Utakata
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千葉甫
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7
たまたまに見上げた私だけが見る音無く伸びている飛行雲
9
目が覚めるたびに視線をやる時計
遅々
(
ちち
)
と進んでいる熱帯夜
9
ゆるやかに雷鳴一つあった
後
(
あと
)
雲は薄れる降らないままに
9
窓近く来た一匹の蝉の声心細げに鳴き終えて去る
10
突き当りの通りをよぎるサイレンのふっつり絶えて暑さは募る
6
新聞の二ページ占める広告のおせち一瞥 今日も猛暑日
9
あと一歩進めば開く自動ドア透して灼けた路上見つめる
(
)
15