Utakata
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丁寧は過ぎればひとを遠ざける山車を見おくる雑踏ひとり
15
色弱の君が選んだアイシャドウ 休みの日だけ大切に塗る
23
哀しいのかくやしいのかこわいのか はてなくつづく青すぎる空
11
どんよりの曇り空さえありがたく思えるほどの雨続いてた
14
抱っこして背中とんとん寝かしつけ過ぎ去ってゆくばあばの九月
17
「猫と犬どっちがお好き?」「あっ、いいです。食事だったら済ませてきました」
18
倒れても起き上がらせば色変わり秋の気配か庭のコキアよ
10
もし俺が煙草を吸える身体なら 今日で三箱ぐらい空けてる
9
鈴虫が 惜しむがごとく鳴く夜に 一人見上ぐる十五夜の月
13
茜色オーロラ照らす飛行機の 目指す先にはぽつねんと月
9
独り身の六畳間から連れてきた座卓に君の味噌汁の熱
16
待ち合わせ場所にいそいそ駆けつけるそんな思いで青空待った
11
老いる度 憂いが増えて 愚痴増えて 元気が減って 喜びも減る
8
これは月これは太陽 衣替えはタンスの中の立派な宇宙
8
からまった イヤホンほどく 指さきの あの声までの ルーティンワーク
9
ひさびさに帰省した子を出迎える親の気持ちで見る青い空
8
台風よ そんなに日本が 好きなのか くっつきすぎよ 離れてくれよ
7
信号を 渡って振り向く 七歳の 傘と地面の 近さを思う
8
長雨に打たれ続くる金木犀 落花がおほふ道の香は失せ
10
お前ならなんとかできると思ってた 二人で虫から逃げ惑う夜
11
雨やみて自転車で行くスーパーは金麦の箱売り切れていて/バラ売りも六本パックも!
11
人のこと治せないから口閉じて心で歌うハクゥナマタタ
7
会うときに言おうと思い会うたびに言いそびれふと、会えなくなった
9
長月の
長雨
(
ながめ
)
気づかず。カーニアン期より、鬱の僕に添へばなり。
6
我々が死んだら 「誰が面倒を見るのか不安」 と百歳の母/ちょっとブラック
11
ダンボールの部屋で君がくれた紅茶飲んでしんと生活の色
6
囃子音の 聞こえぬ空に 欠け月と 二人酒飲む 寂寂として
12
神の名を探し求めた先で見た 辞書の最奥 私の名前
6
ほととぎすの黄花の咲きしと妻の誘ひ。蚊遣りを持たずきて後悔しきり
6
潮風に 吹かれて望む 雀島 泳いで渡る 廿八間
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