水無月の 朔日ついたちに ストーブ点火 葉陰の濃さに 逡巡しつつ
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やられたね! 鳥も知ってる美味うまいもの 今朝は食べよう完熟ビワを
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祝日の ない六月の そこここに 芍薬という 姫様が立つ
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カッコウの 声を合図に 次々と 花を咲かせた 魂いた
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フード越し雨は弾けてパチパチとレインダンスは瞳を閉じて
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自分より しんどい人が いるんだよ 分かってるけど 私もしんどい
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いつか来る私も君も骨になるオパールのころ会えたらいいね
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搭乗口「8」をさがして 右往左往 乗り遅れる わけにはいかない
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遠空とおそらに白雲むくと起き上がる夏はもうすぐそこに来ていて
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落日に君だけさがして陰落ちる 飛ぶかあるいは風になれたら
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閉じ込める三十一字みそひともじに秘められた思考と記憶がうたになるまで
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百年の恋も冷めたるあの人と会えぬ気持ちに未練残して
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家族写真みたいに家族じゃない君と写真を撮って家族になった
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だいそれた 野心もないのに 人生が  大変過ぎてたまに驚く
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蔓延はびこった 草と格闘 そののちに クワガタ顔だす 月夜の露天
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自虐とか妬みも呪いも ひとさじの力にはなる 不本意ながら
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明日の朝 自分が息をしているか 心配な時はまだまだ平気
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フル・ムーン 「もう赦して」と 願っても 御仕置つづく 変われぬ私
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晴れた日は散歩を理由に家を出て引かれて戻る子供らの背に
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身罷みまかりしひとも家をもなかりせば 藪枯らし抜く夏または来じ
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君の居るまろやかな春散らないで安らかなまま眠りたいから
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君の名を漢字に変えて送信す。それが愛だと知ってほしくて。
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左足お湯にひたして待っている 右足はまだ五反田にいる
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寝転がる 台所の床気持ちいい 猫に教わる真夏日の夜
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ここはまだ地獄じゃないと 言う事が はげましなのかどうかは謎だ
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夏が来て冬とは違う病み方で結局同じ結論にしか
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肥大した自意識が胸を押し上げるその感覚さえ愛して生きよう
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昼過ぎの洋画を横目に漫然と動物たちの村を開拓
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遊び場は 変わらず今も あるでしょう? わたしはそこに いやしないけど
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ちょこちょことTVer見てます 母親の寝てる間のお楽しみです
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