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あやまちを犯さず挫折もしたことのないひとのいう『普通』がこわい
6
黄昏にかかとを三度鳴らしても僕にはかえる水槽がない
5
なんとなくはじめた旅をなんとなくやめられないまま最果てに着く
4
継母
(
ままはは
)
も魔女も死なない世界ならガラスの靴は誰でも履ける
2
とおくから音だけ響く花火ごとゼリーにしたい今日の夕焼け
6
雨の日は眠れなくなる心臓も排水溝も壊れたままだ
3
ぼくたちはすれ違いつづけるだろう0と1とを掲げたままで
2
夜が明けるまえの青さを知るひとと世界の終わりの話がしたい
2
さみしいもかなしいも脱ぎ捨てたひとたちだけが乗る回転木馬
4
くちびるに触れる代わりに煙草の火だけ分け合ってそしてさよなら
3
シーグラス越しの青空 今度こそ夏を終わらせられますように
2
さよならトランキライザーあしたから夜のにおいを忘れて生きる
2
死にたいと思う気持ちは嘘じゃない バースデーケーキ頬張りながら
3
こんなにも遠くまで来てしまったと彼の香りが薄れて気付く
3
「ほら見てよ、うまれてはじめて書いた遺書。とても上手に書けてるでしょう?」
3
遮断機のむこうにいるのは夏と君 待たせてごめんすぐにいくから
3
暑い夜に続編レンタル100円か是非凍えたいシャイニングかな
4
包帯を巻いておきなよ雨が降る前から傘をさしてるみたいに
5
つめたくもあつくもない水みたいに生きていつかは雲になりたい
3
「コンビニに行く時思いましたよ」と最高気温の話題でつなぐ
3
慰めにくちづけるより変わらない眼で心臓を蹴り飛ばしてくれ
2
正しくてこころやさしい世界なら『死んでもいい』の許可をください
3
墜ちた蝶みたいにひろがる彼の腕 夏が逝っても夢はさめない
2
わるものの悲しい過去は聞かなくていいから首を刎ねてきなさい
2
ほろぼしたどうぶつをかわいそうがるなぐったあとになでるみたいに
2
「なにもかもあなたにあげたつもりだがなにが足りない?」「罪が足りない」
3
突然に棒で殴られた青空が粉々壊れ落ちての豪雨
8
夏休みみんなでつくった秘密基地ひとりでこわして大人になった
4
この夏を終わらせるため火をつける8割引の線香花火
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8月のおわりに愛を言い捨てて9月はじめに消える腰抜け
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