「あのころ」とませてくれるな 学ランのしわおもいたるつきすえ
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春風が誰かの匂いを運ぶからもう全部捨ててしまおうかな
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青光の中たゆたう赤海月 血は赤く 耳鳴と潮の音
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暗やみの 星をさがして ダムへゆく もう逢えぬ人 見ていてくれる
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初めてのレイトショーは貸切で やっと握ったエンドロールの手
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小綺麗な砂のお城が攫われる バイバイと言う子供らしさも
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人間を辞めてみたいと思います他になりたいものも無いけど
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近ごろは見かけなくなるネジバナの螺旋はちっちゃい蘭が咲いてる
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雨だれが 海の景色を 呼んできて 奇跡のように はじまる呼吸
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道ばたのまったり姿の昼寝猫いつまで見れる猫飼わぬ身も/外猫減
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すぐ終わるなんだかしょぼいGW61年目だというのに
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耳かきの梵天付きを買う事も忘れるくらいどうかしていた。
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合法なうば捨て山と例えられ老人ホームで笑ううばたち
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土いじり庭隅の土を裏返す昼寝のミミズに謝りながら
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スカートがたなびく旗に見えたから あなたを目指してやって来ました
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贅沢を禁じられてる保護世帯眠る時間は誰よりもある
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これからは捨てて行こうよ胸の底重たい石を持たず生きよう
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リュック負いカート引きつつ帰る身を初とんぼゆらり前を横切る
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初夏ならばこのくらいだとまたひとつ毛布の厚さを薄くしてみる
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ぶれの無いまぁるい姿が嬉しくてしばしながめる薄雲うすぐもの月
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名も知らぬ草をひきつつふと見れば黄色や白の花の咲きおり
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雑草と呼ばれし草もとりどりに可憐な花を咲かせておりぬ
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昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
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晴れの日のあめんぼ達が作り出す雨だれ浮かぶ池に見惚みとれる
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ときめいて君住む町の駅に立つ迎え待ちつつ見る茜空
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風通るグリーンベルトにさわさわとちがやの作る波を見ながら/すすきの小さいの
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はちみつが娘より届く 母の日の贈り物らし風薫る午後
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いつかまたあの子に恋する時が来るそれまでずっと綺麗でいてね
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床扉ゆかとびら湿気をびるこの頃に近いとはかる梅雨入りの時
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昨晩の大風なるか軒下に鳥の巣落ちて雛一羽おり
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