ひとりいて不安のゆれる君の目に 淡紅色のさくらそう映え
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あの日々は良かったと思う昭和の世その清流に遡上する夢
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春風と陽と雲の間飛ぶ雪は冬の花びら散るかの如く
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花韮のちいさき花はかぜにゆれ みつばち一匹弧を描きとびゆく
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ガンセンターシルバーの群に少女いる うつむく母を夕陽の映す
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恋する火細くなる今しみじみとあきらめと言う老いのようです
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返信の文字で聞こえる言い回し確かな貴方の言葉と思う
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我が子との繋がり途絶えこの先の何を目指して生きてゆくのか
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つくしく指先染めて老い二人雨音続くすごもりのとき
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雪ほどけ自転車を漕ぐ緩い坂秋から春で解けた脚力
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コロナ禍はマスク買えずに作ったな今パンストで髪の毛結ぶ
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障害と聞こえ悪くもその裏の「秀でた才能」見てはくれぬか
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白木蓮あはあはと滲みいづこより来しものぞ燕尾垂れをり
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霊柩の冬雷に冴ゆ喪家葬式の花だしおらばたづねびとあり
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右廊・三菱油彩鉛筆風景画展 左廊・村上隆ファンアート展、の地獄
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血の衾よりあれて父母の胎を憎しむ聖霊の目
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シオン 無辜の羊に刺青あり豫死登録‐罰・死蘇生録
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十年も経てば君らの叙情など時代のコードもろともに死ぬ2024年現在のドレスコードでお送りしています。
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忙しく貧しく物思はざる他者の恥を快く愉しむは たれ
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「なんとなく、愛国。みんなで売ろう兵隊を君がその兵だけれども」
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私より料理がうわ手の娘婿「お母さん、包丁研いでおきました」
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大樹なる楠の二本を額縁に 丹沢かすむ涅槃仏やさし
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離縁して生活保護の財政でクラス会には夢でも行けぬ
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息子ほど歳の離れた頭脳派は思いやりだけ少し足りない
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弁証法かじりて反の道歩く きびしき岩場に一輪の花
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ゆめ知らず智慧の階段踏みしめて錬金化学に塩基無水・素
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地球物理的運動すなはち万物の起源学家系図に零る洪水計
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夢前川過ぎりき彼奴こそは敵 芥子菜色の襯衣ぞあざらけき
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第六元素純粋触媒より発見す西暦一八九六年・砂時計過程一室四平方メートルの国家
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「ニャーオニャーオ」動けぬ老犬我を呼ぶ いつからキミはねこになったの?
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