丸二日 そぼ降る雨は小糠雨 野菜農家に休めと諭す 
22
思い出に溶けゆく日々の積み重ね 川に流れて丸くなる石
16
狛犬の目線の端にひっそりと夕顔揺れてお祭りの夜
14
網目より忍び入る虫避くるべく渦巻くけむり夏を告げをり
13
稲植えて草を抜きたるその先は 祈るがごとく空を見上ぐる
10
ひざまづく夏の畑の少年の鋏閉じれば手にする胡瓜
10
老後の備え 保険に投信 星の数 カネのなる木を育てることから
11
持たされた袋の中に夏野菜 愛がずっしり祖母まだ詰める
22
血のなかに病のごとく棲むものか家族という名の解けぬ因果は
21
ゴールデン 今朝の出会いは ポム五ヶ月 我にじゃれし 垣根なき君
11
行けるかな 点滅し出した 信号に 小走りになる らしくない俺
9
人生は 積み木のように 揺れるたび そっと形を 変えては崩れ
9
機種変に時間と体力捧げつつ数年後をもう憂いておりぬ
15
振り向けば あっと言う間に過ぎてきた 一年十年 多分一生も
16
アボカドの種にぱつくり割れ目入りぬ。鉢植ゑせしより一月ひとつきあまりで
9
店名と ロゴが奇抜な パン屋さん 初めて行ったら 近々閉店らし
8
光跳ね茹だる此の海掻き回せ の青空に夜の差すまで
6
雨予報散歩サボりと思ったが降りそうになく散歩行こうか
6
新鮮が一番だよと励まされ野菜作りは草取りの日々
20
橋渡るせなを押したる海陸風ペダルを踏めば空飛ばんとす
14
そっと吹き 膨らませたよ 紙風船 やさしく打てば しあわせ跳ねて
18
自堕落な暮らしが生んだ苛立ちをそのままシンクに流して捨てた
9
退勤時 心だけ先に帰して ブルーライトの前にてくたばる
7
流れゆく景色 横目に 聞こえるは ハンドル握る 友達の歌
6
石川町 関内通って 桜の木 散りゆく浜を 横目に眺む
5
宇宙とは? ガキの頃から 考えて 得た結論は 考えちゃダメ
5
離乳食ひと口ごとに拍手してやがて忘れて要求増える
8
スマホでの困った事が出るたびに否応いやおうもなく覚えるデジタル
22
迷信に形のなきと丙午ひとりお七の眷恋けんれん思ふ [題詠 午 今年の出生数は微減ときく]
6
降る雨は自然の遊具だったのにカバンの傘を確かめている
6