如月の朝の光は春近し 夜泣きの孫も一年生に
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毛布噛む癖 直らぬが 白き歯を保つ老犬 歯磨き効果/17ヶ月U∵U
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値上がりで ゆらしゆらして 3杯目 紅茶のパック 破れんばかりに
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だってそれ人がいつからか夢と名をつけた視界を塞いでる霧じゃない
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血のかよう 言の葉たちと 寄り添いて ともに渡らむ この大海を
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へこんでた 友が笑ってくれたから 昨日の失敗 しといてよかった
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み吉野に われ問ふ鳥の来たりなば 袖振り示し給べ 山桜
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葉の奥に過日降りたる雪残り単色ビオラに一色足したり
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だれと呑むなにを呑むかと如月のじゃんけんぽんが木魂する居間
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孫の背に 花が咲きたる ランドセル どれも可愛や 祖父母のイオン
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過去というナイフ持った俺が来る 刺し違えても未来を守る
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不合格通知で折れるナイフなら 今の私が研ぎ直すんだ
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言外の意図お互いにミスリードしてすれ違う推察の罪
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寝湯のわれ BAARAが造る 水流に れぬ様 すこし踏ん張る / 我もBAA
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君の横 すでに女の 見えつらむ 無駄と知りせば 恋せざらましを
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うたを語りうたを愛せし剃髪は正岡子規に似たるよこがほ
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6Bの 鉛筆えがく 片恋は 輪郭ぼかし 素描のままで
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凍てついたマンホールけ駆けて行く子の頬赤い二月のはじまり
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行き帰り フロントガラス 満月を 目印にして 取引先へ
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コンビニで 買うか迷いし 恵方巻き 冒険できず 素通りし我
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いつもなら隠さず物言う賢人の言わぬ本音に優しさを見る
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カサついた くちびる見つめ 今夜だけ 映画のような 君を信じる
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夜が明けたことにも気づかぬ君と月 気づいているのは朝焼けと我
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豆まきの甘き痛みの鬼は今 病を連れて部屋に籠りぬ
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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外うちに鬼福分けずにしなやかに 人生をゆく一度きりだし
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「『ナマコ好き』ってワイの一番あかんやつ」言ってみたいな軽い調子で
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離陸して 夜間飛行の 窓外に 見える灯りの いずれかに君
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将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
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(※ 恋に長し愛に短しこの距離は「中途半端」と訳してもよい)
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