十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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麦飯を炊く湯気にさえ形なく やがて近づくアラームの音
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一会なる翁は教ゆ酒匂川さかわがわ 初めて見たり黒雁こくがん来る
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高々と咲き誇りたるハナミズキ歌思ひ出づ 翠雨すいう悲しや / あの歌は亡き母の歌
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星の数 砂の数より多いと孫に教わる満月見つつ
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在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
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遠過ぎずだが近くもないこの恋にヶ月焦れてる私を見てよ
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真円がほんの少しゆがんでも いいんじゃないの誤差の満月
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なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
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幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
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夕焼けの一番綺麗なところには思い出せない思い出がある
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冬支度ひとも木々も動物もそれぞれ生きるこの田舎町
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昔日せきじつの秋の 祖母との思ひ出を繋ぐ 鬼灯ほおずき 隣家の庭に
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雨の中 猿投の里に こだまする 棒の手演武 気合の掛け声
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泣き顔の 眉にも似たり 紫の 細き三日月 連れて歩く
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有りだよね 餃子を塩で 食べた君 今も変わらず 皆がうなずく
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風強し 風の錯乱か 枯れ葉舞う 雲の流れも また急ぎ足
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迷いおれば 風をはらみて カーテンは 帆を上げる 今、船出をせよと
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行く秋の陽だまりの中さわやかに空色朝顔風に揺れおり
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「おつかれ」と自分にメールを打ってみて、なんか知らんが涙出てきた
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会食を 終えて一人で ウイスキー 味わう時間 大人のひと時
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山を見て空を仰いで足元のさき花愛で歩く日々なり
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勉強と 元上司に 誘われて 本格的な 茶室で一席
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高層階 名古屋の夜景 一望し 二人で話す 5年後の夢
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久方に 友らと語らいはしご酒 ひねった膝は 痛飲のゆゑ
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愛猫は二十年はたとせを生き秋の日にニャンと一声そと旅立ちぬ/五年前幾匹も居た最後のこ
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さやかなる晩秋の空 見上ぐ如 背伸びし咲きぬ 皇帝ダリア
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はらはらと さき扇子を振る如く舞ふ 鴨脚樹イチョウの葉 霜月の風
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晩秋や ひむがしの空 オリオンは 大凧の如 昇りゆく夜半よわ
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AIの疑似人格に話しかけ 独りで生きる練習をする
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