もうどこで何をしてるか知らないがあの観覧車に乗ってたりするかな
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暮なずむ 茜の街は 人を皆 切なくさせる 家に帰ろう
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泣きたくて 入ったトイレ 汚すぎて 夢かと思った 現実だった
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ごめんねすずむしあなたのこえがきえてしまうまでぼくはおきていられない
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職質は一度もされたことないが補導はされただいぶ大人で
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後ろに住む誰かは姿見せないのにみんな生きてると言う透明人間か?
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夕焼けを僕だけが見ている街にいくつもの新車 いくつもの手からふうせん
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唇に甘しクリーム 笑う母 糖尿だけど 今日は誕生日
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棚田跡 雑木の繁る谷となり 自然回帰の早さに慄く
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真夜中に 月と話した 星の事や 宇宙の話し 僕は君の事を
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葉の裏で 淋しく揺れる 蝉のから 朱鷺とき色染る 秋の夕焼け
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ゆく風の流れは絶えず鴨の旅 きのうとちがう地図をつかみて
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霜降そうこう」前 仕事区切りて 墓参り あかきコキアが 映える参道
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妻と父 眠るお墓に 菊供へ 母がつぶやく「ここは寒かろ」
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たった今地球が過ぎた軌道には君の笑った声が残った
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見上げれば遠い記憶が蘇る遥か彼方で呼吸する星々
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手習えばなんでも匠かの人に追ひつけぬまま秋のかたすみ
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人生はゲームと違ってリセットもセーブも出来ずに詰んでばかり
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人参と一緒に入れたじゃがいもが煮崩れている私のシチュー
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朝四時の 澄みし夜空に オリオンと 南へ向ふ 飛行機一機
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おかえりなさい冷たいは耳の役白皿染めてあなた温めるは僕の役
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日の出前 徐々に濃くなる朝霧に 山と林と 村も消えゆく
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体温に気付きてけなげ灯をともす 人感センサー無機なる心
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吸湿し 発熱するはず この毛布 寒くてどうした あたしの代謝
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遠き地の名を口にする時褪せた君の金歯に触れる舌はよく歪む
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雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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散歩道やしろに聳える大楠に手を添え話す遠地の友を
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境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
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嘘をつく 好きだからと言い訳をして
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死にたくないけど生きたくもない 明日こそ
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