懐かしい歌を聞いては思い出す きみとすべてを集めていたこと
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窓を開け掃除機かけて口ずさむご機嫌な歌、鳥の合いの手
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繰り返し吐いては吸って生きている 止まらぬ呼吸ままならぬほど
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打ったとて響かぬ世界で生きている 自己プロデュースの波に揉まれて
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心荒れ全員死ねと憎むとき何故か呪いは上手くいかない
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ありがともおかえりとかも要らなくて僕にはさよならだけが丁度いい
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疾走感あるナンバーを共にして失踪するわ、真暗闇まで
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ズタズタの心に塗られた塩を取りお前の致命傷に送る
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出演の依頼も許可も出してない 君が夢に出て泣いてる朝四時
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葬れるものならとっくにやっている 夢も希望もその片想いも
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ひとことで僕を殺せる君の威力 好きと嫌いを間違えないでね
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スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
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久々に目覚まし鳴るまで寝た時はなんだかふわふわ調子が悪い
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みづからの死を枉げてもつたふるべきことなくば去れ 刈られても刈られても藪の花
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夏服を着てても暑い炎天下 いっそ脱ぎ捨て水着で過ごさん
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初恋の少女と泳ぎ十数年 我が妻今も面影残り
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素麺そうめん蜜柑みかん入れにし幼少期 今は薬味と天麩羅の日々
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夜が明ける 空の黎明 紫に 蓮咲く頃 はや目を覚ます
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梅雨明けの祖母身罷みまか りて早や十年 祭壇に置く祖母の好物
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夏夕べ後輩飲み干すレモンサワー 我が頼むはレモン酎ハイ
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国家乃至約半径三メートルほどの幸福のため今見捨てられたる定型外郵便、または貨車
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真偽こそ問はずも汝等生活報告へと告ぐ諸氏は国家総動員法迄つづく生茹の鶏卵、糵
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青東風あおごちと 従兄の苦言 耳刺さり 我省みる 多し半生
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西日差す 新大阪のホームにて 長き別れの 予感抱きて 
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星海夜 天を仰ぎて 我を見る 輝かざりし おのせい恥ず
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西日差す 甲子園たたかい終えた球児たち 家路につかん 新神戸駅
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Uターン 新幹線で帰京して 家路に引きずる キャスター鞄
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盆のつい 商店街もまだ閉まり されど明日から 始まる仕事
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盛夏雨 送り盆して 降る雨に また来年と 偲び空見る
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盆明けの 就業復帰その初め 残業あると 異常を悟り
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