恵雪
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ほぼほぼ日記。
ぼちぼち、ゆるゆる。

「雪やねえ」馴染みの警備のおじさんと笑顔交わして温もるあした
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平日休 おでん早よから仕込みして 夜は至福のしみしみ大根
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ごうと吹く西風ときに雪乗せて この街らしい冬の本気
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週末は夫を誘って歩こうか 紅梅咲きむ公園の道
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太陽と巡る地球ほしとのお約束 今年の立春二月三日ね /節分は二日ね
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寒風が幾日ぶりか戻り来て ほわり湯気立つ甘酒日和
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すくと立つすがし姿の白鷺に 我が身かえりみ背筋を伸ばす
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刻々と終わり近づく冬惜しむ いつものウォークで汗拭いつつ
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補助具着け歩くワンコに歩を合わす若者の眼に温もり宿る
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ふくふくのスナップえんどう筋取らば青き匂ひに母の浮かびぬ  /お手伝いの記憶
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大寒の陽は燦々と白梅の固き蕾に枝の雀に /三月の陽気
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やわらかなタッチで描かれたワンシーンに 乙丸さんの優しさ溢れ /矢部太郎『光る君絵』
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老眼鏡めがねかけソファで足組み本読めば「ハイソな感じ」と死語宣う夫
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風受けて冷えた両頬照らす陽ははやも少しの春めきを持ち
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早起きの褒美ならむや未だ暗き部屋に差し込む月明明あかあか
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二か月の赤子に覆い被さりし記憶その子の齢とともに /阪神淡路大震災から30
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唐突に風情も無しに訪れる 我が鼻に目に春の兆しは /花粉
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寝る前のハンドクリーム 柚子のの 潤い満ちるは手ばかりでなく
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荒波に揉まれる日々にふと寄れる港でありたし 父母われらの想い
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子ら帰り静けさ戻る食卓に慎ましく並ぶ有りものご飯
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「ばあちゃんにまた似てきたな」吾子笑う 嬉しいような哀しいような
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先々を思い気を揉む悪い癖 中和せしめる夫の呑気さ
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遅ればせ家族が揃うこの週末 何を作ろか思案も楽し
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夜明け前 だいだい街灯をくすませて細雪ささめゆき舞う 静かに静かに
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冷えた耳包むその手の温もりは出会った頃と変わらずにあり
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大病院 付き添うだけの五時間で 唯一取り柄の元気吸われる
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氷雨降る仕事始めは並び咲く山茶花のいろに力もらひて
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九連休 二人きりでも存外にキツくなかった老後の予行
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賀状には「今年限り」と添え書きの増えて寂しき世の移ろひよ
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鳴り止まぬ電話あふれる患者ひとの波 ぎり始める連休七日目
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