傷つけて傷つけられた一年を自戒し歩む一人年の瀬
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海より深いはずだった母の愛 葉っぱサイズの手にある宇宙
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母の居る 空へ届けと ブランコを 力の限り 漕ぐ星 野原ほしのはら
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好きな色変わったんだね 覚えてる ずっとずっとあなたを見てるし
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白き画布に 向えば百鬼夜行する 未知のイメージ 徐々に現る
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幸せは看護師の手の温かさ眠れね夜も痛みの朝も
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今頃は父はごきげんコップ酒 母はふきげん?お煮しめ煮てた
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母さんをやめたい日には缶ビール一本買って星と話そう
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好きだから時間をかけてやわらかくふっくらくらと黒豆を煮る
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待っててね絶対そこで光ってて針は重なり師走は踊る
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酒の味おぼえてみれば怖くなるいつか呑まれる自分を想い
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初雪に錯覚ごとき起こりつつ木々に花々咲かせおるなり
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食細くなりつ 持ち直す老犬 無事に一緒に 正月迎へり
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ショッピングカートに残るぬくもりを感じる初売りのスーパーで
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不従順を 叱りて鞭を 当てし事 悔やめば馬の 背を長く洗う
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大体の嘘はニベアで隠せるとガールズバーで教えてもらう
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馬の尾の 顔払いたるを 叱りつつ 蹄油ていゆ塗り終え 仰ぐ落日らくじつ
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冴ゆる冬空 ふたご座を追ひ 浮上しをりぬ 寒夜かんや更待月さらまちづき
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忙しない時が私をクズにして レジに並んだ老婆を憎む
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蟲が沸く 新年早々脳腐り アイツの性器切り落としたい
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今さらに夏らしいことしたくなり 凍てつく銀の六花を思う
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しんどいと瞼が重そうにしてるの 当たり前なのに そうじゃないみたい
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待合室 長椅子の上 タップダンス ママの隣がステージだもん
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バスの窓 知ってる道とかお店とか 私の顔とか 次で降ります
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足りないね 人手や時間 分かりたい ひとのこころは 癒せないのか
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団体に寄付したぬいよ、さようなら かわいい天使にもらわれてよね
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冬枯れに烏の一羽柿つつき赤き実落つる哀しき青空
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いちばん良いものを天国いちばん悪いものを地獄と生きてる人が
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よく知っているけど 未だにスマホでは打ったことない言葉:『巻き尺』
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不安でも一日ずつを生き延びて 詠み返す日に泣けますように
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