どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
33
左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
16
幼日の 秘めたる願ひ短冊に したため静けき七夕の宵 
17
雲の下これじゃ逢えぬと冷やかしの 声も届かぬ天の二人よ
13
また猫を 認知予防と 迎えれば 愛しさ増して体力尽くる
12
雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
16
トランプで負けそうな子がカードをね破ったのもう楽しくないな
17
永遠を夜空に祈るくらいなら 許されないでしょうか七夕
10
部屋干しの 場所塞がりて ワイシャツは エアロバイクの 肩に広がる
20
記憶とは波のようで久々にウォークマンを開いて泣いた
9
駅西のロータリー阿鼻叫喚、大樹に狂ふムクドリの群れ
10
梅雨時の濃さ増す緑の壺庭やそこにいたのかまいまいつぶり
9
水筒や折り畳み傘持ってまでしなきゃいけない程の散歩か
17
亡き夕と見ゆる文字面七夕はあやに悲しも君隠るより
7
バスを停め予定にはない時はいま海に立つ子ら夕日を送る
7
山積みの洗濯物を嘆けども 一枚ずつの手しか持たない
7
アパートで怠惰に暮らす現代の織姫と彦星が起床する
7
天の川涙の雨にあふれつつ橋も渡せぬ君ぞ恋しき
7
公園の ハマボウの黄で 一日の パワーをチャージ さあ始まりだ
9
黒髪に低めのヒール リクルートスーツは鎧 やわらかな檻
15
「そのうち」を素数で割っていったなら君ではダメと拒絶されてた
10
七十年重ね来し言葉 ひとつずつ 餞別となる 日々の語らひ
14
七夕に娘が生まれ、祖父は亡くなり、孫は元気にじいじとあそぶ☺️
6
例えばそう たくさんの本に 囲まれて 好きな世界を 好きにお散歩
6
接待で腹踊り見たロシア人大喜びでハラショー!ハラショー!
10
誕生日 目覚めの朝に 巡る想い 今亡き母に 感謝の想い
12
揺蕩ひて 泡沫の夢に 身を任せ 波の花咲く 水面の月夜
5
花の名は記憶の奥で揺らいでも 優しい声はまだここにある
5
グラウンド 颯爽走る 真っすぐに  汗で臭へど 君は益荒男
5
南国の植物に沢山の短冊をかける弟へ祈るや幸せ
5