恵雪
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ほぼほぼ日記。
ぼちぼち、ゆるゆる。

坂の上たわわに残る柿の実が時雨れる街の差し色となり
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山茶花も戸惑うほどの日差しにてコート持て余す師走の陽気 /20
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昼下がり編み物しながらイカ大根ことこと 冬の至福のひととき
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清しきは冬の日の出のまばゆさよ 干し物しつつ息白くして
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路地野菜「白菜安いよ」爺様の遠慮がちなる声にほだされ /小ぶりひと玉50
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朝からの尖った風を湿しとらせて ほっと和らぐ夕の雨かな
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ベランダで「どこから来たん?」ひとりつ 日なたのまろき てんとう虫に /九階
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あるがまま受け入れようか抗おか 加齢の波にゆらゆら揺れて
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吾子見送おくる寂しさ笑顔に隠しつつ テールランプに手を振る寒夜 /また来年
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柔らかな光あふれる雨上がり 心地良さげに冬薔薇ふゆそうび揺る
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お正月帰れぬ吾子へせめてもと お菜並べて 居酒屋『おかん』 /家族で忘年会
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お日さまを寿ぐような鳥たちの合唱うた朗らかに冬晴れの杜
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いつもなら難儀するのに吾子来るとなれば次々献立浮かび
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刺し子模様 ひと針ひと針色重ね 無心の先の華やぎが良し
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冬枯れの始まる頃に可憐なる黄花きばな嬉しき思いは同じ /ねこ母さまへ
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咲き残るキバナコスモス愛らしき 彩り褪せゆく遊歩道にて
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健診を終えた安堵の空腹に熱いお茶漬けご馳走となり
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雨のごと樹々の葉降らせ一陣の風過ぎ行けば冬色の街
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温かな もふもふシーツの誘惑を 泣く泣く振り切る週明けの朝
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ハイウェイのゆく先染める冬茜 美し星に生きてると思う
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冬晴れの坂を登りて朝散歩 息深くして海の香満たす /鳴門にて
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穏やかな夜凪の海に十六夜の月きらきらと光敷き詰め
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久々に道産ガレイ贖いて煮付け懐かし母の味なり
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がん検診向かう不安な足取りを知りてかセキレイ寄り添いくれる
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寒風に月もきりりと冷える夜は甘い梅酒をお湯割りにして
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揺れる木々 りては渦を巻く枯葉 もりに満ち満つ冬の音聴く
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ゆく秋の名残惜しきは枝々えだえだに僅か残れる桜紅葉よ /明日から冬らしく
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もうじきに寒波来たると知る術を尋ねてみたい 舞う雪虫に
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週明けて全快とまで言えぬ身に慈悲深きかな師走の陽光 /20
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妹より届きしお芋 熱々のポトフで食みて元気貰ひぬ
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