太陽も星もコンパスなるらしき 春待つ白鳥はくちょうシベリア思ふ
39
よどみない圧倒的な語彙力で会話してくるギフテッドの彼
25
永眠を致しましたと通知する者すらおらず風と化してる
18
一億の國民たる日を逃れ得ず國家のひとつの家に喀く血も
25
「天使」だの「春」だの言ってる口すべて雪で塞いでしまいたい夜
30
独り夜に 炬燵に入りて 口遊くちずさむ 涙を誘ふ「♪ かあさんの歌」
36
ぬか床を久かたぶりに掘り返し 胡瓜と蕪を埋めて春待つ
31
背は伸びて 各々の向きに 咲くひまわり 天までとどけ、 一、二、三。
7
立ち待ちの月に引かれし通院の峠に待てり白雪の富士
37
質の悪い初期のうたほど膾炙かいしゃして晶子は「常に悲しむ」と云ふ
14
君と乗りし ジェットコースター 絶叫し 笑い合う日々 今は帰らず
23
恋なんて 映画で満たす 通り雨 エンドロールに 優しい嘘を
13
電線に雀もふもふ並ぶのをぬくぬく観てる朝のよろこび
23
何時も死ぬる覚悟は此処に有り二十九年の絶海孤島
14
面影を 見知らぬ人に 重ねては 記憶の彼女 上書きしてみる
7
会合を 終えて事務所に 戻る夜 貴女のチョコは 残業食に 
28
ただいまと 帰ればきみが お出迎え 一緒にうたた寝 優しい時間
34
今はもう土間もかまどもなけれども我を仕込みし祖母眼裏に
31
糸電話 今この宇宙そらに 伝えても 届かぬ声は 夜に放たれ
10
喧嘩して、仲直りして、ご飯食べ。家族という名の終わらない恋
25
君の目の光が消えるその前に僕ならずっとここにいるから
15
幼かった私に贈る指定席「大丈夫」という切符握らせ
31
「おばさん」は 終わりの合図サインじゃないのよね未来を走る コースの呼び名
28
こんな時季とき「しやっこい水ではかわいそう」日向で温め鉢に移す妣
31
子供等は雪を望んで大人等は雨を願って明日を待つかな
29
錆びたネジ 巻いて時計の 動くはず 褪せた写真に 色をさしゆく
13
私はね草でいいんだそう思う落ちた所で生えてればいい
18
曇天に 梅のつぼみが ちらほらと  冬の名残を 今は楽しむ
23
征く冬は つぼみを添えて 跡梅の 次へ渡さん 淡きくれない 
19
雑に歌 詠みてまちたる 我が目には 着くも気付かず 声掛ける君 
16