Utakata
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アパートの正面に立つ老木も震えるように開花してゆく
33
満開の
躑躅
(
つつじ
)
にカメラ 構えたら 一緒に写る 舞ってきた蝶
31
古き良き 時代に在りし 両親と 祖父母そろって 囲む食卓
19
「あの
頃
(
ころ
)
」と
済
(
す
)
ませてくれるな 学ランの
皺
(
しわ
)
懐
(
おも
)
いたる
卯
(
う
)
の
月
(
つき
)
の
末
(
すえ
)
9
春風が誰かの匂いを運ぶからもう全部捨ててしまおうかな
6
ここよりも遠いところに行きたくて揺られる波に爪先入れた
9
青光の中たゆたう赤海月 血は赤く 耳鳴と潮の音
7
初めてのレイトショーは貸切で やっと握ったエンドロールの手
7
小綺麗な砂のお城が攫われる バイバイと言う子供らしさも
9
人間を辞めてみたいと思います他になりたいものも無いけど
18
近ごろは見かけなくなるネジバナの螺旋はちっちゃい蘭が咲いてる
20
不規則に動く ロボット掃除機に乗って くるくる回転す猫
25
道ばたのまったり姿の昼寝猫いつまで見れる猫飼わぬ身も/外猫減
17
シャッターを 切る直前に
煽
(
あお
)
られて ブレる
雛罌粟
(
ひなげし
)
風のいたずら
24
耳かきの梵天付きを買う事も忘れるくらいどうかしていた。
15
合法な
姥
(
うば
)
捨て山と例えられ老人ホームで笑う
姥
(
うば
)
たち
34
爪先の冷えるリビング 雨の午後 ホットココアの沁みる温もり
22
スカートがたなびく旗に見えたから あなたを目指してやって来ました
5
贅沢を禁じられてる保護世帯眠る時間は誰よりもある
22
これからは捨てて行こうよ胸の底重たい石を持たず生きよう
28
リュック負いカート引きつつ帰る身を初とんぼゆらり前を横切る
21
雨雲を押し退けていく 暖かな強い夜風は 月を
誘
(
いざな
)
う
20
不確かな記憶の中の 懐かしき匂ひを
辿
(
たど
)
る 母の香水
22
初夏ならばこのくらいだとまたひとつ毛布の厚さを薄くしてみる
22
ぶれの無いまぁるい姿が嬉しくてしばし
眺
(
なが
)
める
薄雲
(
うすぐも
)
の月
23
潮の満ち
干
(
ひ
)
を
操
(
あやつ
)
りて いたずらを愉しむ如し 月の引力
22
昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
35
晴れの日のあめんぼ達が作り出す雨だれ浮かぶ池に
見惚
(
みと
)
れる
34
風通るグリーンベルトにさわさわと
茅
(
ちがや
)
の作る波を見ながら/すすきの小さいの
20
床扉
(
ゆかとびら
)
湿気を
帯
(
お
)
びるこの頃に近いとはかる梅雨入りの時
22
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