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夕焼けに重なる父娘の長い影今日という日忘れたくない
23
凩
(
こがらし
)
に負けじと 秋を連れ戻す陽に感謝をす 霜月の午後
44
今日の月綺麗ですかと話しかけ 答えなくても信じていたい
30
季語ありの俳句に七々足してみて短歌にするというタクラミ
17
小夜時雨ジレ着た君の背の香り階段のぼる鼻を擽る
18
黄金の穂を垂れお辞儀するススキ 田畑を山へ連れ還る使者
17
幼さは一年長く待ち遠しい老いては一年取り付く間もない
31
朝日浴び吊るした柿は耀けりさびしき家にときめきの色
38
南国は
都会
(
まち
)
で疲れし 吾癒やす 果てなく続く とうきび畑
36
上野路を包む彩葉に歩を休め 絵に向かひゆく人波を追う
14
あなたこそ太陽であり月であり宇宙とおなじ愛なのだぴょん
13
週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
39
枯れ葉踏む感触と 心地
好
(
よ
)
き音 ポテトチップス
咀嚼
(
そしゃく
)
す如し
31
「愛という言葉は軽い」と言った君 なら縛り付けて重くしようか
10
仕事終え遅い昼餉は有りもので ゆうべの豚汁沁み渡るなり
29
ただ寝てるだけではぼけてしまいそう 今日見た空は格別だった
31
歯車はギリギリ攻めてフル回転 キチキチ回る昭和の
性
(
さが
)
で
22
旧道の トンネル抜けて カーブする 右手に
紅葉
(
モミジ
)
燃え盛る秋
35
「あと、映画!」ビジネスついでに誘ってくれる粋なベーシスト現る/ニヤリの日
11
塞翁が馬というのはこのことか マイナススタートプラス終わり
17
泣きながら笑える人に惹かれます終わり良ければすべて善しかな
8
仕事終え カフェ出る我に お疲れと 呟くマスター 感謝し会釈
36
「デートかな?」「です!人妻を。」なんて言い 笑える友がいる嬉しさよ
13
「躰の細部にも我が宿る」冬 艶色俳句置いてゆく君/出張
20
小腹すきカップ豚汁のむ3時 眠りをさそうこの温かさ
31
ベランダに 五つ連なる紅き実の 寒風の中干し柿を干す
26
砂浜で 沈む夕陽を 見るだけで 明日への希望 形になりぬ
31
無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
25
横になり疲れたふりし
指図
(
さしず
)
する チョロいよ息子キッチンに立つ
35
日の暮れて窓辺に立てば街灯りさざめき揺れて空に金星
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