特別な魔法だったとありし日の祖母と作りしお盆のおはぎ
19
「いつ帰る」 今来た子らに まずは聞く 過ぎゆく夏は 瞬きの中
19
ひとりでは買うに躊躇う桃などを食わしてもらう実家の幸せ/帰省四日目
29
この月は七十年婚プラチナこんの祝いどき九十なかばに揃って達者
11
家に着き布団の上で力尽き 生きてるだけで褒めて頂戴
10
涼しさに トンボをみつけ 盆終わり いたるところで 小さな秋が
8
七屁八屁ななへやへこき出づる香と音はして山吹色の実の無きぞ良き
8
送り火を水面に灯す古都の夜 あまたの揺らぎ銀河のごとし
13
どんよりと諸行無常の響くごと 分倍河原の空は鈍色/古戦場、盆
13
歌詠めど 心揺さぶる短歌うた降りぬ 琴線震わす一首詠みたし 
11
また来ても来なくてもいいよこの窓はいつでもきみのために開くから
6
会いたくもない生者ものばかりまた集い 恋し愛猫あの子は帰って来ない
10
盆は二周 くゆる沈香 独寝の寡夫やもおの呟き 置いていくなと
6
水満々 田んぼの隣り 分譲地 あっちへこっちへ トンボ飛ぶ
17
「放置車両」「避難所閉鎖」「証明書」自治体メールまだまだ多し/「災害ごみ」「下水自粛」2日後
16
風鈴と思ってたけどきみが通るときにだけ鳴る なんのセンサー?
7
手の中のガラスが歪んでいるせいかあの子はいつも泣き顔ばかり
5
送り火が 燃え尽きた後の 淋しさに 写真を置いておく リビングに
5
君いないこのひと月の生活は穏やかなれど笑うこと無し
5
今夕も雨降りなれば順延し迎へ火なしの送り火ならむ
11
ひと夏の不思議はごうも変わらないかそけき位置に私がいること
8
天上の 高嶺の花に 手を伸ばす 凪待つだけの そんな日々から
4
束の間の盆に迎えし霊魂を また送りては帰る日常
13
もう一度あなたに恋がしてみたい月の渦中で夜明けを夢む
4
大好きな五山送り火に送られて大っ嫌いな夏がさりゆく
4
三日月が二つに見える時もある だから私は仙台が好き
4
兄弟の同音異義語が京大で姉妹にはない男女差別
4
かまぼこの賞味期限があの人の誕生日とかまだ思うんだ
4
数日間「いつも」を離れた人々を 電車は運ぶ「いつも」の中へ(夏休み終了)
11
盆明けて 人の業ゆく 万物は  変わらず今も 星霜を経る
9