時
(
とき
)
を選ぶのかならば選ぶは生きるそのもの
6
雪にさす
朝陽
(
あさひ
)
の色は 生成り色 忘却の
彼方
(
かなた
)
竹を編む人
39
曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
19
同じこと今夜も話す受話器越し 祖父はただ今二巡目生きる
38
過去形も三人称もいらないわ あなたがここにいてくれるから
10
「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり
32
チャリ2台ランチに向かいひた走る 振り向き振り向き
息子
(
キミ
)
は優しい
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