公園のトイレに灯る明かりさえ胸締め付ける風吹きすさぶ夜
23
君がふと あふれるように 笑うから 一滴こぼさず 受け止めに行く
38
キミはまだ28歳明後日に29歳今不安だろ
11
この中じゃ一人が好きと愛されずに育った他に該当する
12
ほうばったチョコマーブルが錠剤にみえて「最近だいじょぶそ?」
7
一人では旅など無理と思いしが末のと行く秋の湯めぐり
30
「三人で来たかったね」と逝きしを偲びつつ行くコスモスの道
37
明日から 雨だと知れば 青空も 日差し富士山 より愛おしい
18
人びとは 縦横無尽に 行き交いて ひとりたたず 駅コンコース
43
階段を かかとはみ出し 登るひと 倒れてこないか ヒヤヒヤしちゃう
26
亡き祖母の干したシーツはふんわりとグーグルマップで過去を辿れば
28
いたずらに お菓子欲しがり 取りこぼす そんな僕らの ハロウィンの夜
12
袋ちぎる赤箱石けん母との湯間ゆのまふと立ちのぼる
39
アーティストと非吉本の芸人と歌舞伎役者の意見が一致
14
5年前のちょうど今日は自分よりバカなやつからバカにされた日
15
好きじゃないお菓子でお腹いっぱいで好きなとんかつお持ち帰りに
13
もう夏も終わりかななんて天気雨聴きつつ 声にす花びらのみかん
10
湯に浮かぶ小さき船は温度計てあし伸ばしし子らの今はと
22
溜め息を遠慮もなしに吐いてみる どうせ今夜は仮装行列
17
今宵だけ ジャックオランタン携えて 僕も甘味を乞うてみようか
18
また落ちる 資格の試験に 我嘆き 傾向まるで 成長せずと
8
葬儀屋のネオンサインは煌々と大河の様な国道の脇
39
「ほら今日はハロウィンだから食べなさい」鉢に盛りたるカボチャの煮つけ
15
桜葉さくらば 一葉ひとはのこらず 落ち果てて 届かぬ手紙 どどと着くよに
40
卵嚢を残し親蜘蛛姿消す 枯れ狗尾草エノコロを朝日が照らす
35
手に取れば「小さい気がする」サイズなど家で測って承知なくせに/ザル·鍋等購入時に
19
金魚妻 わたしの鉢はちいさくて 今は自由に游いでいるか
18
移植されし樹齢二千のオリーブの挿し木ひと枝我が家の庭に「ナガシマフアーム」
21
窓開けて 叫ぶ友共に 笑い合う 怒られるまで セットで青春
11
クマさんがお待ちなさいと言うけれど喋る個体は危険らしくて
22