Utakata
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炎天に低く
読経
(
どきょう
)
す虚無僧と
燕
(
つばくろ
)
覗く駅舎の
庇
(
ひさし
)
16
蝉時雨 父の病室 手に残るノブの冷たさ 扉の重み
13
語らひて食べるは楽しと言ふ義父を またもひとりの部屋へ送りぬ
12
コスモス
(
〝宇宙等〟
)
は
何処
(
どこ
)
にでもあり陽炎の跨線橋から見る隣町
9
墓前にて 腰まで茂る 夏草の その強き根は 祖母より継ぐや
10
早起きは三文の徳 二度寝する時間ができた これも三文
8
堂内墓 外暑すぎて お参り後 冷たい麦茶 喉にしみこむ
8
新聞の お悔やみ欄を一読す 欠礼なきこと吾の日課なり
13
歌の会次々欠けてこの葉月仕舞と決まる秋風のふく
7
死神と貧乏神は隅にゐて年金支給日けふも越えたり
7
喧嘩した その翌朝に 丁寧に コーヒーを淹れると 笑顔に戻る君
20
ドップラーシフトの軌跡をえがきゐるISSの信号を追ふ
8
掃除せば珈琲豆とカリカリと錠剤の出る隅と隙間と/台所
17
何釣るの? 集う野球帽
庇
(
つば
)
寄せて 青き風吹く 少年の川
6
よく寝てる友達にまた怒ってる先生の声 私も起きる
6
姉だから妹のため我慢する役割背負う三歳の肩
6
冒頭のノイズで黙る会議室 統合されないMeetのマイク
6
昼と夜上と下とで交代に蝉と蛙が鳴いてる真夏
18
湯上がりの
熱
(
ほて
)
りはどこか引きにくく 一度抱いた憎悪に似たり
22
三ヶ月ペルーで過ごしたナカムラは東京ばな奈を土産に帰った
11
空き時間 作れるように 工夫して なぜかできたら またすぐ埋める
6
高ぶりし心なだめる薫衣草青紫の風吹き抜ける
5
切り傷を負った私に大丈夫?とバンソコ持って来てくれた我が子
5
文月に薔薇咲きおれば秋桜もいつの季節かうちの庭先
5
角煮まん 贈った人が 角煮まん みたいになった ⋯って 私のせいじゃない
5
一発のどデカい夏をぶち上げる厚みを増したHOT LIMIT/『THE FIRST TAKE』より
5
ビール飲む君の望みで席をとる西陽が照らす赤煉瓦壁
5
おしろいの花の香りに惑わされあやうく死ぬる車道の端で
5
同窓会 有った事実を 知ったのは 最後の
級友
(
とも
)
の 通夜の時なり
5
目が合って、ハンドサインで (また明日) のぼり電車が 先に着いたね。
5
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