Utakata
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湯上がりの
熱
(
ほて
)
りはどこか引きにくく 一度抱いた憎悪に似たり
16
明け方の 鶯の声澄み渡り 里は目覚めて
一日
(
ひとひ
)
始まりぬ
20
冒険
(
ベンチャー
)
の気質でないと見透かされ義父のとなりで枝豆を切る
13
昼と夜上と下とで交代に蝉と蛙が鳴いてる真夏
12
何十年会わずに逝った父の墓 汗して毎年 夏草を抜く
19
雨の日の特異日なのか七夕の逢瀬のそらに衛星よぎり
9
愛犬が 横目でちらり おねだりの 「撫でて」の合図 以心伝心
19
宵祭り 夜空にほどく 影ひとつ 左手諦め 扇子を握る
9
四人立つ義母の墓前に讃美歌の 音は揃はず小糠雨降る
8
「いとしのエリー」 よく聴いたよねと 懐かしむ ふたり揃って いい歳と言えり
7
目覚むれば肌ねっとりと蠢いて スウィートモカに時のほぐれる
15
燃ゆる日の 光にむせぶ 青葉山 つらき暑さを 添ふる蝉かな
10
水やりの手を止め一つ摘むベリーこの酸っぱさが今日の始まり
6
轟々より 煌々と照らす 業なれと 五十五の夜 宝を前に
7
暮れかかる 透き通る風 打ち水の 面ざし涼し 夕顔の花
9
梅雨明けを待つ夕暮れは 天国が覗いたように雨雲
煌
(
あか
)
く
7
ほろほろとこぼれるマカロンほろほろとこぼして食べる 不慣れな部屋で
7
さえずりとほのかな風の寂し気な過ぎゆく梅雨の淡い曇り日
11
夜書いた原稿に赤を入れながら なんなんだろうこのはずかしさは
7
山里に不便なけれど病院の遠きに通ひ病ひ重なる
5
へこたれる夏のお勝手身につける肌着ひとつで違うか否か/只今模索中
16
喧嘩した その翌朝に 丁寧に コーヒーを淹れると 笑顔に戻る君
13
ためらいも せずに
100
円 シャワー浴び 「ヒィーッー」となった 遠い夏の日
6
帰り道抱きついてきた友がいう「酔ってるからだよ」いつもじゃねぇか
6
人生の曲がり角すら知っている昔の駅の伝言板は
6
独り暮らし 母を手伝う はずなのに 母に癒され われ帰宅する
15
熱増えてひねくれ
捻
(
ねじ
)
れ辛すぎた思いは消えるきれいさっぱり
11
蒸し暑い夜の空気を飛ばすよに 初物スイカ 種ごと囓る
20
改札を抜ければ今日が終わるから もう一度だけ振り向いてみたり
8
風量と温度の加減が定まらぬ安エアコンは人の心か
5
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