Utakata
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医師からの告知を受けて早一年
運命
(
さだめ
)
受け入れ木洩れ日さがす
22
今宵
(
こよい
)
また 孫と机を 並べし 至福の時を 胸に刻んで
14
出張先 電車止まって帰れない旦那を想う 大雨の夜
14
新米の 豊かに実る秋なれど 場当たり農政無策なるかな
24
明けないと嘆く夜にさえ細胞は傷をふさぎて朝を待つなり
9
置き去りの原チャの籠に捨てられた紅茶の缶も秋の彩り
10
書繰る間に 篠突く雨を やおら聞く 葉月の名残り 洗うがごとし
8
近々に私消えるという事実知ってるような知らないような
14
あたたかいくるみパンから立つ湯気を見るため暗いままでいる部屋
7
寄り添ひて三十三年果てるまで君の目尻の皺に頬寄せ
8
夏でさえ青きまま過ぎこの恋は紅葉のよう色づくのかな。
7
道端に多くの供え物があり皆に愛されてた地域猫
7
半袖は そろそろ寒い かといって 長袖着たら 暑いなんなん
7
人肌に ふれる指先 存在を 確認しては おさらいをする
7
基準値を大幅に超えて今きみの瞳に星が星が星が
10
行合ひの空の余白へ鰯雲 微かな風も秋を連れきて
11
カメムシは高層ビルの窓に居て「どこから来た」と皆に聞かるる
15
スーッとするボディシートの安売りのドラックストアに秋を感じる
10
涼しくていいけど雨が降り続き遊びに行けず残念な秋
8
昨日まで 何もなかった この空き地 小雨に灯る Timesの文字
6
妻とゆく銀婚の旅 目をとめし手鏡見ては棚田のあはれ
6
めくり上げしわくちゃのまま乾いてる
布巾
(
ふきん
)
で知れる夜の風かな
9
僕らみな花火みたいに見えるかな 違う時空のどこかで見れば
18
かろうじて ミとンの間を 開けて鳴く
季節
(
とき
)
戻りて 風情も何も
6
慌てないきっと必ず思い出す これまでもそうこれからもそう
18
主婦ひとり啜る素麺 昼下がり 麺つゆなんて軽量カップ
10
諸人の血を吸いさまよう電車の蚊 こいつに刺されりゃ速攻伝染る
13
夜に
現
(
げん
)
じ つとめて消えつる 光る君 空さしあぐる 手にぞつゆのみ
5
住宅街に立つローソンの灯りからしか摂取できない青がある
5
壊れたか朝からぬるい冷蔵庫肉が溶けてるこれ獣臭
!
5
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