不器用な方向音痴の旅なれば行ったり来たりもまた佳しとする
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なにかしら自分の背中をそっと押す 手が欲しくなる時がある
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この土地にルーツを持たぬわびしさや同級生も従姉妹もいぬ身
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明日(あした)へと続くリズムを刻んでた裸足を波にひたし濡らして
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手の甲によろよろの蚊がやってきた かゆくしないなら吸わしてやりたい
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スーパーで冷やし中華が見切り品今日が最後の食べ頃なのか
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来世では でっかい鳩に して欲しい パンのくずとか くれたら嬉しい
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秋彼岸 墓前に供えし花立に ひょいと顔出す雨蛙かな 
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希望がね 何度もなくし 来たけれど  時間が過ぎると また湧いてくる
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桜散り牡丹崩れて巡りては柘榴の花も今は落つらむ
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夕月夜きみの道標(しるべ)が降るかぎり黒猫(われ)のゆく路 惑わされまじ
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「じゃあ、またね」いつもと同じ別れ際「Ciao」の響きに送られてをり
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徒然なか犬と戯る秋渚 寄せる白波ともに跳び越へ
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ふと香る金木犀とかくれんぼ コーヒー連れて家に帰ろ
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ピクルスの 瓶を開けてと 頼まれて 今日いちばんの 晴れ舞台に立つ
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散歩する公園今日は駅伝だ 一足先にゴールしてみる
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君からの言葉を全部食べたくてまとめて真空パックに入れた
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花嫁が 喪主を務めて 友眠る 挙式叶わず 過労死憎し【10月12日通夜・学友没37歳】 
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なんとなく入った店が大当たり 日本酒旨し独り旅の夜
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何百年前にいたならきみのこと病(やまい)の理由(わけ)にできただろうか
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僕は今ペーパータオルの芯の中 猫に覗かれる褒美を得てる / SNSでよく見るやつ
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寒くなり お湯を使って 洗い物 とうとう来たか 手荒れの季節
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嫁入りの キツネの祝いか 大粒の 雨落ちて来る 満月の宵
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生者にはもはや教わることはなし嘯(うそぶ)き握る夏のハンドル
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いつまでもなんとも言えない表情で陽だまりのまま ここにいて、ぬい
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問題を 考えてみたら 太郎君 音の速度を 超えてしまった
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聞かせてよ 願って叶って失って それでも最後に残ったものを
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雨降りの九月の分の夏日かな来週予報二十九度よ
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秋風や 髪の毛揺れる 君の背は 追えど届かぬ 月の如し
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後悔の無い選択は無いのだと嫌と言うほど分かったのです
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