すぐそこの公園で熊目撃と 市からのLINEに変な汗出る /住宅街なのに…怖すぎる…
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登山してる時に元気に挨拶するやつ街ではそれをしない
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おまえだけイメージ良いの俺という悪がいるから成立してる
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言った事覚えてないと翻すやつをそろそろどうにかせねば 
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帰り際氷のくぼみのところにストロー当てて残りを吸った
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なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
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幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
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犬と僕と、他には何も要らぬから どこか遠くの場所ほしへ往きたい
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渋柿の皮むきて吊るす妻の手の黒ずむほどにすだれのびたり
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蟹のよう 前に進めずあちこちと 逃げ回るだけ 「脱皮」ができたら
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田舎町寂しい曇天増えるころ茶色の田んぼ白鳥賑わい
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しもつきの雨もあふるる花の碧 濡羽も宿せひるがおの君
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昔日せきじつの秋の 祖母との思ひ出を繋ぐ 鬼灯ほおずき 隣家の庭に
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一度きり 釣り合わなくて背のびした フローラ選ぶ マイ人生ストーリー
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雨強く 寒さ感じた 一日に ミネストローネ 夜のご馳走
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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新聞に載らぬ日のない「熊」と「詐欺」関わりなさそでありそな話
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田舎町にトパーズ色の光差す夕焼けチャイムの「恋は水色」
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孤独には人は勝てない事もある何も残さず死んだ若者
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きみにだけ見せた一話のドキドキを今も探して作家になった
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立冬に 立ちのぼる湯気ヒュウヒュウと まな板の音朝餉の味噌汁 
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四度だけ寝ればパパには会えるのよ そう諭す君目を赤くして
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野沢菜を採って洗って漬け込めば 冬の支度がひとつ終われリ(まだやってない)
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悔いばかり蘇りきて寝付けずに夜の静寂に雨音を聞く
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聞きなれたタイトルコール日常へ戻るラジオにほっと息つく/津波注意情報解除時に
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新米が 吾子より届き 涙出る 親馬鹿ながら 孝行息子
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失言の恐怖症って言いながらいっぱいしゃべるあなたに安堵
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泣き顔の 眉にも似たり 紫の 細き三日月 連れて歩く
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そばにいてほしい時ほどさみしさに強くなってくわたし演じる
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泣き叫ぶ 子供を見つつ 早歩き 君は泣いたら 助けが来るのね
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