石鹸のあわ黒くなりし小さきて井戸より出づるスイカの赤さよ
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堅物な夫の手帳に記される踊ったような字の「妻 誕生日」私の日
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ささやかな ミニの願いも 立ち枯れて トマト引きぬく 般若波羅蜜多
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台風が過ぎて夕方五時半の空は水色真昼の様に
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台風の後を飛んでく黄揚羽の後に続けと自転車を漕ぐ
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久しいね、友よ。私は変わらないから、君も変わらないでおくれよ。
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台風が 乗っかっている 吾子の町 山のこちらは むし暑いだけで
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母の手のぬくみの残る古き棚かはらぬ場所に我が箸のある
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真夏日のコインランドリーばあひとり「明日しれぬ身に洗濯機高い」 / 買ったほうが良いと思います
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相撲好き 父の遺影に ラジオ置く 母の姿を 見て見ない…ふり
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ひさかたの 雨に歓喜の 蛙かな グゲゲグゲゲと 朝のめざまし
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黒ラベルの力を借りずとも君に伝えたいんだ三文字のことば
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紫陽花を飾る透明な器は暑さ知らせる夏のプラセボ
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とりあえずDAISOのボウルに入った紅いひらひら金魚は濡れて
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庭眺め 沈む心に 灯火ともしびが 優美であかき 天竺牡丹てんじくぼたん (ダリア)
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紺碧の海に注ぐは透明な君の涙に似てる霧雨
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カートから 桃をもどして キウイにし 豆大福は 空気となった
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選ばれて 命をおとす レボリューション 水をたたえる 青き地球に / 海の日
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雛狙い 雨樋の陰 忍び寄る 大蛇を素手で 引きずり落とす /🐍苦手なんですが…😅
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我が家より 巣立つ燕が 空を舞う 今日でサヨナラ 天窓閉ざす
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薄墨に さかづきをもつ君がいて 光るわたしと 二人きりの空 / 三日月と明けの明星
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いちいちいろいろいうと大変な目にあうからと黙ってしまう
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しょんぼりと 階段のぼる 踊り場の ぼやけた空に 輝く金星venus
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思い出すあなたの優しさ思い出と共に これが愛だと気がついたんだ
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我作る 息子絶賛 豚キムチ 妻にも供へ 評価待つ夢
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妻遺す 老眼鏡を 掛けてみる 彼女と伴に 記事を読む朝
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いつだって通知も瞳も見続ける ずっとずっと待っているから
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ふれあいの 森に広がる 阿鼻叫喚 救われたいと 無限の音源 / 蝉しぐれ
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コーヒーの苦さがうまいと生意気な君 そこにのってるソフトクリーム
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恋なんて とるに足らない ことと知り 寂しげに夏 静かにくれる
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