人生の三叉路に立つわたくしに秋はやさしくあいさつをする
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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新米を食らふ悦び奪はれし古米をあさる瑞穂の国よ
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秋彼岸 ひと足早く 墓参り 虫の音を聴き 線香を焚く
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潮風に 季節外れなクリスマスソング流して忘れたふりを
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なぜかしらもつれた糸をほどいたらわだかまりまで解ける気がして
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山登り 山頂からの 絶景は 川や電車も ジオラマのごと
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虫の音の夜明けの空は茜色 熱き太陽兆し満ちくる
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茜空 夏を見送る 風が吹き 今日が最後の 真夏日なるか
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ビルの影角度斜めに傾いて木枯し強く吹く季節来て
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夜寒など書きつつ続き決めかねて燗を一本つけるか迷う
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暮れ時の小道慌てて小走りに仕事帰りの余計な用事
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曼珠沙華 緋色あざやか 彼岸入り 一目だけでも また会えたなら
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テレビ前 後ろで手を組む父と息子は おんなじかたち やっぱり親子 \ 世界陸上観戦
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さぁ行こう 心を紡ぐ 物語 みんなと進む この物語
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お彼岸のお参りすませ見る空は屈託もなく高く広がる
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おれ人間向いてないやバッタとか良いんじゃないのとどこぞの二人
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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乱筆のわたしが書道七段のきみのとなりに寄せ書きをする
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元同期 娘の名聞き 縁感じ 咲弥サヤは亡き人 同じ名前で
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木々溢れ 坂道登り 社から 見える街には 移りし時が
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十数年 想いも距離は 縮まらず どうしたらよい 悩みし日々を
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おおらかに生きたいと言う 執拗に秋刀魚の小骨除けつつ君は
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どこででも買える冷凍食品を送料かけて吾子へと送る
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新しい靴でお出かけ秋らしい秋は今では貴重な季節
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曼珠沙華咲くのは肌か地の上か乱れ髪さえ整えきれぬ
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日記にも綴れぬ想いためらって窓濡らす雨そっと眺める
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緑色つい前までの山の木々五色の色に染まりし秋は
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散り散りになる子供らを追いかける保母さん達の歓呼の声か
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十六夜の明き月の傍らを星粒の如飛行機の行く
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