空遥か 予想どおりのしらせきく 春の賑わい 胸ぞ潰るる
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咲きかけの桜も二度寝する春の吹雪冷たく車を叩く/今朝の気温零度
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合鍵を百本作り鳩百羽と飛ばすね どこ行ったのあなた
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埋まらない孤独の穴さえ愛おしい今のわたしは一人で二つ
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あの人の事掘り起こす考古学鞄の底に眠るクッキー
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切り取り線あなたを安心させるため語尾の「?」を鋏で落とす
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5時ちょうど 音の鳴らない秒針に合わせて閉めた家出するドア
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何光年どれだけ遠く離れても足首掴む生まれの引力
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ネットにて鉢植えの花贈られて御礼はLINで開花を写メに
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「行って来ます」出勤する息子を見送れば ほのかに漂ういつもの香り
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植物がこときれるその瞬間に 気付く誰かは いるのだろうか
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オレンジのバックライトに照らされた独自フォントの「8」つるつるの
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生活に流され枯れた一輪を集めて作った罪の花束
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線香の 煙が揺れて 描く文字 きし二人へ 草書そうしょの手紙
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にじむ空 重なる不幸に ふで ふるへ  うたばかりの やぶれし心
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十字架草と呼べば清らか ドクダミは 「自己犠牲」の花言葉持ち \咲弥様へ
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おひとりのフードコートで食べ終えたスプーン見つめ時間を止める
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うらやまし 空舞う鳥を 見上げるは きじつがいか? 仲良き姿
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辛い時 涙を誘う 歌を聴く 心の重荷 流す笹舟
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早苗田の空に飛行機ひとすじの雲を引きつつ雲間に入りぬ
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我を越え三児の母となったは ネイルでおしゃれ 嗚呼まぶしいかな
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杖をつき 前行く老人 カートには 花束一つ ゆっくり揺れる
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ブロック塀 かたむくほどの 奔放さ 空き家の藤の 紫さえて
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凛とした 真白きカラーの 花言葉 「清純」… オヤジには縁無き言葉
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朝凪に 鳥らの声しか 聞こえない 世界にただ 一人の私
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塩茹でし 熱々ホクホク 新ジャガを 親父と嫁の 遺影に供へ
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我 田舎わが いなか 夜のとばりは 駆け足で… 都会まちの暮らしは 楽しいですか…?
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雷鳴が 曇天の空 轟きて 燕も我も 軒にて宿り
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あずまへと 暗雲あんうん流る いぬこく 西よりずる 群青のそら
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紫陽花を待つわたくしは 貴方と言葉のちがいを考えている
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