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あぁ貘よ そこには母が いるはずだ 更地となりし 実家の夢を
21
東
(
ひんがし
)
の 星が賑わう 夜があけて きらきら光る 霜月の庭
25
橙のダチュラ砂地に吊り下がり砂に呑まるるまでを幾尺
7
ボーダーを 越えてとうとう 雪景色 それならそれで また生きるだけ
19
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
38
市長は蜥蜴に生け捕りの餌を与へ夫人歿後の伴侶
3
われひとり 根深き雪の
性
(
さが
)
を負い
全
(
まっと
)
うすべし アマテラス粒子
/
雪女
12
唯神論たてまつる右翼の友にコカ・コーラの瓶の中の蛇見せむ
4
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために
篝火
(
かがりび
)
を焚く
38
引きこもる なのに心は 汚れてく 雪が吸いこむ さんざめく夢
13
反目の家族飛び交ふ鳩の巣の在処喪ひ昨日父の日
3
幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いて
瞬
(
またた
)
く冬の星々
37
父母
(
ちちはは
)
とむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
36
一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
35
晩熟を滴る麦と稲が穂のふたつわかれになりにけるかな
7
君がいる 多分最後の 冬だよね 雪じゃ涙は ごまかせないよ
5
もう二度と こっち見ないで 諦めた恋 過ちは 繰り返さない
2
警報ランプ鳴りつぱなし
(
短歌研究一月号「空気について」の研究
)
の室内へ閉ぢられて 誰も止めにゆかざる
3
プロレタリア投獄されて長々しある島国の平和なる日々
5
二時間後雨の国へと降り立つ予定キャビンの中は蜜柑の香り
9
能登の地の優しき土に問うてみる神と仏が隠れし場所を
30
こんな日は誰にも会わぬ散歩道歌うが一番泣くが一番
27
ため息は深呼吸になるんだよ細く長くね負けたらあかん
24
生き様を立派に語らう人もおりポツリポツリの亡父母が愛しき
35
マウントを取って取られて生きてきた ささくれ剥いた痛みの後悔
13
鼓笛隊照れて歩きし君は今 生きろ の曲をドラムで叩く
19
被災地を笑いで笑顔に 戯れ言だ ビートたけしに同意も切なし
12
スクープで時代が変わる日本国 浮かれし日々のデジタルタトゥ
13
この場所に我が意を得たりの歌ありて友と会うよな安らぎを得る
25
踏みしめる 受験終わりの 道を行く 傘もささずに 雨濡れながら
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