水槽のガラス越しには想いビト 煮ても焼いても食えぬがコイよ
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木瓜ぼけの花 紅差べにさし花嫁 おちょぼ口 門出の春に 芝桜の路
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ボツにした歌詞が好きだと口ずさむ君がいまだに完成しない
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時計だけ動き続けるこの机 積もる灰色に書く名前は
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生きるうちほんのわずかな幸せをちびちび舐めてまた生き延びて
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嫌われる勇気といえど 限界は あると思ってため息をつく
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あなたから貰った物のいちばんはこの傷ですよ。失くせないから
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窓を開け 朝の空気を 吸ひ込みて 静かに過去の 扉閉めゆく
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「今あなた安全な場所に居ますか」と呼び掛けるラジオぐっと近づく/昨夜の長野県地震にて
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また食べる好きでもないのにまた頼むラーメン食べて腹がいっぱい
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アパートの正面に立つ老木も震えるように開花してゆく
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カタツムリ 墓石の隅に 隠れ居り 淋しくないね 春の日の午後
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涼しさの なかの朝焼け すまし顔 マントル対流 あつき夢みし
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小手毬こでまりの 白き小さな 花びらに 蜜蜂止まる 晴天のもと
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「あのころ」とませてくれるな 学ランのしわおもいたるつきすえ
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春風が誰かの匂いを運ぶからもう全部捨ててしまおうかな
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青光の中たゆたう赤海月 血は赤く 耳鳴と潮の音
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暗やみの 星をさがして ダムへゆく もう逢えぬ人 見ていてくれる
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初めてのレイトショーは貸切で やっと握ったエンドロールの手
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小綺麗な砂のお城が攫われる バイバイと言う子供らしさも
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人間を辞めてみたいと思います他になりたいものも無いけど
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近ごろは見かけなくなるネジバナの螺旋はちっちゃい蘭が咲いてる
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雨だれが 海の景色を 呼んできて 奇跡のように はじまる呼吸
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道ばたのまったり姿の昼寝猫いつまで見れる猫飼わぬ身も/外猫減
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すぐ終わるなんだかしょぼいGW61年目だというのに
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耳かきの梵天付きを買う事も忘れるくらいどうかしていた。
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合法なうば捨て山と例えられ老人ホームで笑ううばたち
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土いじり庭隅の土を裏返す昼寝のミミズに謝りながら
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スカートがたなびく旗に見えたから あなたを目指してやって来ました
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贅沢を禁じられてる保護世帯眠る時間は誰よりもある
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