金木犀記憶の路地に香り立ち過ぎし思い出約束の秋
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見慣れたるバスの車窓も冬隣ふゆどなり 燃ゆる如 百日紅サルスベリの紅葉
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君の手は少しヒンヤリ光る指 工具の扱い危なっかしくて
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メルヘンの響きがありて夢という人の一生喩える言葉
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朝日差し錦の蛇がうねるよう山稜続く金襴きんらん纏い
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切り株にしばし座って並木道 まだ新しい木の肌に触れ
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クール系入浴剤が二缶も中途半端で迎える冬に
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秋風が雲を流していく速さ 私はあっという間に大人
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多様性?笑わせんなよ戦争を仕掛けるあいつも認めるのか?
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厭な予感のどがイガイガしてきたぞ これは違うと自分に説明
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男ならその場所見ればすぐ分かる 自分に熱があるかどうかを
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矢継ぎ早師走を待たず駆けまはる我が師おもほゆ立冬の風
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草の庵にかけひの水のおとづれも途絶えがちなる冬の山里
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時間差で押し寄せてくるインフルの見えない波におおはれる家
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喧噪にひとりをおもひ一人にて家族をおもふ夜光虫とぶ
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前列でうたふ合唱出られずに上の子臥せる部屋からの咳
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昨冬さくとうの使ひ余り ハンドクリーム り合はす手から ココナツの香
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こっそりと ストーリーズを 恋文に バイバイのあとに 載せた髭ダン
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鴨川のもみじの赤と清き水きょう手術日を決めてきました
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シャガールの青のような歌が詠みたいそれがなんだかわからぬとしても
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窓をけレモンソーダの泡が立つ酸っぱい顔で笑い出す夏
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同僚の 訃報伝へる アナウンサー 嗚咽をこらへ 伝へるすがた😢/今朝の「Oha!4」😭
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こんなにも小さき国に季のふたつ 南に野分 北には雪と
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いつだって 年下の彼が 背伸びして キスの時だけ 私が背伸び
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思い立ち電話の向こう寝込むに行けぬもどかし心は募る
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水瓶座 探してたのに いつのまに 今日の占い 魚座をさがす
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入り口を探すも八苦スクロール 苛立ち調整「年末調整」
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どこへでも出せる精鋭?三十首 1111イイ日と信じてすがしくマスへ
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寒い日は アクアパッツァ 魚好き 君のうんちく 素敵な味付け
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かわいそう? 餌になっても言えんのか 生きるもの皆 必死なんだよ。
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