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過ぎし日の父とのキャンプ懐かしみ ひとり山入りテント張る息子
22
輝く
芽
(
目
)
花
(
鼻
)
は赤らみ
葉
(
歯
)
が光る 笑う顔には 一面の春
9
芽吹く風 淡紅揺れて 山桜 いま
解
(
ほど
)
けゆく 一本の春
17
独り食う 参鶏湯は ラヴェルの 『ボレロ』の如く 飽き初めにけり
12
盛りには白くかがやく木蓮が燃えさしのよに何で散るかな
26
春光を浴びつ バス通りを
過
(
よ
)
ぎり 落葉樹には
萌
(
めぐ
)
みぬ新芽
29
母は「デイ」 吾は洗濯 布団干し いい一日だ これまた癒し ※「デイ」=「デイサービス」
20
こんなにも 電波時計を 狂わせて お互い知らない 月曜の朝
17
靴底が 擦り減るほどに 働いて また四月から 気持ち新たに
34
生まれ落つ憂しと云ひつつ泡沫の浮世に生まれ返る愚かさ
12
指さしてずどんと引き金引いたらば大雪山に夕焼けおちる
27
「危ない!」を三分ごとに叫ぶ母 僕が初心者マークといえども
32
桜の木山手通りに立っていて入学生を歓迎してる
14
密
(
ひそ
)
やかに降る春の雨 花開き浮き立つこころ鎮めるように
28
灯台のオレンジ色が雨にゆれ寂しさつのる夕暮れの浜
18
月夜野
(
つきよの
)
は今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
17
春だから
桜桜桜
(
はなはなはな
)
と 人は云う 気候
違
(
たが
)
えて 何を花とす
17
昨日まで蕾も今日は咲いていて眺める吾は歩みを止めて
13
我が想い
三十一文字
(
みそひともじ
)
に詰め込みて 余る想いを何処に捨てよか
23
朝六時澄んだ空気とコーヒーで始まる今日は心穏やか
15
夕焼雲 絵の具を溶かす如 茜色に
染
(
そ
)
む 西空の芸術
28
ポロポロと 悲しい雨音 聞いた夜 カップボードに ココアを探す
17
のんびりと 過ごすとしょうか 春日和 往来ぶらり 寄る
ライブラリ
(
としょかん
)
15
コンビニの駐車場わき 青年と並びて 煙草を吹かす
媼
(
おうな
)
29
春の雨 まだ咲き
初
(
そ
)
めし
桜花
(
さくらばな
)
散ることも無く しとど濡れつつ
20
『ちゃいるど』てふ歯科医院にかかりし子のそのまた子の 旅立ちの春
14
枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
19
貼り紙に「子の卒業」と書き まちの接骨院は 春の休診
24
「春雨じゃ濡れて行かむ」と見栄を切る それは無理でしょ氷雨そぼ降る
21
遠い遠いアラブの国の油田から 危なき海を越えし苦労よ
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