Utakata
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算絵香風
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果てもなく 星を飲み込む 夜の海 私の声は 波にさらわれ
16
蝉の殻 枝にとどまり 空を見て 残されし身は 夢の続きを
16
見つけられ なくても灯る 夜のすみ 名を持たずとも 光でありたい
14
ちぎれ雲 つぎはぎのまま 浮かんでて それでも風に まかせて流れる
19
夜のなか ただ歩くだけの 影ひとつ 月がいる夜 わたしもいてよい
21
ひとことが 息とまじって 言えぬまま 降りつづく雨 わたしを映して
11
処方箋 受け取りながら 思うこと すこし冷たい 紙の薄さよ
13
漁火に まなざしだけを 向けながら そっと心は さざ波のなか
14
水面にも うつらぬほどに 静かなる わたしの声の かけらがひとつ
15
波のあと すこしずつまた 洗われて 残ることばと 忘れゆくこと
23
開けられぬ 窓のむこうに いるだけで ぬくもりみたいな 猫をみている
16
胸の奥 声にもならぬ 闇の中 うすい月さえ うつむいていた
11
陽のあたる 場所をさけては 森の奥 わたしの影が 薄れていった
14
流れゆく 川にとけこむ 小石らと ちがう静けさ 抱えて沈む
15
花のなか ひとつ揺れずに 残された 香りはどこか まざれぬままで
9
見上げれば まっすぐ帰る 燕たち ただ見送って わたしはここに
15
静けさに まぎれて消えた 声ひとつ わたしの奥が すこし軋んだ
11
本のなか 灯りのような 言葉たち 目線を上げると 宵闇にひとり
12
昼下がり 息をひそめて 猫と寝る 陽ざしの音は ただそこにあり
14
高草を かきわけながら 歩く午後 行きたい場所が まだ決まらない
10
風もなく 青竹しずむ 山の奥 わたしは何か 置いてきたまま
14
沈みゆく こころの色を にじませた 水平線は ただまっすぐで
11
涼しさが 部屋のすみから しみてきて なにかを言いに 来たような朝
10
夏の雲 あの日と同じ かたちして さびしさだけが あとに残った
11
指先が 知らぬ痛みに ふれる夜 言葉にせずに 抱えて眠る
13