Utakata
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やれることすべてやったさ そうだろう? ぬるい湯船で手と足のばす
17
ちょっとした猶予みたいな夜だった むき出しの腕を撫でる涼しさ
19
梅雨迫り 収穫終えし玉ネギを 天日に晒す休む
暇
(
いとま
)
無く
19
早口のドラマの会話に置いてかれ 対象年齢外れた耳かな
18
鉄骨のすき間の藁を引き抜けば無毛のヒナが出て来、押し込む
16
いつの間に大人になった 嫌な顔一つもせずに飲むジャスミン茶
17
奥行きのある世界へと旅立てるそんな旅なら仕度をしたい
16
揺れ来ても吾を気遣う人もいず震度の知らせただ届くのみ
12
高崎線 ひと駅走り また止まる 地震の後の 長き家路よ
17
暗闇を 照らす光が 暖かい 思い出という 私のランプ
12
牛車
(
ぎっしゃ
)
より裾
仄
(
ほの
)
見ゆる祭りかな蝶の羽風に匂ふ橘
13
何十回 いや何百回 ひやりとす 生まれ育った 地震大国
10
わたしとは三度祝った誕生日 今年は誰と祝ってますか
20
土まんじゅう叩く雨音聞きながら 熊の帰りを待つ肉となり
9
今月も 半ば過ぎだと焦りつつ 「まだ大丈夫」と書類選別
9
運転もゴルフも旅も ふと見れば 賞味期限の近くにありて
19
朝陽浴び緑煌めく
青啄木鳥
(
アオゲラ
)
が明ける世界に調べを刻む
9
きっと耐え難いことでもあったのね 金平糖をすり潰す人
19
分量を間違え出来たゼリーにも似て定まらぬ暮らしをしてる
8
何事も 早め早めに しておけば 良いと知りつつ つい後回し
8
「お母さん、スマホでとって!」風呂場から薄紅色の雲を指さす
19
旅行中ビルの高さに上を向き 東京人は皆下を向き
17
ベランダの灰皿が見ているテレビ ロマンスの神様も薄着で
8
腰痛し何のはずみか知らねども 会社を休む口実になる
17
認知症夫婦の診療に手間取れど明日は我らが身かとも思ふ
7
駅を出た 床屋の前の 書店無し 三月経つ間に 変わりゆく町
16
デイケアは久しぶりにて薔薇の花黄色の言葉の友情ありて
14
アルタイル
(
彦星が
)
遅めの梅雨に襲われて
ベガに会えるか
(
織姫想い
)
不安な気持ち
8
カルティエが似合う大人の両の手で小銭が踊る ガチャの誘惑
12
初夏に咲く君の好んだ花の名を思い出せない確かカタカナ
6
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