Utakata
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新米の 炊きあがる音ヒューヒューと 湯気の向こうに老いゆく妻よ
23
来月に 入籍すると 教え子の 報聞き拍手す 居酒屋の前
16
朝寒し猫に起こされ散歩するコスモスゆれて薄桃の空
15
この胸に静かに想う人がいて 嵐が来ても闇の中でも
23
山頂の 自販機で売る 飲み物を 運ぶ人らと 並んで登る
12
今日もやる 続けることは大事だが まだこのレベル それが楽しい
15
帰宅した息子と同じ屋根の下平和な夜が我を癒しぬ
16
同じ本同じ値段がついていて痛み具合が違う古本
12
無表情で卒業アルバム捨てているこれは進歩だ多分進歩だ
8
「お元気で?」ラジオの声に返事する今日も誰とも話さなかった
9
銀杏を串からはずす友のゐて串に連なる碧き実を食み
10
小雨止み 三沢空港 虹の便 都の背子へ 思い届かば
12
街灯の光遮り葉を揺らし雪の匂いの風が吹いてる
24
消えた犬必死で探す隣人にさすがに言えない美味かったとは/社会派ヒューマン短歌
8
君のこと 言葉に出来ない程なので 今ある星を 数えてみてる
9
ラッパーは罪を重ねて出世する
(
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
)
いづくも(どこでも)同じ 秋の夕暮 070/100 良選法師
11
ありがとう ごめんなさいの 二言が 素直に言える 人になりたい
8
茜色 ひとつ浮かんだ 蜻蛉影 在りしあの日の 空に重ねて
8
足場工釣瓶落としや路地の裏 道行く我と会釈を交わす
6
黄色白紫黒と選ばれて編まれたマフラー流星を待つ
6
朝起きてあっとゆう間に日が暮れてもうひと月があら一年が
13
みそひとも練り直されば疲れたり 一日二日三日と寝たり
10
あなたの手しっかりつかみ離さない傷は黙って傷を知るから
11
ヒーターを早めに置いた洗面所なんだか今日は邪魔に思えて
9
久しぶりに振るダンベルの重かりき 吾が筋力の衰へしかな
10
一度でも 暖房つけて しまったら 暖房なしに もう戻れない
8
君のその 制服の袖を 掴んだら 崩れてしまう 何かを知った
5
夜はながくなりにけるかな
幼
(
おさな
)
らの
閨
(
ねや
)
の語らい時にとぎれて
6
雲場池水面に写す紅葉も秋の深まりアップルパイも
6
余白の美かな文字うれし落し文 明日のフライト我は旅立つ
6
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