夕日さす窓の真中に写る俺よお前は夏を楽しんでるか?
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もう二時か 楽しい時間は過ぎ去って ただ横たわる君を撫でよう
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あなたの夜は浅いけど波の音色も春風も泡もぜんぶわからないから
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卒アルの集合写真に載らない私が生きてて あの子は死んだ
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オルゴールみたいにゼンマイ回したら歌を歌うよはんぶんにんげん
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ひと夏を塊にしたような雲雨を降らせや大雨降らせ
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生きるため錠剤ひとつぶつまんでる 死期延ばすためのふたつぶつまむ
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たすけて とモールス信号打つ今日は あなたにとってのとても良き日
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猛暑日のスーパー大空 雨雲の在庫が切れて虹はかかれり
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海が見たい その一言を見透かしたかのようなレンタカーやさん
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白く細く上へ〳〵と渦巻いて夏の初めの蚊取り線香
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4時間目効率重視で汗流す塩分タブレット味の青春
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16のボタンに従う人類の弱さと強さと喜怒哀楽と
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雪見だいふくをあなたと半分こ 好きって言ってるんだ分かれよ
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人と会うたびに人相変えてるの? 精神世界のカメレオンみたい
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手のひらを太陽に透かしてみればCPU浮き出るアンドロイド
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楽屋には必ず顔を出してくれるゼロ発屋のお笑い芸人
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持て余す愛が両手を溢れては しゃくとりむしさえ愛おしいのに
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生きていていいよと言っているような それとも死ねかこの青空は
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家賃五万六畳風呂付きワンルーム 死ぬには十分な広さだ
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無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
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友宅へ遊びに行ったとき他人の本棚覗く背徳感あり
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お盆にはみんな帰ってきてたから黒く塗りつぶした絵日記
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凪のごと自警たちはやつてきて 教練通りひとをあやむる
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群衆押黙りて支那人の喬氏の名札へ唾を吐きたり
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小刻みにふるえる魂見せないで 観測した瞬間消える星
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久々の帰省の折に踏んづけた 君が好きだと言っていた花
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何とキスしてても好きなの 苦しいよ 心と全部返してほしい
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壁にもたれてあなたの胸のなかで泣く  雨の音 聞きたいな
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いつまでも幸せでいて。できるだけ私の視界に入らぬとこで。
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