新しい 命継ぐべく 旅にづ 降り立つ土地は 風に任せて
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いやいやと吾子に潜むは天邪鬼節分までは待っててあげる
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桜舞ふ バスを待つあゐだに 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
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怨むだろうかもし優しい人を知らぬ赤ずきんは腹の中より冷えた世を
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オルカにはマグニチュードがあるなんて聞いてなかったアイスも溶けた
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イルカたち 摩擦係数ゼロで泳ぐ 弊社も明日からこうなりませぬか
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新しい手帳にきみの誕生日 書いてないけど気づいてないよ
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ペンライト電池が液もれしていた日 推しだったことを思い出した日
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いつまでもいつまでも痛みつづけるあなたに引っ掻かれた心臓
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聳え立つビルの麓に咲く花を 簡単に見逃す現代人
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一夜漬け叶わぬゴルフスウィングのYoutubeなど彷徨いており
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キミ想い清明の空見上げをり新たな年も共に生きたい/卯月六日
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戯れに 答え求めて 幾世紀 今で云うなら 学者馬鹿?
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桜映ゆ 水面に憩ふ 鴨たちも ふと花見とや はしゃぎゐるらむ
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一万と 一回目のおはなし きみにする その結末を わたしはしらない
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生きていたって しようがないと 言う君が 生きていることが なによりうれしい
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輪を作る 楽しき人に つもる春 散りてなお咲く 花の去り際
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幸せの 柔い布で 首を絞め きっとわたしは 安らかになると
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溶けないを 売りにしたチョコ ほおばって この関係も 溶けないでくれ
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満タンの 灯油を燃やす寒き日の希望うすめる春の初夏の日
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曇のち頭痛の日には髪の毛を上に引っ張り隙間を空ける
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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深夜2時、突然バーバーマイセルフ髪切り虫が疼く季節で
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火曜日であることを確かめるよう 二カ月続く妻の通院
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春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
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頭では理解わかっていても進めない 道はあるの?いつかはあるの?
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休日の特典としていち早くカレーをいただく午前十一時
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朝顔の種蒔きて鉢に水を遣り飴玉ころり食みて笑む子よ
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うしろ髪 しなやかに揺れ 艶めいて   残り香残して 立ち去りぬ  春の薄墨
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雨雲の浮かべる影をぼんやりと眺める日々の時は穏やか
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