tokinoiro
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季の色が移ろうように
心の風景も少しずつ変わっていく
移ろいゆく一瞬を 31音に込めて

噛み合わぬ 議論に疲れ 抱きしめる 子の温かさ 全身に染む
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嬉々として 雨どいの水 傘に受け 道のり遠し 雨降りの朝
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来る夏の 明るい時間 灯台に 今は嵐の 波を渡ろう
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協調は「束の間」だった  諍いを 避けて未来を 築けぬものか
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触れずとも 心に灯る 存在が 日々を支える 推し活に似て
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何気ない 「好きな人とも 喧嘩する?」 子の問いにまた 育ちを感ず
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独特の 吾子の世界に 寄り添いて じっくり見る人 出会ってほしい
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五歳児が 絵心ないと 呟いた 母は大好き あなたのその絵
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お絵描きの 輪に入らぬ子 よく聞けば クレヨンこねる 理由わけあると知る
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距離おきて 今は手を取る 束の間の 平和としても 子の父と母
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ふるさとの 夢分かち合う 仲間でき 希望と不安 抱え飛び込む
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かの人と 互いの行方 語り合う 夫婦を離れ 人として知る
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乱気流 潜り着陸 させるごと 注意を払い 整える吾
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調整を 得意としては 引き受けて 気付かぬうちに 心が折れる
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疲れ切り 愛しきはずの 吾子にさえ 優しくできず 後悔の朝
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岐路に立ち 悩む背中の 後押しは 無垢な子供の 夢の温もり
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犬を飼う 子供の願い それだけで 住む場所に今 思い巡らす
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会いたいと 言えば距離越え 会いに来る それは愛だと 今ならわかる
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一抹の 罪悪感と共に出す 手抜きごはんに 吾子は喜ぶ
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夜が明ける コーヒー入れて立ち向かう レモンケーキを燃料にして
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子を挟み 理解し合えぬ 哀しみは かの人もまた 傷を抱える
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眠れない 心ざわつく 朝方に 慰めるのは AIと詩
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不器用な 君の想いがこぼれ出た あの日の歌を 繰り返し聴く
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あの日々が十年も前 今もなお 色濃く香る 記憶のかけら
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空越えて会いに来た吾に 「遅いよ」と 不満気に言う 君が愛しい
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園庭の砂場の山に埋もれて ため息の母 笑顔のあなた
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泣きながら早く迎えに来てと言う 迎えに行けば帰らぬあなた
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ママがいい まとう期間はわずかだと 知りつつもなお 朝は忙し
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手を離し走り出す子の後を追う 自由の風を感じながらも
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母になり子供時代を思い出す 草の匂いや雨のときめき
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