Utakata
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音楽を 聴きつつ思い出す恋は へんに美化され 苦しくなるの
29
真冬日の道の駅には人けなく我ら二人のコーヒーも冷め
37
日暮後に
微笑
(
ほほえ
)
む月は 足早で 冬の星座に 席を譲りて
39
滅多ない氷点下の朝体感し 暑さに溶ける夏思い出す
15
足るを知る 削ぎ落とすのも 心地よき でも無駄という 余白も
愛
(
いと
)
し
30
ありふれた元素四つの構造美テトロドトキシン解毒を阻み (炭素、水素、酸素、窒素だけ・短歌の美にも通じて)
14
木の枝の何処に潜みし寒すずめ一斉飛び立ち空色変へし
48
平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
32
寒さにも三年越しの胡蝶蘭 花芽をつけて光へ伸びる
23
燃え尽きた火球は秘めて土の中やがて根を張り赤き実となり
23
畑より
夫
(
つま
)
持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて
一日
(
ひとひ
)
に感謝す
52
バンザイと訳のわからぬ解散よ 庶民の労苦ただ残しおり
17
吉祥寺 人波を縫い アーケード 駆け足で行く 遅刻も遅刻
5
ありがとう 人の親切 身に染みる 中央道は コバルトブルー
7
刻み
給
(
た
)
へ 君よ
吾
(
あ
)
が身に 常世なる
不毀
(
ふき
)
の夜桜 散るをしらねば
22
おにぎりを食べて布団に隠れてる生きていてごめんなさいと謝りながら
7
核心の謎は明かさず最終回 残る余韻に枝葉が伸びて
19
オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
40
雨光る日曜ぽろぽろぽろぽろとグレン・グールド聴きつつ木立を
9
心にも時に生じるビッグバン希薄な宇宙は大気を求め
14
Utakataは泡の花咲く大樹の木 若き新芽は冬でも伸びて
20
止めどなく 垂れては冷ゆる 鼻の奥 息するたび 冬をのみこむ
22
コミカルに 介護続ける 親友の 基本姿勢は 恐らく愛情
32
子の頃に一瞬目にしたオニヤンマいまではキャンプの虫除けフィギュア
20
お題【悲惨】 完璧にマニキュア塗って乾くのを待つ
間
(
ま
)
にトイレもよおした時
31
勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
32
繋ぐ手を 失い探す闇のなか 立ち尽くしては 無可思に逝きる
21
あちこちにチラシ看板恵方巻き 節分前にお腹いっぱい
16
私にはテレビに映る総裁がアンドロイドのようにも見える
23
外交の都合に翻弄される
熊猫
(
クマ
)
日本恋しと鳴いてはおらぬか
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