揺らぐ時期髪も視力も肌もみな初老へ向けて乗り越える時期
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芋名月採りたて里芋六方剥き曇天見上げ待たれる月夜
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満月が照らす田舎の暗闇はスマホのライトも要らない照度
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調香が絶妙だから主張しない美郷雪花の香りやさしい
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2時過ぎてゲーム実況チャンネルを1万人と1人で見てる
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朝焼けは 静かにあけて まだ眠る 街並みをそっと 優しくつつむ  
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マップラバーだけでは描けぬ この世界 私はライフを 手放すものか
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どんぐりの 屋根に落つ音 心地よく 秋を愛でたき ハイイロチョッキリ
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暮れ早し遅番の駅 ねむたげにあかりであいさつ チカチカチチッカ
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家庭科の調理実習生卵持参で悲惨な光景多発
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晴れた空刈田に鷺が二十六羽首を垂れつつ早朝会議
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木犀の香り満ちゆく十七夜霞みの月の輝く晩は
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音楽の#をハッシュタグと書き大きなバツをもらったテスト
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天下楼ひとり立ちたる心の 薪にくべるは地球儀なるか
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物憂げな季節の変わり目明るさが取り柄の人の哀愁を見る
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風ひとすじ 芽を撫でてゆく夕まぐれ 明日を知らぬやさしさのあり
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股関節硬いわたしはサーカスの中のヒトにはなれそうもない
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朝風が 冷たくなりし 神無月 半ば過ぎれば 寝間着も厚く
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秋桜コスモス 鮮やかに咲く 優雅なり 前を行く君 嫋やかに咲く
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不意の熱 触れしいのちの萌ゆる火に慄けるわれ われも惑ひて
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顧みてさいごにふれた人の手は冷たくなった母の手でした
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神様の数限りなく今日の日は金木犀の色の夕焼け
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青春はここに詰まっていたんだよ ブラウン管と Windows me
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勉強をしないとバカになるからと大学出たがロマンス詐欺に
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空見上げ 雲居の空に 瞳閉じ 君想いしは 一炊の夢
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秋空にナナカマドの実の色映えてバス待つ人らの視線集める
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左腕ドラキュラもどきに差し出して大さじ一杯ほどを覚悟す
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暗室のモニターに動く心臓の隅々までを余さず見せる
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押し入れの最下段から引き抜いて毛布一枚重ねる10
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君が死に 二人で話した 言葉らは 私ひとりの 記憶となりぬ
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