夏は過ぎ 二人 大人になってゆく 薄くなる空 うたかたの夏 
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滅びゆくその日はきっと猛暑日で 冷凍庫に置く大事な想い
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僕のこと見飽きた晩夏の金魚いて餌持たぬ限り近寄ってこず
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片恋は 真白に燃える あの夏に 見上げた雲に 重なるように/r
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切なさは誰のもとへも行かないで 私のためにだけ咲く花であれ
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風呂上がり 外で自転車 漕ぐだけで 髪が乾いた ドライヤーかな
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それぞれに宇宙があって 君の見る星が綺麗というのは分かる
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夏の空 眺め意識は いつの間に あの日の君の 横にいたのか/r 
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自転車を 漕ぎつつひっそり 息を止む 右前方に ごみ収集車
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君が右側にいることが恋愛じゃないとするならばどうすればいい
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新前橋、終点前橋、きみはうまく無理できてるのかなって気にした
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涼風よ 夏の終りを 幾度も 重ねて君を 忘れていった 
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花がらを摘みて供養す朝顔や一日ひとひのいのちけふを充ちをり
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見えねども 秋津あきつゆららにかろやかに 風の季節のおとなひを告ぐ
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飛び立ちて鳴き声止みし時の間にヒヨドリ襲う蝉の逝く空
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四十度の 声を聞きつつ 長月に 紫蘇に穂が出て 秋のたより
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女子らとは まるで違った 足音が どどどどどどど 男子のリレー
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長月の朝の道にも業火待つ狸の背中焼かれるやふな
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「真面目だから」 と面倒事を 頼まれる 頑張るやつが 損する世界
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惚れそうに なるのを止める 臆病で 失恋すらも 出来ぬ身だから
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一本の 映画のような この夏の 余韻に浸る 間もなき初秋
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雨音ヶ夜あまねがよ ひとも絶へなむ水鏡 今も昔も夢もうつつも
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この街を去りゆく君が乗る電車僕の心も少し揺らして
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別れ際 窓際 君の見る方は 僕の知らない 夏の青空/r 
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サイクロン掃除機の塵 どっしりと 不動如山ふどうにょざんに蒸し暑さ知る
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何を美と するかは人に よるとして。 私は酢豚にパインを許さぬ
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あなたがあまりにも風上で堂々としてるから私は荒野を歩いたりする
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懐かしき未知の昭和はどんな時代? 何も知らぬよ末期の生まれは
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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夢にみし母は吾の手離さじと 握るちからぞ胸貫ける
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