週末は 花散らし雨 降ると言う 我見ぬうちに散ること無かれ
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群青のスーツに笑みを貼り付けた青年がゆく四月一日
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雨の打つ小箱ひらいて子猫抱き寝息に胸の温む遠い夜 「チャー君」
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ジョーカーを引いてしまってトランプの引き際見えぬ切り札虚し
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帰路の宵 待受を閉づ漆黒のスマホ液晶に 映る月影
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ただいまと扉ひらくとおひなさま おかえりなさいと母のまなざし
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花のを振り散らすよな北風に コート無しの身固く縮まり
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昔日せきじつの 幾多の苦悩消えていく 我気遣う息子 母でよかった
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通院の日にテレワークは有難し ねこのおひるをやる人がいる
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春の陽に気持ちよさげな野の仏桃の花びらおでこに二つ
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漱石がかつて座った縁側にじっと佇み春風に酔う
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漬け丼を半分食って茶を入れる鮪の赤身白む窓際
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公園に江戸の足音聞こえそう ここは土佐藩下屋敷跡
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袖破れしジャンバーを畳んだのち春巻きを噛むなり四月
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公園のニ樹の桜は咲きほこり毎日花見心潤う/二階の窓から見える
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新生活 心と身体からだが 揺れる時  どうかいたわり 過ぎて下さい  
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店先に早も飛び交ふつばくらめ 去年こぞのお宿の手入れせわしや
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手の届く間合い頃合い腑に落ちてまったり詠めば蘆雪の絵筆
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怒り棄て 人になろうと抗うも 夢出て煽る 君へのさつい
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先を行く きみの腰に揺れる水筒 共に歩きし あの日の野辺に花
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この傷の痛みもこころと 同じよに 過ぎゆく時間が癒してくれる
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左右からライトの当たるキッチンに晒す吾の抱く影のさまざま
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明日来たる兄の寝床へ花冷えの深き夜しのぐ羽毛広げる
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二時の列「クジラ」のあとの「ラーメン」で決着つきて煮干しも薫る/しりとりで並ぶ
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仕事場で作業してると男前 5時のチャイムで魔法がとける
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キュウと鳴る靴を追いかけイオンタウン逃げる子供にゃ鈴をつけにゃあ
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うそつきと四年に一度の約束を果たしたらまた四年眠ろう
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爆笑で沸き出す脳の幸の波「は」が満ちて虚脱の吐息の僕ら
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見栄はってコートを着ずに出歩いて 取り憑かれたかよこしまな風
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のど痛しこれから始まる展開に 暗澹とする来週多忙
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