Utakata
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息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
28
たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
13
爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
14
右手から葉っぱが弾ける音がして静けさを知る雨のベランダ
13
母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
11
ほんたうのペアのグラスはすぐに割れかたわれづつを冷やす再婚
10
携帯扇手に取りスイッチ押してみる 去年の夏の電気が動く
19
屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
13
五月雨の岩根に沈む鳶一羽まなこ塞ぎて風を待つらむ
10
依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
11
どちらでも 本気の顔が 見たいだけ 怒るにしても 笑うにしても
9
光増す毎に緑陰濃くなりて葡萄畑の
蔓
(
つる
)
伸びてゆく
24
猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
12
寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
9
我が里の
児童
(
こら
)
が通いし通学路 熊鈴の音風鈴に似て
29
五月雨の 涼風すでに 心地よし 思いやらるる 風情なき夏
13
「嬉しい」の受け止め方がわからない 否定で作られてきた「私」
17
たんぽぽの咲いていたあのおうちは雨の似合う 弁護士事務所になりました
7
この傘が新品だからではなくてこの五月雨が新鮮なのだ
8
潮船の並ぶ泊りに老いの波けもの寄れども若人寄らじ
10
返信を提案される世の中に 何だか愛も薄れてくよな
7
心臓の 裏の冷たく柔らかい 僕の住処に 風は吹かない
7
冷房をつけてる部屋の片隅にまだヒーターが鎮座している
18
だからだよ ナースコールを 連打する 見舞いも来ない じじいが哀しい
6
闇を切る 流るる星に 祈りしも 君の帰りは 終ぞ叶はじ
6
新人と重ねる日々の空もよう不惑の文字の遠く霞んで
7
小糠雨肌にまつわる湿り気に 今年初めて扇子を開く
22
うたかたに投稿までが迷い道次の日読みてまた仕舞い込み
14
曇天を微かに染めてきえゆくは淡紅の透く暮れのひととき
5
夫
(
つま
)
が言う 「明日から歩く」ほんまかい お手なみ拝見 楽しみ増えし
13
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