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使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な
夫婦喧嘩
(
バトル
)
24
漆黒の 丘の稜線 なぞりつつ 月の輪の凛と 今現れぬ
27
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
40
深夜の食事 危険だね 取り憑かれたように なんでも食べてしまう
5
『あなたには泣かされたよ』と先生が今の娘に違う涙す
31
最近は否定の棒切れ扱いとむずかる「しかし」と並んでねむる
6
庭先のレモンは黄色に色づいて僕のほっぺは赤くなってた
9
合わせれば逸らす視線の動線で見えない壁を張る能力者
9
鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
51
青色に ラッピングした 恋という 砂糖菓子の溶け 雲の
掌
(
てのひら
)
25
勘当を失言と言ひ繕ひし父よそれを失言と云ふ
12
紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
45
染めたまへ きみが訪ひまつ肌の はまゆうの花からくれなゐに
22
寝かしつけようと何度も口開き母の歌声呪詛っぽかったな
13
スープジュリエンヌ 皿に満たして 軽やかに 銀のスプーンの 泳ぐ午後の
陽
(
ひ
)
【千切り野菜スープの事です】
20
バイキング 麻婆豆腐は 禁止にしないか お前がでてくるからおかしくなるのだ
13
イエスマン 無駄な会議を ダラダラと 意味ない討論 手を動かせ
10
横になり疲れたふりし
指図
(
さしず
)
する チョロいよ息子キッチンに立つ
38
今少し 眺めたきかな 遠き日の 夕雲に似て 山の
端
(
は
)
に沈む
28
車窓から見える山々紅葉す 空気も澄んで水色の空
33
ふたり旅 頭の中で 妄想中 隣のおじさま 君に見立てる
25
気にかける親のもう居ぬ
故郷
(
ふるさと
)
の天気予報をついまた見てる
28
通行人Aにも帰る場所がある
皆足速
(
みな あしばや
)
な初冬のビル街
30
弄
(
もてあそ
)
ぶ
縁
(
えにし
)
もて子をいたづらに苦しむるとも知らで老いけり
14
分かり合うこと目標にしなくても励まし合ったり笑ってみたり
33
エアコンの作った空気が苦しくて冬の夜風に消えたくなった
12
人知れず 産声上げし
機螂獅鮫
(
きろうしきょう
)
独り銀幕の 波に揺られる /Z級映画『メカカマキリライオンシャーク』
6
爪を切る。我の指からはらり落つ 大小十個の細き三日月
30
「本当は」言葉を飲み込み微笑んだ グラスに移った私の唇
10
穏やかな 君の目と声 いつまでも 心に残り 日々をあたたむ
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