「半袖は仕舞わぬように」とテレビ告ぐ 誰か教えて衣替えの時
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女房の小言をそうか創価と聞き流し 離婚届を突きつけられる
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素直にね人に頼もう出来ぬこと 自分の限界知ってよかった
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笑ったらその内容をメモしとく ひと笑いして眠る幸せ
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目の前のささやかな色拾うよな 自分のうたにちょっと微笑む
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ひとり旅1年ぶりに故郷ふるさとへ 今宵のうたげは父の手料理
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冗談のように言った好きは今 微妙な色を持って沈んでく
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うねりゆく時代の波をひしひしと抱えて痛む人生ひとの晩秋
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また一つ増えてしまった不安ごと 息子の健診結果を盗み見
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後悔は先に立ってはくれなくて吐いた言葉の鋭さを見る
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いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
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家がある食べ物がある本がある この美しい国に生きてる
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右側の肩が濡れている あなたは左肩 傘が小さいから
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もし君に出会えなかった私なら 今日の青さすら見つけられない 
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すべすべの小石を拾い上げるように話したことをポケットに入れ
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八雲さす 神をもまして 出でつつも 霧にまみえる 秋は恋しき
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長袖の出番はいつか?と太陽に 先週までは問うていたのに
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あの店のこのパン一個で表せる小さく大きな今日のしあわせ
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いはばしる 水面に移りし 我がすがた 飛沫が問うて いまふくかぞと
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秋風に すすきが茂り 玉鉾たまぼこの 道に行き人 影をみるかな
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みづどりの 落書がはいりし 鴨川に 三船も来たるや 人は恋しき
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あまとぶや 青空ゐぬいて たかはずれ 雲を狙いし 終わりつねらむ
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くさまくら 旅行くつねは 心なり ひしゃくも片手に 伊勢にとゆかん
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つゆじもの 玉緒の命と はかなげと 消えゆく灯火 かげろうか
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うちよする 笠をも被りて 旅するが 日光照らして 猿騒がしき
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さらさらと降り続けてる秋雨に干した洋服揺れる幽霊
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「愛してる」を道具にしたくなかった でも言わなくちゃ消えちゃいそうで
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秋雨あきさめの雫に触れて震える身 冬将軍からの冷たき便り
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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空中に ふわりと浮かび 揺れもせで 時とどめたる コスモスの花
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