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また今日も 忙しないねと 道すがら ブーゲンビリアの花が微笑む
28
冬になり バッタも茶色に 色を替え 自然の中で 生きる強さよ
30
通勤車揺られ 眠気に誘はれて 詠みかけし歌も
夢現
(
ゆめうつつ
)
消ゆ
31
痛みに色がついたらさぞ彩るでしょうね
5
かぶりつく大きなチキン美味しいと笑うあなたと幸福の味
9
かなしみをふきよせたよな冷たあめ 秋のおはりの冬のはじめの
21
十日後の漬け物あける緊張感 姉のキャベツは今年も美味い
26
別にいいルービックキューブ インフルよ 感染ってもいい愛しています
8
草津より 高くたなびく 湯けむりよ
吾妻
(
あがつま
)
の夜へ 薫りを残し
12
懐かしい君が微笑む冬の色 僕の知らない遠い眼差し
19
わたくしの口から出でた言の葉に切られて疼く後悔の傷
29
訃報欄思い出深き人の名をしみじみ眺む秋深き日に
36
湯たんぽを注ぐ腕にも頼りなく漏斗の的を外れ湯気立つ
35
菜園の 大きく育ちし白菜を 両手に抱えて秋空眺む
26
北の町あついコートが安かれど北風しみる枯野ゆくとき
14
うらやまし子猫も満足するような隣で着てる防寒ウェアー
14
晩秋や
東
(
ひむがし
)
の空 オリオンは 大凧の如 昇りゆく
夜半
(
よわ
)
30
日陰でも錦木赤く晩秋に秘めた小さな想いを織りぬ
29
あさのひかり あまりに眩しく 布団干す わが
猫
(
こ
)
や 今夜は ふかふか・お布団
23
なんとまあ二度目の蒲団の心地よさ こういうことをしあわせと言う
22
滑らない吸い付くような指先の願い塗り込むハンドクリーム
24
人生の 苦楽を共に 支へ合ひ 寄り添ふ夫婦 理想の老後
27
ぬか床に七日漬けたる小かぶらを 薄く刻んで焼き飯に添え
27
慌てずも じっとひたすら 手薬煉を 引いて待たるる その宝船
10
薬箱に一週間分ふりわけた薬はあっと言う間にカラに
30
ユーラシア 端と端との 言の葉も 電子の波で 今ぞ伝わる
13
杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
23
限られた 時間の中で 人は皆 命を燃やし 言葉を
遺
(
のこ
)
す
29
彼岸花 萩、ほととぎす 秋深く いのち名残りを 惜しみつつ咲き
26
息子のとこ 行くはずだった しょうがない 今日はおうちで いい子にしてる
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