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「あれー」っと短期記憶があやふやで脳裏をよぎる認知の二文字
24
免れぬ老いではあるが胸底に忘れたくなき乙女心よ
26
とりどりの百合の花咲く庭園に蜜吸うアゲハ陽に煌めいて
26
いたずらを𠮟られそうな柴犬がソファーで狸寝入りをしてる
29
家庭科でどれくらいまで習うだろう娘のジャージに千鳥がけする
22
むきだしの心に傷がつくたびに 強さと弱さの歪みに流離う
13
さきどりの幸せに溺れてふやけた心がめくれてヒリヒリするの
10
オアシスの活断層の深くへと沁みていくような
湿潤療法
(
あなたのみず
)
12
流れゆく誕生日の群れもうすぐに夢が叶うと夢も無いのに
21
夕飯に取り出す玉子は小さくて
鶏
(
にわとり
)
も今夏バテと聞く
37
暗がりに 見つめる一点 ナツメ灯 私は何を してたんだっけ
14
猛暑から蝕まれつつ起床するふとした仕草で足がつります
27
一匹のイワシとなって終電の
漁火
(
いさりび
)
めいた明かりに向かう
27
条約に隔てられてもなほ海は絶へず微分可能な球面
11
この歳で記憶の中の恋愛は全てきれいに磨かれている
41
熱狂の舞台で不意に音が止み 今日も貴女の幻を見た
9
心臓を掻きむしりたい悔しさも灰になったら誰も知らない
30
白桃とプラムの香り 線香と夕立あとの路上の香り
45
うなじから汗が這い出す暑さにも身動きせず聴く般若心経
26
まだ眠いだろうけどさ、ほら起きて おはよう さあ 遠くまで行こう
11
課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机が
冷
(
ひや
)
くて 気持ち良いのだ
13
静寂の エスカレーター 踏み出して 動かす今日の 私は主役♪
14
精霊は流れて空の雲の舟 彼岸へ帰る蝉のなく朝
32
買い出しで
空
(
から
)
のやぐらを
眺
(
なが
)
め見て夏祭りの風お勝手で聴く
22
カップルが 2人並んで 歩く間を 突っ切るあたし ハハハ…虚しい
13
偶然てあるものだねえばったりと猫の銀次と夢の再会
27
エアコンに役目奪われ風鈴はうなだれ見入る涼し朝顔
33
切って
茹
(
ゆ
)
で凍らして置く手仕事の爪をうっすら
牛蒡
(
ごぼう
)
が染めし
32
一玉のすいかもぺろりと食べれそう種を一気に除ける切り方
24
豪雨来る予報外れぬ昨今に君の住まいの低さ気になる
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