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リハビリに通うあぜ道水仙を見知らぬ同士が杖つき眺む
33
独り食う 参鶏湯は ラヴェルの 『ボレロ』の如く 飽き初めにけり
12
盛りには白くかがやく木蓮が燃えさしのよに何で散るかな
26
春光を浴びつ バス通りを
過
(
よ
)
ぎり 落葉樹には
萌
(
めぐ
)
みぬ新芽
29
君想う 春の
陽光
(
ひかり
)
に 桜散り 地を埋め尽くす わが恋の果て
20
ぬくぬくと 背に受くこたつ 画面には アフリカゾウガメ
我
(
われ
)
が映れり
19
母は「デイ」 吾は洗濯 布団干し いい一日だ これまた癒し ※「デイ」=「デイサービス」
20
これ以上傷を広げないように泣くだけ泣いてと考えている
21
こんなにも 電波時計を 狂わせて お互い知らない 月曜の朝
17
靴底が 擦り減るほどに 働いて また四月から 気持ち新たに
34
生まれ落つ憂しと云ひつつ泡沫の浮世に生まれ返る愚かさ
12
指さしてずどんと引き金引いたらば大雪山に夕焼けおちる
27
「危ない!」を三分ごとに叫ぶ母 僕が初心者マークといえども
32
咲き
初
(
そ
)
むる桜に
見惚
(
みと
)
る傍らに
儚
(
はかな
)
くも地に落つ紅椿
32
面会の十五分ほどちぐはぐな義姉の話題は帰宅に尽きる
28
桜の木山手通りに立っていて入学生を歓迎してる
14
密
(
ひそ
)
やかに降る春の雨 花開き浮き立つこころ鎮めるように
28
灯台のオレンジ色が雨にゆれ寂しさつのる夕暮れの浜
18
月夜野
(
つきよの
)
は今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
17
春だから
桜桜桜
(
はなはなはな
)
と 人は云う 気候
違
(
たが
)
えて 何を花とす
17
昨日まで蕾も今日は咲いていて眺める吾は歩みを止めて
13
我が想い
三十一文字
(
みそひともじ
)
に詰め込みて 余る想いを何処に捨てよか
23
春の日にキャベツ畑のモンシロチョウひらひら舞いて卵産みつけ
15
朝六時澄んだ空気とコーヒーで始まる今日は心穏やか
15
夕焼雲 絵の具を溶かす如 茜色に
染
(
そ
)
む 西空の芸術
28
ポロポロと 悲しい雨音 聞いた夜 カップボードに ココアを探す
17
夜明け前 右の腰の上 ねこがのる 生命のぬくもり 生命の重さ
28
闇の中 ランタンひとつ
灯
(
とも
)
しおり 音の波間に 夜は深まり
19
のんびりと 過ごすとしょうか 春日和 往来ぶらり 寄る
ライブラリ
(
としょかん
)
15
コンビニの駐車場わき 青年と並びて 煙草を吹かす
媼
(
おうな
)
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