細君さいくんを 見初みそめ十年 経ちにけり  天使に見える 魔法が解けぬ  
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桃色の艶やかな爪を鍵盤に走らせながらビバルディ「夏」
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包丁の通ったあとの まな板に 暮らしのあかし 静かに残る
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新生児 結んでひらく にぎにぎと 広い世界の手ざわりいかが
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朝霧の 煙る山里空遠く 鳴きたる主はホトトギスかな
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四年前死んだ親父と二年前潰れたツルハで落ち合った夢
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二度止めて助け求めしスタッフの視線を背中に セルフレジ三度
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タチアオイ 好きだと言った 亡き母の 笑顔浮かんで 会いたくなって
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図書館と公民館の雰囲気が変わっているんだ夏休みだな
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残光を風が静かにしまってく十九時空に余韻を残し
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蝉たちのお昼寝タイム街路樹は静まり返りギラつく太陽
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プチプラのリップ一本買うだけでウレシイわたしはまだ大丈夫
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枝豆の一粒ほどのバッタ跳ぶ 車の来ない夕暮時に
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楽しみを自ら捨てる原因が些細な事と知っていながら
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なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
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呼び出され金曜夜のカフェで待つまわりの席は悪魔の夜会
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雨の庭 打たれる葉草 俯きて 洗われしわが 幾年いくとせおり
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新視点 スローの猫はめちゃ可愛い 例えば私に気づく微動作
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健やかな ときも⋯病めるときにも⋯ 問われたら  イイエだなんて   言えないでしょね
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街灯の 灯り滲んで 息を吐く もうじき此処も 過去になります
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働いて汗水流す世は過ぎて 外にいるだけ汗は止まらぬ
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肝心なときに効かない薬ならいらない痛みだけ抱きしめる
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一日と また一日と 過ぎていく どうあがいても 止まってくれず
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土用なれば夏バテせぬやう三尺の隙間を見つけ昼寝をきめこむ
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ねえロミオ 喫茶店から出たあとのコーヒーの味みたいに死なせて
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近所の子ちょっと待てよがマイブームホリの真似か?それとも本家?
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窓越しにふわり漂う真相の瞬きに今硝子眺めて
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夏を引き延ばせ!は聞こえがいいけれど みんな水底に足がついてる
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腕と脛 脇を剃り剃り 冷えていく下半身だけふた季節前
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なくなって甘酸っぱさを思い出す梅シロップは恋に似ている
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