高速の トイレの隅に見つけたる 昭和の匂ふ落書きの跡  \吟行の旅第二首目
19
苦しさも 辛さでさえも 生きている証と気付く 夜更けの湯船
25
「好きだ」とか別に言わなくていいからさ私の薦めた曲を聴いてよ
20
何もかも見透かされそう興福寺 阿修羅の前で長い言い訳
12
人はみな 人それぞれと 線引きし やさしい部屋の 窓は閉められ
14
逃げながら靴脱ぐ稽古みっちりと積んで本番待つシンデレラ
11
霧晴れて 今日は晴れかな曇りかな 雨が降るかな風は吹くかな
10
これはもう反則だよなと思うことがたくさんあるけど黙っていよう
10
お母さん、 お仕事辞めて いいからさ そんなにお酒 飲んだらダメだよ。
10
「大丈夫?」「平気だよ」鏡は映す互いの目には映らぬ自分
10
夏終わり 家庭菜園 お片付け しまう支柱の 先、赤とんぼ
9
朝焼けや 橙に照る 山際は 慣れぬ土地にも 故郷を見る
9
冷やビールぶっかけられるサントリー・アサヒ・サッポロ・キリン、カルテル
9
ノーベルの 文学賞は 繰り返す 受賞するする 詐欺でんがなぁ /2/3
10
久しぶり 仕事帰りに 定食屋 心配してたと 言われ戸惑う
7
短歌さえ野菜と同じ 新鮮が一番だよと頭ひねりて
7
長雨に 空見ぬ日々を経た今朝の 空の青さに忍ぶ冬あり
8
瓶の蓋開けるためだと指体操教えてくれた自治会サロン
13
夕月夜きみの自由なスピードで星をこぼしておくれよ、アリア/御無理なきよう
12
しあわせは見えないけれど風に乗る金木犀が満開ですね
8
なにもせず懐手して生きていくなにもせぬこそ至難の業でも
6
終の庵は 山又山へ 寂しさ耐えて 歌を詠み 白き霞空
6
懐かしの街に降りても鬱晴れず現在(いま)の時間と過去の残骸
7
副作用 眠剤なのに 眠れない 全うしてよ 君の仕事を
6
爽やかな 秋の光に 包まれて 銀輪は飛ぶ 天馬のように
8
もう死にたい そう願うたび 浮かぶもの あなたのせいで あたし死ねない
6
ホカホカと湯気が出るもの恋しくて おでんシチューに焼き芋迷う
17
寒露でも昼は夏日の勢いで寒暖差あり何を着ようか/二十四節気・寒露十月八日〜
8
かき鳴らすギターと笑顔が真ん中を 3・2・1で突き抜けてった
6
君と出会う前まで どんな風に金木犀を香っていたのかまるで思い出せないんだ
5