校庭に 明るいきみどり色の筆   樹々を描いて 飛ぶ野良インコ
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死にたいと呟く度にため息を漏らした「死」 俺も死にたい
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お月様あなただけは見てくれる私がここらで野垂れ死んでも
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死んだ陽が月を照らす事はない 月が希望になることもない
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もう三時朝の始まり寝ずに知る もう今日この日は悪い気がする
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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ネモフィラの青に憧れし 春過ぎて 夏は向日葵の黄色眩しき
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あなただれ 娘です あらそうだった 笑えるうちに 笑えるうちに
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ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
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人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
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凪のごと自警たちはやつてきて 教練通りひとをあやむる
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しづやかに基地となりゆく嶋ならむ神功皇后にはたづみつつ
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戦争になるらし錨しづめるかのごと異人しづめて日本国民
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国境を越ゆる医師団主のごとく死ぬなたかだかコロナごときに
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たくさん話したね たくさん笑ったね さよなら二度と 会えない人よ
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脳からの 酷使に耐えて団結し  ストライキする 身体組合
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
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あおむしとダイコンの葉を分けあって 味噌汁の具は今日は少なめ
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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市長は蜥蜴に生け捕りの餌を与へ夫人歿後の伴侶
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新米のとぎ汁 植木鉢に撒く いただきますの似合う夕方
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唯神論たてまつる右翼の友にコカ・コーラの瓶の中の蛇見せむ
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ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
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反目の家族飛び交ふ鳩の巣の在処喪ひ昨日父の日
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
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この短歌はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
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君がいる 多分最後の 冬だよね 雪じゃ涙は ごまかせないよ
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いいね数集めたところでなにになる 君に問う俺なにもできない
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