Utakata
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息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
32
どちらでも 本気の顔が 見たいだけ 怒るにしても 笑うにしても
18
返信を提案される世の中に 何だか愛も薄れてくよな
11
宿とせし残りの花も散り果てて青葉の枝を渡る鴬
16
爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
18
屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
18
五月雨の岩根に沈む鳶一羽まなこ塞ぎて風を待つらむ
14
心臓の 裏の冷たく柔らかい 僕の住処に 風は吹かない
9
雨降りで外出せぬと決め込んでゴミ回収日も失念したる
9
私の軸を 根底から 覆す 君の底抜けの 自己肯定感
10
母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
15
街をゆく縁なきのひとの足もとに契りあぐねた陰が踏まれて
15
曇天を微かに染めてきえゆくは淡紅の透く暮れのひととき
8
新人と重ねる日々の空もよう不惑の文字の遠く霞んで
9
ここぞとばかりに口数多くなる付和雷同の金魚ぱくぱく
9
安心を欲してエーアイに添削という名のヨシヨシ求めてる
8
触れぬ距離 保ったままで 揺れる影 ブランコだけが 先へ進んだ
7
冷房の二十六度は涼しくて雨の二十度気疎げなり
8
髪の毛を乾かすついで冷風に夏を感じた夜中十二時
8
「また来週!」と手を振り帰る木曜日。老いには週休3日がよろしも
7
雨に濡れ 鮮やかさ増す山ツツジ 薄紅色に咲き誇るなり
16
右手から葉っぱが弾ける音がして静けさを知る雨のベランダ
17
寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
12
たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
15
闇を切る 流るる星に 祈りしも 君の帰りは 終ぞ叶はじ
7
夫
(
つま
)
が言う 「明日から歩く」ほんまかい お手なみ拝見 楽しみ増えし
15
街並みを真っ白にする涙雨 棺と同じ色をしている
6
「嬉しい」の受け止め方がわからない 否定で作られてきた「私」
21
お茶わんのクリームソーダにアイスは溺死す母不在の深夜一時
5
なんなんだ この寒暖差 温暖化? そうなんだって 韻踏んで
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