Utakata
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運転手どうし片手を上げ合って若葉のなかをすれ違うバス
21
まな板にのせたきゅうりを叩き割る初夏の香りがひろがる夕べ
16
影かたち何もないもの抱いている神か形見かそういうものを
13
ききららのさいふをひらきおままごと たんぽぽ ぼたん これくださいな
13
国民
(
くにたみ
)
の 安寧願ふ
政
(
まつりごと
)
国難の今真価が問はれ
17
グミの実を久方ぶりに口にしてノスタルジアは初夏の赤い実
10
服・寝具仕様を替えて奥の手をもう探してる夏の序章に
16
シングルのシーツの上をまた泳ぐ 冷たい海を探す寝返り
10
それもまた いまの自分と 思えたら ふるえる手のひら それさえも良し
10
病み上がり 外の空気の 清しさよ 笑えて嬉し 食事もうまい
14
「
詩
(
うた
)
を詠む」・・・いつもは素通りする道に生えたタンポポ見つける作業
10
少しずつ 移ろいゆくのが この国の 季節であった
暫
(
しば
)
し前まで
9
くちづけの後も敬語を続ければ あなたの森で迷わずに済む
11
大雨が洗った空に足跡をつけていく久々の逆上がり
26
せっかちな蝉の鳴き声聞こえたか幻聴だったかわからぬ暑さ
8
汗かいて爽やかなのは自分だけ 見た目と臭いで人混みを割る
8
母の国せにしてゆかむ風と波 時のまにまに真砂となりぬ
8
苦手なる香り発する
(
気に食わぬ匂いしやがる
)
柔軟剤安売りせしがただ恨めしく
7
紫陽花や 雨降る
社
(
やしろ
)
手水場に ふたつ並んで 雨を見ている
7
五月雨の乱層雲をカッターで切り裂くような
雅各
(
ヤコブ
)
の梯子
6
ドラキュラから招待来たがワインしか出ない
宴
(
うたげ
)
は欠席に◎
9
デッキチェア座りまぶたでリズムとる 紙皿なぞる麦の秋風
6
妻の指示 返品の棚探しおり 今宵の肴に別れを告げむ
13
おふとんはちいさな教会 祈りとか懺悔みたいだきみの寝息は
7
芝刈りの後に小鳥ら舞い降りて夏の香りを一緒にかごう
7
生活の残滓流るる放水路 ぢっと見詰める魚影の鈍光
19
人間の歴史を聞いてやれやれと肩をすくめるオランウータン
6
久々に手に取る雑誌の金額を見て棚もどす 印刷が死ぬ
6
登校の 門限間際 気にもせず ひよこの如き 一年の群れ
11
花菖蒲 水面に映る 群青の 姿重ねて 君おもう朝
5
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