獅子王候外交談話贖へる署名の火箭の取引一覧
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若き日に いさかそねみて 去りし人の  今何処にか 初秋はつあきの雲
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ぷすぷすと 窓硝子鳴らし 光差す 瑠璃色の朝よ 庭に出でれば
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読まれてもそうじゃなくても満たされぬ ひとり悶えの既読はじゃじゃ馬
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auは圏外 秘境の田舎道 通信という 手縄解かれ 
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蟋蟀こおろぎ の 部屋の何処に 鳴き居るか 去年こぞより声は 冴えて哀しき
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浜省のサビに合わせて雄叫びをあげる海岸我をみる犬
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待つ人の 無き家の灯は 消え果てて 今庭に灯す イルミネーション
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美しき 薔薇のカップを 並べ置き 誰ふるまう事なく カモミールの茶
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薄氷うすらいの ごとき夕月 ふち欠けて 羽虫の飛びて 闇に溶けゆく 
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国会のテレビ中継見入りつつ行方を案ずまつりごとかな
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誰かという人に優しくされるたび生きてるうちに借りかえしたい
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紅葉こうようは 赤き金魚の形して 碧空あおぞらの池で 泳ぎ舞い散る
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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薄紅うすべにの 夢も想ひも 捨てたれば 身を罰するごと ニガウリを食む
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在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
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去年そうあげたマフラー飛ばした目埋められぬうち彼女がさらった
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立冬の日差しを浴びて墓地で飲むい・ろ・は・す美味し日焼け止め塗る
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年末の空気をまとう街を抜け 排水口を掃除する夜
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桃色の 点描の星 コスモスの 瞬く丘は 夢をまとえり
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大空に 大鷹おおたかの舞う 夢を見て 腰は痛いが 心晴れやか
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泣き顔の 眉にも似たり 紫の 細き三日月 連れて歩く
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使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な夫婦喧嘩バトル
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漆黒の 丘の稜線 なぞりつつ 月の輪の凛と 今現れぬ
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一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
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深夜の食事 危険だね 取り憑かれたように なんでも食べてしまう
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最近は否定の棒切れ扱いとむずかる「しかし」と並んでねむる
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鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
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青色に ラッピングした 恋という 砂糖菓子の溶け 雲のてのひら
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勘当を失言と言ひ繕ひし父よそれを失言と云ふ
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