船の往く中川運河の倉庫群 荷役に残る昔の欠片かけら
33
君をめとり 十年が経ち 君想う  心変らぬ 弥終いやはての恋 
10
太ももに 湿気がまとい 敷布団と 擦れる不快感 雨の日の夜
17
変わり種どんな新芽も花となれ三一を信じて高らかに咲け
17
信号は 同じ景色見 四六時中 働いている 飽きぬのだろうか
17
信号で日傘たたんで潤して一首メモしてまた風に乗り
14
ストレスに負けない言葉を探してる「やりたくない」に勝てる言葉を
11
何を美と するかは人に よるとして。 私は酢豚にパインを許さぬ
23
使ひ慣れぬ言葉に不安を覚へ ダイヤル押す前に一呼吸
21
すくわれて向こうに行けと流される小魚になり途方に暮れる
22
シャリシャリと月の形の梨を喰む夜暗がりに小さく泣いて
27
ぱたぱたと窓を打つ雨 雲間には青空覗く 猫と微睡まどろ
28
昨日より活気に満ちた電車には夏の終わりの寂しさもあり
13
だんじりを 挽きし先輩 ねぎらいし かしみんと串 岸和田の秋
23
帰り道 峠の茶屋に 煙立ち 湯気が夕陽に 滲む一時
23
路地道に のんびり二匹 猫背伸び 見つめし朝に 心でおはよ
26
蘭奢待らんじゃたい 臨終りんじゅうまでに 聞きたしと  英雄の夢 われ伽羅きゃら
8
熱気球 貴女と乗れたら 独り占め 景色と空気 貴女の笑顔
17
緊急の メール処理する 茶屋の席 煎茶飲みつつ 沸き立つ雲海
26
雨が降る そんな風吹く 午後三時 コスモス揺れる 旧道の家
26
気が付けば 昼も食べてる 余裕なし 繁忙期には 一日一食
19
夕空を懸命に飛ぶ蝶々に夏の終わりを教えられない
14
コスモスと ダリアが咲きし 公園は 色鮮やかな 絨毯のよう
17
四季桜 酷暑の秋に どう咲くか 和紙の里には 期待と不安が
23
彼岸前 墓前掃除し ダリアいけ 君の笑顔が 夕陽に浮かんで
23
街路樹に色なき風の通る朝 記録づくめの夏にさよなら
47
小夜時雨さよしぐれ すずしき空気 残す朝  そら少しずつ 高くなりゆく 
11
涼しげな 雨の降りそな 夜の庭 秋味飲んで 季節 を感じ
20
風に揺れ 戻りし青き リンドウの 芯の強さに 力を受けて
25
悪夢覚め夜明けの空は澄み渡り心に深く秋を吸い込む
34