朝顔が咲かないままで夏が逝く打上花火も地を這い終わる
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おなじ夢見たいから指と指とをほどけないよう縫いつけておく
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ゲシュタルト崩壊済の恋なので再認識に時間がかかる
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昼日中あっけらかんとしたもので歯の詰め物が取れて青空
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絶望のにおいと味を知っているあなたは泣くべきところでわらう
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あらごめんそんなつもりじゃなかったの(勝手に傷付くなよという顔)
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にせもののいちごの味を舐めとったあとでにせものの海を味わう
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つるり日曜日が零れ落ちてった「ここにお代わりお願いします」
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あした世界が終わるという噂でよろこんだ方の生徒でした
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大切にしていた星が砕け散りきみの背骨を覆い隠した
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持たされたスイッチがなにをこわすのか知らないままで押した水曜
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わたしよりすこし不幸でいてくれる間はやさしくしてあげますね
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わからないものをわからないままでもゆるしてくれる星で死にたい
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運命と知らないままで取った手の生命線をかさねて走れ
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痛くないけれどここにはいたくない(お家に帰るまでが戦争)
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ほんとうはだれがあの子を殺したの?「それはわたし」と鏡がうたう
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好きなものから消えてゆく呪いなら最後まで僕は残れるだろう
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ひとりではできないことをしてみたい例えばキスとか心中だとか
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絶対に手に入らないとわかってから欲しがる癖が治らない
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まだ空があかるい夜はまだ来ないつないだ手をまだ離したくない
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冷蔵庫共に夜明かし参ったね不眠の虫がブーンと鳴いて
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ふりむいた彼のまつげに落ちる雨 今夜はおおきな海でおやすみ
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『この恋の消費期限は特にないけれども未開封時に限る』
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天国へ行くには重く地獄へはほんのすこしが軽いたましい
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死に場所をお探しですか?片腕でよければお貸しできますけれど
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空の絵を描きなさいって言われたら迷わずはいいろ手に取るぼくら
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私だけ私の世界の管理人単独勤務変形労働
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ゴミ出しを忘れてたから心中の待ち合わせには少し遅れる
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この街は過剰に僕を甘やかす 素手で掴める有刺鉄線
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ひとつだけ嘘をつきますひとつだけ嘘をつくというのは嘘です
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