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追い詰めて追い詰められて優しさを壊したくなる皿を割るよに
20
この歳になって気づいた夜の帰路 母の夕飯幸せの味
12
土の中 空夢見ては なけずいる ヒトヨノユメに 空知らぬ雨
9
縁の下で目立たぬ場所で支えても 誰も気づかぬ我の汗には
25
あどけない寝顔を直ぐに起こしたい 聖夜零時にプレゼント置く
19
もし蛇が輪廻をすべて呑み込めば不生不滅のむこうできみと
11
一身に春野の風をまとわせて駆けゆく夢を抱く冬ごもり
12
たれが歴史をくりかへすのか その文書の一ページ目は からはじまつてゐる 、
9
手の平で溶けて消えてく牡丹雪 生まれて直ぐに逝った
子
(
こ
)
の
如
(
ごと
)
23
哀
(
かな
)
しき
袖余
(
そであま
)
り
浮浪雲一
(
はぐれぐもひと
)
つ
彼
(
かれ
)
の
遺
(
のこ
)
した
香
(
か
)
もいつまでか
8
雪の木戸まだ起きぬ街
微睡
(
まどろ
)
みの中で燻らす煙草の寂しさ
12
月命日 長き通い路耐えかねん 泣かせてくれるな待宵の君
8
留まらぬ
憶
(
おく
)
と面影
懐
(
おも
)
いつつ 君の口癖さえ忘らりょか
6
滲みゆくロングコートの主は
亡
(
な
)
き 抱けど話せど片道切符
12
ふじの色見えぬ澄空結露越し センチメンタルだけの残月
10
茜空彫るは富士の
嶺
(
みね
)
の黒
直
(
じき
)
に消えよう
蒼
(
あお
)
に交じりて
10
軒の下明けてくれるな松の内 友の年賀はたった四枚
10
ひび割れのモルタル寂し公団前 人は変われど街も変われど
8
モノクロの雑踏掻き分け上野口 デッキの雪さえ心
温
(
ぬく
)
く
8
投げ渡す時計の針の指す向きににヴィエンナ・ワルツのあくどいパロディ
6
なかなかに取れないのです服のシミ 会議の前につくと思わず
10
澄み切った空気が醸す冬銀河 あまねく星たち 幻想の夜
15
ホームランなんて狙えぬ性分で 人生いつも送りバントよ
17
五年もの月日があれから経ちました 先生、私まだ下の句下手かな
8
人参と枝を残して雪だるま 「さよなら」も言わず空へと還る
27
やる事が 終わらぬうちに また別の 優先順位が 割り込んで来る
40
歌友
(
うたとも
)
の 歌を通じて お互いの顔知らずとも 内面を知り
31
春を待ち 葉も花もない
裸木
(
はだかぎ
)
の 美しき枝振りに
見惚
(
みと
)
れて
34
云う人も 云われる人も「ありがとう」人に優しさ包む言の葉
30
輪郭が ぼやけたままの 月ひとつ
朧
(
おぼろ
)
な夜に 窓埋める雪
44
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