もっと良い場所は何処ぞや寒の入りいつもの場所にいつもの猫居ず
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靴型の雪が車内に落ちていて誰が乗ったの始発のバスで
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研ぎ澄ます刃の上を歩くよう。息子よそれは出来ぬ仕事だ
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さよならを告げた訳では無いけれど逢いにゆくにも理由すら無い
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平安の姫のやうなる振り袖の成人の姫スマホ見ており
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ドキドキはあの娘のせいと勘違い春よ寒さのせいの動悸よ
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来し方の出逢い全てが星となり瞬いている真冬の銀河
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新しく作る時間に逃げたいの介護疲れへ新聞に載る
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失敗を恐れず熱くなっている恋の予感は考え甘い
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故郷の冬は寒くて冷たくて夜は暗くて星が綺麗で
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家の中いたるところに時計有りせかす用など有りはせぬのに
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冬寒の庭に隠れて一輪の椿の赤き思いこぼれる 
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人知れず春の種蒔く人のよに雨はそぼ降る日の出の前に
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星冴えて 雪のあかりが ほの照らす 遠ざけてきた さきぬくもり
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手強てごわくて金串かなぐしに聞くさつま芋蒸して確かめ蒸しては確かめ
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成長や発達に良い効果ある大人のビール最初が美味い
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下を向く吾を諭すはカレンダーの猫の目まるく明日を見ている
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結晶を 結べないまま 降り積もる ゆるかった冬 豆をほお張る
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深夜までこまい作業を終えられず午前二時前空腹に病む
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ふと見ると 東の空の 低い位置 午後十二時の 上弦の月
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ポケットに夢がいくつもあったけどポケットの無い服ばかり着る
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雨天なく 買って二月ふたつき 雨靴は 出番を控え 靴箱の中
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池のすみ氷張らずに残りたるわずかな場所に鴨のひと群れ
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春を待ち 葉も花もない 裸木はだかぎの 美しき枝振りに見惚みとれて
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降りしきる 雪の合い間に 一筋の光りはありて ひた走る春
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丸くなり風を受けつつ眠る猫でたくなるよな背中をむけて
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なぜだろう『ねこふんじゃった』それだけは 誰でも弾ける かんたんな曲
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機上より 眺める海は なぎ満ちて 輪廻を超えて 虹色に光る
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松の木の敷き詰められた葉の他にあれだけの風も跡は残らじ
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寝転がり床に射し入る陽だまりに手を伸ばしたら春つかまえて
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