半分にわけていただく老いふたりおしどりのさま水を彩る
11
弾丸のパレスチナの医の救いびと傍観のわれ思い沈みし
6
くさはらに わらいはじける こどもらの うまのりあそび じじもやりたし
11
爆撃にこどもの墓場やまとなりホロコーストの過ちつづく
9
けしゴムを かりてときめく はつこいの にがきおもいも いまいじらしく
12
母を見て泣きじゃくる子を外に出す辛き日々ある母を知らずに
11
父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
38
一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
36
病院の目を見てしかる看護師の 去るときいつも小さく手をふる
18
暗闇ででどうどうめぐりの考えが 雨戸をあけて光で急転
9
人間は いったい何本人生で フライドポテトを食べるのだろう
33
きみなくていきていけるやしわすのひ うごかぬあわてる伴なる携帯
9
ぜんそくのこどもの病室あかりがみえる 明けないよるをなみだぬぐいて
16
トナカイのあかりをつけて孫おどる 幻の日々遠く去りゆく
18
めいわくをかけてもいいという人に 肩ちからぬけ安堵のためいき
13
口ずさむ孫のミサ曲やさしくて 生きる深きを海面にえがく
16
リハビリのジムにときめく冒険は コードがともの宇宙遊泳
12
おけのなかラインダンスのべったらは ほっとひといきお茶と和みて
11
遠くなり もちつくおとのあちこちに こどもこおどり正月へ跳ぶ
12
ケアマネは魔女のつえもちドアあける かたきこころのすみをやさしく
15
かたくなに神のみちびきことわるも すさぶこころに聖歌のしみる
14
火星移住訓練の為宙吊りの逆さ吊りなるマスクよ永遠に
3
SpaceX社にSpaceX社´次元衝突し異次元に消ゆ さらばマスクよ
3
警報ランプ鳴りつぱなし 短歌研究一月号「空気について」の研究の室内へ閉ぢられて 誰も止めにゆかざる
4
唯々諾々とコンビニエンスストアにて豆板醤をぶちまける われ
3
コピーライティング。AIよりも木下龍也が勝りたればかしづき
3
ガザを擁護せるはあれどアメリカとイスラエルを批難せるはあらざり
7
精神病院1983年の手記。より愛を込めて――、アール・ブリュットなどに興ずる昼を。
4
プロレタリア投獄されて長々しある島国の平和なる日々
6
主義といふ銃弾を撃つ資本家の死屍累累と 唯神に殉ずも
3