たちまちに壁の向こうは雨になり夜が来ていた寝転んでいた
14
気持ちよくみんな一緒に暮らすんだよとウクライナの絵本は言う
16
ぼく達の敵基地ってどこ 夏がきて「告ぐ、直ちに投降せよ」虐殺前夜通達
1
夏のオルガン 戦争賛美に燃えて以降憎しみはジェラートの融点と同じ?
1
液化した市街電車にはことごとく だって正当防衛だったんだから
1
戦争は呼吸みたいでひとごろしはどの少年漫画でもかっこいいじゃん。 
2
ぼく達がなぜ その問いだってわからないのだから絶滅収容所なんてしらない
1
歴史より個我を貴ぶ 岩のうへ蒔かれて終ぞ実らざる種子
2
敢ていふ祖国喪失せる測量器になに誇るも無き落日、自死さへ
1
虜囚の貌 労働と銭貨の正しきを未明死の企図に充てて悼むも
1
富満てて虚栄の名残今は唯うちひしがるるべし 群衆無く静もれる謝肉祭
1
邦と邦を何隔てるか稔るともたれ収穫するものなき熟麦、やがては
1
まだ何も出来ていないと思いつつ寝転ぶしかない夏が言い訳
22
みさげ果て思うは自己愛と我執に塗れたるわれ、われらが闇 
1
事実のみを遺せ賛美翼賛のはたて 正当防衛は軍靴を揃へて
2
こころには名残さへなき浦上天主堂に且つて割鐘落ちぬ 時は過ぎ遣れども
2
みせてあげよう きみたちがなかったものとした呪いが世界を破壊し尽くすところを
1
穂村弘と従順な羊たち なにも考えなかったのは明日には戦争へ行くために
2
カエル君世界を救う とうめいなぼくたちには今しかみえない
2
アンガジュとかいつの時代のはなしなの ぜんせかいよりきえたきみたちの
1
きみ達へ国はひらかれていないからウィダーウィンゼリーのような歌をつくろう
2
居ないのと同じ だからなにって追い出してひとりもホームレスがいないきれいな街
1
重力の違う部屋では美しい人24のショパンを弾いて
18
すでに無いプールの水で流された日は蒸発し夢となり降る
24
賑やかな黄色帽子の一列を朝残る半月が見ている
38
お岩さん冥土喫茶でバイトして出すドリンクはいつも伊右衛門
3
付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
21
この街に雪は降らねど 積もったと君が囁く電話越し 冬
13
そんなつもりじゃなかったと言うなら言葉選び検定は六級
20
これまでの自分をいくら赦しても今日の自分が罪を重ねる
15