Utakata
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さらさらと初夏の日差しは人恋し着信待ちの長き一日
32
葉が茂り 紫陽花の芽が見え隠れ 雨待つ頃と季節はなりて
16
もくもくと夏の気配を吸い込んで雲は大きく眩しく光る
25
苛立ちを乗せて蹴られた空き缶がか細く悲鳴上げて描く弧
13
人生は焦らず走らず無理をせず 廊下と一緒気楽に行こう
13
母は言う「ウチのはダメで」石ころを蹴飛ばす私ダメじゃないもん
10
子どもがきらい大人がきらいと泣きわめく幼き日の僕を抱き
11
確かだと呼びし名さえも また揺れて目の端に煌めく我が逃げ星よ
10
スマホ越し 過労を含む その声に 絆される俺は 意外と単純
9
山形の里芋をもらふも食ひきれず畑に植えしが律儀に芽をだす
8
墜栗花
(
ついりばな
)
甘き香りの雨に濡れ次第深まる枝葉のみどり
9
木々の葉が陽射しに透けて輝けり夏は来ぬとぞホトトギス鳴く
12
最後だと分かっていれば薔薇だって入れてやったのにガラスの花瓶
10
今ふっと気が付きました西郷は仮名で書いたら最後「う」ですね
9
にわか雨やみて空晴れるアジサイが陽に照らされ梅雨の粒落ちる
8
水無月の六弦の鳴る囁きの心に入りて視線を落とし
10
少しでも砂が残れば台無しの
浅利蛤
(
あさりはまぐり
)
いかに鮮でも
17
「彼女」ではなく「恋人」と友達に わたしのことを言う君が好き
11
大切な物に囲まれたこの部屋で いつしかわたしは動かなくなった
8
先端が少し減っては折られてる替刃の欠片が鏡に見えて
8
背伸びしてハンズで買ったウォーターマン胸ポケットの少し重たし
6
土下座して過去の侮り謝りたい 君の働き凄いよオルトラン
8
過去を前世ってことにして話したら笑ってくれて大好きでした
10
生花店看板犬に気に入られ毛にまみれをりスーツのズボン
14
灯籠のあかり回転するように空き家の前に咲くタチアオイ
9
久しぶりピアノを弾いてみたものの記憶をたどりに踊る指たち
7
君がため梅雨前線立ち向かう 傘を持つ手は雨に濡れつつ
6
ぷりぷりとおしりを振って歩く犬 盗み見気づいて振り返ったの?
10
冬の
間
(
ま
)
はふっくら丸い
雀
(
すずめ
)
さえ夏の細身でちょんと横切る/別もの
27
ここは皆人生はぐれた人ばかり親友と呼ぶ車椅子の人
10
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