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あの道の グラジオラスより 白きシャツ 君の視線の ただ 眩しくて
16
霧雨を坊主頭が感知して 冷えた空気の訪れを知る
23
生きている姿のままで動かない 蟹の
骸
(
むくろ
)
に靴先で触れ
22
朝晩の 寒さ厳しく 身に沁みる 装いの秋は さらに深まる
14
暮なずむ 茜の街は 人を皆 切なくさせる 家に帰ろう
15
病院の ベッドで
独り
(
ひとり
)
見る空と 今年最後のツクツクボウシ
21
点滴の落つるは遅く 雲速し 窓はキャンヴァス
茜雲
(
あかねぐも
)
染め
28
ほろ酔いは 心地よきかな 締め付けし 帯の解けたる 思いこそする
14
手のひらを天に向けてほうけ顔秋の雨雲確認するひと
16
連帯で責任とらされるときにだけ仲間だと言われる俺か
16
イヤホンをしていないのに独りボソボソしゃべる人薄気味悪い
12
露地ものの今年最後の枝豆の 両端を切り丁寧に茹で
24
初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
29
忙しき監房 日の丸の旗の門居楯つればいづこ見張る目
18
汝
(
な
)
が胸は 遠き潮騒 いだかれて 桜貝となり 眠り漂ふ
28
朝目覚め 青空に向け 手を合わす 今日の日がまた 穏やかであれ
21
烏瓜
(
からすうり
)
の
蔓
(
つる
)
の
螺旋
(
らせん
)
は 無口なる 「自然」の漏らす 不意の冗談
21
柔らかな日没前の陽が照らし 我が街もやや上品になる
24
ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
27
ぬばたまの 夜が朝連れ 去りしあと 龍が駆け抜け
東雲
(
しののめ
)
と化す
22
秋晴れだ 心と身体 清らかに 全身広げ 深呼吸する
19
童謡 森のくまさん 森でわなく 今は街中 すたこらさっさー
15
息切れて
蹲
(
うずくま
)
り居る 足元に 野菊は揺れり 晩秋の風
28
素直なる人持て余したる煩悩を鎮め応援すべく思案してみる
29
静寂の 秋の夜長に 君想い 歌奏でるは ああ
小夜曲
(
セレナーデ
)
20
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
60
麦飯を炊く湯気にさえ形なく やがて近づくアラームの音
9
一会なる翁は教ゆ
酒匂川
(
さかわがわ
)
初めて見たり
黒雁
(
こくがん
)
来る
12
高々と咲き誇りたるハナミズキ歌思ひ出づ
翠雨
(
すいう
)
悲しや / あの歌は亡き母の歌
19
在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
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