眩しくてまともに顔が見れないよ 真白の中で君の名を呼ぶ
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テーブルの真ん中には剥き出しの君からの愛今日は梨味
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光りへと 導く糸は 素粒子の 石をも透す 人は宇宙
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あぁ貘よ そこには母が いるはずだ 更地となりし 実家の夢を
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ポケットを叩けば出てくるようなそんな「好き」なら食べたくないな
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ひんがしの 星が賑わう 夜があけて きらきら光る 霜月の庭
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橙のダチュラ砂地に吊り下がり砂に呑まるるまでを幾尺 
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ボーダーを 越えてとうとう 雪景色 それならそれで また生きるだけ
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われひとり 根深き雪の さがを負い まっとうすべし アマテラス粒子 / 雪女
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引きこもる なのに心は 汚れてく 雪が吸いこむ さんざめく夢
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幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
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差出しの 心細さを 受け取りし 次々とどく 喪中の葉書
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あなたには 長生きをしてほしいから ポテチは私が食べてあげます
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私だけ見える七色 麓まで尾を振る君とふたり駆け出す
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私から私に向けての通知表 よく頑張ったねのいちごタルト
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ストロベリー・ナイト・ケイクス 君の頼みでも一緒には死ねない
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風が止むその一瞬の静寂に (I’ll be there) 踵を鳴らす
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ブロッコリー トマトにみかん パン うどん 一歳児にも食の歳時記
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精神病院1983年の手記。より愛を込めて――、アール・ブリュットなどに興ずる昼を。
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もういいと顔を覆った夜でさえフープピアスはきらきら揺れて
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明日には他人に戻る日の夜の風呂の温度は少し熱くて
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濁っても水面は光り水流は永遠の向こうがわまで続く
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さよならを預け荷物に潜ませて定刻遅れの飛行機を待つ
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花束を貰った人になりたくてもらった薔薇はすぐに枯らした
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売り場さえ 何処にあるのか わからない 天国ゆきの 切符をさがす
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二時間後雨の国へと降り立つ予定キャビンの中は蜜柑の香り
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珈琲が飲めない私にはカフェモカ後のキスも苦すぎ
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能登の地の優しき土に問うてみる神と仏が隠れし場所を
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こんな日は誰にも会わぬ散歩道歌うが一番泣くが一番
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ため息は深呼吸になるんだよ細く長くね負けたらあかん
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