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哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
10
我のため
雑草
(
くさ
)
を摘んでは土産とす
認知症
(
やまい
)
の祖母の不変の愛情
26
朝毎に雀にとパン屑まけば痩せ狸来てそれを漁れり
14
かじかんだ
淡桃色
(
うすももいろ
)
の 吾子の手を 包むこの手で きみ守りたし
28
無人駅 氷雨で濡れる単語帳 私は私を好きになれない
14
リビングの壁にあなたの影みつけ 師走の低い朝陽のしわざ
26
名も知らぬ木に艶々と赤き実や 名も知らぬ鳥梢渡りぬ
33
見上げれば朝の光は柔らかに飛ぶ鳥の羽黄色の落ち葉
20
信号機変わるを待ちて母に抱く
嬰児
(
えいじ
)
のまなこ熱に澄みたり / きっと熱が出たんでしょう
10
学校の音楽室からもれてくる練習曲を月も聴いてる
32
「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
18
納豆に日頃の苛々ぶつけても健気に美味い ごめんね。納豆。
27
哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
43
落葉
(
らくよう
)
や 一掃されど 道端に 積もり積もりて 秋を
描
(
えが
)
きぬ
27
夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
20
降圧剤飲まぬと決めて一年半 死神よぎり医師に泣きつく
20
群青と 黒き稜線 月あかり 今年最後の 明日は満月
29
雪の上残る足跡これは猫 しのげる場所がありますように
46
吹雪後の満月が照らす人々の必死の除雪語る雪塀
28
先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
38
江ノ島は道半ばなるフルマラソン二万のランナー己が道行け / 私も湘南国際M7回程走り、今日も応援!
16
スプレーの冷気しみ入るふくらはぎラスト十キロ ゾンビの根性 / 過去7回走った湘南国際M
17
死なないで生きてよなんて言えるそのきみの鈍さに殴られてるの
11
檜葉
(
ひば
)
の木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
40
孤独こそ己を守る避難場所 長老の説く平易な言の葉
41
つり革に 初めて届き 喜びて 記念日だねと 言ふ吾子愛し
26
電線に止まる
寒鴉
(
かんあ
)
の背景に 白き残月 朝の西空
30
秋深み裏の
櫟
(
くぬぎ
)
も冬じたく枝を震はせ もみじ葉の舞ふ
15
飛び乗った仕事終わりの快速は君に向かってまっすぐ走る。
21
自販機が応えてくれぬ けふもまた かざすスマホの悲しくゆれて
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