Utakata
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長雨に 草の蔓延る菜園で 早く明けよと梅雨空睨む
15
風情ある名に似合わない蝉時雨ただ
喧騒
(
うるさ
)
くて暑苦しいだけ
12
洗われぬ皿の気持ちを考える 頭痛で動けぬ夜に考える
11
猛暑日の居酒屋で見た張り紙は「今日を生きたら全員優勝」
18
易怒性
(
いどせい
)
の高齢女性に手をやけるナースをなだむ
吾
(
わ
)
は老医なれば
9
よくドラマ観ていた頃の夜はるか東野圭吾をしのぶ晩酌
11
真夏でも 涼しき風が 吹き渡る
寒蝉
(
ひぐらし
)
の声 恋し
故郷
(
ふるさと
)
17
洗濯機 嗚呼お前もかと涙ぐむ 冷蔵庫買い替えた翌月
19
愛なんて知らないでしょ?とたずねたらあなたも知らないでしょ?とAI
12
謎解きと人間らしさ描き出し 東野圭吾天に召される
12
脳出血 救急かかり 治療中 メンタルやられ復活願う
7
決意して短歌教室通いたり下手くそなれどほめる人あり
7
唐突に響く雷鳴降る驟雨Tシャツ濡らし家路を急ぐ
7
天を地を 溶かしかねない 暑さにも 屈せず咲けり
100
日のほど #
百日紅
(
さるすべり
)
(
)
9
役に立つ・立たないじゃない、やまゆりはただそこに咲く白さのままで
38
気がつけば吾が駄歌千首こえていて二年五ヶ月よくも詠んだり
10
紙一重首吊りロープと命綱切る意志保ち手足は竦む
6
ワンピース 特別な日に着るために 準備したのに その日は消えた
6
忘却の 幕が毎日 降りてゆく 人生さえも 一晩の夢
6
あの夏のプールの時間の僕のような体育座りの三角定規
16
夏祭り終わればかろき虚しさよ あといくたびと問ふやうな雲
22
ひやきゅうりかじるサツキとメイのマネいまだにしてる十六の夏
24
天国と 勘違いして
13階段
(
かいだん
)
を 浮かれて昇る 脚はずしたい
11
朝散歩 商店街 路地入り そのたび見える 下町風情
8
軒先で 揺れる風鈴 涼しい音 閉じた部屋には 届かぬ音色
5
梅雨明けてなほも降りくる長雨に鳶の翼も見えずかなしき
5
モーニング 次はどこへと ばあちゃんら 楽しみ増えし 朝のルーティン
10
雨続き 空梅雨だった去年より マシだろうとは思うけれども
6
一秒の気づきに依りて思い出せ 世界の愛の絶えることなき
5
昔住みし町を歩けばよみがえる吾に向けおる君がまなざし
7
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