デゴイチは黒煙を上げ二年ぶり待ちわびた春歓声が湧く
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渓谷を白波立てて船の往く 谷は知るまい空の広さを
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君が言う 聞き取れなかった… 「今なんて?」 目と目で語らひ 解ったふりをする
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真夜中に乳液のフタ閉めながら思い浮かべる君の指先
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UNIQLOの鏡で見れば私でも何処かにいそうな誰かになって
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シンプルな言葉で組んだ万華鏡 歌の理想を心に留め
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君が不意に 思い出し笑いを した時の 察した理由は 正解なのか?
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山駅舎 待ち合い隅の招き猫 左手上げて人来るを待つ
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若冲じゃくちゅうにわとりは夜ぬけ出してとなりのちょうついばんでいる
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誰だって誰かを失い生きていく 色んな後悔心に綴じて
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折り鶴がカサリと落ちる音ひとつ引き戸の指を引き留める朝
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短歌うたを読み思い起こすは故郷の一家総出の田植えの五月
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芝生には立ち入り禁止のロープあり 輝く初夏の聖域のよに
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手抜きでも「美味しい」と言ってくれるひと それで上がらぬ私の腕が
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後追いの一歳児連れてフラダンス ママの背中はゆりかごになり
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あの時が 最後だったと思い出す 未来が見えて だきしめる今
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熊避けの鈴の音聞こゆ緑道で 白き雲見し夏がまた来る
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九州の醤油は甘いいっぱいの砂糖を入れるように彼女も
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ひそやかに小さな本棚組み立てる 幼子眠る土曜日の午後
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珈琲の湯気ゆらゆらと 夜に溶け 遠くに灯りのともる日を待つ
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リヤカーを引いて行商半世紀句を歌を詠みまた見せている
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旅路にて カクテル作り ほの暗く 語り尽くそう 今日の思い出
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切り株が そろそろ休めと声かける 疲れし人を労ねぎらふがごと
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群青の 心とそらは 比例して 淋しき今宵こよい 上弦の月
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思春期の 中学68年生 卒業試験に苦戦しており
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夕食の酒のあてには温しもの ふと思いたる雨の午後なり
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鳥歌ひ魚は泳ぐ思ふまま我ら持ちたし自由と平和
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山々の 隙間から湧く 白雲は 悲心ひしんつづる 付箋ふせんの様で
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老犬は一生懸命生きている 介護しながら癒される日々
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空中に絵を描けるペン、マジである!絵空事って、未来の話。
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