のぎしり
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定形の日記なのだと思っています

二つ折り帯か腰巻紐切れたブックカバーに挟む栞に/しました文庫本
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胸に乗る猫の毛香るいい匂い洗濯物の上よりお越し
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降った雪溶けてしたたる空晴れて春のようだな鳥のさえず
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出せ出せと猫騒ぐので戸を開けりゃ雪見てすくみ入れろと騒ぎ
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来客があるので除雪しなけりゃと案外広い車一台
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雪にこそ映えて冬柿しっとりと禍々まがまがしくも見える今年は/熊
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実の落ちぬ柿の木の下掃かねばと熊を恐れつする除雪かな
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今朝雪は真冬みたいにサラサラでなのにくっつくスノーダンプダンプべたぴた
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年取るとあちこち痛い常体がこだなだべなと慣れて親しむ
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濃い青にバサリ羽ばたく光る白鷺が旋回ひとつして去る
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◯ソッ!君たちは◯ソばかりしくさって◯ソをとりつつ呟く心/猫と⋯
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止まらずに溢れ出たならあわてると思いつつめる石油のタンク
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ゲジゲジはもう出てこないカメムシも枯れて動かずちょっとさみしい
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拾っても掃いて吸ってもいたる場所湧いて出てくる猫砂の粒
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今日来てる母さん今はどのレベル見極めてからする御接客/認知症
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敵なのか知らない歴史今さらに教えてくれる総理大臣/敵国条項
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この時間人の体を使ってはものを食ってる奴が憑いてる
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忘れてたわけではなくて見て見ないつもりもなくてしなくてごめん
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散らかして物探せずに目に入る代用品で済ます不自由
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年寄は時間が速い一年が瞬く過ぎるおがりはしない/おがる=成長する
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階段を昇る二階の床面の虫の死骸を吹いて飛ばして/目の前
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出るたびに見上ぐ柿の木実の多さ今更捥げど全部生ゴミ/熊
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母さんにたんたんたぬき歌わすと勝手にウケて笑顔が戻る/認知症
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高校の昇降口がどんなだか思い出せない闇だったかな
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引くだけじゃだめだ一回押してから猫に言うけど聞く耳持たず/爪と衣服
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熊出ればフィットネスジム繁盛で散歩難民風と桶屋と
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自動ドア電源切ればただ不便熊出る間致し方なし/介護施設
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柿の木のある方角でする音にいちいちビビる雪雨風の/熊
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若者がひ弱に見える自分らもこんな感じに見えていたかと/どうだろう
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人寄ればくまくまくまの話だけ柿の木見上げ車を降りる
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