Utakata
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浴槽の設定温度上げるのに断りいらぬ寂しい暮らし
21
気まぐれに私と遊び爪あとを残し隣でまどろむ猫は/題『遊』
15
老猫
(
ろうびょう
)
はじっと目を見て問うてくる 惰弱な我の死生観をや
17
歌詠めど 浮かぶ言の葉乏しくて 創る楽しみ苦しみとなり
18
片付けて 物を減らして 行きたいと 言い続けては 変わらぬ実家
10
反対をするも理解者少なくて変な提案通る団体
11
これいいね!これだ!と買った便利グッズ そういや買ったね引き出しの奥
18
虫の音と深夜ラジオを聞いていた十五の君は元気でいるかい?
8
出る時に追い焚きしようかふと迷う何だかんだと言えどちゃんと秋
16
この夏の最終楽章指揮すべく野に一本のヒマワリが立つ
20
噴水のしぶきで遊ぶ子らのこゑ静まりて秋か絹雲うすし
13
紅の筆持つ指に止まりける
蜻蛉
(
あきづ
)
よ
跡訪
(
あとと
)
へ昔の人の
7
携帯の電波が届く異世界なら帰って来れないわけはないだろ
7
張り過ぎず緩み過ぎずを目指せども不安定なる凡愚に難し
10
A
I
もいるけど隣に人がいる 私は君に叫びたいのに
8
宵越しの銭は持たない月明り 鈴虫は鳴く 独りで歩く
9
ウエハース車内で食べて粉舞って座席に付いて母は般若に
8
呼吸することを忘れて息を吸う呼吸するってむずかしい
6
目が合って悟る 地獄はいつだっておまえの顔をしているらしい
6
これまで経験したことない雨が列島襲う要らぬ経験
16
行き暮れてあやめもわかぬ闇のなか金木犀の香のふいに立つ
6
この夏の役目を終えたカレンダー裏に子が描く虹色の魚
8
スマホより 活字読もうと 買ったまま かばんの底で 眠れる文庫
7
ケツ痛え なにこれマジで えっ急に? まてまてまてよ ほんと許して
7
世の中は 不足に満ちて いるものか すでに溢れる 光の中に
7
日月はるか 浜辺の土に 火と水と 木の塔見上げ 金星とおく
5
あれほどの激しき雷雨のすぎさりて「処暑」より「白露」へ季節うつろふ
5
朝に飲む濃いめの紅茶が一番の 楽しみです。と書き出す手紙
12
余呉の湖水脈曳く二羽の残り鴨 墨絵のなかに淡く溶けゆく
6
秋風にのんびり吹かれまほろばの 赤とんぼ舞う行き合いの空
7
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