気晴らしに冷菓を作る最中にボウル転ばし余計イラつき
12
富有柿甘さの記憶里の庭 今は亡き木に思いをはせん
10
新しい 土地に慣れつつ 昼休み 値上げの札に 財布は慣れず
11
生涯を人の情けにすがりたる世に通らない私の在り方
11
雨粒も 君の想いも 降り続く 秋の長雨 逢ふ日遠くて
12
スマホ割れ 最初小さき 黒点の 勢力広げ 闇に覆わる
9
よく映る自動ドアを見つけては 警備員はもみあげ揃える
15
外来診(み)終へ医局で珈琲味はひつつ短歌を詠むは老医われの至福
9
コスモスが咲き続く果て西塔が姿現す薬師寺の道
9
昼ごはん 急いでおかず 口にツメ 思い浮かべる 秋の栗 鼠かな /図1/2
9
こもれびを紡いだような手触りのブランケットを探しています
17
くりかへし読むにすぐにも忘れてはかなしきものを齢(よわい)なりけり
12
近頃の 農家の軽トラカラフルに 黒やオレンジ翁が乗れり 
17
はむはむと 煮干しを食べる 猫の口 そりゃうまいわな 開けたてだもの
11
さまざまを天秤にかけ言語化はできずギリギリ子は学校へ
8
秋が降る紅い斜光を曳きながら 冬の匂ひを手繰り寄せつつ
7
ひとりでも 頂きますと 手をあわす きみは 愛され 生まれたんだね
11
オレンジと紫、黒と黒猫とオバケはびこるハッピーハロウィン
7
我がために ことを違へぬ おこなひと ぬくき言の葉 嬉しからまし
7
綿パンに襟無しシャツでいざ出勤 足元見れば昨日の革靴
19
窓の空 うすもやかかり 誰がため 歌を詠まむと メモを紐解き 君を偲ぶや 朝焼けて
7
白息の  空に満ちたる  丸月を  肴に酌まむ  雲の来るまで
6
うらぶれたラジカセで聴く古い歌 今も変わらぬキミの歌声
6
あなたには 貰い慣れてる 花束ね 身を粉にしても 私は手ぶら
6
人間を 黒、白、黒と 染めていく そうしてほんとの ヒトができゆく
6
枝垂れて先の柿の実二つ三ついい塩梅に夕日に艶る
13
朝起きて冷えた娘の足がある いつにしようか湯たんぽ支度
12
今日こそは晴耕雨読したいけど眠気が勝りまさに病人
5
夜なべして昼間に休む矛盾かな されど欠かせぬ愛犬(きみ)との昼寝
16
神無月さいごの週をむかえたり元気にいこうと干しニンニクを
5