冬を越し 丸々太る新玉を 両手に抱え笑みこぼれけり 
28
前もって子を諭したら「歯医者しゃんで泣くかどうかはオレが決める」と
19
この浜の岬の先の灯台の光の先の夜の水平
15
振り返り 特別なこと 何もない 平穏な今日 それも特別
14
がらがらの電車であなた足そろえ リュックを膝に抱えてた午後
15
人の手は春巻きよりもホロホロで握るとすぐ砕けてしまうの
12
ハイデガーもキルケゴールもサルトルも 焼き鳥を塩で食うのでしょうか
10
いつか来る別れを告げた五時の鐘 風で動きつづけてブランコ
10
高校の 制服見せに やってきた 生徒の顔の その誇らしさ
16
失態に 腹をも切らぬ 政治家の 武士道語る 笑止なるかな
10
雨の日に野良猫ひとつ生垣へ 頭隠して尻は濡れおり
13
川縁かわべりのひとり歩きのひとごと過去と未来が交差する午後
19
不安感 迷い 停滞 孤独感 ぼくたちは今踊り場にいる
8
犬をまだ わんわんと言ひし 幼な日は 人のこころも 近かりしかな
9
歪みゆく 君と世界の 境界線 それでもそれは あなたのかたち
8
無機質な 地下駐車場 遠ざかる ヒールの響き 奏でるリズム
9
明け方に 寝相の悪い 子どもらを 元のカタチに 戻してまた寝る
7
逢えたなら また来る夏と あの夏を 一つの長い 夏にできるよ
12
台風の次の次の日曇り空野良仕事には良い日和なり
9
幼子の 一挙手ごとの 微笑ましさ 心和ませる 方法得ました
7
優しい人はかっこいいねファミレスで誰かが言ってた正しい言葉
6
階段の泥の足跡辿ったら先は理科室人体模型
8
紫陽花の 風薫る日に 衣替え 純白のシャツは 心も弾む
6
薪割りの斧に振られて尻をつき「今のは練習」誰もいぬ森
6
修理した網戸が戻ってきてしまい冷房つける言い訳が消え
6
朝の雲 くじらに見えて スマホ向け 今日もにわかの カメラマンなり
15
つゆ空に思はじ追はじ構へども心にかかる君が言の葉
6
植え替えて 枯れたかに見えたアロエ株 見事復活 底力見る
22
パンという 幸せ香る 誘惑に 負けて来週 健康診断
17
「失敗」と名のつく母は「成功」を愛した?花瓶はがらんどうのまま
8