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傘の中滲む視界に出た本音雨は優しくかき消してゆく
25
ひらひらと花の香りに蝶々たち蜜を携え光の中へ
20
はかなきに 露の命に 消えてばや 人の思ひに 恋しきことよ
9
あをによし かすがに向かひて 春の日に 桜も散るころ 湊となるかな
6
石の上
(
いそのかみ
)
神をもしるに
七支刀
(
しちしとう
)
古き都に 伝えしものを
7
神風に 銀杏降らす にしき織 人にもこいにも 水面をてらす
8
気にするな って言わない人のやさしさに 育ててもらった 歌詠む 気持ち
53
いつもならチーズ牛丼つゆだくが 寒さのせいで 納豆そぼろ丼
10
雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
15
境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
18
愛し合う 二人で一組 じゃなくても 私は私を 愛しているし
26
責任と愛は別物ではなくて 死ねない訳も同じであって
8
ひなたでは暑いんだけど日陰では寒くて 僕には居場所がなくて
11
雨に散る金木犀はまだ濡れて仄かに甘い香りの朝で
53
テレヴィのなかの日の丸にほほゑめる首脳に光差す優生卵
23
女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
40
鈴のよな声出し鳴くやすゞ虫は秋の夜長を我に教えし
22
茜雲あすも良き日になりそうな迫り来るなり燃ゆる黄昏
22
「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
18
愛おしい寝顔を見つめて宵っぱり 夢を見るのも惜しいほどの
時間
(
とき
)
12
大病をせし弟よや健やかに暮らしておるか案じて祈る
23
窓開けて 叫ぶ友共に 笑い合う 怒られるまで セットで青春
12
砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
16
繰り返し感じてしまう苦しみも 今世だけのラストワン賞
9
下の名を呼ばれることが減るにつれ 背広が皮膚に溶け込んでいく
13
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
56
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
56
「娘にはピアノ、バレエに英会話」作り笑いのお酌で聞く夜
13
病院でインフルエンザワクチンを打つ直前に風邪うつされた
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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