集まりて順番毎に開き切る蒼き桔梗の律儀な様よ
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かがり火は 凌霄花のうぜんかずらの 花の色 石段のぼる 覚悟をきめる
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メールでは 大好きハート あまりまえ チャンスを得たら 顔も見れない
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いつもなら残業優先業務過多今日はダッシュで孫の待つ家
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夏しぐれ。野に咲くユリの 孤独など だれが知ろうか 虎杖イタドリゆれる
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変わらない君が隣で笑うから 夢と知りせば覚めざらましを
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明け方に相談しあうアサガオは誰から咲くか決めたようです
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アマビエの姿見えなくなったわね我風呂上がり夏の夕暮れ
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ゴーグルをつけて 信号待ちの子ら  すれちがう人の表情ゆるみ
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にぎやかな運河の街に雨が降る私も流れ海になれたら
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影踏みを夏の遊びと過ごしたが日傘さす今影持ち歩く
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言えぬこと言い足りないこと胃に収め大和撫子のふりをしてみる
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予後不良心膜炎経過観察このよのほかにいくるすべなく
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利き腕にかたぶく重心コロナゆゑ千鳥足にて揺るる視界は
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虫の音に目覚め薄闇ひんやりと朝か夕かとしばし哀しき
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眩しくてまともに顔が見れないよ 真白の中で君の名を呼ぶ
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テーブルの真ん中には剥き出しの君からの愛今日は梨味
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光りへと 導く糸は 素粒子の 石をも透す 人は宇宙
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ポケットを叩けば出てくるようなそんな「好き」なら食べたくないな
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無花果の蔕を剥き遣り置く卓に白釉の皿清浄なりて
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病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
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われひとり 根深き雪の さがを負い まっとうすべし アマテラス粒子 / 雪女
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幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
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晩熟を滴る麦と稲が穂のふたつわかれになりにけるかな
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差出しの 心細さを 受け取りし 次々とどく 喪中の葉書
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戦争にゆかさるるわれらの平和 「今そこにある危機」を忘れて
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あなたには 長生きをしてほしいから ポテチは私が食べてあげます
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私だけ見える七色 麓まで尾を振る君とふたり駆け出す
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